261 甘き死よ、来たれ
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死ぬことは、怖くなかったはずなのに、 ……いざこうなると、どうしようもなく怖いんです……。
[ 助けてだとか、そんな泣き言を言うつもりは無かった。 ぽつりと落とした「怖い」なんて弱音だけ。 これ以上の迷惑をかけるなんて、出来ないから。 ]
教会の、裏に……箱があります。 子どもたちのために食糧を入れておいたんですが、もう、誰もいませんから。
――――私が死んだら、ヴェスさんに。
[ 量は、多くないけれど。 でもなにかの助けにはなるだろうと、掠れた声で呟いた。* ]
(35) 2016/12/17(Sat) 21時頃
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そうね、諦めてないって言うか。 最後まで何かはしたいじゃない?
[軽く咳込んで。 そこに鮮血も混ざっていたけれど。
それでも希望があるならば。 それを辿って行こうと思っていたから。]
それならばそうしましょう。 その時は何か食べ物も持って行くわ。
(36) 2016/12/17(Sat) 21時半頃
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[続く問いに。 一瞬戸惑ったような表情を浮かべて。
内心ではもう無理かもしれないとは思っていたが故に。 それでも、陽菜子は陽菜子の答えを返す。]
うん、思っているわ。 いずれこの世界は元に戻るって。
それと……いえ、なんでも無いわ。
[放送に誰かが答えるかもしれない。 そんな荒唐無稽な事は流石に言わないまま。]
(37) 2016/12/17(Sat) 21時半頃
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[寝転がる二人のうちの一人>>+32が、こっちに近づいてきます。 それに、あたしからも近づいていって、にこりと笑いました。
そりゃね、生きてるほうがいいですけどね。 こうして再会するのも、まあ、悪くないんじゃないですか?]
ね、すこしぶり。
う〜ん…… ねころんでるっちゃ、寝転んでる…かなあ。
[でもあたしが生きてたころはまだ座りこむだけでしたし、めるに横にしてもらったんですから、あれは不可抗力ですよ。 それでも言いづらそうに、わざとじゃないよ、なんて苦笑してみせました。
あいちゃん、笑ってますから、怒られないとは思うんですけどね]
(+33) 2016/12/17(Sat) 22時頃
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そう、そう。 きみにね、ききたいことがあってだね。
ほら、あの…クリスマスツリー? あれって、なんなの?
[聞きそびれていたこと、ようやく聞けました。 一度気になっちゃうと、ずっと気になっちゃいますからね。 ささいなことでも、今のうちに疑問は解消しておかないと。
記憶をたどるようにツリーを思いうかべながら、さまよわせた視線は、やがて彼女のもとへ。 彼女の姿を視認して、あたしははてと首をかしげます]
メリー、どうしたの?
[大切にしていたはずなのに、なくしちゃったのかしら。 心配になって、ちょっとだけ焦ったような表情だったでしょう。 なくしちゃったなら、一緒に探してあげなくちゃかなって]
(+34) 2016/12/17(Sat) 22時頃
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―廃教会>>34>>35―
[抱き寄せると彼女の口の血が胸に滲んでいく。 苦しくならないようそっと包み込むように支える。]
・・・そうか。苦しいか・・・。
[症状の悪化に過り出す彼女の死。 吐き出す血は彼女の手よりポタポタ落ち、俺の希望も一緒に地面に落ちていく。 水のペットボトルも持ってきてなければ運んでいいのかももはやわからない。 のんきに風呂など作ってる場合ではなかった。 ポケットからハンカチを取り出すと鮮血に染まった口元を拭いて手にハンカチを握らせる。]
(38) 2016/12/17(Sat) 22時頃
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・・わかった。 食料はシェルターに移そう・・・・・・ けど、その食料は一緒に食べる。 久しく誰かと食べる生活から遠ざかってた。 俺が朝飯は作ってやる。晩飯も作ってやる。
怖いなら死の事は考えずにこれからのことを考えるべきだ・・・。 生きていく自分のな・・・
[俺が今してることは偽善だろうか。少し前までは彼女を無理やり自分のためにと考えていた。 死を匂わせる今、彼女に求めるのは生きてることだけ、胸が張り裂けそうに痛む。俺はこの感情は知らない*]
(39) 2016/12/17(Sat) 22時頃
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[みょんこの笑みは、やっぱり思った通りだろうけれど>>+33 念の為に聞いてみよう。]
後悔、してない? しあわせ、とまでは行かなくても あなたにとって、悪くない最期を迎えられたかしら。
[まー、寝転ぶのは目を瞑る。 わざとじゃない、と彼女も言っているし ならいいよ。と偉そうに頷いてみせた。]
(+35) 2016/12/17(Sat) 22時頃
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聞きたいこと、
[はたりと瞬いて、続く彼女の言葉に耳を傾け]
あぁ、クリスマスツリー。 あれはね――…
[口許に指を添え、少し焦らそうか。 と、いうか、私自身も上手く答えが出せていないのだけれど 思案、思案、ああ、そうか。 その正解は、持って行かれちゃったんだ。]
……思い出、かしら。 私ね、クリスマスで時間が止まってた。 その時に戻りたかったのね。
世界が終わりかける前、災害に襲われる前。 私は、一度、終わっていたのかも。
(+36) 2016/12/17(Sat) 22時頃
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[でもね。と、メリーの行方についても一緒に答えよう。]
メリーだけ、還っていったの。 クリスマスの日に戻って、あの子は今頃幸せに過ごしてる。
……私は、
[ちらりと春の方に視線を向けたのは無意識だった。 だけれどそんな自分に気づいて、思わず笑う。]
今を生きることにしたわ。
[死んでるけど、と付け加える言葉は 何の思置きもない、冗談めかしたもので。*]
(+37) 2016/12/17(Sat) 22時頃
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[>>26 通りかかった包帯だらけの少女。 当初は落ち込んだ表情をしていたが、どうやら芸を見るうちに明るくなったようだった。 拍手までしてもらえたことに喜び、追加でジャグリングのボールを飲み込む手品まで見せてしまう。]
ホホホ、お褒めに与り光栄です! ……あら?
