194 花籠遊里
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[あゝ、それでも。 追憶の一片にある頃の僕の眸と 今し方向けた射干玉に、差異が無い事をと願います。
淡藤の花を見詰めた射干玉は、悲しげに伏せられた事でしょう。
呪詛に侵されつつある僕の心に蓋をして 瞼を伏せて、僕は僕自身に見て見ぬ振りをしたのです。]
(*38) 2014/09/18(Thu) 16時半頃
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[妬いてなど、いません。 羨ましくなど、ありません。]
(-77) 2014/09/18(Thu) 16時半頃
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[僕は『花』なのだからと言い聞かせましょう。 永久に、───とわに。]
(-78) 2014/09/18(Thu) 16時半頃
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看板娘 櫻子は、メモを貼った。
2014/09/18(Thu) 17時頃
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/* 亀吉いいいいいいい(´;ω;)!!!!!
しあわせになれよおおおおばかああああああああ (本編中はなれない村です)(むらたて)
これであそこ二人はりょうおもいだぬ! おうじさんじいしきかじょうするとこだった(ぷるぷるぷる)
(-79) 2014/09/18(Thu) 18時頃
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───なんて、冗談です。
[僕のちょっとした冗談にどういった反応が返ってきたでしょう。 どこか満足げに笑う僕は、稚児のようだったかもしれませんし 『蝶』を惑わす『花』の如く、色香を放っていたかもしれません。
やがて僕はくるりと背を向けて座りなおし しっとりと湿ったままの髪を結った、白をするりと解きます。 視線は一度、今宵の『蝶』へと向け 「拭いてくださるのでしょう?」と小首を傾げては笑み 向き直りては木格子の向こう側、薄暗い闇を見詰めているのでありました。]
(129) 2014/09/18(Thu) 19時頃
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…僕は、とてもお喋りが好きで お話のしすぎだと、よく叱られることがあるのです。
[緩やかに開いた櫻色の唇は、返事を待つことなく ゆっくりと言葉を紡ぎました。 牢の中には水音や嬌声も響き始める頃合でしょう。 僕の声が何処まで届き、どれ程紛れるのかは判りませんが 調べはまるで、独り語散るようなものでありました。
そう、これは独り言。
髪を拭き、撫でていただく合間の 僕の勝手な独り言です。]
(130) 2014/09/18(Thu) 19時頃
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『蝶』と『花』が寄り添えるのは、この籠の中だけにございます。
『花』は根を張り籠に囚われ。 『蝶』は籠へと誘われ訪れる。
一夜の夢は嘘でも誠でもなく 『夢』でしかないのです。
(131) 2014/09/18(Thu) 19時頃
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ですが、『蝶』でもなく『花』でもなく
『人』同士であるならば、…───どうなのでしょう?
(132) 2014/09/18(Thu) 19時頃
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……僕は『外』の事を知りませんから 詳しくなど、判りませんが。
[僕の独り言は、一度休符を添えました。 闇夜を見ていたはずの射干玉も、心に蓋をするかのように そっと、そうっと閉じるのです。
駆け回る呪詛を噛み殺しましょう。
僕は此処に咲く、此処にしか咲けない『花』なのだから。]
(133) 2014/09/18(Thu) 19時頃
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亀吉、さん。
[僕は、銀花の名前を呟きます。 あの頃は>>*39 「とても佳いお名前ですね。」と、微笑みました。 目出度いお名前だと教える事になるのは それから数日後の事になりましょう。
今の刻、僕は緩やかにその瞼を閉じていました。 微笑む事は難しく、悲しむ事も難しい。 心に蓋をしてしまっているからか>>133 僕の表情は、どこかで迷子にでもなっているかのようでした。]
(*42) 2014/09/18(Thu) 20時半頃
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[『花』である僕は『外』を知らず。 『花』でしかない僕は『花』以外にはなれません。
『ふつうのしあわせ』を知っていれば>>*21 『人』になる事が出来たのでしょうか。
何も知らずに育った僕は 毎夜、毎宵、『蝶』に望まれる事こそが『しあわせ』なのです。 それ以外を求めてはならないのだと、謂い聞かされて育ちました。
男と謂う性に生まれたにも関わらず 殿方を満足させるためだけの、命です。
それが僕の、『花』である理由なのでございます。]
(*43) 2014/09/18(Thu) 21時頃
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[それならばどうして、あんな独り言を語散てしまったのでしょう?
