233 逢魔時の喫茶店
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[そこで途切れたのだ。
――うーん、と俺は小さくうなる。]
……見つける、 見つけないの話のせいか……?
[黄昏の公園とあの喫茶店。 髪をくしゃりとかき混ぜた。 眼鏡に照り返した残像が瞼の裏に残っている気がする。]
――、ぁー……
[ぐるぐるが晴れなかった。 どうした 俺。 両手で顔を覆った。
こんな時は――取り敢えず、走ろう。いつものコース、いつもの場所。見つかるか、見つけるか。図書館にも行こう。司書さんが、例の本を取り置いてくれているはずだし]
(16) 2015/08/05(Wed) 11時頃
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―いつものコース― [ランニングシューズの紐を締めて いつものウェアで、 いつものコース。 いつも立ち寄る図書館。 いつもと違うのは、]
……、…いるかな。
[――公園で探すやつができたこと。 司書さんと図書館の外でも知り合いになったこと。
それから――俺はきっと、 あの喫茶店に向かうだろうということ**]
(17) 2015/08/05(Wed) 11時頃
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/* ふられたホレーショーがんばれ かわいいとおもう俺
俺はずっとジャージなのかな?(オシャレとは
(-10) 2015/08/05(Wed) 11時頃
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− 翌日 -
[夜のトワイライトは休業したから。 男はいつもとは違う時間、違う場所から、いつもの1日をスタートさせる。
夏時間の朝は陽の昇るのが遅い。 眩しい光が射す前に街へ出て、早起きのパン屋の横を通り、開館前の図書館へ。 いつも通り、清掃を済ませれば地下書庫に篭って、学術雑誌の製本や傷んだ本の補修を。
その合間、新作入荷本の貸し出し予約リストの一番上に、「リツ・ノアキス」の名を記した]
(18) 2015/08/05(Wed) 11時半頃
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―朝の図書館― [いつものコース、その1。]
は、…
[図書館に入った途端 ひんやりとした空気に包まれる。 汗は拭いてきたし 薄手の上着は羽織ってきたが それでもちょっと体が驚く。
借りてた本の、返却手続きして、 猿を連れた司書さんを探そう。
本の森、本の群れ。 紙の匂いはいいものだ。]
(19) 2015/08/05(Wed) 12時頃
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− 図書館 −
[開架に戻す本の山をカートに乗せて、丁度業務用エレベーターから出てきたところ。
扉の動く音がして、顔を向けた>>19]
……
[ゆっくりと会釈する。 この時、肩に猿が見えないのは、地下室でパソコンに…つまりオンラインゲームに夢中だから]
(20) 2015/08/05(Wed) 12時半頃
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[リツの手の本は、借り出すものではなくて返却されるものだろう。 カートを脇に寄せてカウンターへ入る]
……
[どうぞ、というように返却カウンターを塞いでいた「御用の方はお待ちください」の板を退けた、 いつも通りの無言]
(21) 2015/08/05(Wed) 12時半頃
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− 前夜の黄昏 −
[追悼会の間、地下2階の半分、常連客向けの個室に居座って、魔物は酒を飲んでいた。サケとブランデーは誰かの差し入れか、こっそり持ち出したもの。 鬱金の眼差しは時折虚空を眺めては、また伏せられてテーブルの木目を追う]
……
[人間の気配、上階で泥酔した誰か>>9が連行されてくれば、 悪魔は人を模し、そうして立ち上がる男の懐からオマキザルが顔を出した。
長い前髪の下に隠れた表情は、大放出笑顔満開のホレーショーへ困ったように少し笑む]
飲んでた ホレーショー…酔ってる?
