301 十一月うさぎのないしょ話
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――ハッピー・ノット・アンバースディ>>219――
横文字の多さで決まるんです? そしたら、全部説明したらお洒落になるんですかね。
なんて。 おいしい、って言ってくれれば、いいです。
[自分としては全部中身を伝えるなんて、野暮ったく感じるけれど。 お洒落評価のためなら、中身を曝け出してもいいだろうか。 おいしい、って言ってもらえればいいというのは、料理人としての自分の本音には違いない。 そこに飾りを欲しがるのは、料理人でなくただの戸崎エリカのエゴだ。]
(228) mmsk 2019/12/04(Wed) 22時半頃
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[歯ごたえソムリエ、の評価は家庭的よりはちょっと面白さがあったので、その方面を鍛えていこうかな、と心に秘めて。 嫉妬の半眼が降ってきても、ふふ、と笑って受け止める。]
……もう。 一番に構っているじゃないですか。
[隣に座ったことも、ヘアピンを忘れないことも。 一番に構っていなかったら、コルネを齧ったりもしない。 やきもち焼きな"特別"さんに、すこし頬染めてはにかんだ。]
(229) mmsk 2019/12/04(Wed) 23時頃
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桐野江さんがオットーを独り占めなんです? それもずるいなぁ。
[桐野江さんのことも、乙坂のことも、どちらも大事に思うから、どちらとも触れ合いたい。 やわらかく笑う桐野江さんに、乙坂の影響を感じつつ。]
ふふ、いいでしょう。 新しいやつです。
[ふたりで買いにいったんです、とは言わずに、自分でもそっと羽根に触れてみる。 指先が心臓になったみたいに、それだけで胸がとくんとした*]
(233) mmsk 2019/12/04(Wed) 23時頃
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/* コリンキーたべたいな……
(-366) mmsk 2019/12/04(Wed) 23時半頃
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ありがと。
[>>231切り口まで揃えられたラザニア、パーティらしく一人前より少なく盛られたそれを受け取って、お礼を言う。]
あ、わたしのポトフ。 これウッチーのリクエストなんだ。 こないだ食べたいって言われて。
[スープボウルの中身を目ざとく発見。 食べてもらえるのは、やっぱり嬉しい。
窓際にもたれるように立つ乙坂に、もうひとつ椅子を引こうと手を伸ばす。]
(238) mmsk 2019/12/04(Wed) 23時半頃
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オットーは桐野江さんを独り占めしてずるいって話してた。 でも、幸せそうでよかったねって。
[何話してた、にはざっくりと要点だけ。 二人の関係に言及したくせ、何でもないことみたいにラザニアに意識を向ける。 二人が幸せで、自然体であればいいと思う。 囃すこともからかうこともなく、自然に。]
(239) mmsk 2019/12/04(Wed) 23時半頃
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まずは、バターピラフのを食べてもらうことになりそうですけどね。
[>>234五目ごはんのオムライスの味見はまたいつかだ。 自然に未来のことを思いながら、買い物を済ませる。 次はいつのことになるだろう、なんて考える自分の心は、いつの間にかすっかり彼なしでいられなくなっている。]
(243) mmsk 2019/12/05(Thu) 00時頃
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[フォローになってない、と家族不在を責められても、いないものはいないし、自分だけだから呼んだという事実は、変わらない。
嵐の中で揉まれているよう、なんて錯覚は、お互い様。 いつだって惑わされてばかりなのに、それでも嫌じゃない。 どころか少し興味本位で踏み出してみたくなるところも、嵐に似ている。
彼という雨は、わたしを濡らして包み込んでいく。体温を奪うみたいに、心を奪っていく。]
(244) mmsk 2019/12/05(Thu) 00時頃
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[キッチンは整頓されていても、物は多い。 荷運びをしてくれた宅本さんが目線巡らせるのに、気恥ずかしさを覚えつつも。]
……いい、ですよ。 なるべく早く作りますね。
[見ていたい、と。 興味と欲を綯い交ぜにした感情で囁かれて、Noは言えない。 緊張して卵落としそう、と思うのは、心の中でだけ。]
(245) mmsk 2019/12/05(Thu) 00時頃
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/* 何かしら……w
