ちょ、っと、
[抱えられて引きずられる。こんなぼやけた思考だけど流石に抵抗の意志くらいは少なからずある。不満げな声を漏らして、無事な方の腕で押し退けようとしたけど、結局ろくな動きも出来ないでずるずる床の上を足が滑っただけだ。
一瞬視線を落とした座らされたベッドのシーツもいつもみたいにただ真っ白なだけじゃなくて、奇妙な色をした染みが見えた。気持ち悪いなあ。
顔があげられるとすぐにそれは見えなくなったけど、どっちにしたって今度は壁の間際にまた違う物が見えるのだから辟易してくる。
本当に夢の中に行けたら、どれだけ良かっただろう。]
やだ。飲みたくない。
[考えが単調になってて最早これじゃただの駄々だ。
この症状が顕著になったのはたぶん、たしか、此処へ来た頃だったはずだから、目の前の兄が自分の様子を奇妙に思うのも当然ではあるんだろう。
今でも頻発するわけでもない。だから余計に薬なんて飲みたくない。]
(0) 2014/06/27(Fri) 09時頃