[おひねりまでもらってしまった。 ネイサンの手の中には、災害用羊羹。 パッケージの裏にはもう役に立たない災害用伝言ダイヤルの表示まであった。]
ありがとうございます! ……お嬢さん、何か悲しいことでもありましたか? よろしければ、このピエロめに話してみては。
(40) 2016/12/17(Sat) 22時頃
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[もし会話が続けば一緒に道連れとして共に少女の目的地へ。 断られればその場で芸の披露を続けるだろう。]
[オンボロ一輪車がキリキリと音を鳴らす。 手元のボールは、手に糸で吊られているかのように正確に掌へ。 時折手品を交えながら、ピエロは芸を続ける。]
[それは、日が暮れて手元が見えなくなるまで続くだろう。*]
(41) 2016/12/17(Sat) 22時頃
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―回想:廃墟>>36>>37― [彼女は諦めていない。はっきりと確信した。 血の混ざる咳を見て不安にはなるが、明確に生を示したのは知ってる限り彼女だけだろうか
最後に気になる一言を呟いたものの、聞きたい言葉はそれで十分だった。だからここから言う台詞は躊躇わない。]
お前がそう思ってるなら・・・
そのときじゃなくてもいつでも東シェルターに来るといい。 その度に、食事を出してやろう。
・・・俺は一度諦めた。しかし最近になってまたわからなくなってきてる…。 ただ、何もしなければ死に絶えるだけだとも考えてる。
戻るといいな。何もかも。
[不思議な気がした。少しだけ本来の戻りたいという希望を思い出したような。 それから俺はノコギリを手に持ち彼女から離れていく。 切り替えは風呂。長期に渡ってシェルターを住みやすくするために。*]
(42) 2016/12/17(Sat) 22時半頃
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[ 一度目は堪えながら姉妹を慰めた 二度目はただただ生き残りと抱き合っていた 三度目に初めて泣いた 四度目は狂ったように泣き喚き続けた 五度目はぼんやりと宙を眺めていた その後は、さて
何にしろ戸川は全て覚えていないのだ。 家族だけじゃない。かつての友らも、将来を誓った女も見送らなければならなかった事実も。]
(43) 2016/12/17(Sat) 22時半頃
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皆だけずるいよ。 どうして連れて行ってくれないの?
[一歩、一歩と歩みは着実に]
(44) 2016/12/17(Sat) 22時半頃
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[ 記憶喪失とは本当に全てを無くしたのではない。 ただ、引き出しにしまい込んだだけ その鍵を見つけられなくなってしまっただけだという。 切っ掛けがあれば戻るという。
戸川の記憶障害も類似したものだった。 喪った者の名前、共に過ごした思い出、関係性への実感。 それらをしまい込む必要があった。 忘れることで心を守ろうとしていた。 生きようとしていた。]
(45) 2016/12/17(Sat) 22時半頃
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もう、いいよね?
