― 2日目・E地区麺屋虎次郎前 ―
[背中の固い感覚を知りながら、瞬きを数度。
昨日も思ったことだが――これが死神とやらの仕業なら、何か恨みでも買ったかと思う程に待遇が悪い。
ホテルの一部屋くらいは用意して欲しいものだ。眠りについた記憶もないのだが。
生来の低血圧と、頭に走る鈍痛に顔を顰めながら、ゆっくりと身体を起こす。]
あァ――イテ、ンだよ、急に。
[確か、昨日はミッションの目的地に辿り着いたあたりで――記憶を探り始めた頃に、震える携帯。]
……アー、起きてっか、ガキ。来たぞ。
[声は投げかけながらも、顔は上げずに小さな液晶をスクロール。
と、チリチリとした軽い違和感と共に手の甲に浮かび上がる文字。
眉間に皺を寄せながらも、思い出すのは、ルールの一文。
――クリアすることで『ポイント』が貯まり、"いいこと"が――
ならば、ポイントがなければ悪いことが、と脳内補完するあたりが、男の捻くれた所である。]
(3) 2015/03/08(Sun) 10時頃