『外』の世界知る方なれば きっとその世界へ戻れるのではないかと。 そして『外』の世界の方が 幾分幸せなものではないかと僕は思っているのでしょうか。
判りません。 知りません。
自覚(わ)かりたくなどありません。
僕はそっと瞼を閉じます。 『花』としてあるために。]
(*44) 2014/09/18(Thu) 21時頃
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看板娘 櫻子は、メモを貼った。
2014/09/18(Thu) 21時頃
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/* 丁助さんめ!!!!!! 中身が可愛らしすぎるので仕方ない!!!!>メモ「おんっ」
ちょっと丁助さんとも赤で絡めたぞ、ぞっ。 もう少し頑張るんだ、がんばらなくちゃっ!
ベルさまがお可愛らしくて癒されるくそう… あざとかわいい王には…僕は…程遠い…
(-81) 2014/09/18(Thu) 21時半頃
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[悪戯は思惑通りに成功いたしておりました>>136 呆けたお顔がこちらに向いて、瞬き繰り返されるのを 思い出しては、笑みを堪えて小さく肩が揺れるのです。 接吻けなどはいたしませんでした。 この判りやすい御方も、僕へ唇を重ねる事は無かったのでございます。
僕の微笑みに返る言葉は減らず口のようでもありました>>137 それでも僕を傷つける刃ではなく やられたと鳴る喉の音は、耳に心地よいものでありました。
独り、『花』が唄を紡ぐ頃合には 優しい手は、髪を愛しんでいてくださいます。 湿り気は髪からタオルへと移り 唄は『花』から何処まで移るのでしょう。
他の音を、他の存在を緩やかに拒むように。 穏やかな声が響いておりました。]
(147) 2014/09/18(Thu) 21時半頃
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おかしな御方ですね。
[それは多分に意味を含みます。
『人』で居られるあなたさまなのに。 櫻には蔦など在りはしないのに。 どちらも口には致しません。 僕はただ、眸を閉じた暗闇の中、どのような色も浮かべぬままに 『蝶』の応え唄を聴いておりました。
お互い、表情など見えません。
寂しさ募る悲しき笑みを浮かべる『蝶』も 眸を閉じて蓋をした迷子のような『花』も 聴こえるのは、牢屋に不釣合いな唄と唄。
『蝶』の綴る『夢』に 押し黙っているかのようだった唇は、再び動き出したのでございます。]
(148) 2014/09/18(Thu) 21時半頃
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─────いいえ。
[それはまるで、拒絶するような声でした。 叫ぶというほどではありませんでしたが、確かに強く。 そして確かに、振り払うような調べでありました。]
他の『花』ならば判りません。 ですが僕は、この籠から出ればきっと。
…───枯れ朽ちてしまいますから。
[僕は微笑んで囁きました。 軋む音は、どこぞの牢の木格子でしょう。]
(150) 2014/09/18(Thu) 22時頃
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/* はっ 死人花 植えて ね え ! ! !
(-83) 2014/09/18(Thu) 22時頃
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[抱擁見せ付けるような人の悪い笑みが向けられても>>143 大切そうに、銀月を抱きしめていても。 僕が返したのは、今のような微笑みでした。
蝋燭揺らめく薄暗き地下に 太陽のように輝く金が舞い降りたときも>>146 僕が向けたのは、微笑みでした。
僕は望まれるままにしか咲けぬ『花』。
櫻へととまる『蝶』を 癒し、慰め、満たすことこそが僕の『しあわせ』。
望まれなければ成り立たず。 望まれて初めて花咲くのです。
『外』の世界になど。]
(151) 2014/09/18(Thu) 22時頃
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[根を張る『櫻』を、どなたさまが愛してくれると謂うのですか。]
(152) 2014/09/18(Thu) 22時頃
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‘Tis better to have loved and lost than never to have loved at all.
