303 突然キャラソンを歌い出す村4
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─ 保健室 ─
[黒い刃が揮っている爪にぶつかってギンッ、と弾かれる。その間にも腕を、頬を、足を細かく裂かれた。]
ッ
[こめかみ近くに来た攻撃を身体をしなやかによじって交わすも、額横が切れて血が垂れる。その黒羽を叩き落したところで、堕天使が放った波動が、派手な赤に周囲を染めて壁を抜けてどこかに向かっていった>>2:485>>2:486。]
───! ウドー!
[>>2:488 保健室のベッドに倒れる有働の姿に、咄嗟に叫ぶ。ただ、後に聞こえてきたのは、それまでとは雰囲気を違えた柔らかい歌だった>>2:489。]
(123) 2020/01/11(Sat) 01時半頃
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[歌い終えたヨーラの方は、ふりかえらなかった>>2。傍にはルイが──ジェルマンがついている。一度守ると言ったからには、仕事をするハズだと、阿呆のように単純に信じている。ろくでもない考えを抱いているとは、思っていない>>2:227>>2:228。
雑に額から垂れた血を拭いながら、ベッドに倒れた有働に駆け寄る。胸に耳をあてる。──心臓の音。息がある。]
…… よかったァ……
[実際に不安が拭い去られたのかは不明だ。ただ、有働の生存を疑わずに安堵の息を吐いて、番犬はベッド脇にへたり込んだ。幸い、連れて来られていた生徒の方も、無事に済んでいるようだった。]
(124) 2020/01/11(Sat) 01時半頃
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[保健室内はなんともひどい惨状だが、暴れていた黒い剣も消えて、いったんは落ち着いたかに見える。有働の生存を確認して立ち上がったところで白鳥が、こちらに駆け寄ってきた>>45。]
……!! こんくらいはへーきだ!
なっ、舐めておけば治る! 治るから! ホントだ!
[ダメだと言われたのに結局、ケンカをしてしまったと認識している犬は、あわわ。と少し慌てた様子を見せた。それでも、主人と定めた少女から逃げたいわけではない。
舐めておけば、というのも嘘ではない。実演として血を舐めとった部位の腕の傷は、瞬く間に目立たないほどに薄れた。
幸いにしてヨーラの頬の傷は、ルイの手で修復された後だ>>44>>55。頬舐めイベントの発生は防がれた。]
(125) 2020/01/11(Sat) 01時半頃
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[とはいえ、額の傷は構造的に舌が届かない。その点においては、消毒を大人しく受けることになった。
ただ、両手がぎゅっと包まれると、叱られない、と理解した後でも、動悸がはげしくなった。びっくりしたように目を丸くしたあと、些か落ち着かない様子でじっとしながら、その感謝の言葉を聞く>>45。]
ヨーラとウドーが、話すの、諦めなかったからだ。
でも。コトバが、伝わったんなら…… …… おれもうれしい。
今、このカッコで、良かった。 [犬の姿だったなら、コトバでは伝えることはできなかった。白鳥がそう言ってくれたから、前の姿ではなく、この姿で戻ってきたことに、意味が見いだせるような気がした。 褒めてくれるヨーラに、はにかむように笑って、照れ臭そうに歌う。]
(126) 2020/01/11(Sat) 01時半頃
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♪
今この瞬間(とき)があたたかいのは こころが その手に包まれているから
陽だまり 安らぎの場所 寝転んでお喋りもいいな
Repeat Repeat Call your name
君の名前を声に出して呼べる ただそれだけでしあわせなんだ
それだけでうれしいんだ
♪
(127) 2020/01/11(Sat) 01時半頃
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[歌っている間に大人しく手当を受けおえて、その白鳥の丁寧な仕事におお〜。と素直な感心の声をあげた。]
ありがとなっ
もうぜーんぜん痛くないぞ
[そういって立ち上がって見せる。姿かたちは変わっても、戦闘要員であることは変わらない。 元々が、ある程度ぶつかっても動けるように出来ている。]
(128) 2020/01/11(Sat) 01時半頃
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─ 保健室 ─
[保健室で起きた事態の収拾をつけようと入ってきた姿が動くのを、一周遅れで認識する>>39。]
歌爆発ってなんだ……
