241 線路上の雪燕
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― サラグニッド駅 ―
ちょ、っ、押さないでよ、見えなくなるじゃない!
[白い吐息が声とともに散る。 見知らぬだれかに悪態をつきながら、 汽車を近くに見ようとなんとか、前に出ようとするものの、 体格のいい人々にぎゅうぎゅう、押されてしまえば、 小柄なこの身では抵抗しようもない。
――この人達揃いも揃って汽車が見たいの!?
声は出ない。尻餅をついたはずみにトランクが揺れてがたりと音を立てるのみ。
あんまり痛くない。よし。 しかたがないから精一杯背のびして、 霧をかき分け7番線ホームに到着する蒸気機関車の雄姿を視界におさめた]
(18) 2015/11/27(Fri) 12時頃
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馬飼い キャロライナがいたような気がしたが、気のせいだったようだ……(馬飼い キャロライナは村を出ました)
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[金属どうしがこすれ合って軋んだ音の後、動いていた煙突が停止する。 続いて、甲高い、汽笛の音。>>#1 途端、駅に集まる人の流れが変わるのが手に取るようにわかった。
ああうん、みんな乗るんだもんね。この汽車に。
背伸びするにも疲れたし、と、ひょこりとかかとを下ろした頃、 人垣の向こうから老齢の男の声が聞こえた。>>#2]
そーだ切符切符っ
[懐からそれを取り出すと、向きを変え始めた人波のあとにくっついていく。 やがて、老齢の男に差し出し、スタンプを押してもらったのは、 サラグニッド発、終点スヴェルグまでの、二等車両の切符]
(19) 2015/11/27(Fri) 12時頃
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― キャロライナのおはなし ―
[今や、遠距離旅の主役は夜行列車である。
昔はそうじゃなかった。 馬車というものがあって、車輪のついた箱みたいなのを馬に引っ張らせて、 人々は遠くまで旅をしていたという。
あたしのおじいちゃん……のおとうさんくらいだっけ? とにかく昔、あたしの家は馬車で人々を運ぶ仕事をしていたんだって。 馬の世話をする人、馬に鞭打って馬車を動かす人。色んな役割があったという]
(20) 2015/11/27(Fri) 12時頃
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[だけどそれも昔の話。 列車がご先祖様のお仕事を奪ったところで特に恨むことはなく、 こうして列車で旅をしようとしている。
あたしの髪、ご覧の通りの真っ赤な色してるからさ。 馬には好かれたんじゃないか、って思ったことはある。
――それ、にんじんと間違われてるだけじゃないかって? そうとも言うね。 あはははは。]
(21) 2015/11/27(Fri) 12時半頃
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[切符を手に入れたのは偶然。
本当はご近所さんが家族で乗り込む予定だったんだけど、急に何人も体調を崩しちゃって。 「その日暇?」って訊かれたから「うん」って応えたら、 切符を譲っていただいた。二等車両だってさ。
目的地、スヴェルグの話をいっぱい聞いた。 あたし達をその街まで運んでくれる汽車、雪燕のこともちょっとだけ。
おみやげ、忘れないようにしないとなあ**]
(22) 2015/11/27(Fri) 12時半頃
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/* すみませんいきなりランダムのまま入村といううっかりをやらかし……
年齢は決め打ち済み 身長:145+6
(-2) 2015/11/27(Fri) 12時半頃
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/* というわけで灰でも よろしくお願いします 当初は負縁故撒けるキャラがやりたかったんです、が……
そーいやキャロライナって使ったことないね →汽車が台頭する時代に肩書馬飼いのキャラ……ごくり
みたいなノリで使用チップが決まってから方向転換であります まあいつも通りやりましょーかね
せっかくの列車村ですがbeatmaniaIIDX 23 copulaの曲は使いませんぬ 今はちょっと別の曲(音ゲーには入ってない)を使っちゃおうかなーという気分
(-3) 2015/11/27(Fri) 12時半頃
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― 回想 ―
[ 誰かに問われれば、ずっと旅をしていたと答えるだろう。 どこにも定住したことはない、 なぜなら、どの地も美の都アイラの素晴らしさには遠く及ばないから、と。
少しばかり事実ではなかった。 ペラジーはごく幼いころに暮らしていた1軒の大きな家をおぼえている。
記憶は断片的で、家全体の間取りは思い出せない。 幼かったので、詳しく観察できなかったのかもしれない。
両開きの赤い扉。 ラシードの部屋とペラジーの部屋は扉でつながっていて、窓の外にはレモンの木があった。 あれは中庭だったのだろうか。]
(23) 2015/11/27(Fri) 18時頃
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[ 庭の、日当たりのよい位置に植えられたレモンの木。 緑から黄色に色を変えた実は丸っこく、収穫できる日を心待ちにしていた記憶がある。 石と煉瓦をしっくいで固めた塀があったこともおぼえている。
なぜ、あの家から余所へ移ることになったのだろう?
