234 麻雀邪気村-3rd season-
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[力尽きた中放たれた一打は、冥王の手の内に吸い込まれた――]
(+0) 2015/08/09(Sun) 01時頃
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[生命反応《バイタル》は下がり、身体をゆさぶられてもまともな反応を示す事は出来ず。 成すがままに抱きかかえられ。 違和感に気付かれた頃か、あるいはその少し前か。 うっすらと瞳と唇を開き]
――……おとうさま?
[幻覚を見ているのか、幼子のように呟き。 再び意識はブラックアウトしてゆく。 救護室で手当てをされ、目を覚ますのはもう少し先の話だろう**]
(+1) 2015/08/09(Sun) 01時頃
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[生と死のハザマ、シルク……いや、オーレリアなる少女は在りし日の幻を見ていた。
幼かったあの日、父は自分の目の前でマ王の凶牌に倒れた。 やがて母方の祖父の家に引き取られる事となり、変貌した生活や多数の習い事に忙殺されて、歩くより先に打っていた麻雀の事すらもいつしか遠い過去となり、日々は流れていった。 しかし、しばらく前に偶然テレビで冥王戦を見た時、強い衝撃を受けた。 自分は決して、麻雀を忘れては居なかった――]
(+2) 2015/08/09(Sun) 23時頃
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[裏闘牌場《アンダーグラウンド》に足を踏み入れるまでに、そう時間はかからなかった。 姿を変え、名前を変え、それなのに何故だろう。 ”生きている”という実感が深く胸の内から溢れ出て来たのだ。 これが自分にとっての天命なのである――と]
(+3) 2015/08/09(Sun) 23時頃
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[その時と似た感覚が、緋龍《ドラゴン》の死を予感した時にも広がった。 彼を助ける事。 そして、悲しい連鎖を止める事。 それこそが麻雀を再び始めた理由。 それこそが雀使として覚醒した理由なのだと]
(+4) 2015/08/09(Sun) 23時頃
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[急速に己の身体から、魂から、力が抜けていくのを感じる。 役目を果たしたせいだろうか。 雀使としての力は少女から光の粒となり、まるで満天の星々のように天へと昇ってゆく。 もう先ほどまでのような打ち筋は――奇跡《ミラクル》を起こすような事は出来なくなるのだろう。 しかし、未練など欠片たりとも存在しなかった。
何故ならそう。 雀使の力は――羽の形となりて、真龍の帝王《ドラゴレット・カイザー》の元>>30へと舞い降りているのだから]
(+5) 2015/08/09(Sun) 23時頃
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[意識を失ってる間も、力の残滓が共鳴《リンク》を起こし、卓上《ヴァルハラ》の様子を、そして雀士《ジャンキー》の様子を教えてくれた。 緋龍《ドラゴン》が復活した事。 女帝《エカチェリーナ》の美技。 勇者《オスカー》の愚直なまでの覇道。 そして、倒れてしまった所を抱き抱えられた自分の姿すらも――]
(+6) 2015/08/10(Mon) 02時頃
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……ん?
[抱き抱えられた? と、言うことは……]
(+7) 2015/08/10(Mon) 02時頃
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っきゃあああああ!! 何するんですのーーー!!
[救護室のベッドの上、己の叫び声で目を覚ます姿がそこにあった。 起き上がった瞬間、体に繋がれたチューブに引っ張られてしまって身動きがとれず四苦八苦して]
……あ、あれ? こ、ここはどこですの?
――はっ! 勝負《デュエル》、勝負《デュエル》はどうなってますの!?
[救護班の医師たちが慌てる中、焦りながら尋ね。 モニターの存在を教えられてそちらへ視線を向け、息を呑んだ]
(+8) 2015/08/10(Mon) 02時頃
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[モニターの向こう側では自分が居なくなった後もなお、更なる死闘が繰り広げられていた。 その熱気は離れた場所に居てすらも痛いほどに伝わってくる]
こんな時に、寝てることしか出来ないだなんて……!
[悔しさと不甲斐無さで強く歯噛みする。 医師団からは絶対安静を繰り返し諭され、また、自身も立ち上がろうとするだけで強いめまいを覚えた]
(+9) 2015/08/10(Mon) 23時半頃
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[流れてくる音楽、そして――]
きゃあ!?
[扉を開かれ、思わず叫び声が出てしまい。 同時に、ゴフゴフと咳き込んで]
さ、先程の……変態さん?
[変態というイメージで定着してしまったらしい。 訝しげに呟く。 しかし、雀使としての力を失った自分に―― やれる事など存在するのだろうか]
(+10) 2015/08/11(Tue) 00時頃
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――光。
[呟いて。 共鳴国士無双《レジェンド・オブ・アルティメット・クロスロン》の齎す余りにも眩い光に目を細める。 あの輝きならば――マ王を、冥王を、討ち果たせるかもしれない。 それに自分が加われないのは悔しいが、後悔は無かった]
でも…… 歌声《ソング》なら、海龍の歌姫《ディーヴァオブリヴァイアサン》の方が適任では……?
[それに、自分はもう雀使《アンジェ》としての力を持たない。 ただの一介の小娘――その歌声に果たして、何の意味があるのだろうか]
(+11) 2015/08/11(Tue) 00時半頃
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