233 逢魔時の喫茶店
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−−…どーも
[開けた視界に映る双眸の真摯さに、 からかい混じりでもいいやと世辞を受け取り。
答えを探し、見つからない間に投げられた問いに、>>+12 物思いは一時中断して、睫毛を震わせ。
そうだなあ、としばし逡巡するうち、 心地いい涼が掌に伸び、指先を包む 利き腕から心臓まで電流が走った。気がした。]
……
[答えはとうに出ているが、でも。 店に着くまでは無言で、歩く。 逸らそうとしても捉えられる視線に、 愉快そうな笑みに、つられるように笑って。]
(+21) 2015/08/09(Sun) 12時半頃
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[手を繋いで歩くなんてこどもっぽいと、 数年前のトレイルならすぐ振り払っただろう。
今はそんな、もったいないことはできない。
ぎこちなく指先に力を込めたり緩めたりを繰り返し、 温い夜風の中を進む。
石畳を踏むスーツケースの無骨な音が、 心音を誤魔化してくれないだろうか。 重なる鼓動は、より大きく響いて耳朶を擽る。
やがてツタに覆われた、怪しげな外観の先。 普段開けることのない扉が見えれば足を止めて。 一寸、向かい合い。空いている方の手で、 さらりとした絹の如き一束を掬う。]
(+22) 2015/08/09(Sun) 13時頃
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[ここから先は、彼らの領域。 中に何が待ち受けているかなんて知り尽くしているが。 客として訪れるのは初めてで、深く息を吸う。
畏れは、ない。不安もない。 あるとすれば常連や同僚の揶揄くらい。]
さっきの、あれだけど ……どっちも、千冬でしょ? 選べないから、楽な方でいいよ
[本来の姿の、天然の銀髪や広がる翼も。 仮初めの東洋の神秘も、 トレイルにとっての価値は同じだ。
欲しいのは、惹かれたのは器だけじゃない。]
(+23) 2015/08/09(Sun) 13時頃
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あ、でも店が混んでたりして 邪魔になりそうだったら 翼はしまっといて
[さりげなく、意を決して名を呼んだ後。 こみ上げる恥ずかしさとか、 解禁となった悦びを誤魔化すように早口で追加するのは、 店員らしい注意混じりの冗談。
摘まんだ毛束を離すついでに、 するりと払うように肩を撫でて、いざゆかんと扉に手をかける。]
……どーも どこ行く? 奥のテーブルでいい?
[できるだけ、なんでもない風を装って 出迎える店員に軽く挨拶を送る。 自然に剥がれない限り、指先は触れたままで。]**
(+24) 2015/08/09(Sun) 13時頃
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地下軌道 エフは、メモを貼った。
2015/08/09(Sun) 13時頃
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――― 寝る前 ―――
[喫茶店に人間を招いたことも初めてだが 人間の部屋に、きちんと玄関から訪れたのも初めてだ。 鍵の掛かっていない夢の扉を開くこととも、違う。
ぼんやり、眺めていたら、促す声>>+14 獏は素直なので、うん、と、頷く。]
天井、届きそうだな。 …… 届いた。
[背の丈と、腕の長さで、言った矢先。 伸ばした指が天井に触れて、笑った。 それから、ベッドの隅に腰掛け、リツが来るのを じい、と、躾けなく、眺め待っていたのである。]
(+25) 2015/08/09(Sun) 13時半頃
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[解いた指先は、両手を組み、腕は膝の辺りに。 すこし気を抜いた姿勢で 如何するか、と、リツ>>+15に対して、首を傾ぐ。
明らかに、何を指されているのか理解していない顔。 だから、なにが、と、言おうと、口を開いたのに 視線の先がそそくさと逃げてしまったので、瞬く。]
………… …………
[おれは素直なので 座って、と言われたベッドから リツが戻って来るまで離れなかった。 物言いたげな面くらいは、していた。]
(+26) 2015/08/09(Sun) 13時半頃
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――― 夢 ―――
[獏の添い寝に 腕で攫って、呼ぶ名前を子守唄に、目蓋を降ろした。
その次の視界、目を開けば、黄昏の街並み。 夕陽に向かって男女が仲睦まじく歩く、光景。 その陽を受けて、おれの影が長く広く伸びていた。]
うん。
[ぱたん、細長い尾が地面を叩く。 どちらが先に見付けたか、僅差でリツ>>+17だな。]
おはよう。 腕が短いのは、難だねえ、 今まで考えたことがなかった。
[両腕を揺らした。人間の半分だ、この長さは。]
(+27) 2015/08/09(Sun) 13時半頃
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[でかいだろう、と、黒い生き物は、黒い目を眇める。
短い足で器用に尻餅を付いていて 視線の先>>+19に、知らない二人組、改めて映す。]
あんたの夢を覗いてから
ずっと、この夢は何なんだって、考えてた。 悪夢なのか、大切な夢なのか。 結局、後者……… だったのか?