そして、あの家があった土地は、 どこだろう………?]
(24) 2015/11/27(Fri) 18時頃
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[ 旅から旅への暮らしが長すぎたせいか、ペラジーの記憶も前後がはっきりしない。
赤い扉の大きな家は、河畔の町ナルトスだったのだろうか。 それからヒトコブラクダの背に揺られ、大きな市場のあるシナラへ移った、 ………のだと、思う。
故国アイラの近くには大きな河があったそうだ。]
(25) 2015/11/27(Fri) 18時頃
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― 現在・サラグニッド駅 ―
[ 風が冷たい。 検札>>#2を待ちながら、ペラジーは白いコートのフードを被る。
「そーだ切符切符っ」>>19 という元気な声に視線をやると、にんじんのような赤毛>>21の若い女性が先に検札を受けていた。
自分の順番が来れば、ペラジーはポケットから取り出した一等車両の切符を見せるだろう。]**
(26) 2015/11/27(Fri) 18時頃
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― サラグニッド駅 ―
ふふん、ふふ〜
[煙霧を掻き分け、現れる黒光り。 温かなため息が拡散していく最中、男は鼻歌を歌い。手に持つ新聞を眺めて居た。靴先からシルクハットまで黒で纏めた日の打ちどころの無い、美男子。品が良く、傷一つ無いその顔が上流階級の出を伺わせる男は軽く片足でリズムを刻んでは、甲高い汽笛の音に漸くと顔を上げた。]
…何だか、わくわくするね。
[誰相手でも無い独り事を口にする。 こんなに胸が高鳴ったのはいつ以来だろうか。 冒険の旅の始まりだ。と口ずさむのは幼い頃のワクワクを。妹と二人、夏の森へ遊びに行き、未知と出会った、思い出を懐古する。]
(27) 2015/11/27(Fri) 18時頃
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[先ほどから、読みふけっていた愛犬に殺された男の記事>>2をくしゃり崩し笑みを浮かべ。飼い犬に手を噛まれるは道理か、それともと下賤な考察を胸に浮かべては、周りを行きかう連中を勝手に物差しで測り。
トランクを手に乗車口へ向かった。
乗車券が示すのは、一等車両。 妙に目立つ人参頭に、懐かしの大草原を思い>>19 独り、立つフード姿の後ろ、>>26 しゃんと背の伸び老齢の男に乗車券を差し出せば、柔らかな笑みに>>#2。次いでとばかり。君はじいやに似て居るな。などとたまう戯言を一つ口にして。
荷物を片手に颯爽と乗り込むだろう。 白い煙を見上げて、その先にある空を思い描き。 誰かとぶつかりながら。**]
(28) 2015/11/27(Fri) 18時頃
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[その際にと、誰ぞの財布を抜き取って――*]
(-4) 2015/11/27(Fri) 18時頃
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/* どうかよろしくお願いします。 とても楽しみにしてたんですよね。 最後までグロリアとルーカスで迷ったけど、男女比的にこっちかなって( 後、詐欺師やりたかったのでルーカスで。
(-5) 2015/11/27(Fri) 18時頃
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/*って今気づいたけど、ペラジーが男性なので男女比気にする必要なかったですよねwwwwあほだ自分ww
(-6) 2015/11/27(Fri) 18時頃
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/* 2
(-7) 2015/11/27(Fri) 19時頃
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― サラグニッド駅 ―
〔 天まで届きそうな鋭い蒸気の咆哮。 その狭間に可愛らしく囀りが響く。 >>#1〕
(29) 2015/11/27(Fri) 19時頃
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もう来てる?!
