― ループ2回目、回想 ―
[勇気を出そうとおもった。
秋山先輩がお辞儀をしたら手をふってくれたから。
あの真っ直ぐに立ち向かった白球のような女の子みたいに頑張ってみようと思った。
いや、それはちょっと大げさかもしれない。
実をいうとお祭りに誘うのは諦めた。
三年の皆と遊ぶなら邪魔をしないでおこうと決めた。
だからお祭りから帰る前に、少しだけ声をかけて立ち話だけした。
雑談がてら、秋山先輩の愚痴をきいた。よくわからないメッセージをいっぱい受け取って迷惑したりしているらしいこととか。誰も今日9月2日じゃなくてめちゃくちゃに焦ったとかいう話とか。話がそれただけだけど、たこやきの話とか。なんか、どうでもいいようなことを。
あたしはそれで嬉しい。
……でも。欲張りすぎなのはわかってるけど。あっさり三年生たちの輪のなかに戻っていく先輩に、結局なにも出来なかったようなものと思い知らされた。**]
(3) 2019/09/04(Wed) 00時半頃