60 ─昨夜、薔薇の木の下で。
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…おい。
ちょっと待てシステム。また赤ログスタート、っすか。
今回こそは白ログスタートで襲撃されたかったの、に!
(-8) 2011/08/03(Wed) 00時半頃
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[風は次第に弱まっていくようだった。 窓の向こうを見る視線は、何かに魅入られたかのように。]
…あんなの、迷信だ。 そんな事起こる筈なんか無い。
[思い出したのは、もう何年も前に聞かされた、オカルトめいた言い伝え。
薔薇の木の下で…
そんな話におびき寄せられて、蝶のように蜘蛛の糸に絡められたことも。 きっと売られたのだろう。騙されたのだろう。 その場所に居たのはメモをくれた彼じゃなく、上級生達で。]
(18) 2011/08/03(Wed) 01時頃
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[疑うことを知らなかったあの頃の自分が痛みと引換に覚えたのは、 己の愚かさと、肉体に刻まれた快楽。 いくども耳元で囁かれた愛の言葉に、頷かなかったのは精一杯の抵抗。
あれ以来、自分は賢く慎重になったのだと思う。 授業料としては、失うものが大きかったけれど。]
(19) 2011/08/03(Wed) 01時頃
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…その話はやめろ、ヘクター。 そういうの、好きじゃない。
[自分の身を抱くようにして言った言葉には、荊棘のような棘が混じっていたかもしれない。]
(20) 2011/08/03(Wed) 01時頃
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…薔薇の呪いで、結ばれるだなんて……。
[信じない。だってあの時も…そんな事は起こらなかったのだし。]
(*1) 2011/08/03(Wed) 01時頃
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…仕方ないだろ、雨降りなんだし。
[ため息ひとつ。 天候に左右されすぎる体調を我ながら厄介だと思う。 薬が効いていればだいぶ楽だけれど、それでも普段通りにはいかない。
級友をギロリと睨みつける視線は、余裕が無いが故の威嚇なのだろう。]
(25) 2011/08/03(Wed) 01時頃
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…あ、足元気をつけて……
[転げるように逃げる小動物…もとい下級生を、心配そうに見送った。]
(26) 2011/08/03(Wed) 01時頃
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…嵌められて、ハメられたわけだ。(うまいこと言った顔)
(-20) 2011/08/03(Wed) 01時半頃
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…あぁ、タチの悪い迷信だ。
[まだ不機嫌そうな様子で、否定的な言葉を紡ぐ。 薔薇の精に狂わされるなんて、そんなことがあってたまるか。
だって、あの中庭の薔薇の香りは…]
おい、ヘクター。 お前が風邪引く分には全然構わないが、ノックスには伝染すなよ?
[くしゃみを連発する様子に、苦い顔。 お互い保健室の常連だったから、彼のルームメイトが病弱なことくらいは知っていた。]
(46) 2011/08/03(Wed) 02時頃
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…ったく、ディーンも遅いな。 ミイラ取りがミイラになったんじゃないだろうな。
[なんだかんだで、自分を気遣って代わりに様子を見に行った後輩が心配だったり、中庭に姿が見えたヨーランディスもしんぱいだったりもあって。
闇に慣れた目で歩き出せば…]
…何してんのさ、サイモン。 [さっきの小動物をからかってる姿に出くわすか。]
(55) 2011/08/03(Wed) 02時頃
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別に関係は無いが、嫌がってるのに無理強いするのは個人的に好きじゃない。
[ジョージの拒否の言葉を受けて、そう返す。 黙っていられなかったのは自分のトラウマの所為なのかもしれない。]
そうやって、恐喝するようなやり方もな。
[正常な思考の今はまだ、そんなやり方は最低だと思っている。 意識の奥底で、仕返しのようにそんな風にしてやりたいと思っている部分があることなど、自覚してはいなかった。]
(62) 2011/08/03(Wed) 02時半頃