(一度も愛したことがないより、 愛して喪った方がどれほどしあわせか。)
(*45) 2014/09/18(Thu) 22時頃
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[呪詛に軋んだのは、僕の心だったのでございます。]
(*46) 2014/09/18(Thu) 22時頃
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/* 藤之助さんんんんんうううう…( ´•̥̥̥ω•̥̥̥` )
うっ。うっ。 さびちい…かなちい…うぐぎぎ。
(-88) 2014/09/18(Thu) 22時半頃
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/* みんなくらいまっくす!!!!www
もうこれ今日がエピでいいんじゃないかとさえwww いや、僕まだやってないこと沢山ありますけどね!!ww
(-90) 2014/09/18(Thu) 23時頃
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[拒絶の声に、一度指先が止まるのが判りました>>163 切り離されてしまったかのような、僕と彼のいる房の中で 呼吸を止めた音さえもが、はっきりと耳へ届いたのです。
幾許か、同じく呼吸を止めました。
吐き出しそうになる呪詛は、仄紅い焔にくべて燃やしてしまいましょう。 軋む音など耳を塞ぎましょう、眸を逸らしましょう。 籠の『外』にて生きるを知らない櫻の『花』は 人様の涙のように花弁零すこともありません。
零れ落ちるのは、穏やかな笑み。
瞬きの音が聞こえるようでもありました。 唇が動きかける気配がいたしました。 けれども何も変わることなく 止めていた呼吸を元に戻したのでございます。]
(175) 2014/09/19(Fri) 00時頃
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『外』を知らなければ、狭くなどありませんよ。
[『蝶』が何に翅を休め、何を見詰めるのか。 上を向いては陽が照らし、下を向いては土色を踏む。 唯只管それの中に生きる『蝶』の事など到底判りかねるのですが ──夢物語ならば、いずれはお姫さまに出会えるのでしょう、なんて。
再び動き出す指先が毛先へと向かい やがてその射干玉が直に触れられる頃に落ちる、責苦。]
……───意地の悪い、御方です。
[掠れもせず、震えもしない声が、鼓膜を突いて返したでしょう。 微笑み絶やすことはなく。 ただ少しだけ、眉尻が下がってしまったのは 続いた彼のお言葉と、彼の心中を思ったからにでございます。]
(176) 2014/09/19(Fri) 00時頃
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……はい、そうですね。
[誰にでも優しいというそのお言葉を>>165 否定などはいたしませんでした。 露にされた対抗心を、肯きでそっと包んで差し上げたのでございます。
やがて聞こえました声は、随分と抑えられたものでございました。 寝転がり窓を見上げ、やがては布団のお隣を示されます。
変わる話題は、調べの転。
ならば、悲しく苦しい唄はお仕舞いにいたしましょう。 此処は夢を見るための牢。 甘い蜜を差し上げることが、『花(ぼく)』の『しあわせ』。
招かれるお隣へと転び寝て、櫻香る身をお傍に寄せました。 擦り寄るは甘く、しかして幼さを残します。]
(177) 2014/09/19(Fri) 00時頃
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『花』によりけりですよ。
朧さんは美味しいお茶を淹れて下さったりしますし。 藤之助さんは、琴を爪弾かれたりいたします。
僕は、中庭を任せて頂いたり。 『花』のお世話をすることもございます。
[紡ぐ音はそれこそ、この牢獄には似合わぬ程の朗らかさだったでしょう。 楽しそうに、鈴鳴るような声が優しく響きます。]
ええ、そろそろ秋になりますから。 本当は植えたい苗があったのですが 貴重なものらしく、手には入りませんでした。
ちょこれいとの匂いがする、秋櫻があるんだそうです。
[花を褒められ『花』は綻びます。 眩しき色彩、その中の大半を埋める『秋』色。 植える僕には自覚など、一片も無いのでありました。]
(178) 2014/09/19(Fri) 00時頃
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/* >>*59なにそのお母様素敵…!!!!!
みんな美しいなぁ、いいなぁ。 悲しいものってとても美しくてすばらしい!な!
……しかし悲しい(´;ω;)ウッ
(-101) 2014/09/19(Fri) 01時半頃
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[転びて身を寄せ、髪を撫でる手に擽ったそうに笑いました>>195 摘まれる髪飾りの色は白。 何色にも染まり、しかして何色をも染めてしまう色でございます。 櫻の香は少しなりとも、彼を癒すことが出来たでしょうか。 見えた尖りも形を潜め、瞼も休まれているようです。
僕はそっと、ペティンガーの背中へと手を回しました。 細い指先は、水面揺らす金の魚と戯れる手ではございませんが
とん、とん、とん。
緩やかに、その背を撫でていたのでございます。]
(201) 2014/09/19(Fri) 01時半頃
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[僕の唄は、愁いを帯びることもなく。 今ここにあるのは、宴に響く艶やかな音ばかりでしょうが。 それでも僕は唄いましょう。 翅を休めた蝶が、癒し、満たされ眠るまで。]
我侭な御方ですね? お茶にお琴にお花だなんて。
[いいのです、眸を背けて。 いいのです、何も聞かなくて。 撫でてくださる手に、僕は緩やかに微笑みました。]
ええ、ちょこれーと。 甘いものの中でも一番好きで。
[他愛もなく、記憶にも残らないような、そんな『夢物語』を唄いましょう。 微温湯のような、甘くて柔らかな声と温度で。 「食べちゃいけませんよ」───なんて。 話す頃には眠っていてくれたらと背を撫で続けたのでございます*]
(202) 2014/09/19(Fri) 01時半頃
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看板娘 櫻子は、メモを貼った。
2014/09/19(Fri) 02時頃
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