[謎単語だ。ガス爆発みたいに言われたが。しかし、犬には人間の常識がわからない。人間社会は複雑で難しかった。]
シャチョーは、それでわかるのか。 ただもんじゃねぇんだなアイツ……
[ひとりでそんな関心をした。すごいヤツらしい。そんなすごいヤツと会うキッカケを作ってくれた有働には、改めて感謝の念に堪えない。]
(141) 2020/01/11(Sat) 02時頃
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[二年前。犬のシロだったときに知っているのは主に、白鳥の家で会うときのレイのことだけだ。生徒会長だとか、学校だとか、コネだとか、そういうものの活動については疎い。なので素直に物珍しいものを見る目で見てしまった。
>>46 疑問形の視線がレイから来るのに、少し顎を引いて応じる。シロだ。とレイに説明するのは、迷わしかった。
天使候補から、外されたことを知っている。その後も近くにいた犬が、天使がらみだったと知ってレイがどう思うかを、測りかねた。]
………… そのケガ、舐めとくか?
[そうして──自己紹介を迷った結果、>>47 ヨーラに手当をしてもらっている傷を見て、ひと言そんなことをきいた。
治すか? という善意からだが、絵面とまっとうな人間のものではない存在の体液と接触してどうかという問題は当然のように考慮されていない発言だ。]
(142) 2020/01/11(Sat) 02時頃
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─ 保健室 ─
[指をぐっと握って開いて、動きを確かめる。損傷は損傷だが、見た目に傷は残っていないし、動くのに支障もない。借りた制服は数時間も持たずに、しっかり裂かれた傷が残ってしまっていたが。] ふふん、なんかあってもいいよーにって ちゃんと頑丈にしてもらったからな。
ヨーラの傍に来るのに カンタンに壊れらんねぇだろ。
[>>131 座り込んだままのルイへ、得意げに胸を反らす。]
ただ…… またすげぇ腹はへったな…………
[とはいえ、結局、消耗は消耗だ。その分は外から取り入れる他はない。肉体がある以上、現状、その手段は食事ということになる。]
(165) 2020/01/11(Sat) 03時頃
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[保健室内には、レイの他にも生徒が複数人顔を見せている。そのあたりについては、繰り返しになるがお役にたてることはない為、基本的に流れに任せるまま、自分からはノータッチだ。
>>132 アメイジング。とマイクから人型になった存在から声をかけられて、おう。と気軽な返事を返した。こちらは機能ではなく、なんとなく自分と似たようなモノなのだろう。というカンでの把握でしかないが、仲間っぽい。という粗雑この上ない理解の仕方をした。]
腹具合以外はなー オマエは?
[特に損傷を受けては見えないとは思いつつ、まじまじと白鳥と一緒に周囲を手当てしてまわっている真っ白いのを見つめた。]
(166) 2020/01/11(Sat) 03時頃
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─保健室─
[白鳥を介してだが、なんとなく流れで共闘したような仲でもあり、敵意を向けられているわけでもなく、このマイク──だった白いのは、先ほどヨーラと友達になっている>>71。特に反発する理由もなく、青年姿の方でも、受け入れることに特段の抵抗がなかった>>169。] そうだな〜… まぐろ缶とかぜいたくいわねぇし カリカリでいいから なんか腹にいれてぇ、おれも……
福音? お、おう。なんだ、 でも、急に褒められると照れるな。 ありがとな。
[空腹の解決には頷いて、福音がなんのことだかわからないながらに、褒められたと認識して、やや照れて後ろ頭を掻いた。] そういうこともあったのかもなあ。 おれも、なんかオマエの声 すっげえ、懐かしい気ぃするし。 [奪還作戦の目的物が何だったのかまでは知らない。知らないまま、ニッとてらいなく歯を見せて笑った。]
(176) 2020/01/11(Sat) 04時頃
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きつね・うどん 。
なんかあれだな 飯の名前聞くと 余計に腹が空くな……
[>>169 しみじみとしてから、フルパワーだというイースターに頷いた。]
(179) 2020/01/11(Sat) 04時半頃
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─ 保健室 ─
だな! たまねぎ以外ならだいたい 何でも食えっけど、まぐろはすげぇご馳走だ。 じゃ、見つけたら教えてくれな!
