―回想・職員室前のこと―
[名前はわからないが、黒髪にヘッドフォンを首にかけた男の先輩。彼は揶揄うつもりだったのか、本気で忍者と思ったのか……いやどう考えても前者だろうけど。
そんな彼が去った後のこと。]
……ん?
[職員室の中の会話が、わずかに聞こえてしまった。
「試験の結果ですが」
「ええ、白国君と白夜さんですね」
「サポート役の子達がちゃんとやってくれているかな」
教師同士の会話の中で、試験で低い点数をとった……つまり、別棟行の人を知ってしまった。しかしそれよりも。『サポート役の子達』という言葉が引っかかって。
サポート役がいるのなら、早く言って欲しいものだが、そう公言出来る立場ではないのだろうな。一先ず]
白国先輩?って、俺しらねーけど
その人はサポート役ではないんじゃねーかなぁ……。
[ただの男の勘。しかし、それが嫌に当たるのだ。
変な鋭さがこの少年にはあったのだった。]
(2) 2015/04/18(Sat) 23時頃