[梅干しと山菜煮を取り出して、茶碗の米にくぼみを作り、其処へひとつまみ分落としこむ。
米で蓋をしてから、茶碗の端をとんとんと叩き、丸めて
其れから掌の上にひっくり返すと、力加減を入れつつ握り飯を作る]
出来た……。
[形はいびつになって、具がはみ出しているものの
一応食べられるものではある。
握り飯一つ握れなかった自分に彼女が教えてくれた作り方だ。
平皿に梅干しと山菜煮の握り飯を一つずつ盛り
出がらしのまま、湯を注いで茶を淹れて
自分が食べるよりもまず、錠の元へと運んでいく]
錠さん、食べられますか?
[疲れているのなら、無理強いはしない。
その握り飯はススムのものになるだけだ。
食べられるようなら見届けた後台所にとってかえし、同じように山菜煮で一つ握り飯を作って、頂くつもりだ。
少しだけ、石動を待って同じものを作ろうかと思うけれど
戻らないようなら、下手なままごと紛いは此処で終わる**]
(2) 2017/11/23(Thu) 01時頃