[犬の餌と人間の糧どちらでもカモンの構えで、元犬の青年は、イースターの言葉をまるっと肯定した>>184。 似たような生まれで、昔に同じ場所にいても、存在を認識していたわけではない。ただ、それでも、ふと足を止める何かがあった>>2:25。]
そうか。…… 前のおれも似たようなもんかもなァ。 号令に従うことはあっても、 自分、とかよくわかっちゃなかったし。
おれはオマエのお役目、いーなって思うけど 広げるのって、他の声なんだもんな?
(196) 2020/01/11(Sat) 05時半頃
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…… じゃ、きっとおれ達はつまり お互いに特別ラッキーだったってことだ!
おれ、オマエとこうやって話せてるの、 うれしいし!
[イースターの笑みを見て、単純な単純な連結をした青年は、笑みをくしゃっと深めた。]
(197) 2020/01/11(Sat) 05時半頃
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>>185
空いた!
[ヨーラの言葉に手を挙げるような勢いて、ぱっと期待に満ちた顔がそちらに向けられる。 対話中のイースターの口から、名前の登録についての話が出れば、本名を遠くに投げ捨てている元犬は満足そうに頷いた。]
あってる。 オマエの名前は、イースターでいいんだよな?
きつね・うどんも食えるんなら、 食ってみてぇなァ! 素晴らしいって美味いってことだろ? [短絡に繋げた理解を口にして、は〜〜〜〜〜。と猶更に減ってくる腹をさすった。]
(198) 2020/01/11(Sat) 06時頃
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[そんな風にイースターと会話をしている途中で、茫然としていた少女から声が上がるのに>>188、ん? と首を傾げた。]
おれは天使じゃない。番犬だ。 いまはヨーラ専属な!
[なぜか専属のところで、ドヤ顔で胸を張った。]
(202) 2020/01/11(Sat) 06時頃
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[と、かように部屋の惨状とけが人の数に比べると、暢気な会話を交わしている間に、桐野ともう一人が顔を見せる。あ! とそっちに顔を向けたところで、腹を押さえる様に何かあったのかと驚いた顔をした。]
!? ソウ、腹どうしたんだ? 大丈夫か?
[あちこちから心配の声が上がるのと同様に腹を押さえる様子に声をかける。といって、何ができるというわけでもないのだが。外傷がスキャンできるイースターよりもできることがない。]
ホントか、ノアも気になっ
…………? ……???
[>>200 のあ。と桐野が呼ぶのに、隣にいるスカート姿へと視線が移った。]
(203) 2020/01/11(Sat) 06時頃
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[桐野と一緒に保健室に来た、髪が長くてスカート姿で化粧品の匂いを纏わせた顔を見る>>192。>>194 丁度視線がこっちに来ているタイミングだったために、視線が合った。]
……………… の、のあ……?
[恐る恐る呼んでみた名前は、とてもとても疑問形だった。 だって、二年前までのシロの記憶の中の「ノア」は、男の恰好をしていたのだ。その前の姿と、今の姿が、すぐにはつながらない。犬から人間になったヤツが言うのもなんだが、『シロ』にとっては、大、大、大変身だ。]
(204) 2020/01/11(Sat) 06時半頃
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えっ!??? ノアって、あのノアか!? !?!? !?!?!?!????
な、名前が同じだけか!????? アレッ エッ
で、でも声と匂いがノアだな!?