(+28) 2015/08/09(Sun) 13時半頃
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地下軌道 エフは、メモを貼った。
2015/08/09(Sun) 13時半頃
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/* 時間軸のことうっかりしてた。
(-14) 2015/08/09(Sun) 14時頃
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― 夢 ―
[尾が揺れる。 なんだか、愛嬌があった]
――おはよう、
[夢の中で、変な感じ、だけど。 >>+25 部屋の中でさえ 天井に手がつくくらいだったのは、この元の姿のせいもあるに違いない]
そか。 届かない、か。
[ゆれる腕にも愛嬌がある。手を伸ばしてみたが、でかいせいもあってなかなか遠い。]
(+29) 2015/08/09(Sun) 14時頃
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―夢―
―――、……
[黒い獏から、遠くを歩く男女の背に顔を向けた。遠い、とおいな。親友(あいつ)は、何にも知らないのだ。しあわせそう。 唇を引き結ぶ。 なんだろう。 なんと、言おう。]
……大切だけど、 悪夢でもある、か な
……俺の中で、だけ。
(+30) 2015/08/09(Sun) 14時頃
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[ぱたん、ぱたん、左右に揺れる尾は おれの意思と関係なく揺れるので、始末に悪い。
夕陽が落とす影の下。 立ち上がるのが億劫なわけではない――― が 起き上がらず、のったり 5M近い高さからリツ>>+29を見下ろす。]
うん………
[よいしょ、まあるく腰を折り曲げる。 短い足の裏を、ぽふん、リツの頭にタッチ。]
届いた。
[しかし、バランスが取り辛い、全体的に震えている。]
(+31) 2015/08/09(Sun) 14時頃
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[夕陽に向かって歩く二人の影は 遠いのに、距離は開くはずなのに、消えない。 此処は夢のなかだから。
しあわせそうな様子は、背中を見ても、分かる。]
遠くに行ってしまうから、? それとも、一緒に居られないからか。 …… ああいう、風に。
[どちらが、その大切な背中なのか。 確かめるように、黒い目は、まるまる、眺めて。]
うん。
でも、大切な悪夢なら、あの日に食わなくて良かった。
(+32) 2015/08/09(Sun) 14時頃
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[ぽふ、と>>+31触れた足の裏、 頭を撫でるように触れてくる]
……転げるなよ?
[そ、と。撫でてみる。 うん、なかなかの毛並み。
――店で、エフは聞く、と 言ってくれたから。 俺は、いままでろくに開いたことのない思い出の蓋をじわじわと、開けた]
……俺、 仲いいやつがいて ……そいつに、彼女ができた
そのときのこと、夢に見てる
(+33) 2015/08/09(Sun) 14時半頃
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[掌、と呼ぶより、前足と呼んだ方が良い。 重心を傾けるのも難しくて ぽん、ぽん、二度リツ>>+33に触れて、離れた。
身体を起こすとそのまま引っ繰り返りそうだ。]
………
[転びそうなので返事をしない、素直なおれなので。 撫でる指が心地よくて バランスも取れなくて、前後にゆらゆら揺れる。
――― それから、身体に比べれば小さな耳を ぴくぴく揺らして、彼のはなしに耳を傾けた。]
うん。 …… 何時のはなしから、繰り返し、見てる?
あんたは、寂しくてああいう顔をしていたのか。
(+34) 2015/08/09(Sun) 15時頃
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[返事がない。大丈夫じゃないのか。 ゆらゆらゆれる。そっと支えるように 手を添えたまま。]
――、そう だな
遠くに、 行かれたみたいな。 気持ちに、なった
半年―――いや、もう、ちょっと前か。
[自分の頬に片手を当て、それから胸の前に滑らせて、服を握り締める。]
(+35) 2015/08/09(Sun) 15時半頃
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……情けない顔、してたか
[じわじわと、喉の奥が痛むような感覚。]
さみしい――くるしい。
なんか、どうしようも、なくて。 いまだに、こうして夢に見る。
[俯く。ああ、バーじゃ耐えたのに、泣きそうだ。]
……食べなくて、よかった、っていったけど あんたに食べてもらえたら、 見なくて、すむようになるのかな……
(+36) 2015/08/09(Sun) 15時半頃
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[前後する身体を腕に支えられて 巨体のくせに、体重を、感じさせない、夢だから。
何処か首だか分からない首を傾ぎ リツ>>+35に目を落とす。辛そうにも見える、仕草。 眇めた視界に見えるのは、主に頭上だ。]
そういう感覚は、おれも、分かる。 寂しい……… ような気持ちだな。 うん。
[頷き、]
半年。 …… も、ずっと、見てたのか、あんたは。
[人間の半年は短くもない、と、分かるので すこしおれまで寂しくなって、表情を歪めた。 分かり辛い。]
(+37) 2015/08/09(Sun) 15時半頃
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してた。
[隠れていたから、背中ばかり見ていたが。 夢に生きる以上、なんとなく、理解る。 ――― そういうもんだ。]
いまも、苦しい?
