25 花祭 ― 夢と現の狭間で ―
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>>521
ああ、わからんな。 それを訊くのも無粋かね。
まぁ、一応訊いてみてもいいな。あれに刀を貸す約束をしててな。 考えれば俺も危ない約束をしたものだ。ただ、舞はなかなかに力強く美しく思えた。
[相槌を打つ高嶺をちらと見下ろして、その顔がこちらを向くと、やはり綺麗な貌に、まったく…と呟いて…。]
俺が気に入るという問題もあるだろうが、 花が俺を気に入るかもあるな。
まぁ、俺は花を買っても、あまり大事にしないらしい…と、放っておいてばかりで呆れると、よう怒られていたさ。
[かつて買い求めた花は一輪。花というよりもまるで駄々っ子をあやす乳母のような花だった。見てくれも、ここにいる花々に比べれば見劣りしかしなかった。 だけど、あたたかい奴で……仕事にかかれば全く振り返らないことも、愚痴はすれど見守ってくれてた。
で、{3}年ほど一緒にいたろうか。 そののち、親が病に倒れた報を聞き、田舎に帰っていった。]
(523) 2010/08/02(Mon) 09時頃
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なんで、芸や舞が綺麗な奴もいいが、 それ以前に、な。
[おそらくは、他の花主とは求める次元は違うだろう。 そう思っているのもあり、
なんだかんだ考えると、毎回、求めない方向に落ち着く。]
高嶺さんはどうよ。
[聞き返した。]
(524) 2010/08/02(Mon) 09時半頃
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/*
その元花は、うん、ムッピーイメージで。
(-112) 2010/08/02(Mon) 09時半頃
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― 食堂 ― 噂の真相を知りたい花主は山のようにいてね お陰でボクは行き先に困らない。
[口の端を歪めて哂う。 ひとを小馬鹿にした、見下す視線は常の通り。 トゲを纏い、相手との間に距離を作る為のもの]
……ここに居るのは、館主にせがまれたからさ。 ボクの意思じゃない。 誇張かどうかはさておいて 誰かのように焦って主を探しに来たわけでもないし いまの所だれに見せる舞でも聴かせる唄も無いよ。 [冬色が僅かに翳る。 空になった皿をそこに置いたまま、立ち上がった。 花主であろうと花であろうと、対面し続けるのは 実は人一倍臆病な少年にとって過度の疲労を伴うもの]
おや、図星を指されて不愉快だったかい?
(525) 2010/08/02(Mon) 09時半頃
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[また、下駄の音が聞こえる。 足音立てず歩く姿ともまた対照的な音だ。]
刀…?武芸に秀でた花か、あれは。 それとも…ああ、舞に使うのか…?
[ますますわからない、しかし其処が面白いと。 眠る花に興味を移すから男の呟きには気付かない。]
…確かに。放ってばかりでは花も拗ねるだろうな。
[先程の捨て犬に共感しかけた儚き花の姿を浮かべて笑う。 刷衛の花は一度だけ居たのだと記憶にある。 どのような花だったまでかは覚えてはいないが]
冷やかしだけで訪れるほど暇でも祭好きでもないだろう。 探しては、いるのだろう…?
[花に対してのことだ。此度がどうかはさておき、 幾度も祭に訪れる姿はただの冷やかしには見えずそう呟く。]
(526) 2010/08/02(Mon) 09時半頃
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[己のことを聞き返されると、返す言葉は早かった。]
まだわからん。
[先代に連れられ花祭に姿を現すことは多けれど、 高嶺の花を選ぶことができるのは当主だけ。 朧自身はまだ一度も花を選んだことはなく]
…まだ祭は始まってもいない。
[高嶺の求める花は、男とは異なる。 他の者もそうだろう、一人一人、求める花は異なる。]
……焦らず、探すさ。 祭を楽しみながら…。
[そう言った。]
(527) 2010/08/02(Mon) 10時頃
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>>526
探している、のかなぁ。 そこんところは俺もわからん。
ただ、仕事ばかりもつまらぬだろう?
