270 食人村忌譚
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―どこか―
……ごめんください。
[戸を叩く音にしわがれた老婆が出てきて放るように投げられた野菜を拾って胸にしまう。 焼けた最初の頃こそ私を憐れに感じたか、大変に色々なものを貰ったものだが、優しかった老婆の顔はもう私を厄かむ顔、無理もない。1年続いて見返りも進展もないのだ。 遺った財産に畑も無く村の者との世伽の相手も火傷の痕が見られるのが嫌で断る始末。こんな状況で生意気だと言われたこともあったっけ。 玄関の前で感謝のお辞儀を済ませると、また施しを貰いに別の家へと足を向ける。*]
(90) 2017/11/21(Tue) 23時半頃
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きれい。
[向けられた言葉を繰り返す。綺麗、美しい、可愛い、などと、娘が評される事は多い。向けられ慣れた、聞き慣れた、言葉に]
うん。綺麗だよ。ごはん、食べられるよ。 いるの、おてても、綺麗。 ごはん、食べられるね。
[相手の想定とは異なる意から、返答し。 誇るように掌を向けて見せつつ言った]
(91) 2017/11/21(Tue) 23時半頃
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真剣師 鬼丞は、メモを貼った。
2017/11/21(Tue) 23時半頃
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/* >>85 身柄じゃなくて身の上だね。なんだよ不幸な身柄って
(-12) 2017/11/21(Tue) 23時半頃
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あー有難う。 けど進くん寒くない?
[>>87気遣いの言葉を返しはするが、掛けてもらった学生服は、ありがたく膝の上へ。 鞄は、もちろん引き受けよう。]
この椅子、少々ガタがきてるんだよね。 近いうちに、リツに直してもらわないとダメかもなぁ。
[がたがたと車椅子が動き出せば、そんなぼやきを落としながら、自身もまた、飛ばされた膝掛の行方を目で探す。]
(92) 2017/11/21(Tue) 23時半頃
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―回想:江津子おばさんと―
[嬉しい、と。 そう微笑むおばさん>>56に、私もにっこりと笑顔になった。 自信作なんだよ、と、薄い胸を張る。]
牛さん!?やった!ありがとう! おばさん大好き!
[多分、相手が年近い相手だったなら、 手を取って飛び跳ねたであろう勢いで、 一人、両手を上げて跳ねる。
牛の肉、特に舌の肉は大好物だ。 付け根の辺りは柔らかいし、じっくり煮込んだ時の風味は格別で、 私の方の舌がとろけてしまうんじゃあないかと思うほど。]
(93) 2017/11/21(Tue) 23時半頃
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ありがとう!楽しみにしてるね!
[それじゃあ、と手を振って、彼女に背を向ける。 強くて、優しくて、素敵な女性。 彼女は、幼いころから、私の憧れの人だ。*]
(94) 2017/11/21(Tue) 23時半頃
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[次の家に向かう途中声をかけられる>>85振り返り見遣れば、リツの姿を確認し、差し出された握り飯に、ぐうーっとお腹は鳴った]
…いいの?
[細い腕両方出しておにぎりを受け取り飢えを感じていたのもあって静かにその場で食し始める。初めての夜にも貰ってたっけなんて思い出しながら。おにぎりはすぐにお腹の中に消えていった]
ありがとう。美味しかった……。 今帰りなの?
[担いでいる大きな道具箱に視線を移して、私にも出来たらなと思うのでした。*]
(95) 2017/11/21(Tue) 23時半頃
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―回想:遠き日―
[やんちゃだった私にしては珍しく、 頭の上から降る優しい声>>57に じっと耳を傾けていたのを覚えている。]
しょーめんからも、せなかからも…… えぇと、すてばち?
