88 吸血鬼の城 殲滅篇
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―― 地下聖堂 ――
[二つであったはずの気配が三つに増える。 新たな声に女はピクと肩を揺らし其方を見遣る]
――…ようこそ 死者の世界へ
[歓迎の言葉を紡げど エリアスの死を喜ぶような響きはなく]
あなたは――… 魔女にはならずに済んだのね
(+1) 2012/05/02(Wed) 00時半頃
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罪無き罪を断じられるのは誰しも恐ろしい 魔女の汚名を返上するために力を尽くしたあなたを 私は立派だと思うわ
人であればこそ 生きるために足掻くのでしょう
[女は守られるばかりで生きる為の努力を怠った。 討伐隊に狩られた事を恨めしく思う気持ちはない]
魔女ではなく、人なればこそ、と 私はそう思う
[神のもと、とエリアスの呟きには淡く微笑むのみ]
(+3) 2012/05/02(Wed) 00時半頃
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人であった頃は――…、そうかもしれない
[平凡な家庭に生まれ平穏な日々をすごしてきた。 元々持っていた魔力も使う必要もなく 魔女と言われることもなかった。 死にたくなかった、と呟くエリアスを 濡らしたままの深紅の双眸が見詰める]
死にたくなかった、なら
人としてではなく…… 私のように闇に属する者としての生を受けてみる?
[女が示すは一つの選択肢。 人としてあるか吸血鬼として生きるかは エリアス自身が選ぶべき事]
(+5) 2012/05/02(Wed) 01時頃
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――ええ、私と同じように 幸い、あなたの身体はまだ形を保っている あなたが望み、主が――…
[何か思い出したように口篭り ゆるゆると小さく首を振る]
主でなくとも、吸血鬼が応えれば 第二の生を、生きられる あなたが生きたいと望むなら
[良いのかと問うエリアスに肯定の頷きを向けた]
(+7) 2012/05/02(Wed) 14時半頃
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人であった頃と全く同じではないでしょう 血を欲してしまうこともあるでしょう 血を与えた“親”に従うことも必要になるでしょう
[示した選択肢により 変わるだろう事をぽつぽつと語り]
それでももう一度 生きたいと言うなら
――…それはきっと叶う
(+8) 2012/05/02(Wed) 14時半頃
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[傍にいるなら女の声は聞こえているだろう。 エリアスにそういい終えると 今度はラルフへと顔を向ける。
彼は如何思うのだろう、と。 そんな思いをもち、その反応を窺った]
(+9) 2012/05/02(Wed) 14時半頃
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[俯くエリアスに歩み寄り、視線を同じくして]
其れがあなたの願いなら 叶える為に私も力を尽くしましょう
[女はエリアスたち討伐隊に追い詰められ退治された魔性。 それも世の理と何処かで思っていたから咎める気もない。 ただ残してきた者の行く末が心配でそれが未練となっている。 それが消えてしまえば、留まる理由さえ消えるかもしれぬが]
苦しそうな、貌 過去があなたを苛むなら その過去も取り除いてしまいましょうか
[幼子をあやすかの如く撫でようと エリアスの頭へと手を伸ばした]
(+11) 2012/05/02(Wed) 16時頃
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[エリアスの言葉の一つ一つが 歩んできた一端を垣間見せるように思う。 姿変わらぬままそれなりの年月を経た女は 艶やかなエリアスの髪を撫で目を細めた]
私は魔女だから それくらいの魔法は使えてよ?
