88 吸血鬼の城 殲滅篇
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狼
墓
少
霊
全
ベネットは修道士 ムパムピスに投票した。(ランダム投票)
ヘクターは本屋 ベネットに投票した。
ヒューは本屋 ベネットに投票した。
ジェフは本屋 ベネットに投票した。
ドナルドは本屋 ベネットに投票した。
ムパムピスは本屋 ベネットに投票した。
ベネットは村人の手により処刑された。
時は来た。村人達は集まり、互いの姿を確認する。
犠牲者はいないようだ。殺戮の手は及ばなかったのだろうか?
村人達は自らの過ちに気付いた。
人狼達は最後の食事を済ませると、新たな犠牲者を求めて無人の村を立ち去っていった。
|
[熱い、血の滴り。
噴き上がり、落ちてくる赤い驟雨。
唇を舐め、剣士の身体を解放する。 もはや動かぬ体は、濡れた音を立てて石床に一度弾み、 赤の領域を広げながら、歪な形に横たわった。]
(0) nekomichi 2012/05/04(Fri) 00時頃
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|
[戦いの狂熱から覚めた瞳で、穏やかに剣士を見下ろし、 己を貫いていた剣に両手をかけて引き抜く。
新たに噴き出した血が、命を無くした身体にも降り注ぐ。]
―――オレを殺したいなら、 もう一度蘇ってこい。
[喉の奥で小さく笑ってから、 "子供"らの戦いを見届けるべく、死体に背を向ける。
意志が、執念が強ければ蘇ってくるだろう。 そのまま土へと崩れてしまうのならば、 それまでのことだ。]
(1) nekomichi 2012/05/04(Fri) 00時頃
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墓荒らし ヘクターは、メモを貼った。
nekomichi 2012/05/04(Fri) 00時頃
病人 エリアスは、メモを貼った。
laetitia 2012/05/04(Fri) 00時半頃
掃除夫 ラルフは、メモを貼った。
apricot 2012/05/04(Fri) 00時半頃
小悪党 ドナルドは、メモを貼った。
tatsuru 2012/05/04(Fri) 00時半頃
修道士 ムパムピスは、メモを貼った。
uyuki 2012/05/04(Fri) 00時半頃
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[そこに転がっているのは、ただの肉の塊]
[身体という器から、生命の血潮が全て流れだしてしまった、 ただの空っぽの器]
[その器が、紅い魔物の血で穢される。 いつしかその穢れは、命を満たす甘露となって――]
(2) el900m 2012/05/04(Fri) 00時半頃
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学者 レオナルドは、メモを貼った。
wuming 2012/05/04(Fri) 00時半頃
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[最初に動いたのは、 ほとんど動かすことのできなくなっていた右手だった]
(3) el900m 2012/05/04(Fri) 00時半頃
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|
[攻撃を受けている。それに気づいたのは、黒い鞭がもう避けられない距離にまで迫った時であった。
首に纏わりつく闇の力。 祓う声をあげることもできず、両手をかけて振りほどこうとするが聖術を帯びていない状態ではそれも叶わず、そのまま、ゆっくりと崩れ落ちていく。]
(4) uyuki 2012/05/04(Fri) 00時半頃
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捜査官 ジェフは、メモを貼った。
el900m 2012/05/04(Fri) 00時半頃
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[それまで、何があっても手放すことのなかった杖が、澄んだ音を立てて床へと投げ出された。]
(5) uyuki 2012/05/04(Fri) 00時半頃
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小悪党 ドナルドは、メモを貼った。
tatsuru 2012/05/04(Fri) 00時半頃
手伝い クラリッサは、メモを貼った。
helmut 2012/05/04(Fri) 00時半頃
墓荒らし ヘクターは、メモを貼った。
nekomichi 2012/05/04(Fri) 00時半頃
捜査官 ジェフは、メモを貼った。
el900m 2012/05/04(Fri) 00時半頃
|
[銀鈴の様な音を立て、 ムパムピスの手から聖杖が落ちる。]
…………。
[ムパムピスの首に纏わりついた闇色の鞭は、 彼の首筋にぎりぎりと赤い傷を残し、収縮した。
倒れ伏した彼を覗き込むように膝を突く]
(6) tatsuru 2012/05/04(Fri) 01時頃
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ヒュー、…
……大丈夫か?