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ただのイジメだろう。
[愛がなさそうだというその言葉には同意するけれど。]
…あっ、こら。
[何か持ち去られたようだったが、そこまでは暗闇で見えず。 とっさに手を伸ばすけれど、サイモンに届きそうにはなかった。]
(69) 2011/08/03(Wed) 02時半頃
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…そうか、じゃやっぱり……
[目に焼き付いているのは、嵐の中、薔薇園に靡く長い銀髪。
自分の色あせて斑な灰色のような髪とは違って、あの下級生の髪はつややかだった。
その名を覚えていたのは、先日彼に言われたから。 「貴方に憧れて、髪を伸ばしたんです。」
そんな好意を、素直に信じる事は出来なかった。 裏があるに違いないと疑って、無碍に返したのは過ちだったのだろうか。]
(72) 2011/08/03(Wed) 02時半頃
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[異国の花の香りは、あの時の薔薇園の花の香りと共に記憶に鮮明に焼き付いている。 太陽の輝く雫のような彼の快活さに、まだ見ぬ遠い国を思わせるエキゾチックな雰囲気に、心惹かれていたのはまだ中等部の頃。
無防備で愚かだった仄かな思いは、忍ぶれど色にでにけり、だったらしい。 そんなわかりやすい自分は騙されやすい鴨だったのだろう。 引き裂かれるまでは、疑うことなど知らなかった。
裏切られることがあると知ったのはあの薔薇の木の下で。 人も、自分の肉体も、容易に自分の心を裏切るのだ。]
(77) 2011/08/03(Wed) 03時頃
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[香りと声色で、そこに居たのがあの彼だと気づく。 雷も収まった今、電源が復旧するまでは互いの表情も分からないだろう。]
やっぱり俺…ランディ、探してきます。
[気不味い関係になった彼と離れたかったのもあって、上級生にその場を任せて、中庭へ向かう。 探さなければと思ったのは、やはりあの件と薔薇園の迷信が、心の何処かに引っかかっていたからだろう。**]
(79) 2011/08/03(Wed) 03時頃
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─ 深夜、中庭で… ─
[寮内の電源が復旧する頃には、雨は上がっていた。 草露に足元を濡らしながら中庭に出れば、雲の切れ間から差し込む月光。
吹き散らされて折れた木々の、葉に残る雨の雫がキラキラ輝くさまは幻想的で、現実味があまりになかった。 その中に立っていた、濡れそぼった銀髪の艶めかしさも、生身には見えないほどの…
いや、その時はもう既に囚われていたのかもしれない。
毎夜来ていたのだと、ランディは語る。 いつか思いが叶うように、薔薇の木の精に願っていたのだと。
まだ強い風は、仄かに薔薇の香りを巻き上げる。 くらりとしたのは、あの事件を思い出したからなのだろうか。]
(109) 2011/08/03(Wed) 09時半頃
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[見上げてくる小柄なまなざしは、背が伸びる前の自分と同じ色をしていた。 愚かだったあの頃の自分に、あまりにも似ていて。
思い知ればいいと思ってしまったのは、きっとその香りのせい。 誘うように伸ばされたそのほっそりとした腕は既に呪いの荊棘模様に絡め取られていたことになど気づきはしなかった。
うっとりと目を閉じた彼の唇を、荒々しく奪う。 心は伴わずとも、身体はその行為をよく知っていた。 忌むべき不快なものでありながら、あまりに甘美でもあるそれに毎夜溺れたのは、彼らが卒業するまでの短い期間。 心殺して流されてしまえば、愉しむことすら出来るのだと、身体は覚えてしまっていたから。
葉擦れの音と、水の跳ねる音。 薔薇の茂みへ力尽くで押し倒した腕を、鋭い棘が引き裂いた。]
(111) 2011/08/03(Wed) 09時半頃
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[ボタンを外して暴いた下級生の肌には、びっしりと真紅の荊棘模様。
穢し犯すつもりで、侵されていたのは自分の方だった。 重ねた唇からも、棘に裂かれた傷口からも、繋がった身体からも染み通るのは、甘い甘い毒。
魂は絡め取られていく。 荊棘の蔦に囚われた心は、既に薔薇に捧げられた下僕。
あぁ、薔薇の木の甘い毒なんて、とうの昔に染み込んでいたのだ。]
(112) 2011/08/03(Wed) 09時半頃
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[体の下で喘ぐ姿はあまりに艶かしく、 見上げる瞳は、吸い込まれそうなほどに妖しくきらめいていた。]
…ランディ……?