(-370) mmsk 2019/12/05(Thu) 00時頃
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お米炊いてる時間ないので、冷ごはんでごめんなさいね。
[冷蔵庫から小分けにしたごはんを出して、ぬるいくらいに温める。 ごはんをレンジに任せきりにして、玉ねぎとにんじんをざっとフードプロセッサにかけた。 店なら刻むけど、家だから許してほしい。 ソーセージは厚めの輪切りを四等分。コロコロに刻んで、ひとまとめにしておく。
ここから先は、一気に仕上げてしまうだけ。]
(249) mmsk 2019/12/05(Thu) 00時頃
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[バターは少し大ぶりに、にんじんと玉ねぎを炒めていく。 玉ねぎの色が透き通ったら、ソーセージ。 それからごはん、と順に入れ、ざっと合わせてまとまったら粉末コンソメと塩胡椒をぱらり。 にんじんはやや食感がのこるが、それも味のうち。 お米がバターをまとって全体がつやつやしてきたら、二つに分けてお皿に盛った。 大きさに差をつけるのは、自分の胃の容量の問題。
卵を4つ割って、ミルクを足したらよく溶いてほぐす。 ピラフのバターが残るフライパンを拭いたら、サラダオイルをひとたらし、ざるで濾しながら卵液を流し込む。 半分より少し多いくらいを入れたら、シュレッドチーズを足して数秒。 ふるふるの半熟にまとめて、大きい方のお皿にオン。 中央にナイフを入れれば、とろんと卵のドレスがバターピラフを包み込んだ。]
(254) mmsk 2019/12/05(Thu) 00時半頃
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……どうでした?
[手際を見る、と言っていた宅本さんを、そこでようやく振り向く。 緊張していたのもあり、手を動かしはじめたら止まらなかったのもありで、後ろに気遣うのを忘れていた。
代わりと言っては何だけれど、自分の分を作るときは、行きますよ、なんて声をかけてみたりして。 それでも卵はすぐに固まるもの。 二つのオムライスができるまで、それほどかからない**]
(255) mmsk 2019/12/05(Thu) 00時半頃
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/* ポトフのソーセージってなんで割れるのかしらね。 おいしいよね割れたソーセージ。
(-374) mmsk 2019/12/05(Thu) 00時半頃
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/* >>-373 ふふー。 宅本さんが手料理を食べたいっていうのだもの。 しかたないでしょ?
(-375) mmsk 2019/12/05(Thu) 00時半頃
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/* もくようびをたおした! れべるがあがった!!
(-381) mmsk 2019/12/05(Thu) 20時頃
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――4人のテーブルで――
うん。 わかりますよ。
[>>240耳元に届くmurmur。 "特別"を囁く声のいろのやわらかさ。 だいすきを滲ませる桐野江さんの端々にふくふくとしあわせな笑いが込み上げて、唇をふんわりと弓鳴らせる。 その顔のまま、首肯した。]
わたしも、おんなじだから。
[そうして、今度は立場を逆転。 こちらが口に手を添えて、me tooを囁く。]
(268) mmsk 2019/12/05(Thu) 21時頃
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いつもの青より、少し紫でしょう? いつものは、後ろにあるから。
[前髪の羽根に改めて評価が下る。 微笑みとともに「とってもいい」なんて言われて、嬉しくないわけがない。]
……だからね、これは"特別"なんです。
[色の秘密は、こう言えば桐野江さんには伝わるだろう。 わたしたちは、"特別"がいる同士だから。]
(269) mmsk 2019/12/05(Thu) 21時頃
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[>>246乙坂が帰ってきたら、そんな秘密のやり取りはおしまい。 ポトフのリクエストのタイミングについては、本人ではなく作り手の口から。]
結構前だよ? わたしが昼根菜パスタ食べに来た日。 まだオットーが夜に来てなかった時。
ポトフ作るーって言ったら、食べたいって言われたの。 賄いとかで作るタイミングなかったから、今日にしよって。
[残念ながらあの日のタマ子とジャガ夫ではないけれど。 新入りのタマ代とジャガ彦が温かいスープに泳いでいる。]
(270) mmsk 2019/12/05(Thu) 21時頃