[主の血を受けた肉体が失われ 血の束縛さえ薄れてしまった女は 此処でない場所では口にしなかった事を 悪戯っぽい口調で告げた]
(+13) 2012/05/02(Wed) 16時半頃
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――…漸くわらった
[今度は嬉しそうににっこりと。 エリアスの小さな笑みに顔を綻ばせる。 髪撫でていた女の手は下ろされて 祈りを捧げる様子を静かに見守った。 ロザリオが床へと置かれると 女はエリアスの額に自らの額を重ねる]
我が名の下、あなたを苛む過去を 地より深き場所に封じる
[術師である女かエリアス当人が望まぬ限り消えぬ呪を 女は朗々と宣し其れを為した**]
(+15) 2012/05/02(Wed) 17時半頃
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[ヘクターに匿われ生きながらえたあの時 彼が与えてくれた領主の肩書きとその地位。 そのお蔭で暮らしに困る事は無かった。 最初の数年は彼の真似事をしながら勉強して 託されたものを守る事だけを考え力を尽くした。
彼がどうなったかは噂で知るのみ。 最期など見ていないから 待っていればひょっこり帰ってきてくれるかもしれない。
そんな淡い期待を抱きながら過ごした]
(+16) 2012/05/02(Wed) 18時頃
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[いくら待てど大事な主は戻ってこない。 彼の残した言葉を試そうにも 血を捧ぐべき彼の姿がみつからない。 寂しさと恋しさばかりが募る。 眠れぬ夜が続く。
待つことに疲れてしまったあの日。 妹を捜すきょうだいの姿を見掛けた。 二人を城へと引き入れて妹の捜索に人を遣る。 いくら捜しても彼女はみつからない。 みつけられぬ事に落ち込む女を 辛いはずのきょうだいが慰めてくれた。
そうして日毎に二人との距離は縮まる。 二人の存在が共に在る喜びを思い出させてくれた]
(+17) 2012/05/02(Wed) 18時頃
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[中庭に咲く薔薇を手入れしていた或る日。 一群れの薔薇の棘が無くなっていることに気付く。
ヒューが心配そうに女の手をみていたのは知っていたのに 心配せずとも大丈夫だと彼に伝えそびれてしまっていた。 言えばヒューの行動は変わっていただろうか。 女の代わりに彼の手指が薔薇の棘で傷つかずに済んだろうか。 彼が自分を案じて為した事と思えば何も言えず 傷付いた指先に軟膏を塗り手当てするくらいしか出来ない。
謝るヒューに女は微笑み 手当てしたばかりの騎士の手を優しく両手で包み込んだ]
(+18) 2012/05/02(Wed) 18時頃
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[ヒューは優しい。 その優しさ故に傍に置く事に不安を感じていた。 傍にいればいつかまた女の為にその身を犠牲にしそうで 自らが傷付くのを厭わず薔薇の棘を折った彼を見詰める。
何処かでそれを感じていたのに 女はヒューを手放せなかった。 騎士として忠節を尽くして呉れる彼の優しさに甘え 女は彼を傍に置き続けた。
今もなお騎士として在り続けるヒュー。 彼の思惑を知らぬまま女は城の奥底にあり続ける**]
(+19) 2012/05/02(Wed) 18時頃
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[女は魔法に長けていた。 元々そのような力を有する家系だった。 占いをし、薬草を扱い、魔法を扱い怪我や病を癒す。 ヒューが白い魔法>>0:199と称したように白魔女とも呼ばれる系譜。 魔女狩りにあわずに済んでいたのは 必要とされた時にしかその力を使わなかったから。 もう一つの理由は害無き白魔女よりも この地の民は吸血鬼と噂される領主の方をおそれたから]
(+20) 2012/05/02(Wed) 23時頃
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[常に身につけていた紅玉も 占いに使う道具のひとつで。 師ともいえる祖母から譲り受けたもの。
今は手元に無き品。 ずっと大事にしてきたものなのに 手の届く場所になく 何処にあるかも知れない。 触れられぬことを少しだけ心細く思う]
(+21) 2012/05/02(Wed) 23時頃
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眠くなってきたので抱き枕が欲しい。
縁故者と出会った時の年齢差を考えると ヒューは14か15あたりだとすると 添い寝したり抱き枕にしたりするのは難しそう。
ちっちゃいドナルドなら年齢的にはありかなぁ、とか。
主さまとはプラトニックなんですよね。ないんですよね。 別れ際に血を吸われたくらいなんですよね。
(-73) 2012/05/02(Wed) 23時半頃
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