[此処に来て、一番の取り乱し様だった。外見は繋がらないのに、匂いや声や、よく見ればちゃんと面影がシロのときに見知ったノアだと伝えてくる。]
な、なんでオマエ、そんな
スゲーめちゃくちゃかわいくなってんだ!?
[空腹も一時、完全に彼方に消える衝撃だった。]
(205) 2020/01/11(Sat) 06時半頃
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[これから食事をとるのは規定路線だ。動くなら、諸々を解消してからだ。空腹を抱えての連戦はキツイ。最優先事項は食事だ。なので、この場を動くべきだ。身体の方は、問題ない。が、]
ソウ……、今おれは、 すこしこんらんしている……
[>>201『元気は大丈夫』だが、衝撃度は大きかったらしく、食事に向かう道中に、頭を抱えた犬からは、そのように進言があった*]
(206) 2020/01/11(Sat) 07時頃
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─ 回想、保健室 ─
[お互いに見た目が変わった二年ぶりのノアとの再会は、困惑、混乱、大混乱からの開始と相成った。 >>258>>259 見た目は可愛い女子なのに、声や仕草や、行動は完全にノアだ。理解してもらえてよかったという安堵よりも、状況をのみくだす方に苦労してしまった。]
そ、そーだけど! シロだけど! !? きゃ、きゃぅん!?
[声を上げて笑っていたノアから手が伸びてきた。わしゃわしゃっと撫でられて、驚いた声が上がるも、すぐにふにゃっと力が抜ける。気持ちよさそうに瞼がとろんと眠たげに落ちた。]
わふ、 くぅん……♡
[長年のつきあいからきている知識と、そのテクニックに抗えようハズがないのである。一瞬で脱力して、人間姿の犬は、撫でやすいようにしゃがんで完全にされるがままになった。超速でめっろめろにされている。]
(328) 2020/01/11(Sat) 22時半頃
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[コイツ、ノアだ。間違いないな──!
という、叫びはめっろめろにされていたので、声にはならなかった。 ノアの行為は、シロにとっては読めないもので、予測ができなかったために、よく驚いたり困惑したりはしていたが、イジワル、という認識にはなっていない>>258。 それよりも記憶にあるのは、よく遊んでくれたことと、おやつと、この撫でテクニックだった。] …♡♡♡
… … …はっ!? よ、よーらぁ! ち、ちげぇから! 浮気じゃねぇからな!
[腹を見せて床に転がりかねない勢いを見せていたが、はた。と正気づいたらしい。主人の方に顔をぱっと向けた。背も高い黙っていればワイルド青年は、犬のときもそうだったように、あからさまにオロオロとうろたえながら、主人を変えるわけではないので、浮気ではない。と主張した。]
(329) 2020/01/11(Sat) 22時半頃
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[そんな状態をお見せする一幕もあり、ハロウィンから騎士ではなく番犬であると見なされたのは、なにも無理もない話だったと言えよう>>213>>218。
当然、レイにも、自分がシロだと白状をすることになった>>237。]
…だっ だいじょうぶか?
[動揺が見られたのに、どきどきとしながら声をかける。傷の手当を、断られたのでしていないのもあるが、少し、彼女には、負目のような感覚がある。強く出られず犬が家の人間の周りをうろうろとするような態度になった。]
…… レイも、ひさしぶり、だな。
ん。もちろんだ。 おれは、そのために来たんだからな。
(330) 2020/01/11(Sat) 22時半頃
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[また、どうやら、怜とヨーラは、ハロウィンの家にいくらしい。]
?? おれの家はないけど、 ヨーラについてっちゃダメなのか?
おれ、休むんならひさしぶりに ヨーラに膝枕してほしい!
[なお、ノアに家はあるのかと問われた元犬の無邪気な回答がこれである>>266。そして、当然、下界に滞在できるような家はない。そして、残念ながら二年前まで犬だった魂に、男女だからわかれなくてはならないどうこうという意識はなかった。]
(331) 2020/01/11(Sat) 22時半頃
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うぅぅぅう、きょうヨーラにあって まだちょっとしか傍にいれてねぇんだぞ!?
