218 The wonderful world
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― 2d/ヨミフクロウ手前あたり ―
[『お外は怖いことがたくさんあるから気を付けなくちゃね』 ママはそういっていたっけ。何だか懐かしいような気持ちになって目を細める。]
にいは、……お友達、居るの。 ……すごい、……すごい、ね。 『世の中にはたくさん悪い人が居るから、信用する人はちゃんと見極めなさい』って……ママが、言ってたよ、……わたしには、――むつかしかった。
[ぽつりと呟いてはぎゅむぎゅむと兄へ触れる手に力をこめてみたりみなかったり。自分なりの労いを。]
えへへ……そう、だよねえ、 ……“知り合い”、程度なら……電脳空間の海に、……たくさん。居るよ。
(12) 2015/03/10(Tue) 10時頃
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[そうして呆れた様子の兄には僅かながら苦笑を浮かべてから、いつも通り平坦な声色で言葉を。その表情は無表情に見えるかもしれないが、本人はとっても真面目な顔をしているつもり。 流石にニートを拗らせて悲しい生活を送っていると思われるのは切ない。せめて真っ当なニートライフを楽しんでいたことを主張するくらいは、ママだってきっと見逃してくれる筈だ。
そんなことを話しているうちにヨミフクロウは見えてきただろうか。見えてきていたのであれば、前日ように一目散に駆け出し、何もないところで一時停止――地面に倒れ込みそうになったものの踏みとどまる、という成長を見せ。一度兄の方へ振り返ってから口元を緩めフクロウの羽のあたりをしきりに撫でるだろう。]
(13) 2015/03/10(Tue) 10時頃
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……。 ……いきたいところ。
[そう問われて、きょとり。 ゆるりと呼吸と瞬きを繰り返しながら、まるで石のように固まればときおり唸り声を。 お部屋にいた時は外の世界で見たいもの、触れたいもの、経験したいこと、たくさんあった、筈。良い意味でも悪い意味でも私自身は真っ白で、それを色んな色で染めたいと思っていた、気がするのに。何故だろう――今はそんな気持ちが湧くどころか、どうしたい≠ニいう意見さえ無くて。]
…………、 …………わかん……ないや、
[長い、長い空白の後。 ようやくそれだけ搾り出せば指差された先に視線を向けながらにいのいきたいところはないの≠ニ問いをひとつ投げ掛けて。]
(175) 2015/03/11(Wed) 17時頃
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[長い、長い空白の後。 ようやくそれだけ搾り出せば指差された先に視線を向けながらにいのいきたいところはないの≠ニ問いをひとつ投げ掛けて。]
かちく…………、にわとり? …………ケン太くん、フライドチキン。
[自身もメールに目を通しながらミッションを解こうと連想ゲームをしてみるものの、フライドチキン型の敵など存在するのか、と首を捻りながら。]
ケン太くん、……襲ってくる?
[おずおずと、恐らく一度はケン太くん人形を目にしているであろう兄に問い。未だ目にしたことのない未知の生物ケン太くんに言い知れぬ恐怖心を抱き、そろりと兄の服の裾を引いた。]
(176) 2015/03/11(Wed) 17時頃
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……けんたっちー。 ……、……サイが、……おいしい部位。
[ヤホーニュースで知った知識を自慢げに呟くと拳を固く握りしめ、こくりと一度頷く。 最近は部位の交換になかなか応じて貰えないことまで情報は掴んでいる。 もしもケン太くんと戦うことになったらきっと必要な知識だと力強く付け足し。]
(234) 2015/03/12(Thu) 02時半頃
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にい。 にわとりが……そのまま襲ってくるとは限らない、――そうでしょ? 相手は……ノイズ……何が起こるか、分からない……よ、
[人差し指をぴっと立てると同時に]
ほら……考えてみて、……ケン太くんも、ケンタッチーの……家畜。
[そう言い放てばお世辞にも強そうには見えないジャブを軽くして見せ。]
――……、 伊達に……ゲーマーやってないよ?