[うーん?と首を傾げる。 今なら兎も角、彼女の言っていることを理解するには その時の私は幼すぎた。
とはいえ、おばさんが真面目に話してくれていることは 子供にだって理解できたし、 何より、続いた歌で、 唇を尖らせていた私は、一気に上機嫌になったことだろう。 お歌を歌うのは、大好きだった。]
(96) 2017/11/21(Tue) 23時半頃
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まえのーあんよを きーりつーけてー
[たどたどしい調子ながらも、彼女の歌に続く。 熊を倒したその腕は、優しく、温かい。 胸に身体を預けて、歌を口ずさむ。]
ごぉろん ごぉろん ダルマさん―――
[――おばさんが、お母さんだったらよかったのに。 温もりの中、そんなことを考えてしまったのは、 同じ胎から生まれたはずの存在と 自分が平等なものでないらしい、と 子供心ながらに悟った日でもあったから。*]
(97) 2017/11/21(Tue) 23時半頃
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琴弾き 志乃は、メモを貼った。
2017/11/21(Tue) 23時半頃
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―妹の話―
[神様というのは、全く不平等だ。 黒曜石のような瞳と、漆黒を溶かしたような黒髪を見る度、 否でも思い知らされる。
『きっとあなたは良い巫女になるわ』>>65 いつか、妹に向けられた母の言葉に、私も心の中で頷いた。 慈愛の心に満ち溢れた妹は、 きっと母と同じ、皆から愛される巫女になるだろう。 ぼんやり、そんなことを考えたのを覚えている。
あの日以来、私は神社に足を踏み入れていない。 他人を広く受け入れる、包み込むような人であれ。 名に反した自分の有様を、突き付けられるような気がしたから*]
(98) 2017/11/21(Tue) 23時半頃
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/* こんぷれっくすのかまたり
なおコイツ占い師希望である(やばい)
(-13) 2017/11/21(Tue) 23時半頃
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兄さんがうまいこと帰ってくれば、いっしょに夕餉かなんかでもご馳走してもいいし。 それか……あー、若い子には志乃や容のほうがいいか。 桜子もいるしねぇ。
[>>89男だろうと女だろうと。何もない時に礼として差し出すのなら、我が身が一番手っ取り早い。 ケラケラ軽く言いながら、進の押してくれる車椅子に身を任せる。]
ぅーん?
[ふと、そこへ聞こえてくる質問。 軽く首をひねり、考えてみた。]
(99) 2017/11/22(Wed) 00時頃
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/* えっ っていうかマジで占い2COとかみたいになったら 狂人の方が信用とらへんこれ!? いやどういう感じになるのかとか狂人さんってか赤窓どうするんとか分からんけどさ!
こいよ狂人!包丁なんか捨ててかかって来い!!(鍬振り回しながら)
(-14) 2017/11/22(Wed) 00時頃
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[畦道に腰かけ、膝の上に掌ほどの天然の砥石を取り出す。 山から切り取ったような武骨な形のそれは、幼い頃に拾い上げた「運命」である。 この石で研いだ小刀は、もはや研ぐことも躊躇うほどの刃しか残っていないが、それでも手放すことはない。守り刀、というわけではないが、―――幼い日、この小刀で切り取った舌の味を忘れられずにいる。
薄い唇を開き、つと周囲を見た。 人影のないのを確認し、運命の砥石に舌を這わせる。 冷たく、固い舌触り。 気に入りの部位とは似ても似つかぬ感触。 柔らかい部位は、子供や近親者に与えられることが多く、この鬼の名を持つ男の口に入ることは少ない。 その不満も、不思議とこの無機質な感触が癒してくれる]
(100) 2017/11/22(Wed) 00時頃
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そうだなぁ……。 兄さんはよく眼の周りが美味しいとか言ってるけど、僕はよくわからないな。 あぁでも、脳と心臓は好きだね。 特に心臓は、歯ごたえがいい。 脳は、僕は塩茹で派なんだけど、進くんは?
[あれやこれやと思い出す。 そういえば最近あまり良い臓腑にありつけていない。]
あと好き嫌いは別として、膝や踝の軟骨、あとアキレス腱は、しょっちゅう食べさせられているよ。
[弱った個所と同じ部位を食べると、治りが早くなる。 だから足の病の進行も、この程度で済んでいる。]
(101) 2017/11/22(Wed) 00時頃
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―再びの牛舎―
[まさにお米を望む声>>79も知らず、御馳走さまと両手を合わせ 空のお弁当箱を携えて、再びこの場所>>8へと戻ってきた
女手一つでは逆さづり>>29こそ叶わなかったが、 腑分け>>51はきちんと、こなしてある
ザッ ゴリッ と解体(バラシ)にかかり、 手際よく部位を切り分けていく
もしかしたら、血抜きは十分ではなかったかもしれないけれど、 半時も経たぬうちに、老いた牝牛は籠の中
やがて牛舎の主も>>9あらわれて、 お福分けは、舌と臀部の新鮮なお肉]
ありがとうございます おいしそうですね
[江津子の声に、主は砕けた調子で笑いながら――――]
(102) 2017/11/22(Wed) 00時頃
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『私は江津子さんの方が、食べたいですよ……』
[瞬間、ビッ と響くは風を薙ぐ音 主の鼻先には鉈の先端が突きつけられて、 跳ねた血糊が、彼の顔へと注がれる]
……刃が、傷んでしまいました また、丞(たすく)さんに研いでいただかないと
[『……冗談ですよぉ』と呟く主も、昔江津子が温めた1人 そして、その場でかつてのミナカタ同様、 似た言葉>>70を口にした1人――――]
また、何かありましたら なんなりと
[切っ先を向けていた時の微笑みのまま、 血糊を落とし鉈をしまうと、再びの牛舎を後にした]
(103) 2017/11/22(Wed) 00時頃
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PPP イルマは、メモを貼った。
2017/11/22(Wed) 00時頃
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軟骨と腱、容が煮込んでくれるやつが美味しいんだよなぁ。 また今度頼みに……
……あ、あれかな?
