[——しばらくの後、今度こそダイニングテーブルにニコラエを落ち着かせることは叶ったか。
熱に浮かされたような高揚感を保ったまま、精一杯の持てなしをする。
ニコラエが持ってきてくれたビールとトマトジュースで、作り慣れてしまったレッド・アイを冷えたタンブラーグラスで振る舞い、また自らも味わった。
グラスで頬を冷やしながらニコラエを見つめ小さく笑う。
天井からさげられたランプの明かりが、揺らめいた。]
妙な、感じだ。
ハロウィンが繰り返さなきゃ、こうして話すこともなかったかもしれねぇな。
[吐き出す息もやはり、熱さは消えず。
グラスを頬から左の目元へとずらすと、熱さの原点がそこに集中しているような気がする。
これが、薬の副作用だろうか。
だが男はそれを隠したまま、さらに言葉を続ける。
徐々に緩慢に、途切れがちになりながらも。]
(+10) 2014/10/26(Sun) 19時半頃