[そして、にやりと笑う顔はやはり世辞にも心地よいものではないだろう。]
そうだな、祭りははじまってもいないな。
[焦らず探すという高嶺に頷きつつ、それじゃ、と寝転がっている花に視線を移す。]
まぁ、運んでやるかね。
[そして、じゃあな、と歩みを進める。]
(528) 2010/08/02(Mon) 10時頃
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落胤 明之進は、近く人の気配に、かさり、木陰をゆらした
2010/08/02(Mon) 10時頃
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[それから、イアンの元に行き、その身体をよっこらせと背負う。 邸に戻り、使用人に庭に落ちてたので、どこかで休ませてやれるか?と問うと、表座敷をどうぞと案内されたので、その畳の部屋に布団を引かせて、あとの世話は使用人に任せた。]
起きたら、庭で寝るのはいかんぞ、と高嶺が言ってたと伝えておくといい。
[そして、そういい残して去っていく。 運んでいる間、もしかしたら目覚めてたかもしれないが、目隠ししてるので、わからない。**]
(529) 2010/08/02(Mon) 10時頃
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―食堂― ――無責任な噂の興味本位、 それに乗るのが本意か、“見聞き能わず”。
[哂いに相対するは澄ました顔に浮かぶ不機嫌。 哂いを浮かべるのが距離のためなら 不機嫌さはいっそ素直だほうだろうか]
――豚にか。
[件の館主の耳に入ろうがお構いなしといった態度。 臆しない態度は反感を海もする。]
……花もまた花主を選ぶ か
[高嶺の言葉をふと繰り返す。それは確かめるようでもあったかもしれない。僅かに陰った冬色、紫苑色の双眸は確かめるように注視するが]
…――喧しい。
[――腕を組み直し睨むように見るものに変わる。]
(530) 2010/08/02(Mon) 10時頃
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冷やかしという言葉よりかは、聴こえはいいだろう。 ――…仕事ばかりも、楽しそうにしているように見えるが?
[からかいの言葉。 世辞を言う性質ではないので笑う顔を美しいとは思わない。 厭かと訊かれれば、厭という言葉でまんまるの微笑みに 勝る笑みはこの世にないとでも答えるだろうか。
庭へと降りる姿を追いはしない。手伝うことも。 高嶺の名を出すことに少し眉は寄せたが何も言わず、 花を運ぶ姿を見届けてから、また足音無く歩き出した。
聴こえる下駄の音に自然と足取り合わせ、 宛てのない散歩を中断し、休むために自室へと。**]
(531) 2010/08/02(Mon) 10時頃
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懐刀 朧は、メモを貼った。
2010/08/02(Mon) 10時頃
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― 庭 ―
[相も変わらず鳥が住まうは、大樹の枝。 盲目の男が一人、剣の代わりに枝を振るい舞うのを、 紅石榴の双玉はじっと見下ろしている]
いもやすく 寝られざりけり 春の夜は 花の散るのみ 夢に見えつつ
……なんてね。
[あふ、と一つ欠伸を零し、 紅石榴に浮かぶ雫を細い指が拭った]
(532) 2010/08/02(Mon) 10時半頃
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/* く、もう少し留まっていればよかったか! く、しかし時間切れだ。くやしい。
(-113) 2010/08/02(Mon) 10時半頃
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― 食堂 ―
――さてね。
[くす、と哂う。 纏う排他的な雰囲気が上手く誤魔化してくれる事を願いながら]
そう、あの趣味の悪い豚野郎さまだよ。 ボクもどれだけ持て囃されても所詮は花の身分 学園からも謂われては断れない 辛いところだね。
[震えぬよう、両の手はいつしか握り締められている。 冬色は一度も彼の双眸を見ようとしない]
それじゃボクは退散しておこう。 キミの心の平穏のためにね。
[腕を組んだ彼の一言に肩を竦め、内心で出て行く口実が出来た事をほっとしながら戸口へ足を向ける。 当然のように空の皿は置き去りに]
(533) 2010/08/02(Mon) 10時半頃
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[水干の裾を翻して、枝から降りる。 靴を儚い素足が草を踏みしめ、 与えられた寝床へと、軽やかに舞うように。
ひらひらと、薄闇の中を翔けるだろう]
(534) 2010/08/02(Mon) 10時半頃
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/* >>534 儚い→履かない か。 靴を、が無ければそのまま通じた気がしたw
(-114) 2010/08/02(Mon) 10時半頃
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[すん、と。 小さな鼻が鳴る]
……この香り、ロビンの香り。
[学園での親交深い友人のものと同じそれ。 幼い口元が弧を描き、紅石榴を細めた]
(535) 2010/08/02(Mon) 10時半頃
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−B棟・居室−
[軽く湯浴みをして、新しい衣へと着替える。 紗の上着に袖を通すことはなかったが、 そのかわりに寝台に腰かけたまま紗のカーテンが揺れる様を眺める。 外からふきこんでくる風に踊らされたその布は、頼りなく揺れ。 ゆらゆらと舞う様は、過去を思い出させる]
…新しい花、か。
[父の言葉を思えば、それは正しいのだろう。 いつまでも枯れた花に執着して新たに花を持たぬ身など 本郷の子として情けない、と。それゆえ今回も送り込まれてはいるが]
(536) 2010/08/02(Mon) 10時半頃
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そう簡単に忘れられるはずがない。
(-115) 2010/08/02(Mon) 10時半頃