[これもファミリアの魔法か、随分珍しい酔っ払い姿を引き受けて、バシバシ叩かれながら休憩室のベッドへ引きずっていく。
そうして緩んだ連関のまま怒涛の如く喋り続けるホレーショーに、ただうんうんと頷いて。 まあ飲めとブランデーグラスに注ぐのはただのミネラルウォーターで、猿は陽気に振る舞う彼に捕まらないよう天井近くに逃げていた]
(22) 2015/08/05(Wed) 13時頃
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…… …カーネーション
[不意にぽつりと響きが落ちて、耳にしたその音を繰り返す>>10 ホレーショーがくれた親切の礼に白い花を差し出したのは──]
何故かな
[問われ、教えるのも契約の一種。 望まれるならどんな願いも、断る選択肢はない。この場合、奪るべき代償があるか、迷うように間があいた。
覗き込まれても前髪の下に表情は抑制されるまま。代わりに照明にぶらさがった猿がき、きぃと鳴いて不安げにまん丸の目を閉じた]
(23) 2015/08/05(Wed) 13時頃
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俺は 選んでない ここに咲いていた。から
[伸ばした指でホレーショーの胸元を指し、そのまま眉間のあたりまで上げて額に触れた]
…「私の 愛は 生きている」
[淡と呟いたのは白い花の意味]
(24) 2015/08/05(Wed) 13時頃
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[アルコール中毒から脱したホレーショーはやがて帰っていく。その記憶が混濁していたなら、それは悪魔に支払った契りの残滓かもしれなかったが。
どうやらトワイライトは休むらしいと知り、 それなら朝まで居座り続ける決定をして悪魔は地下の闇にとぐろを巻いた**]
(25) 2015/08/05(Wed) 13時頃
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− 朝:図書館 −
――ども、
[>>20 小さく会釈。 あれ、今日は猿、いないのか。 >>21後に続くようにカウンターへ。]
これ、返却 ……それから、 取り置いてもらってた、やつ
いいすか
[無言なのはいつも通り。 喫茶店でのあれが、特別なのか。あれが「自由」なのか]
(26) 2015/08/05(Wed) 13時頃
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――追悼会――
[日本酒は非常に美味しかった。
和やかな時間。 酔った人の、いつもとは違う言葉を聞くのが蛇は好きだった。
様々な場所で交わされる声。 交わされる言葉]
(27) 2015/08/05(Wed) 13時半頃
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[死、を認識出来るということは、悲しくも喜ばしい事なのだろう。
行方不明、なんて。 待つ方の身にもなってみろ]
帰って来いよ、クソったれが
[それは、今回の追悼会の対象へ向けての言葉ではなかった。
サケを手にひっそりと毒づくのは 大切な人間達を置いて、どこかへ消えてしまった、友人へ向けて**]
(28) 2015/08/05(Wed) 13時半頃
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――公園にて――
[夜の営業は無く、のんびりと眠り 朝、また、動き出す]
[陽の降り注ぐ中、蛇の黒髪は公園のベンチでくったりしていた。 ちょうど日陰になったベンチを見つけ、思わず休んだのだった
手には紙袋。 中身は、様々な果物。 これは、ポケットマネーから購入したものである]
(29) 2015/08/05(Wed) 13時半頃
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[耳障りな音は、顔の周りを飛び回る蝿。 反射的に目を細め、蝿の位置を確認する。 それはまるで、狩をする蛇のようで―――
ぺしっ。
ビンタで、蝿を叩き落とした]
―――――………
[この行為、殆ど反射的なものだった。 蛇な本能に突き動かされたのである。
蛇姿だったら、蝿をぺろっと食していたが さすがに人間体では食べない**]
(30) 2015/08/05(Wed) 13時半頃
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……
[返却された本をぱらりとめくる。 そこにまじないのカードが挟まっていないか確認するいつもの手順]
…
[それから棚の下から新品の本を取り出した。 スカイランナーズ、空を舞台にしたファンタジー色のする幻想小説だが、疾走感のある美しい文体と、圧倒的な風や雲の描写が人気で、シリーズの4作目もベストセラー確実と目されていた]
こちら…
[まちがいありませんか、と顔を上げ。 貸し出しの手続きを終えた本を渡しながらぽつと呟いた]
きょう?また。
[またおいで、と誘った相手だ。 彼が来るのなら、普段は行かないはずの昼営業中に、今日も少し顔を出そうかと*]
(31) 2015/08/05(Wed) 13時半頃
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―図書館>>31― [司書さんの、グラスを撫でると綺麗に鳴らせる指がページをめくり本を持つ。
正直、楽しみにしてた新刊。 スカイランナーズ。 意外、と言われることもあるが 俺はこういう幻想小説が好きだ。 空と風の描写が、すごいんだ。]
はい、大丈夫す。
[本を受け取ると自然頬も緩むもの。]
え。――、ぁ、はい 行く、つもり。
[です、と。きっとあの喫茶店の事だ。 うん、行く――コースに、新たに組み込み済み。 小さく会釈して、本をしまう。]
(32) 2015/08/05(Wed) 14時頃
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司書さんも。また。
[常連、だし。 来るんだろう、きっと。
仕事の邪魔にならないよう、 俺はいつものコースに 戻ることにする。
公園。きらきらと、夏の日が眩しいランニングコースだ**]
(33) 2015/08/05(Wed) 14時頃
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― 前夜の黄昏 ―
おう! よってる!