[濡れたその唇が、微かに囁く。 これでもう、逃げられないね…と。]
(*4) 2011/08/03(Wed) 10時頃
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[それは、その下級生の言葉だったのか、それとも彼に取り付いた薔薇の精の言葉だったのか、今となってはわからない。
ただ、彼と自分の精気が薔薇の精に力を与え、哀れな小動物を絡めとってしまったのはその直後の事かもしれない。]
(*5) 2011/08/03(Wed) 10時頃
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[草露に濡れた服が、火照った肌を冷やしていく。 互い荒い息も収まらぬまま、重なった身体だけがとても熱かった。
身勝手で乱暴な行為の筈だったのに、腕の中の下級生は満足そうな笑みを浮かべていて、どんな表情を向ければいいのか、わからなくなってしまった。
怖かったのか、それともそんなにされても幸せそうな彼に苛立ってしまったのか。 気だるげに横たわる彼をそのままに、足早に立ち去ったのは…自分でもどうかしていたに違いない。]
(113) 2011/08/03(Wed) 10時頃
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[濡れた身体で寮へと戻り、熱いシャワーを浴びに行った。 穢れをすべて洗い流したかったのだろう。体を洗うのは念入りに。
湯が滲みた傷口と、行為の最中に付けられた背中の赤い爪痕。 そこから荊棘模様が僅かに広がっていることに、当人はまだ気づいていなかった。
誰かがそれを見ていたかもしれない。 人々か、それとも中庭の花の精たちか…]
(114) 2011/08/03(Wed) 10時半頃
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[バスローブを着たまま、洗濯機を回していたのは、 ルーカスがシャワールームに現れた頃。 濡れたままの髪をタオルで乾かしながら、ぼんやりとランドリー前のベンチに座っていた。]
…あぁ、おはよ。 晴れたみたいだね。
[変な時間に寝てしまったせいか、こんな時間に起きているのは珍しかったかもしれない。 たぶん部屋に戻れば、昼まで眠ってしまいそうだけれど。]
(126) 2011/08/03(Wed) 11時頃
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早く上がってくれて助かったよ。 …雨降りは、苦手だから。
[天候が悪くなると、持病の頭痛が酷くなるから。 雨上がりのさわやかな日は気分もすっきりして好きかもしれない。]
頭痛いから薬飲んで寝てたら、変な時間に起きちゃって。 洗濯物干したら、二度寝しようかな…
[横切る彼が目の前を通ったときに、ふわりと薔薇の香りが漂ったか。]
(128) 2011/08/03(Wed) 11時半頃
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[アイツらが卒業したおかげで、悪夢から覚めたと思っていた。 それでも時折フラッシュバックのように疼くものを抑えきれず耐えられなくて、誰とでも寝るという彼と、幾度か枕を共にしたこともある。
そこに心がないのは互いに承知の上。 利害関係が一致した、それだけのことだから。
愛してるという言葉を信じられない自分にとって、彼は居心地のいい相手だったかもしれない。
丁度止まる洗濯機。 お先に、とひと声かけて、その場を離れた。]
(129) 2011/08/03(Wed) 11時半頃
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…恋、なんか。
[夢うつつに聞いた囁き声に、ポツリと零す言の葉一つ。
恋なんか信じない。 思いなど信じない。
どうせ全て、搾取するための口実に違いない。
肌を傷つけた棘は、ゆっくりと蔦模様で侵食していくけれど、 心にはきっと、とっくの間に、抜けない棘が刺されていたんだ。]
(*8) 2011/08/03(Wed) 21時頃