[聖術をまともに受けた背後の男。 その安否を気遣うように声を送ってみる]
(*0) tatsuru 2012/05/04(Fri) 01時頃
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[振り返れば、まさに修道士が倒れ伏すところだった。 所有者の手を離れ、輝きを無くした杖が 石床を叩き、甲高く鳴る。
まるで、あるじを弔う鐘のように。]
(7) nekomichi 2012/05/04(Fri) 01時頃
|
|
[背後に送った『声』の返答を待たぬまま、 ゆっくりと、殆ど息絶えたムパムピスの頬を探る。]
………アンタも、…やっぱ同じ色なんだな。 聖者サマ?
[指についた薔薇色の液体にぼんやりと笑い、 其れに、ざらりと舌を這わせる。
左眼の傷。 聖術に焼かれた腕。
――始祖の血で癒された筈の渇きは、 ゆるりと身の内を駆け巡り始めている]
(8) tatsuru 2012/05/04(Fri) 01時頃
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ああ、良くやった。 上出来だぞ、おまえたち。
[褒め言葉を紡ぐ声音は、裏のない、 ごく素直で嬉しげなもの。]
(*1) nekomichi 2012/05/04(Fri) 01時頃
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…どうやら。
[まだ目が眩んでよく見えないが、存在は消滅していないようだった。]
おまえも?
(*2) enju 2012/05/04(Fri) 01時頃
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―――それじゃ、 クレアに会いに行くとするか。
[満足の笑みを浮かべ、凄惨な戦場に背を向ける。
討伐隊は全て死に絶え、或いは蘇って眷属となった。 もはや閉ざしておく理由も必要もない。]
(9) nekomichi 2012/05/04(Fri) 01時頃
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|
地下聖堂に行く。 後は任せた。
["子"らにそう告げ、螺旋階段へと向かっていった***]
(10) nekomichi 2012/05/04(Fri) 01時頃
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[クラリッサの死んだ後、愉悦を感じることなど終生ないと思っていた。 だが、今──]
……。
[彼らの声に、静かに微笑む。]
(*3) enju 2012/05/04(Fri) 01時頃
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[小さなくぐもり笑い。 ――熱を帯びた、長い吐息]
……っ、…、 …………な…、…くれよ。
いいだろ?
[斃れた彼に覆いかぶさる。 巻きついた鞭をタイを取り去るようにゆっくりと引き、
露になった首筋の傷に顔を埋める。]
……っ、は……
(11) tatsuru 2012/05/04(Fri) 01時頃
|
|
……ああ。 なんとかな。
[修道士の首筋に接吻ける直前、 苦笑と共に言葉を送る]
………アンタも、…飲んだほうがいい。 今でなくても。
[その言葉は酷く平坦な、感情を伺わせぬもの]
(*4) tatsuru 2012/05/04(Fri) 01時頃
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|
―― 地下聖堂 ――
[城で流れた血が地下聖堂に在る灰に滲みこみ力となる。 器は満たされ本来の形を取り戻してゆく。 トクリ、と脈打つ感覚。 遠く遠く呼ぶ声の欠片が耳朶を擽る。 棺に横たわるクラリッサの身体には 薔薇のあしらわれた深紅のドレスが纏わっていた。 燭台の炎が揺れて頬に落とす影を滲ませる。 伏せた睫がピクと小さく震えた]
――…、
[花弁思わすくちびるが淡く開き 双丘が浅く上下を繰り返す。 やがて深紅の双眸がゆるゆると開かれて映す景色は――**]
(12) helmut 2012/05/04(Fri) 01時頃
|
|
[その傷に舌を這わせ、 流れ落ちる薔薇色の液体を舐め上げる。
聖術使いの血はさらりとした清さをもって喉を流れ、 まるで澄んだ水を飲み干しているようだと ぼんやりと脳裏に浮かんだ]
…、…――、…、……
[甘く牙を突きたて、ゆっくりと啜り上げる。
全て飲まずに止めるのには、 かなりの自重が必要だった]
(13) tatsuru 2012/05/04(Fri) 01時頃
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………。
[主の気配をうかがうように、 中空に目線を向ける]
………食事、したぜ。 たぶんちょっと残ってる。
な、……どうする?