[>>22酔っているかと聞かれれば、元気のいい返事が返ってきただろう。 怪しい足取りの中、ベッドへ引きずられながらもそう返して、酔ってる時は誤魔化さずきちんとアピールするタイプである。
静かに相槌を打つ相手に気を良くしていつも以上に緩みきった顔で喋りまくるものの、そのほとんどに内容は無い。 酔っ払いの話とはそういう物だ。 猿の尻尾を追いかけても『あっち』のブローリンは手の届く距離には来てくれず、それに対する不満もぼろぼろ零していたと思う。 まあ来てくれたからと言って何が起こるという訳では無く、酒臭い男から撫でまわされてしっぽを握られて、酒臭いちゅーが待っているだけなのだが。
注がれたグラスの中身に、 この酒、水みたいな味がするな?と首をかしげても、液体の色はさっき飲んだニホンシュと同じである。 つまるところ、透明。
そして――、]
(34) 2015/08/05(Wed) 14時半頃
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…ここには、 もう何も、咲かないよ。
[>>23荒野に花は咲かない。 彼の贈った白い花もその意味も、そんなこと、ありはしないのに。 だから、花はアンタの気のせいだと、 もし咲いていたとしても、あの時、あのセピア色の過去に死んだのだと、 愛と花を否定して。
しかしそう思い込もうとしているだけと言うのは、心の何処かで気付いて居る。
不意に触れる他人の温度>>24に静かに目を閉じる。 アルコールで火照った体温は、きっと彼より僅か高い。
他人から触れられようが抵抗せずされるがままなのは、今更失う物なんて何一つ残っていないのだと、そういう諦めからだったかもしれない。]
(35) 2015/08/05(Wed) 14時半頃
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[記憶に抜けがあるのは酒のせいか、それとも別な原因か。>>25 未だ酒の残る脳を懸命に探しても無くした物は無くしたまま、
ただ、悪魔との会話の最中
どろりと、
滲んだ古い感情へ対する思考だけが綺麗に抜け落ちているという事は、やはり覚えていない。*]
(36) 2015/08/05(Wed) 14時半頃
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/* フラグ立ってんの誰だろう。 リツちゃんとエフちゃんかな。
投票デフォルトがゴロウちゃんだわ…そんなにお爺ちゃんの所に行かせたいの。 ぞーいもぐもぐ
(-11) 2015/08/05(Wed) 14時半頃
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/* 赤か、 赤が盛り上がっているのか!! 夜営業どんなのなのかな…
(-12) 2015/08/05(Wed) 14時半頃
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[元々自分は、この世界に人間以外の奴らが居るなんて事欠片も知らない、何処にでもいるフツーの人間だった。 バーテンダーになって自分の店を持つ夢は持っていたものの俺は貧乏学生で、ついでに表情がぎこちなくて、無愛想で、つまりはこの職業に最高に向いて無い。
それでも俺はいろんな事を諦めきれなくて、まずはここら辺から始めようかと汚い喫茶店に押し掛けて、アルバイトを頼みこんだんだ。 客が少なすぎて人付き合いの練習にもならなかったけど。
ただ、働いて行く内気付いた事は、この店は少し変わっていて、関わらせて貰えない事の方が、あまりにも多いという事。 くそ生意気で馴れ馴れしい年上の常連>>1:287も、何だか犬臭くて偶に鉄くさい店長も、他の店員も嫌いでは無かったけれど肝心な所ではどこか余所余所しく、
これがいじめか!
と、思ったのをよく覚えている。]
(37) 2015/08/05(Wed) 16時半頃
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[流石にバイトに全てを隠し通せる訳もなく店長はヒミツをあっさりゲロったけど、俺の方はビックリしすぎて死ぬかと思ったし三日ぐらい仕事やすんだ。 バーテンダーの勉強がガッツリ出来るんならって、三日で復活したけど。 昼間の仕事も夜の仕事も、ちゃんと覚えた。 カクテルも上手く作れるようになったし、コーヒーだってきちんと美味しく淹れられるようになった。 人付き合いは、相変わらず苦手なままだったけど。
バイトから正式な店員へ、そして徐々に、経営に関わるようになって、 その後店長は隠居するからってあっさり店を俺に譲って、そうして俺は、バイトしてた店で永久就職を決める事となった。 こういうの棚ぼたって言うんだろ。知ってる。
夢がかなった事に気付いたのは、忙しすぎる日常の中で暫く気付き損ねていたのだけれど。]
(38) 2015/08/05(Wed) 16時半頃
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[そうして俺が店を継いで、ヒト以外の者達は世界を変えず、しかしヒトは多くを変えていく。 それは自分も同じで、店長が居なくなってから俺は、 俺は、よく笑うようになった。 俺は、よく喋るようになった。 きっと店長やアレが居なくなって、色んな事が取り繕えなくなってきたんだ。 もう二度と来ない常連を待つ気はサラサラないけれど、アレが残した傷跡だけは、どう頑張っても消えなかった。
ヒトの店員は歳をとるし、ヒト以外の店員は歳を取らぬが故姿を隠す。 入れ替わる顔触れの中で、さて今の彼らが混じったのはいつからだったか。
年上だった蛇は何時の間にか年下になっていて、そんな中、彼から調理担当の立候補>>1:293を貰ったのは、随分昔。 よく笑うようになった今の店長は「勿論、いいよ」と、笑って二つ返事に答えただろう。
罪を与えるのが蛇ならば、其れを許可する自分は一体なんだろうな。 さしずめ実行犯と計画犯だろうが、口にし罪を負うような人間は、そもそもあまり来ない。
この店は昼間のヒトの世界より、夜の側に近いのだから。**]
(39) 2015/08/05(Wed) 16時半頃
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/* 喉ぉ!
(-13) 2015/08/05(Wed) 16時半頃
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/* ほんと、店主、しゃべりすぎやで!
(-14) 2015/08/05(Wed) 16時半頃
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[そんな、ふるいふるい、昔の話。**]
(40) 2015/08/05(Wed) 16時半頃
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