[誰も殺したくなんてないけれど、私たちが行動を起こさなければ犠牲になるのは皆無実の人たち。
だから、間違えていたとしても誰かを殺さなければ。
…「もしかしたら」それが人狼かもしれない。
私は廊下を歩いていた。こうして一人で歩いていると、案外この床はギシギシと音を立てるようで。
右手に持ったナイフの刃渡りはおよそ15cm、両刃の形状はナイフというよりもダガーと言ったところだろうか。
今夜は、恵さん。
一番口数の少なかった彼女。それはいつものことだけれど、普段以上に見えた。
…それに、本のページを捲る指先が微かに震えていたように思う。
わからない。わからない。わからない。
誰が怪しいのかなんて、私にはわからない。]
だから神様、お願いします。どうか彼女が、人狼でありますように。
[小さな声で呟く。歪んだ願いは、届いただろうか。
お花を摘みに行くと偽って一人で部屋を出て、1階談話室へと来ていた。
彼女は座っていつものように本を読んでいる。
後ろからそっと近づいて、]
(1) 2014/06/03(Tue) 00時半頃