[彼がムパムピスを眷属に変えたがっていたのは知っている。 此の侭彼を食い尽くしてよいものなのかと、 迷うように首を傾け]
(*5) tatsuru 2012/05/04(Fri) 01時半頃
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レオナルドは、正しくはCRY-MAXだった。恥ずかしい(*ノノ)
wuming 2012/05/04(Fri) 01時半頃
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[ぼんやりと薄目を開けた。 ひんやりとした冷気が、頬を撫でで心地良い。 相変わらずあたり一面の闇なのに、闇を全く感じない。 その世界の変貌を不思議に思うことはなかったが、 何故こんなところで寝ていたのだろう、と そのことが引っかかる。
私は確か吸血鬼の城に乗り込んで――。 あやふやな記憶を手繰り寄せるように眉根を寄せて
思い出したかのように、がばっと跳ね起きる]
(14) el900m 2012/05/04(Fri) 03時頃
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[私はあの男と戦っていた。 だが圧倒的な力の前に適うはずもなく、噛み付かれて。 それから死んで、復活して。
記憶が鮮やかに蘇る。
生きながら喰いちぎられる痛み。 噛み付かれた場所からどんどん身体が熱くなって、 それが済むと、凍えそうな寒さが襲った。
この胸をよぎるる暗い感情は、憎しみだろうか。 理由にも様々な要因があるが 生前、吸血鬼を狩る立場だった自分が、 吸血鬼になってしまったことが憎い。 ――何よりこんなこと師へ顔向けが出来ない]
(15) el900m 2012/05/04(Fri) 03時頃
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ヘクター!
[憎しみを限りに叫んで。 圧倒的に飛躍した身体能力で跳躍すると、 螺旋階段を降りようとしていた、ヘクターを力任せに殴りつけようとした。
だが、同時に生まれてくる奇妙な感情。 それは自分を育ててくれた師への感謝や憧れにもよく似ている。
自分の中のもうひとつの感情に気づくと、握った拳は下にだらんと垂れ、 後には相反する気持ちを持て余してどうしていいのか わからなくなった子供のような表情が*残った*]
(16) el900m 2012/05/04(Fri) 03時頃
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捜査官 ジェフは、メモを貼った。
el900m 2012/05/04(Fri) 03時頃
|
>>*1 ……。
[上出来だ、という言葉に、 痛みを感じたように唇を噛む。] (……そんな風に褒められんのは、慣れてんだよ。)
[人殺しで褒章をもぎ取る。 或いは、魔物の討伐で。
……寧ろそれが日常だった筈なのに。
じくじくとした胸の痛みは何故なのだろう、と ぼんやりと、思う。
ヒトとして残る記憶の所為か。 ……男の言葉に、 力の抜けるような安堵を感じた所為なのか ]
(*6) tatsuru 2012/05/04(Fri) 12時頃
|
|
地下聖堂…?
[主が口にする見慣れぬ場所に、隻眼を見開く。 聞いたことのない場所だった。
――尤も、この城の内部を把握したわけでは まるでなかったが]
地下聖堂に…、何があるっていうんだよ?
(17) tatsuru 2012/05/04(Fri) 14時頃
|
|
[男がクレアの復活の為に、 獲物の血を集めていた事は知らなかった。
――彼女が今この時に、 三度目の生を得ようとしていることも]
………。
[眉を寄せる。 エリアスの亡骸を、捨て置け、と言い切ったあの男。
彼が聖堂に自ら足を運ぶだけの何が、 そこにあるのだろう、と]
(18) tatsuru 2012/05/04(Fri) 14時頃
|
|
>>*5
[どうする、と問われて考えたのは僅かな間。 良いことを思いついた、とばかりに頷く。]
そうだな。 おまえがやってみろ。
[修道士を眷属に変えろ、とごく簡単な調子で言う。]
子供というのも、可愛いもんだぞ?
