194 花籠遊里
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[はにかむように笑っては誘うように腕を引く。
腕を引き連れた場所は中庭奥にて存在した扉。 老朽の進んだものなれど力を込めてこじ開ければ、何とか人は通れそうで。
何故修繕されぬまま置いてあったのか、そしてそれを伝えてくれた見習いが知っていたのかは知らぬ所ではあるけれども、縋れる場所はここしか存在せず]
…足は早い方なんです。
[頬を引き攣らせつつも、一言。 思ったより軋んだ音は大きく中庭にて響く。焦ったように振り返りつつも、掌を硬く握り締め]
──…。
[唇だけで言葉を紡げば、そっと外の気配立ち込める先へと足を伸ばした。 重なり合う影は二つ、霧雨にて朧気に溶ける*]
(127) 2014/09/21(Sun) 01時半頃
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……幸せです。
(-70) 2014/09/21(Sun) 01時半頃
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["ならば放って置いてはくれますまいか。" 薄く砥いだ言の葉に、花として其れは返すに相応しくない。>>121]
護る、とは。 一体何を仰るのか。
[笑みより更に眉尻を下げる。 苦笑に近い声色で、来い、と告げる蝶の元へと。
近く、自分でも自分のまぐわう相手でもない精液の香りが濃くなった。>>123]
目は、逸らし、ません。 逸らしてなど、おりません。
[強く握られた腕から、振動は伝わる。 震えた声は、身体が揺れた所為だと、脳に言い訳する。
女を識りたいと言った蝶が奏でる音色が、全身に絡み付いてくるようだ。>>2:154]
(128) 2014/09/21(Sun) 01時半頃
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あ、うぐっ、うぁ…!
[赤い花のそれとはまるで違う荒々しい質量。 それが律動を開始したのなら、僕は悲鳴を上げる為の空気すら満足に得られずに体内を攪拌されていく。
初めて振るわれる暴力。屈服。 それに快楽を覚える倒錯的な自分がいることに気づくと、叫びとも呻きともつかぬ音を発していた喉は、甘い高い媚を発させるようになる。]
ひ、いや、好い…っ!
[己を貫く獰猛に、段々と涙を流していた瞳は求めるものへと変質していく。 圧倒的な力の下で僕は、剥がれ剥かれ自分自身さえ識らなかった本質を暴かれていく。]
(129) 2014/09/21(Sun) 01時半頃
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[吐息、嬌声、だらしなく垂れる唾液。 何の偽りようもなく僕の口から漏れていく。]
あぁ、もっと、んあぁ…ッ!!
[やがて僕は壊れたように、自分を壊す暴力を求める言葉を口にし続けるようになる。
自分の姿がどう見えるか、自分が何をしているのか。そんな余計なことを考える隙はもうない。 ただ自分を襲い来る快楽に従うだけ。
敗北、隷属、屈従、悦楽、暴悪……
それが壊れた美が狂い求めるものであった。]
(130) 2014/09/21(Sun) 01時半頃
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[快楽に善がる蝶を見詰める仮面は、相変わらず。 唯、眉根はきつく寄せられて。
其処に、亀裂は確かに。
花よりも花らしく、花の悦びに浸る蝶を、見詰めていた**]
(131) 2014/09/21(Sun) 02時頃
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/* ドMじゃねーか!(ばしーん
ニコラスがそんなPCだったなんて私すら知らなかったぜ!マジかよ。
(-71) 2014/09/21(Sun) 02時頃
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半の目 丁助は、メモを貼った。
2014/09/21(Sun) 02時頃
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/* トレイルさんごめんなさい…!