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本屋 ベネットは、一つ溜息をついた。
2010/08/02(Mon) 10時半頃
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[友人に与えられた部屋へ無断で入ると、 その寝台の上に丸まって、横になる]
……落ちつく、なあ。
[旧知の香りに紅石榴を細めて、 すぅっと。音もなく眠りに落ちた]
(537) 2010/08/02(Mon) 10時半頃
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―食堂―
…――
[紫苑色は射るように冬色を見据える。 緩やかに首を傾ければ りん、と鈴が鳴った。]
……花は 花でしかない。
[その声は存外静かに響く。 握り締められた両の手には気づいたか、どうか。 苛立ちと、]
…挑発も結構だが 話すなら“こちらを見てもらいたいものだな” ――「見聞き能わず」
[戸口へ足を向けた少年の背へ そんな言葉を投げかけた。]
(538) 2010/08/02(Mon) 10時半頃
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……。
[溜息は重く、沈んで言葉にもならない。 言葉に出したところで、変わるものでもない。
解っている]
(539) 2010/08/02(Mon) 10時半頃
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−→本館大広間−
[きしと、微かに寝台を軋ませながら立ち上がると、 黒い紗の上着に袖を通して部屋をでる。 手には扇があるばかり。
渡り廊下を抜けて、その足は大広間へと向かう。 その場所は急ぎで準備が進められている。
華やかな舞台。沢山の装飾。 瑞々しい生花も、楽器の準備も]
(540) 2010/08/02(Mon) 11時頃
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花は 花でしかない
花主がいなければ 枯れてしまう定め
故にそれを飛び越えた霞に抱くのは 羨望 嫉妬 敵愾心 “白鳥”が恋うた宵の月
(-116) 2010/08/02(Mon) 11時頃
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[金をかけた、とは感じても、美しいとは感じない。 そこには心に圧し掛かってくるものがない。 心の琴線に触れるものがない、とでもいうべきか。
尤もな話、そこにある人影が準備を進める侍従たちだけなのだから それは仕方のないことなのかもしれない。 今も、覗いている自分の邪魔をしないように侍従たちが 色々なものを運び込んでいた]
(541) 2010/08/02(Mon) 11時頃
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本屋 ベネットは、メモを貼った。
2010/08/02(Mon) 11時頃
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― 食堂→自室 ―
[鈴の音。 静かに告げられた言葉は何より己が知っている 逃れられぬ事実を突きつけられたようで気に入らなかった]
理解出来ていないみたいだね? キミはボクにとって”見るに値しない”んだよ。
[思わずと言った風に軽く嘲笑し、食堂を出た。 恐らくこれで二度と会いたくないと思わせる事には成功しただろう。 ほっと胸を撫で下ろし、腹を満たした少年は一人になれる自室へと足を向ける。 一度通った道をそのまま折り返し、部屋へ。 闖入者が居るとは、思いもよらず]
(542) 2010/08/02(Mon) 11時頃
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―裏庭― [やがて気配が消えれば、 ひとつ淡い期待も弾けて消え去る]
……迎えに来て下さったのでは、ないのですね。
[どうにも、ここに戻ってきてしまう、 それを不思議と思うことはない。 此岸と彼岸に淀んだ記憶はつじつま合わせに、 ここが待ち合わせの場所なのかもしれない、と考える。]
けれど、 ……いえ、別にしょげているわけでは。
[名を聞きそびれた花主の言、 思い出せば一人小さく首を振り小袖を返す。 裏門付近は人や荷の出入りがあるのか、少し騒々しかった]
(@54) 2010/08/02(Mon) 11時頃
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[部屋の主の思う事など知らず、 鳥はただ、丸まって。
柔らかな寝台で眠りの渕を彷徨っている。
夢の中まで囀っているのか、 時折意味不明な歌を、洩らしながら]
(543) 2010/08/02(Mon) 11時頃
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― A棟 ― [自室の前まで来て、扉を開けて]
――――
[ぱたりと閉めた]
(544) 2010/08/02(Mon) 11時頃
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執事見習い ロビンは、回廊の左右を見渡し、部屋の位置を確認する。
2010/08/02(Mon) 11時頃
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……?
[眠りの渕で微かに聞いた、扉のしまる音。 跳ねる様に、顔を上げてそちらを見やるが、 扉は閉まったまま]
ゆめ……?
[ぱちぱちと、長い睫毛を震わせて眸を瞬かせた後。
ぽふっと。 柔らかなシーツにまた身を泳がせる]
(545) 2010/08/02(Mon) 11時頃
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―食堂―
――… ッ、
[ロビンのそれは平凡なものを並べられても 見るに値せずと謂われた気がした 高嶺の言葉に少し、重なる]
…――ならば目隠しでもしておくのだな!
[く、と眉を寄せる。 ――嗚呼、されど。 残念なことに鵠は“負けず嫌い”であった。 目論見とずれたことに件の花は気づくかどうか。
華月はまだそこにいただろうか。 全てを聞かれていたならば 鵠はちらと彼の方を見てから ばつがわるそうに逸らすだろう。]
(546) 2010/08/02(Mon) 11時頃
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