[流石だと褒めてくれる兄にひとこと。 謎解きが専門分野ではないのはこの際伏せておこう、言わなければきっとばれない筈だ。 今はケンタッチーの前にドスを持って佇むチキンキング、通称チキングの討伐が最優先。 思えばここ二日観光していなかったわけだが、真エンディングを見るというゲーマーとしての目標は忘れていない。 その為にも目的地へとつれって行ってくれる兄を急かしつつ、その後を追うだろう。]
(235) 2015/03/12(Thu) 02時半頃
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……ふっふん。 ……無知は……ぎるてぃ。
お・し・り……またの名を、ヒップ、 通称で言えば……臀部。一般的に言うなら――尻児玉。
[胸を張って得意気に解説を。 この推理が間違っていることなど考えておらず、気分は東進ロースクールの講師だ。 今にも“何時食べるの?”“今でしょ!?”と自問自答しそうな表情なのだが、きっとフードのせいで兄には伝わらないだろう。 残念だが仕方ない。]
……で、にい。 刃物相手には……あれ。 ……ジャンポSQ……がいい。
[ケン太くん、凶悪的な身のこなしで鶏という鶏を捌いてきた彼を倒すのは至難の業。 戦闘することを仮定すれば兄の身が心配だ。]
(239) 2015/03/12(Thu) 03時頃
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死神さん達……本気で、わたしたちのこと……消そうとしている、んだね、
[まじまじと呟けば、“ため息交じりに3日目だもんね”なんて目を伏せて。 既に犠牲者は出ているのだろうかと考える。そんな人が居るのなら、尚更頑張らねばなんて心で奮起し。]
……にいが、居るからミッションクリア出来るんだよ……? 戦闘も、……地理も、にいが居なかったら、何もできなかったもん……
[もう既にミッションクリアした気持ちで照れながら呟けば、より一層フードを深く被った。]
(240) 2015/03/12(Thu) 03時頃
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……だ、だれが……らっきーすけべ、なの? それに……わたし、……にいのへやのベットの下にヤクロトレディーのおねーさんが肌蹴た服装で変なポーズをしている表紙の本があるの知ってるもん。
[盛大な聞き間違いの後、指で小突かれた額を撫でながら早口で呟く。 実際兄の部屋に侵入したことはあれど派手に漁ったことは無く。 本当にヤクロトレディーがいるのか分からないけれど、思春期のメンズが疚しいものを隠すのはベットの下だと相場が決まっているのはヤホーニュースで習得済み。 きっと次の瞬間には慌てふためき、無様な姿を晒してくれるだろうと無い胸をどきどきさせて思う。 人のコンプレックスを茶化してはいけないんだよ、って。]
きっと……ケンタくん対策。 ……7つのボールを集めて……ケン太くんを封印しようといているんだと、思う……、
[但しそれもまた修羅の道。 “がんばるねえ”なんて感想を漏らすと、その音を耳にしながら]
(244) 2015/03/12(Thu) 04時半頃
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以前その道を目指した歴戦の勇者は……、 亀に弟子入りしたり……フュージョンしたり……、 ペッコロ大魔王の、息子と戦ったり……してた……、
ケン太くん、倒すのくらい……大変……、
[間違えた推理を繰り広げて。 どちらが大変なのか、なんてことを兄に聞き。 無知な兄に大きな大きなため息を。]
ジャンボちがう……ジャン“ポ”……、 ――にいは……週刊少年ジャンポを、……知らないの?
(245) 2015/03/12(Thu) 04時半頃
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[正気か?とでも言いたげな声色。 少年、いや人間ならば一度は通る道だと思っていたのだ。 “友情、裏切り、土下座”その三原則は最早常識だと思うくらいには認知度の高い雑誌だと。 そう信じていたのだ。]
……スペアは、ないよ。
[仕方がない、と首を横に振れば軽く服を捲りあげてキュロットとおなかの間に挟んでおいた生温かなジャンポSQを差し出す。 きっと後衛の自分が持つよりも、近接攻撃を使う兄が持っていた方が有益だろう、と考えつつ向かうはB区の方面。]
(246) 2015/03/12(Thu) 04時半頃
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― B区/ケンタッチー前 ―
……ん、……目標補足。 周りに死神さんは……見えますか、……オーバー。
[兄の影に隠れてひょっこりと顔を出し、白スーツの悪魔を見やれば“噂通り手ごわそうだね……”と神妙な面持ちで呟いて。 三日月を浮かべる口元が如何にも“数々の鶏の肉体と魂を切り取って来ましたー”って感じに見えると一度兄の背中にぴっとりと隠れ、小さく震える。 だが兄曰く、ケン太くんは動いていないらしい。はて、と少し首を傾げながらほとんど当たっていない推理を繰り広げる。]
……敵を、感知したら……動くのかな……? それか……、ケン太くんと鶏のノイズが……フュージョン、するの……かな、
[どちらにせよ、兄の言う通り今がチャンスなのは間違いない。 こくり、と一度頷くとそっと親指を立てて見せる。 それが無駄なやり取りだとは微塵も思っていない。 これでも一生懸命ミッションに取り組んでいるのだ。――全ては、ゲーマーの意地の為。]
(247) 2015/03/12(Thu) 04時半頃
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殺られる前に……殺る……、 これが基本……でも――。
[何も用意しないのは心配だ。 大抵凶悪的に強い敵には何かしらの弱みがあるものだ。 魔王で言う勇者の剣であったり、吸血鬼で言う十字架出会ったり……。 特定のアイテムを装備することによって戦闘が楽になる例はゲームの中にたくさんある。
何も言わずにケンタッチーの店内に駆け込むと、数分とせずに今にも跳ね上がらん勢いでまた兄の後ろへ。 両手にはほっかほかのケンタッチーフライドチキンのドラムの部分を2本ずつ持ち、]
(248) 2015/03/12(Thu) 04時半頃
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……はい。…………あげる。 サブじゃ、ないけど……2番目に美味しい部位……、 これで、ケン太くん……倒せる、かも。
[ぐぐぐっと右腕を兄の方で伸ばす。 “サイのほうが戦闘力強そうだと思ったんだけど、交換やっぱり断られた”と小さく肩を落としながらも。]
さ。……覚悟を決めて、……いこっか。
[そう促すときちんと目標は見失わずに、もう一度白スーツの動向を窺った。]
(249) 2015/03/12(Thu) 04時半頃
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/* あれ、シリアスが迷子だぞ……
(-95) 2015/03/12(Thu) 04時半頃
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/* というかこいつ等ケンタッチーでしゃべりすぎ……
(-96) 2015/03/12(Thu) 04時半頃
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