[喉の奥に零れる笑いは、ドナルド自身のことも揶揄している。 だがなにより、元の仲間に闇の眷属へ変えられた聖職者、 それを、見てみたくもあった。]
(*7) nekomichi 2012/05/04(Fri) 22時頃
|
|
── 南の城塔 屋上 ──
[ヘクターが金髪の剣士を喰らい、ドナルドもまた修道士の血を啜って、討伐隊は潰えた。 もう剣戟の音はしない。 だから、ヒューは石床の上に仰のいたまま、少し休んだ。
血霧の紗幕で軽減されたとはいえ、浄化の光を浴びた身はひどく苛まれる。 血の糧をもって補えばよいのだろうが、まだ…、と動かぬ指先に力を込める。
ヘクターは、「地下聖堂に行く」と告げて去った。 おそらく、それは──クラリッサを甦らせるため。]
(19) enju 2012/05/04(Fri) 22時半頃
|
|
>>*7 変える、……って。
[戸惑い、揺らいだ声。]
どうやってだよ……? 俺、そんな遣り方知らねえぞ。
[己の拙い知識では、 レオナルドを蘇らせる事もできなかった。
続く言葉に含まれた揶揄には、険を露にした答え]
……っ、要らねえよ、おれは。 ガキなんざ、作りたくもねえ…!
(*8) tatsuru 2012/05/04(Fri) 22時半頃
|
|
[クラリッサが戻れば、休んでなどおれぬ。 大広間も小ホールも、多分、その他の居室もひどい有様だ。]
( だが、もし姫が還らぬのであれば ── )
[このまま、共に滅びよう、と思っていた。]
(20) enju 2012/05/04(Fri) 22時半頃
|
|
>>16
[名を呼ばれた。
螺旋階段の最初の段に足をかけ、 上半身をひねって、声の主を見る。
殴りかかってくる拳を受け止めようと片手を挙げ、 結局届かず垂れたそれに、小さく笑った。]
(21) nekomichi 2012/05/04(Fri) 22時半頃
|
|
言っただろうが。 オレを殺したいなら、蘇ってこい、と。
[愉悦。赤に彩られた戦いの歓喜。 己と、剣士の血で全身を濡らした闇の主は、 剣士に背を向け、階段を下り始める。]
オレを殺れるようになったら、帰ってこい。 ―――― 一人で喰えるようになるまでは ここで飼ってやってもいいがな。
[愉しげな笑い声が、ともに降りていく。]
(22) nekomichi 2012/05/04(Fri) 22時半頃
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|
そうだ。
[螺旋階段の途中、 ちょうど、階段の入り口を正面に見る位置で、足を止めた。]
名を聞いておこうか。
可愛いオレの子だからな。 名無しじゃ、呼びにくい。
(23) nekomichi 2012/05/04(Fri) 22時半頃
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[揄しげな声に、眦>>22をきっと吊り上げると]
ふざけるな! 誰が、お前なぞに飼われたいと思うものか!
必ず―― 必ず、お前を殺してやる。
[その日がいつ来るのかわからない。 あるいは殺すことは出来ないのかもしれないけれど。
殺してやるという想いまで失くしたら このまま生き続けることはきっと難しいだろう]
(24) el900m 2012/05/04(Fri) 22時半頃
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>>*8
おまえの血を、そいつの傷に注げ。 気前よくな。 傷がなけりゃ、作っちまえ。
[自身はそうしてきた。 他の眷属の中には違うことをしている者もいるが、 眷属にするという意識を持って血を与えるのは、同じだ。 いずれにせよ、相応しいやり方はいずれ本能が教えてくれる。]
しばらくオレは忙しい。 いいから適当にやっておけよ。
[噛みついてくる口調を笑いでいなしながら ひらりと手を振る気配を送った。]
(*9) nekomichi 2012/05/04(Fri) 22時半頃
|
|
[いっそ吸血鬼になったのだから視線だけで殺せればいい。 などと思いながら、睨んだままヘクターの背中を見送ると 彼が不意に振り向いた]
やめろ。 お前の子なんて気持ちが悪い。
[憎々しげに吐き捨てて]
お前の最大の敵としてなら名乗ってやる。
……――ジェフ ジェフリー・ハリソンだ。
(25) el900m 2012/05/04(Fri) 22時半頃
|
|
―南塔 屋上―
[ムパムピスを眷属に。 ――そう囁く男の声に眉を寄せて振り返り、
石床に横たわる『弟』に歩み寄る]
……大丈夫か…?