[尋ねる声は、囁くくらいの、温度。 鼻先を額の辺り、狙って、押し付ける。 泣きそうな気がして、撫でるんだか、そんな、ぐりぐり。]
これは、リツの夢だから、なあ。 あんたが辛いままだったら 食っても、…… 夢を見たことを忘れる、だけだな。
おれは、あんたが辛くなくなれば良いと、おもう。
(+38) 2015/08/09(Sun) 16時頃
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/* ボディガード・ブロくん
かっこいいな!
(-15) 2015/08/09(Sun) 16時頃
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/* アマノくんとゴロくんに ふわふわフラグを感じて、これは、ピュアの気配!
ふふ。
(-16) 2015/08/09(Sun) 16時頃
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……ん
[>>+37わかる、と言ってくれることに 変な話、安心する。 大きいのに、夢の中だからか ふわふわと、雲のように軽いおおきな獏]
みてた
――最初のころより、随分、ましになったけど
[仰ぎ見る獏は わかりづらいながらも つらそうな顔をしているように見えた。]
……もう過ぎたことなのに 俺が女々しいだけなんだ
(+39) 2015/08/09(Sun) 16時頃
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[黄昏の向こう、親友に向けてたのは こい、だったのだきっと。 気づいたときには何もかも手遅れの。]
――そか
[はっきり言ってくれるから、>>+38 いっそ、たすかる。 ぐりぐりと寄せられる鼻先、夢の中だからと言い訳して自分も摺り寄せた。震えた息と一緒に、目じりから涙が伝ったのが、わかる]
……――、忘れるだけか それじゃ、いみ、ないな
[ごく微か、苦笑気味。小さく、息を吸う。]
(+40) 2015/08/09(Sun) 16時頃
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[店内はいつもより隙間があった。
優しい悪魔が、新米魔術師のために。 或いは親交の厚い店員の、特別な一夜の為に。
早速、無償で働いてくれたお陰、>>5 だとは気づかぬまま。
これくらいなら、休んで問題なかったかと。 密かに安堵の息を吐く。]*
(+41) 2015/08/09(Sun) 16時半頃
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――つらくなくなる、……か
[額に押し付けられる鼻先、撫でながら 意を決するまでの 長い間のあと]
……、――あんたと、いると ……うれしい
[ぽつりと、俺は。 正直なきもちを、 告げる]
たぶん、 つらいことも、 少しずつ、忘れられる、気がする くらい
(+42) 2015/08/09(Sun) 16時半頃
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[人間の感覚と差異があれど 理解は出来る、と言う感覚は、伝わったか。
短いいらえに安堵を覚えて ゆら、ゆら、揺れて、リツ>>+39に支えられる獏。 瞬きは、ゆるい、未知ではない感覚よりも 彼が辛そうにしている方が、苦く、感じて。]
過ぎたことでも、それも、大切だったんだろ。 あんた、悪夢でも、大切だったって、言ったな。 その、……… 友達のこと。
忘れたら、あんたじゃなくなる、と、思う。
(+43) 2015/08/09(Sun) 16時半頃
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なん、だけど
その
[そこまで言って 恥ずかしくなった。俯いたまま顔を上げられない]
(+44) 2015/08/09(Sun) 16時半頃
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だから、覚えていれば、良い。 ……… どっちにしろ、おれにそれは、食えない。
[黄昏の向こう側に進んでいく背中。 相変わらず消えない背中を 隠すみたく、ずんぐり、姿勢を、傾けた。
影が、深く、長く、伸びる。]
その上で、
[視界で、涙が零れた。 夢でも、確かにそれは、黄昏色を映して きらきら光るその筋に、鼻先を押し付ける。 拭う、溢した苦笑いごと。]
(+45) 2015/08/09(Sun) 16時半頃
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おれの方、見てろ。
[喫茶店で、そう、口にしたのはトレイルだったか。 ことばの矛先もまるで違うけれど 此処で借りるのは、ズルじゃあないと、良い。
うれしい>>+42 そう告げるリツに、重ねるかたち。]
うん。
[正直なことばが、羞恥心か、何か 消えそうになるまで、小さな耳で、聞いて。]
(+46) 2015/08/09(Sun) 16時半頃
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そりゃあ
嬉しいが増える方が、良いねえ。
[ふ、は、洩れる、笑み声、獏から。 苦くした表情が緩むのを、感じた。]
おれも、あんたと居ると、楽しい。 辛そうに見えるのは、辛い。
……… だから、おれの方を見ていれば、良いな。
[そう、ことばを重ねて、しかし 獏の身体は矢張り、腕が短くで、リツの顔>>+44を 上げさせるには、至らないのだった。]
(+47) 2015/08/09(Sun) 16時半頃
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