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[シャワーへ行くルームメイトとは自室に帰る途中で丁度行きあって、 おはようとおやすみを互いに交わしたか。 晴天の下に干した洗濯物も、薔薇の仄かな移り香を残している。
けだるい体が目覚めるのは、おそらく日が高くなりかけた頃。 それまでは、白いシーツの上に長い髪を乱して眠っていた。
薔薇の刺で裂かれた右腕の傷は塞がらず、点々と白いシーツに赤が滲む。 その周りに広がり始めた蔓荊棘の痣は、あの後輩の鮮やかな赤ではなく、どす黒く青みを帯びている。 まだそれは、一見打ち身でもしたかのように見える程度、か。]
(191) 2011/08/03(Wed) 21時頃
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[咲かせて欲しいという声が、甘い毒のように魂に沁み込む。]
踏み躙り、無残に散らしても…お前の糧にはなるか?
[自分の身体が覚えたのは、行為という名の搾取だけ。 優しく愛でる触れ合いすら、獲物を絡めとる罠としか見れない。
そんな心無い陵辱さえ、快楽に摩り替えることでやり過ごしてきたから。 昨夜後輩が腕の中で見せたあの表情は、自分には理解の出来無いものだった。]
(*12) 2011/08/03(Wed) 22時頃
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[ざわりと胸の奥、黒い蔦が蠢いた。]
(*15) 2011/08/03(Wed) 22時頃
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…ノックス……?
[混線するように聞こえてきた声に、半覚醒状態の意識は困惑した。
それは偶然なのか、必然なのか。 互いに共通しているかもしれないのは、病弱な身体か、何処か歪んだものを抱えていた精神か。 どちらが薔薇の精に都合が良かったのだろう。]
(*16) 2011/08/03(Wed) 22時頃
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…訳が分からないが……
[残念ながら、気にせずあっさり受け入れるようなおめでたい脳味噌では無かったため、やはり困惑の色が濃い。
けれどそんな違和感も、芳しく濃厚な薔薇の香りが溶かしていく。 心の芯に灯る衝動。 欲しいのは、刹那の快楽。
…本当に、それだけ?]
(*18) 2011/08/03(Wed) 23時頃
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……んっ…?
[ベッドの上で身じろぎながら、思わず漏れた声は意外なほどに甘かった。
寝ぼけ眼に降り注ぐ夏の日差しが、瞼越しに赤く見えていた。 眩しげに幾度か瞬き、目を開ける。
消え去った頭痛と共に、昨夜の事はまるで夢だったかのよう。 けれど、じわりと滲む腕の傷が、昨夜の行為を鮮やかに思い起こさせた。]
…何、やってんだ…、俺。
[ランディはちゃんと部屋に戻ったのだろうか? 喘ぎ疲れ涸れ果てた声で途切れ途切れに、大丈夫だよ…、とは言っていたけど。]
(212) 2011/08/03(Wed) 23時頃
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…あ。
ランディ…は?
[心配そうに問う言葉がこちらに向けられたのは、 何故だか彼も…同じ匂いがしたからかもしれない。]
(*19) 2011/08/03(Wed) 23時頃
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[まだ少し怠かったけれど、とりあえず身支度だけは整える。 夏物の半袖の開襟シャツと、スラックス。 長い髪はまだ生乾きだったから、手櫛で整えて緩く一纏めに結わえた。
髪を伸ばし始めたのはいつからだっただろう。 「貴方に憧れて…」 そんなことを打ち明けた後輩の姿が脳裏をよぎった。]
(227) 2011/08/03(Wed) 23時半頃
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…眠っ、て…?