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[そんな日の話をしたからか、初めて会ったその時のことが話に上がる>>247。 あの時は、まさかこんなことになるなんて、そんなのただのかけらも思っているはずない。 思い返せば、今の関係を揶揄されるよりずっと、顔から火が出そうになった。]
そ、その時はそんなんじゃ、――
[話を遮ろうと割り入って、今は関係が変わったことを自分から宣言したみたいになって途中で止まる。 止まって、そして、今の自分たちは彼氏彼女なんだろうか、なんて一人で頭の中勝手に自問していた。 その横で、少し改まった乙坂の声。]
(271) mmsk 2019/12/05(Thu) 21時頃
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もう、大袈裟……
[>>248泣かしたら、とか。ぶん殴りに、とか。なんだかわかんないけど、何かしらとか。 子供扱いされてるみたいで恥ずかしくて、誤魔化すみたいにラザニアを口に運ぶ。]
(272) mmsk 2019/12/05(Thu) 21時頃
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……おいしい。
[表面の焼き目はさっくりと軽いのに、中のソースはこっくりと濃厚。 なのに驚くほどくどくはなくって、口の中で牛肉の繊維が繊細に解けていくのもわかる。 シャンピニオンかおるホワイトソースも、がらりと風味が変わって舌にやさしい。 むっちりしたラザニアがさらにソースの旨味を全部受け止めていて、噛むごとに違った味わいを感じるほど。
これは敵わないなあ、なんて過ぎりもしたけれど、そんな料理人の小さな嫉妬は一口目と一緒に飲み込んでしまった*]
(273) mmsk 2019/12/05(Thu) 21時頃
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/* あーーーんウッチーだぁーーーウッチー大丈夫ーーー!? もうねーーもうねーー心配したんだからぁーー(ぐすぐす)(ぎゅう)
(-385) mmsk 2019/12/05(Thu) 21時頃
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/* そして反対にオットーが元気ない感じなのね……! わたしの元気もらって! あげるから!!
(-386) mmsk 2019/12/05(Thu) 21時頃
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/* ウッチーいきてた〜〜〜〜〜よかった〜〜〜〜〜 よかった……ぐすん
ウッチーこれ以上元気分けたらなくなっちゃうから大事にして! わたしのを2倍投げるから……!( っ'-')╮ =͟͟͞͞●●ブォン
(-389) mmsk 2019/12/05(Thu) 21時半頃
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/* Σ桐野江さんの元気減ったらオットー泣いちゃう
(-392) mmsk 2019/12/05(Thu) 21時半頃
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/* あ〜〜〜んオットー〜〜〜〜!! 気持ち以外も元気になって……エリカさん分けたげるから……(ぎゅう)
(-394) mmsk 2019/12/05(Thu) 22時頃
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/* 片手割できなくても、嫌いになったりしませんよ?? ふふ。
(-398) mmsk 2019/12/05(Thu) 22時半頃
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[ラザニアに逃げていれば、宅本さんから出てくるのは彼氏だとか愛していますとか>>280>>281。 一言聞くたびに自分と宅本さんとの関係に名前がついていく。 嫌なわけじゃなくて、むしろ嬉しくて。 宅本さんの言葉を否定したいわけじゃない、けど。]
――泣いたり、しないもん。
[あんまりに恥ずかしすぎる言葉たちは、耳を通れば通るほど顔を熱くして、口に出来たのはただ一言、それだけ。 いよいよまっすぐ向いていられなくなって、スプーン咥えながら俯いた。]
(290) mmsk 2019/12/05(Thu) 23時頃
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[だから、宇津木がデザートを仕上げて表に戻ってきたのに顔を上げたら、ずいぶん赤く染まっていたと思う。 まるで、すっかり酔っ払ってしまったくらいに。]
……ねえ、おしまいだし、ちょっとだけお酒飲もうかな。 甘いやつ。
[それならいっそ、と、染めきってしまうことを選んだ。 大丈夫。この間はノンアルコールで終わりだったけど、お酒に対する引っ込み思案な気持ちは、少しだけ変わった。 だから、少しくらいは。楽しく飲めるくらいは、って。
いいかな、と宅本さんの方を、ちらり振り仰いだ*]
(291) mmsk 2019/12/05(Thu) 23時頃
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