(-72) 2014/09/21(Sun) 02時頃
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/*んで、翌日スッキリした顔で「あー気持ちよかった」って現れるんだろ?ニコラス。お前そんな柔ちゃうもんな。でも腰とケツはアイテテテってなっとるかもしらんけど。
(-73) 2014/09/21(Sun) 02時頃
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[ 嗚呼、月が堕ちては花開いた、と。
重なった掌を、影を。暫く呆然にも似た色で見つめたならば、軈てはその口元を、喜愛に緩め。 同時に花が雨の下咲き開いた>>127のを収めると、こころの擽られる感覚に、然し背筋を上る悪寒に唯震えては歯の奥にて情を噛み千切り。]
…死ぬなんて、物騒だなァ。
[共に、と。 呟かれた言葉の、何と切なく、儚気で――愛おしいものか。 口先には揶揄いを乗せながら、然し涙雨に紛れ一筋仄かに透明が頬を伝い。 「俺もキミと、同じ気持ちさ」なんて。 そんな歌にも歌えない素の言葉を吐いてみせてはまた喉にて嗤う。
朽ちた木扉は雨が染み込み色濃く立ち塞がるけれど。 されとて花の一押しで口を開けてしまったのならば、其の先に視える光は希望か、其れとも。]
(132) 2014/09/21(Sun) 02時頃
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許婚 ニコラスは、メモを貼った。
2014/09/21(Sun) 02時頃
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大丈夫、転けても俺が、支えてあげる。
[ひとつ。踏み出した。 ふたつ。強く踏み込んだ。 そうしてみっつ。「彼」の手を強く握り。
視えた先に見えたもの、それが何であれ。 鉢と籠、花と蝶、愛反れぬ二対として生きるくらいならば。 同じ者として、生きていた方がましだと。 そう想ったのならば、其の先に見えたものは、宵闇とは反対のものなのだろう 。
ただ館にはさよならさえ告げずに、前だけを向き。 紛れる煌の方へ、ただ宵闇の籠へは影を伸ばした。]
(133) 2014/09/21(Sun) 02時頃
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[胸に過る痛みを見ぬように視線は一度だけ地に落ちる。 濡れた地面を彩る数々の秋の彩り>>2:5
誰の手によって植えられたものなのか。考えずとも鮮明に脳裏に思い浮かばせ、青年は顔を顰めた。
おとつい自分との出会いを「しあわせ」だと口にし>>1:*27 数々の教えを伝えてくれたその人自身を裏切る行為なのだろうから。
『花』としての振る舞いや心を苦労して見守ってくれた先生や
同じ年の瀬であることから砕けた調子で言葉を交わしていた青年のような世話になった恩を仇で売るような選択でもあるのだろう。
それでも儚き一夜の夢で終わってしまうかもしれなくとも。 この身が朽ちてしまおうとも、繋ぎ合った指の絡まりを見下ろせば、唯々幸福そうに口元は弧を描く。]
…ごめんなさい。
[囁きは雨の中、消えていき その姿はもう花籠にて揺られることは、無い*]
(*27) 2014/09/21(Sun) 02時頃
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/*あ、よくかんがえたら名前ニコラスならあれができるではないか!
にっこにっこにー☆ いつもにこにこあなたに笑顔を届けるニコラス・ベルにこ☆ 青空もー、にこー!
私は一体何をやってるんだろう。
(-74) 2014/09/21(Sun) 02時頃
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― 館→ ―
―――おいで、亀吉。
[ざくり。ざくり。 霧雨に濡れた体を揺らしながら、一層色の強まった靴先を葉に土に沈めながら、男は人の手を引いた。
森の奥の奥。 花籠から遠く離れた知る人の無い土地へ、ただ二人。歩む。
「痛くはないかい。」 「疲れてはないかい。」 「もうすぐだから、大丈夫さ。」
夜の張り巡らす蜘蛛の巣から逃れた「蝶」は、声色朗らかに花へ語り掛けては、不安を生む胸を掻き。花を守るようにその隣へと寄り添う。]
(134) 2014/09/21(Sun) 02時頃
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――大丈夫。 きっと俺達は、幸せになれるから。
[物語を綴るのは人間だと――翅を亡くした蝶は笑う。夜に飛ばなくなった蝶は昼に唄い、腕を花の…否、人の頬へと伸ばしては撫ぜ。 …ただその瞳が同じく不安に揺れていたのならば、その気を和らげるように微笑んではみただろうか。]
キミはここで、俺を待ってて。 …大丈夫、ここなら誰も、キミを見付けない。
[森の奥の奥。ただ木々に囲まれ小川の流れるその場所で。ちいさな家が在ったならば、其処に人を招き入れる。ひらり、ひらひら。翅の名残の鱗粉は、空気に踊っては地面に落つ。 そうしてパタリとその木造扉を閉めたなら、横の開けた窓から顔を出し、また囁く。]
(135) 2014/09/21(Sun) 02時頃
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―――必要なもの、集めて来るから。 直ぐに戻るよ。
[その淡藤が窓辺に寄って来たなら、その髪先へと指を通したことだろう。 然しそうで無いのなら、少し寂寥を滲ませた笑みを張り付け手を小振り。
霧雨に濡れた体は、今や乾いてちいさく嚔を催すけれど。 男はただ、人を想っては歓喜に溢れる音を唄う。]
勝手に月に、帰らないでね。
[其れは嘗て月と呼んで居た彼を揶揄ったもの。其れは嘗て、囚われていた籠を比喩したもの。 くつくつと咽を鳴らしたのならば、男は漸く、名残惜し気に時折後ろを振り返りはしたけれど――その家から歩みを遠ざけ。
―――その姿が森の奥へと戻る事は、きっと *]
(136) 2014/09/21(Sun) 02時頃
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/* ニコラスさんも丁助さんもかわいい。 ニコラスさんは色っぽくて震えるし、 丁助さんはぐらぐらまでが丁寧で素敵だ。
そしてトレイルさんイケメンですなぁ。
(-75) 2014/09/21(Sun) 02時頃
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[主を失った数匹の金魚は水面下にて踊る。 ぶくぶくと揺れる泡。 パチリと音を立てて浮かび上がったのは──一匹の梅の花。 水草を尾びれに絡ませながら、ぷかりと姿を煌めかせた。
もう泳ぐことは無い*]
(137) 2014/09/21(Sun) 02時頃
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