[そんな話をしながら自宅へと向かっていれば、灌木に引っかかった膝掛らしきものが目の端にとまり、あそこあそこという風に軽く身を乗り出して指さした。*]
(104) 2017/11/22(Wed) 00時頃
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もちろん。俺の分は家に帰ればまだ蓄えがあるし シノちゃんも大変だろうからな
[おにぎりを食べ始めるシノを眺めながら>>95 つい目線が火傷跡へと向いてしまい、泳がせる]
どういたしまして。なに、困った時はお互い様 そうだよ。この先の家の雨漏りを直してきたんだ
[今帰りなの?という質問にはそう、来た道を指さして答えて]
仕事道具、興味あるかい? まあ、金槌とか、のこぎりとか普通のもんしか入ってないけど
[道具箱への視線に気付くとそう言って、道具箱を軽く揺らした]
(105) 2017/11/22(Wed) 00時頃
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− ユキノシタと火傷 −
[その家が火に包まれたのは1年前>>71 村中総出の騒ぎになり、可哀想に、命が2つも炭に消えた。 生き残りがいるなら、俺の作業はそちらへ集中する。 色々乾燥させた草なら貯えがあったが、 火傷に効くのは生のユキノシタの葉だ。
娘の傷を全て覆うには足りず、 痕が残るのは必定だ]
悪いな志乃ちゃん。
全部治せなくて。
(106) 2017/11/22(Wed) 00時頃
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[生の葉を求めて山も探ったが、 根こそぎ採るわけにはいかない。 これらにはまた花を、葉を付けて、 他の患者が出た時の為に備えなければならないのだ。
恨まれても仕方ない。 命助かっただけ儲けものだと思ってもらうしか。。
苦い口調で謝ったのは治療に数カ月掛った後。 申し訳ないと思う気持ちから、回ってくれば 施しはするけれど、 彼女に手を出そうとも思わなくなったのは 身体に残った傷のせいか、俺の心に残った傷のせいか。 思いはユキノシタに埋めたまま*]
(107) 2017/11/22(Wed) 00時頃
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― 回想 ―
わあ、綺麗。 お花。 ゆりさま、ありがとう。
[村の要の一つである神社、その象徴にして実体である存在、巫女。その当代のゆりに捧げられた冠を緩く両手で押さえ、娘は嬉しそうにはにかんだ]
うん。ありがとう。
[子を孕むは重たく、少なからず煩わせ、終いに産むのは多大な痛苦である。子に愛着を抱くもなかった娘は、宿し生む事の感慨を、感得も理解もしなかったが。 めでたいと、祝いだと、喜ばれるのは嬉しかった。それに、子供は増えただけいいと、そう皆が語るのは昔から聞いている、皆が語るから、それは間違いないのだと、わかっている]
(108) 2017/11/22(Wed) 00時頃
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[石や刀の硬さ。 骨とは違う密度。
違うものなのに、思い出すのは柔らかく赤い分厚いそれを噛み切った時の感触で―――]
………、 けぇるか
[どっこいせ、と立ち上がれば、はしょって丸出しになった足が冬の風に震えた。 骨ばった自分の身体を見下ろすたび、胸を過ぎるのは、一瞬の可笑しさと一滴の雨粒程度の申し訳なさ。それらが起因するのは、ただひとつ。 「なんて不味そうな身体だろうか」**]
(109) 2017/11/22(Wed) 00時頃
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真剣師 鬼丞は、メモを貼った。
2017/11/22(Wed) 00時頃
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子供は風の子、って謂うんですって。 僕は寒くても大丈夫みたいです。
[風が吹けば身震いはするけれど お日様が出ているうちは、底冷えするほどでもない。 白シャツ一枚でも、何とかなる陽気で助かった]
……うぅん、油でもさせば車輪は回りそうだけど 椅子自体も古いですし……お願いした方がよさそうですよ。
櫻子さんは身重ですよ。流石に身体に障るでしょう 今日は其れよりも夕餉にありつけたら幸せですね。 先生がまっすぐ帰ってきてくれるなら、是非お願いしたい処です。