どうしても男子会と女子会の一緒がダメなら ヨーラたちの部屋のとなりはダメなのか!?
[犬は経済がわからぬ。そのため軽率にマスカルウィン家の財力に頼りきったダダをこねたりなどもした。
とはいえ、ダメなものはダメと言われれば、従う程度の躾はすでに犬の時点でもなされている。]
ぐぬ……常識め……
[恨みがましい声をあげても、概念はぶんなぐるわけにもかみ砕くわけにもいかないので勝てない。どうあれ、人間になった家無し犬は、宿を提供してくれるというノアとひとまず行動を共にすることになった*。]
(332) 2020/01/11(Sat) 22時半頃
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─ 夜、夕食後の話 ─
[とにもかくにもノアについていった先の家で、代金の出所を関知せずに、出された食事を、きつね・うどん他、遠慮も呵責もなしに大量にかっくらった犬は、満腹になると暫く床で仰向けに大の字に寝転がっていた。]
…… ソウ。
[やがて、一時、会話が落ち着いたくらいの頃に、むくり。と身を起こして、桐野の名前を呼んだ。立ち上がりはせずに、胡坐をかいたまま、桐野の方へ正面を向ける。]
今日は、ありがとな。 いっしょに、ヨーラが天使になるの、 反対だって言ってくれて。
[そんな風に礼を言って、犬だった青年は、昔馴染みに笑いかけるように表情を崩した。]
(370) 2020/01/12(Sun) 00時半頃
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おれが、ヨーラが天使になるのはヤダって言っても、 人間がどう思うかはわかんねぇと思ってた。
[そう、ぽつぽつと話すときには、これまでになくまじめな顔になる。喜ばしいことだとして、送り出す可能性もある。そういうケースをきかないわけではない。少し視線は俯いた。]
それにおれは結局、所属は天界側だ。 だからもしヨーラが天使にならないって 言ってくれても。その後、 ずっと、傍にいられるわけでもねぇ。
今回、おれが帰って来たのは特例だ。
堕天使とか悪魔とか…… 色々、落ち着いたら、 そのまま、離れることになる。
(371) 2020/01/12(Sun) 00時半頃
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だから……これから先も、 人間のヨーラの傍にいてくれるのは、 ソウや、ノアの方だ。
[空から一時的に帰ってきた犬は、男子会にいる白鳥の幼馴染の二人の顔をじっと見つめた。桐野の変調には、気づいていないまま。内心の物思いにまでは想いが至らないまま、両手をばっと床につく。]
……ふたりを巻きこんじまうのは悪ィと思う。
でも、ふたりには暫く力を貸してほしい。 それで、それでこれからも、 ヨーラの傍に、近くに居てくれ。
…〜頼む!
[そうして、ごんっと音をさせて、床に頭をぶつけた*。]
(372) 2020/01/12(Sun) 00時半頃
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─ 夜、乃束家男子会 ─
[白鳥の幼馴染二人に頭を下げた一時帰宅の番犬は、顔を上げて、ソウからの言葉にううん。と唸った>>393。]
駆逐かぁ……
できたら確かにおちつくんだが、 アイツら、 後から後から出てくるからな……
[掃いても掃いてもなくならない落ち葉を見るような言い方になった。今に限っては、敵意より、嫌悪より、疲労の色が濃く出た。]
(417) 2020/01/12(Sun) 02時頃
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[そうして、男子会に三人が残ったところで、>>398 桐野が話を切り出した。滔々とした告白と、その先に腰が浮いた。]
な ……
[>>400 シャツをまくり上げた桐野の肌には火傷の跡と、羽根が生えていて、愕然とする。開いた口からは、声がすぐには出なかった。唇だけが戦慄く。]
(418) 2020/01/12(Sun) 02時頃
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なんっ で、ソウの背中に羽根があるんだよ!!