[ね、いいでしょう。どうせ何も無い空っぽなんだから。 本当に一人だけ遺される前に。
ぼくはいきます ひとりでいきます。
独りで、逝きます。]
(46) 2016/12/17(Sat) 22時半頃
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[ そして悲しみと恐怖を忘れ、亡骸を前にしても揺れ動かない感情を持つことが出来た。 けれどそれは、自分の心を虫食いの穴だらけにするということ。
生きる為の忘却で、結局は死ぬのだ。 これが病の症状ならば、自ら選択する必要は無かったのだろうが。]
(47) 2016/12/17(Sat) 22時半頃
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[ もう何も聴きたくないな。 なら、耳を塞ぎましょう。 こんな空は見たくないな。 ほら、目を閉じましょう。
訪れる浮遊感 でも、ほら。何も見なければ空を飛んでいるみたい。 ねえ、ほら。見えるんだぼくには。とっても綺麗な青空だよ。]
(48) 2016/12/17(Sat) 22時半頃
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[ 望まなければ切っ掛けはもたらされず、 戸川の記憶の引き出しには厳重に鍵が掛けられたまま。
何もかもから逃げながら、 墜ちていく。 ]
(49) 2016/12/17(Sat) 22時半頃
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ああ、 ……
[母さん、俺は 最期に飛べたよ。]
(50) 2016/12/17(Sat) 22時半頃
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[ 波間に漂うは、誰かの思い出の写真* ]
(51) 2016/12/17(Sat) 23時頃
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かなしいこと?悲しそうに、見えた? そんな顔、できたんだ。
[ピエロの人にはわからないだろう。ともかく、姉と慕う人の死を伝え、その人の事伝を伝えに行くのだと告げる。 一緒に来るなら道すがらマジックを見せて貰ったりして、西のシェルターに向かっただろう。]
(52) 2016/12/17(Sat) 23時頃
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/* おああああ、れいくん切ない、せつない…… 最後に飛べたのは、よかった、のかな……せつない……
(-15) 2016/12/17(Sat) 23時頃
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[ 赤い血が彼のことを汚してしまう。 駄目だと思うのに、身体からは急速に力が抜けていって。 今まで何ともなかったくせに、悪化するときはまるで坂道を転がり落ちるようだ。
ふるり、目蓋が震える。 ]
…………そう、いえば。私も。 ひさしぶりに、誰かと食事が出来て――
……嬉しかった、です。
[ >>39彼の優しい言葉に微笑んで、幽かな声を紡ぐ。 握らせてくれたハンカチを持つ指に、ほとんど力が入らない。 揺れる視界を精一杯繋ぎ止めた。
次に目を開ければ、本当は全部夢で。 私はなんにも病に苦しむことなく生きていけるんじゃないだろうか。 でも、そんなことを思うのは先に死んだ人への冒涜だろうから。 ]
(53) 2016/12/17(Sat) 23時頃
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全部、してもらうなんて……だめです。 私ももう少し、マシになったら、 なにかお手伝いを――――、ッ!
[ 本当に灼けているのではと疑う程の熱と、痛み。 世界が歪む。彼に凭れ掛かっていた身体は完全に力が抜けて、 指先からハンカチの抜け落ちる感覚がした。
たくさんの人を弔った。子ども達は、皆いなくなって。 次第にひとりになっていく自分の目に、 唯一人。彼だけが、途切れることなく映っていて。 ]
( 先に置いて行くのは、私の方? )
[ 期待して、失いたくなかった。 だから何にも言えずに、残せずに死んでいくのだろうか。 ]
(54) 2016/12/17(Sat) 23時頃
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[ ここにいるのは、恐怖に怯えて動けなくなった少女のすがた。 祈りも救いを説く一節を読み上げる声でさえ、 いつの間にか空っぽになってしまった。
瓦礫の下に埋めたのは、かつての幸せな日々。 忘れてくれて構わない。私がそうしてきたように。 ]
ごめん、 なさい、
[ あなたの役に立ちたかったのに、 謝ることしか出来ない。なんにも、もう。 ]
(55) 2016/12/17(Sat) 23時頃
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―――――― ぁ、 ?
[ どくん。 ]
[ 一際大きく、異常なほどに跳ね上がった心音は 身体を預けていた分彼にも伝わっただろうか。
ぽたぽたと零れ落ちる涙と同時に、目蓋が緩やかに降りていく。 だめ、だめ。 まだ 言ってないことが、
……ぷつん、 ]
(56) 2016/12/17(Sat) 23時頃
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[ 糸を断ち切られたように崩れ落ちる身体はもう、 いのちの抜け落ちた抜け殻だ。
それは憐れな少女の亡骸。 荒廃した世界では珍しくも無い最期を迎えただけの、 ありふれたがらくた。
カラン、と音が鳴って 少女のロザリオが滑り落ちた。* ]
(57) 2016/12/17(Sat) 23時頃
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いくつか心残りはあるけど… これは、後悔ってゆうとちがうかな。
うん、わるくない。わるくないよ。
[ほほえんで、あたしは答えます>>+35。 それは強がりでもなんでもなくて、正しく本心でした。 えらそうな彼女には、ありがとうございます、なんて冗談めかして頭をさげてみせましょうね。
彼女はどうだったんでしょう。 ぽつりと浮かんだ疑問は、後でたずねてみようかしら。 その前に、もっと前から気になってることがありますからね]
うん、なに なに。 [焦らされれば、神妙なおももちで答えを待ちます。 はやく!って言いたいのをこらえて、いい子に…… かなり焦れながら、彼女を見つめました]
(+38) 2016/12/17(Sat) 23時頃
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