そっかぁ……。
でも、偉いね。謝ろうと思ったんだもんね。
[彼の行いを咎めることはせずに答える。素直に悔い改めている彼をただ単純に偉いなぁ、と思う。レティーシャはふんにゃり笑むと、いつもされるように彼の頭を撫でて。]
(それに比べて、わたしは……。)
[今にも消え入りそうな声で語られる彼の病気は思っていた以上に進行していて、心が締め付けられるような痛みに襲われる。彼が明日居なくなったら、わたしはどうなってしまうだろうか。]
ーー自ら死を望む人なんて少ないよ。
[それだけ答えると困ったような、今にも泣きそうな顔を隠すように無理やり口の端を吊り上げて。何か言わなきゃ、と言葉の引き出しを漁って見るけれど、何も見当たらず。少しの沈黙のあと、レティーシャは彼を抱き締めた。本当は彼がしてくれたように包み込んであげたかったけれど、小さい身体ではそれは叶わずに。
結局、命の期限を知る恐怖や、死の恐怖を知っているからこそ、彼に無責任な言葉を投げ掛けることはしなかった。内心は彼が居なくなるのが怖くて、それを隠すのに必死だったけれど。]
(4) 2014/06/24(Tue) 13時半頃