[胸の奥が、なんだかチリリとした。]
大丈夫だ、って…
[自分で部屋まで帰れると言っていたかいないか…都合よく勝手に解釈しただけなのだろうか。
置き去りにしてしまったのは何故なのか、何故そんなことを後悔しているのか。
わからない、けれど… 脳裏をよぎる光景は、だるくて痛む身体を引きずって、とぼとぼと部屋へ帰る自分の姿。 そのあと…たぶん4日くらいは、晴れていたのに授業を休み、 校庭を走りまわるクラスメイトを窓から虚ろに眺めていたのだっけ。。]
(*22) 2011/08/03(Wed) 23時半頃
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…おい、どうした?
[自分以上に病弱な彼のことだ。 異変が聞こえれば流石に少し狼狽えたか。]
(*25) 2011/08/04(Thu) 00時頃
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[色々と気がかりが多すぎて、居ても立っても居られずに、 靴下を履くのも忘れて部屋を出る。
ピッパとイアンが屋内へ入ってくる頃だっただろうか。]
(243) 2011/08/04(Thu) 00時頃
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[二人の距離が、いつもより少し近しいように見えて、訝しげに首を傾げた。 シャワー室前のランドリーへ消えていくのを見れば、そちらへ向かうのはやめたらしい。]
…ランディ、居るのか? [声を潜めて、後輩の部屋をノックした。
昨夜、あんなひどい事をしたくせに、自分は一体何をしているのやら…]
(245) 2011/08/04(Thu) 00時頃
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[ランドリーへ消えていく後ろ姿に感じたものは、きっと見間違いだったのだろうと思った。
薔薇の毒に侵されて変質した感性が、何かを感じ取っていたとは気づかずに。 再度のノックに返答はなく、開けるぞ。と短く告げてそっとドアを開く。
陽射し挿し込むベッドに、キラキラと艷めく銀髪が見えた。 自分の色褪せたものとは違う色。
寝顔に安堵を覚えたけれど、それと同時に罪悪感も胸にこみ上げてきていて、中へは入れず…そっとドアを閉めた。
眠り姫が錘に刺されたように、長い眠りに落ちていたなんて…まだ今は気づかない。]
(256) 2011/08/04(Thu) 00時頃
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ヴェスパタインは、廊下に漂う匂いに気づき、あぁまたやったのか…と誰かのせいにした。
2011/08/04(Thu) 00時頃
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…おい、ディーンお前また……
って、違うの?
[熱くなるようなものには触るなと言い聞かせたはずだったから、説教でもするつもりで食堂に顔を出し…
犯人はディーンではないと知って、ひどく意外そうな顔をした。]
(269) 2011/08/04(Thu) 00時半頃
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火事にはならなかったが、火傷は…何回した?
[ボソリと言い訳めいた事を返すルームメイトに、はぁ…とため息ひとつ。
食堂へ踏み込むと、薔薇の香は更に濃密になる。 その香りに反応して、疼いたのは荊棘の棘に裂かれた傷。 七分袖の開襟シャツでは、袖口からちらりと見えるかもしれない。
そういえばまだ…手当をしていなかった。]
(279) 2011/08/04(Thu) 00時半頃
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[牛乳と、作りおきの茹で野菜サラダと、食パンは焼かずにそのまま。
…と、大サイズのマヨネーズのボトルを冷蔵庫から取り出して、窓辺の席へ。
ゆるキャラっぽい顔が落書きされたマヨネーズはマイボトル。 とりあえずそれがあればあとはなんでもいいらしい。]
(288) 2011/08/04(Thu) 01時頃
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…ん?