…! あのときか? ウドーの身体つかってたアイツに 何かされたのか!? だって、だって、ソウはフツーの人間で…
[現実を拒否したい気持ちが先だって喉を吐く。桐野は普通の人間で、だから、だからこの先を頼もうと、そう思ったのに。]
……〜〜〜〜〜!!
[ぐしゃりと自分の銀色の髪を押さえるように握りつぶす。]
(419) 2020/01/12(Sun) 02時頃
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♪ 落とした果実を踏みつぶしちまった 目はあいてるのに 見えちゃなかった
目ん玉ふたつくっつけといて ガラス玉よか役立たず そりゃオマエさあ あんまりな話だろ
嗚呼 覆水盆に返らず 今 おれなんて言った?
放った言葉のナイフは戻りゃしない この世の摂理でコミュニケーションは大失敗
always Crack&Burst!
節穴野郎にゃ この世はサプライズだらけ 地雷原だ 気をつけても吹っ飛ぶ計画
ホラみろ また蹴っ飛ばした!
(455) 2020/01/12(Sun) 04時頃
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失敗 失敗 大失敗! ブザーが鳴って ようやくそれで気づくんだ
なあ 今 おれなんて言った?
♪
(456) 2020/01/12(Sun) 04時頃
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─乃束家、男子会─
[我知らずに、立ち上がったまま、口元を押さえる。そうだ。今、今さっき、自分はこの秘密を抱えていたソウに対して、どんな──どんな頼みをしたのかを、振り返る。普通の人間として、ヨーラの傍にいてほしいって、そんな願いは、とっくにもう叶わなくなってたのに。]
───〜… ソウ…
[これから。──これから>>401。すぐに答えなんて出せなかった。ヨーラの未来に、願うことはある。自分のコトだったら、自分で納得させることはできる。
だけど。桐野の気持ちを切り捨てろなんて簡単には言えなかった。 だって、傍にいたいって単純な願い事なら、自分にもわかる。その単純で小さな願い事が叶うことがどんなに嬉しいかも、もう知っている。]
(457) 2020/01/12(Sun) 04時頃
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─ 乃束家 ─
〜〜〜っ
[普通に、これまでどおり、三人が三人のままで。願った、期待した昔の延長線の未来図には、ならないのかもしれない。ぎゅっと奥歯を噛みながら、声を絞り出した。 >>465 そういうこと。と言われても、納得などできようはずもない。]
〜 ソウは、殺されてぇのか?
……〜違うだろ。
[だって、さっき、願われていたワガママは、生きてなきゃできないことだった。]
(469) 2020/01/12(Sun) 05時頃
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─ 乃束家 ─
待つよ、待つけど、そうじゃなくて、 ……
[>>467 そんな顔。と言われて、自分の顔に手を当てる。眉間には深いしわができていたし、眉全体が下がるように力が入りっぱなしだ。口だって、への字に曲がっている。]
〜 なあ! それ、羽根! どうにかひっぺがせないのか!? 焼いてくっちまうとか…
わかんねぇけど! ソウだって、 天使になりたいとかってんじゃ 別に、ねぇんだろ?!
(474) 2020/01/12(Sun) 06時頃
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だって、 …だって、こんなのってないだろ! ノアとだって離れ離れになっちまうんだぞ!
[無茶苦茶を言っているって自覚くらいはあった。ただ、嫌なことを嫌だと言っているだけだ。けど、一度滑った口が止まらない。ここに行きたいって予想図が崩れてしまって、どこに行ったらいいのかわからなくて、焦燥感が腹をじりじり焼いてくる。]
ワガママいうなら、さっきみてぇなののほうが ずっとずっとずううううっといい!!
〜〜〜 ヨーラの傍にいるの、 諦めんなよ……っ
[こんなのは、エゴもエゴ、勝手も勝手な言い分だ。でも、でも。桐野に、ワガママを諦めてほしくないだけだ。諦めさせたくなかった。]
(475) 2020/01/12(Sun) 06時頃
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