〔いけない、と進もうとするけれど、駅の中は大混雑。 押し合いへしあい、芋を洗うよう。 七番ホームに向かいながらも、中々見えない黒い蒸気機関車に、少女はそわそわと落ち着かない。〕
あ! あれね!
――きゃあ!
〔夢にまで見た黒塗りの車体が人ごみの中から姿を現す。 歓声をあげる少女を
どん、と
誰かが突き飛ばし、少女はその場に尻餅をついた。〕
(30) 2015/11/27(Fri) 19時半頃
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っ、痛いわ、何するの、も
「まちやがれえええ!」
……え。
〔抗議の声は罵声に消える。厳ついブーツを履いた男>>1が、さきほど少女を突き飛ばして逃げた誰かを追ってドタドタとすごい剣幕で走っていく!
―― スリかしら。
少しの間ぽかんとすると、ぷうと頬を膨らませた。〕
なによ、もう!
〔やりどころのない怒りをぽんっと放り投げて、スカートの裾を手で払い立ち上がる。〕
(31) 2015/11/27(Fri) 19時半頃
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〔それからなんとか乗車口の方までたどり着く。軽やかに素早く仕事をこなす老齢の紳士。その微笑>>#2に、素敵! と声をあげそうになるのを堪えて、
少女は二等車両の切符をはいっと差し出した。〕
はいっ。ありがとうございます!
〔パチン! と押されたスタンプが嬉しい!
知らず微笑を零しながら、少女は絵画の中に出てくるような見目麗しい黒い紳士>>28に続く。白いフードを被った子や、綺麗な赤毛の女の子を見たかもしれない。
何にせよ、これからの旅にわくわくしながら、少女も「雪燕」に乗り込んだ。**〕
(32) 2015/11/27(Fri) 19時半頃
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[少年は、記事を見つめ返す。 食い入る様に、文字を追う。 薄い唇を噛み締め、薄汚れた顔から色が褪いていく。
警戒を忘れる程の集中。故にゆっくりと歩み寄る人物に気付かなかったのだ。 薄い新聞紙の上にさっと差した箱型のシルエット>>13 はたと顔を上げれば、匂いがするほど近くに誰かが居た]
ッひ…
[か細い悲鳴を上げた。見つめられている。 顔を、目を、見られている!! 瞳がゆらゆら揺れている、眼前の人間の顔は知らねど、彼はその揺れを知っている。
すん、と鼻で小さな呼吸を一つ。 少年は彼を見つめ返す。 眉を下げ、唇をまた噛み浅い呼吸を繰り返し、 歯をかたかたと鳴らしながら、
怯えたように。]
(33) 2015/11/27(Fri) 20時半頃
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[蒸気機関車『雪燕』が到着したちょうどその時、シビルは白い錠剤を口に含んで、がりりと歯を立てて噛み砕いた。]
(34) 2015/11/27(Fri) 21時頃
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[待ちくたびれた人々が雪燕に吸い寄せられ、その人の波にシビルも体をもぐりこませた。 先ほど噛み砕いた錠剤の入ったガラス瓶は、ちゃんと革製の手持ち型トランクケースに隠してある。
さて、このまま波の流れにのれば乗車口に連れて行ってもらえるだろう、などと甘いことを考えるのがシビルであるが、何の因果か波をぬけたところは新聞売りのいるところであった。]
…………。
[>>#3 彼と目が合った。]
(35) 2015/11/27(Fri) 21時頃
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……………………………… 一部。
[数度のまばたきのあとに、喉から少ししわがれた低い声を出す。 それは喉を痛めたような声というよりは、しばらく発声することを忘れていた男のような声であった。
新聞売りに銅貨を渡す。 新聞売りはシビルに新聞を投げてよこすと、さっさと次の客をつかまえに行ってしまった。]
(36) 2015/11/27(Fri) 21時頃
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…………。
[片手にトランクケース、片手に新聞紙。 少し呆けたようにシビルは棒立ちになっていたが、ふと顔を上げて雪燕を見上げた。]
……。
[>>28 わずか口を開きかけたが、しかし前方より蒸気機関車めざしてさっそうと歩いてきた青年と、肩同士がどんとぶつかってしまい、シビルは体勢をたやすく崩してたたらを踏んだ。]
(37) 2015/11/27(Fri) 21時頃
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