あぁ、後で…行く。
[ディーンの囁く声にこくんと頷きながら、食パンにマヨネーズをにゅるった。]
(290) 2011/08/04(Thu) 01時頃
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猫舌は先を越されたので、マヨラーだったりとか。 とりあえず、それほど大食いではないけど、チーズとマヨネーズには目がない方。 この長身の何割がマヨネーズ製なんだろう。
(-90) 2011/08/04(Thu) 01時頃
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ヴェスパタインは、ぽろぽろ食べこぼす小動物の様子に和んだ。
2011/08/04(Thu) 01時半頃
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[ヤニクの視線には気づかぬまま、些か常軌を逸した量のマヨネーズが積み上げられた食パンを口へと運ぶ。 とろみのあるやわらかな白濁が唇を汚し、節くれだった長い指先へと零れて滴る。 指を濡らしたそれを赤い舌でちろりと舐めとる様は、見る者によっては扇情的に映るか。
それとも、偏食というか、むしろ変食の域にまで達している味覚に、見てるほうが胸焼けするかもしれない。 本人は本人で、これで御満悦なのだから救いようがないけれど。]
(430) 2011/08/04(Thu) 23時半頃
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[食堂に満ちる薔薇の香に当てられてか、出ていくもの達の姿を訝しげに見つつ… 自分も、量自体はそれほどの分量でもない食事を平らげて片付けた。
傷は、じわりと沁みいるように疼く。 それは胸の奥をキュウと締め付け、魂に小さな焔を燈すよう。]
(431) 2011/08/04(Thu) 23時半頃
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……ハ……。 [内にこもった熱は、吐息に混じって唇から零れた。
衝動に絡みつくように浮かぶ感情が眉潜めるようなものなのは、 きっと、力尽くで押し込められて、歪みねじ曲がっているからなのだろう。
殆どの"相手"が、「綺麗だ」と「愛している」と耳元で囁きながら身体を重ね、通り過ぎていった。 そんなものなんてきっと、宥め賺して食いものにする為のトリーツにに過ぎないとしか思えなかった。
薔薇の呪いに囚われた魂は、煽られた欲を持て余す。 いっそ自分も…心にも無い愛を囁いて、身勝手な欲望を誰かにぶちまけてしまおうか。]
(435) 2011/08/05(Fri) 00時頃
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…何を、考えている。
[額を押さえて、ゆるりと頭を振った。 どうかしている。…きっと昨夜から。
昨夜、あの薔薇の木の下で…ランディに見つめられてから。
おかしい。何かがおかしい。 今はもう…自分の感情すら、信用できなくなってしまった。
ずきりと痛むのは、薔薇の棘に引き裂かれた傷。 見ればその周囲もなんだか鬱血したような色味を帯びていた。]
流石に…消毒しないと拙いか。
[ルームメイトの心配そうな忠告を思い出して、医務室へと赴く。]
(441) 2011/08/05(Fri) 00時頃
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ヴェスパタインは、食器を下げに厨房に入ろうとして………、目を伏せると隅に置いて立ち去ったようだ。
2011/08/05(Fri) 00時頃
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キスなんて別に…なんてことないだろうに。
心地良いのは認めるが。
[いくども穢れ、自ら穢しもした唇に、特別な思い入れなんてこれっぽっちもない。 粘膜に張り巡らされた敏感な神経が、そこにはあるだけだ。]
(*29) 2011/08/05(Fri) 00時頃
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[傷口を押さえた指は、真新しい赤に少し汚れた。 足早に医務室へと向かう廊下…]
…セシル、さん? [崩折れるように壁に凭れて座り込む姿は、先輩と呼ぶにはあまりに可憐な姿。
無自覚な薔薇の香りは、二人の間にふわりと流れた。]
(450) 2011/08/05(Fri) 00時半頃
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…何処か気分でも?
[どうせ元々医務室へ向かうつもりだったのだ。 ついでに連れて行くくらいは…と、そう思って手を差し伸べる。
節くれた長い指は、弦を爪弾く趣味のせいで固い。]
(454) 2011/08/05(Fri) 00時半頃
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