[修理依頼は出すべきだ。 彼の言葉>>92に同意ひとつ、背を押す発言を置いておく。 >>礼の件、女の話が出たのには少し眉を下げて櫻子に対する言葉だけに留めておいた。 それよりは、ご馳走にありつけた方がいい。 人の慾には順番がある。 腹が満たされなくては、その次には進まない]
(110) 2017/11/22(Wed) 00時頃
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[初めて女を抱いた時のことを、今ふと思い出した。 >>41ミナカタに説かれたすばらしさに、期待をし過ぎてしまっていたのだろう。 実際のところは自分でするよりももどかしく、確かに好き勝手腰を振って精を吐き出した際は満足感も得られはしたけれど、初体験は心地いいというよりもただ、この程度か、という認識が強かった。
優秀な生徒は教えられた通り、素直に事をすすめ 優しく壊れものの様に扱って 幾人か女を変え、試してみたものの――結局櫻子の元へ戻るのは 彼女なら完全に自分の思う通りに事を運ばせてもらえるから、だった。
ゆりとは一度も身体を交わしたことがない。 それでも小さなころは話くらいしていたのだけれど 彼女がゆり姉ではなく、巫女様となってしまった後は こちらから声すらかけられなくなった]
(111) 2017/11/22(Wed) 00時頃
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[少し思考がそれてしまっていた処へ、問いかけの返事を貰う。 >>101塩ゆで――そういう食べ方が美味いのかと頭の片隅に記憶する]
僕はまだ、脳も心臓も口にしたことがないんです。 お好きな方が多いようで、中々回ってこないですからね 軟骨は、僕も食べます。 煮込みよりも、焼いて貰った方が食感が――あ、
ちょっと待っててくださいね。 膝掛取ってきます。
[錠の示すものにススムもまた気付き、歩みを止める。 人の背にも満たない低木の先に布切れが被さっていた。 椅子から離れ、枝から引っ張り退けるように布を引く。 勢いが強すぎたか、細枝が音を立てて折れ 膝掛ごと引き寄せてしまった。手の甲を折れた先がかすり傷を付けていく]
いた……っ、とれましたよ錠さん!
[ばさりと一度はたいて汚れと枝を落とし膝掛を抱えて錠の元へ戻ると、達成感の笑みと共に差し出した*]
(112) 2017/11/22(Wed) 00時半頃
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―道すがらの回想―
[主の言葉>>103が呼び水となったのか、 思い出>>61の続きがあふれ出す
『もし江津子さん食べていいなら、 胎を食べてみたいくらい。』>>70
情事の最中の睦言に、微かに眉元に力がこもった そっと相手の肩に手を回し]
ミナカタさんは――――
[けれど、口にしかけた言葉は飲み込んで、 回した手の力を強め、抱きよせながらこう返したのだった]
(113) 2017/11/22(Wed) 00時半頃
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―― ―― [男は、それで成熟していた。 人としての形なら十分に備えていた。 四肢はそろい、それぞれを五指が飾り、 閉じるひらくは十全に機能する。
十全に機能し、それでも足りぬと思わせる―― ――足りて、いないと思わせるほどに、 「成熟」を欠いた状態で、成熟していた*]
(114) 2017/11/22(Wed) 00時半頃
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そうですね……異論がなければ、いいですよ 輪廻の流れに とらわれて 運命(さだめ)の時を迎えたのなら――――
[意味を問われたとしても、何かを求めていたかもしれない>>69、 そんな若者の状態ならば、うまくはぐらかすことができただろう
ただ、この情事は1度きりのこと 仮に求められたとしても、やんわりと『お断り>>60』をしていたから
常の接し方は変わらずも、重なることは 2度はなく そのままこうして齢(よわい)を重ねて、今の時へと至っている。
気づいているものもいるだろうか いたとしても、平時であれば気にするものはいないだろうが
江津子はこれまで、まだ生きている人を食べる仮定を、 口にしたことは一度もない]
―道すがらの回想―
(115) 2017/11/22(Wed) 00時半頃
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