[ヒューは転がったまま、殆ど動かない。
己の左眼は先ほどの吸血でだいぶ癒えたが、 彼のダメージは自分以上に大きいようだった]
(26) tatsuru 2012/05/04(Fri) 22時半頃
|
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>>*9 傷口から……。
[レオナルドの唇に塗りつけた時には、何も齎さなかった。 遣り方が間違っていたのか、と瞬きし]
……また適当に、かよ。 何に忙しいんだかな。
[続く言葉にはため息をつき、声を打ち切る。 ――酷く苛立っている自分に気づき、舌打ちした]
(*10) tatsuru 2012/05/04(Fri) 23時頃
|
|
[大きく息を吐く、 偉そうな言葉をヘクターに投げかけたところで、 結局自分は、誰も護れなかったのだ。 自分も――]
……ムパムピスは? ムパムピス!
[絶対護ると誓った人。 なのに自分は――
その名を叫ぶと、弾かれたようにムパムピスの側に駆け寄る]
(27) el900m 2012/05/04(Fri) 23時頃
|
|
[「大丈夫か…?」と気遣う声がかけられる。 闇を通した思念ではなく、空気の揺らぎを伴うそれは、どこか温度を感じさせて心地よい。] ああ、存外 丈夫に、 できてる。
親に感謝しよう。
(28) enju 2012/05/04(Fri) 23時頃
|
|
[石床を見下ろし、迷うように眉を寄せる。
己が血を与えれば この男は回復するのかもしれない、と気づいて。
……だが結局、踏ん切りはつかずに、 大丈夫だ、という返事にほっと安堵の息をついた。
複雑げに、僅かに唇を引き上げて笑い]
そっか。 …ならよかった。
(29) tatsuru 2012/05/04(Fri) 23時頃
|
|
……あ、…そういえば
[気づいて胸ポケットを探り、 其処にあるものを取り出す。
明滅するようにひそやかな熱をもった、 紅玉の髪飾り]
(30) tatsuru 2012/05/04(Fri) 23時頃
|
|
[ヒューが見えるように差し出してから、 その掌の近くに、ことりと置く。]
……クレアの…、 アヴァロン伯の持ち物だ。
アンタに渡そうと思って、ずっと忘れてた。
(31) tatsuru 2012/05/04(Fri) 23時頃
|
|
― 地下聖堂 ―
[螺旋階段を降りる途中で、闇に姿を変え、 ひといきに下へと降りていく。 それでも、いきなり地下聖堂に現れることはせず、 南の地下通路に降り立った。
全身を濡らしていた血は、一度闇に溶けたことで消え去り、 落ち着いた、常の風格を取り戻す。 傷までは塞がっていないが、服で隠せばそれも気にならなかった。]
(32) nekomichi 2012/05/04(Fri) 23時頃
|
|
[地下聖堂の扉を開き、中へと踏み込む。 一歩、足を踏み入れると同時に、全身を包む薔薇の芳香。 深紅の花弁に飾られた棺に近寄り、 ゆっくりと中を覗き込む。
棺に在るは、花の如き乙女。 白いかんばせを飾る亜麻色は柔らかに優しく、 薔薇の唇からは真珠の歯が覗く。
損なわれていた、世にただひとつの華は、 再び艶やかな姿を取り戻し、花弁を開こうとしていた。]
(33) nekomichi 2012/05/04(Fri) 23時頃
|
|
クレア。
[名を舌に載せ、指を伸ばす。 額に掛かる髪の一筋を払い、柔らかな頬に触れる。]
――― オレの、シェリ。
[愛しい人。そう、低い声で呼びかける。 その声が届いているのか、 繊細な綿毛のように睫が震え―――]
(34) nekomichi 2012/05/04(Fri) 23時頃
|
|
迎えにきたぞ。
……… おかえり。
[開いていく深紅を見つめて、笑った。]
(35) nekomichi 2012/05/04(Fri) 23時頃
|
|
[ドナルドが掌の近くに置いたそれに触れる。 鼓動にも似たその温もり。]
姫の──、
[どうしてこれを、と問いかけて思い出した。 「アヴァロン伯の遺品」があったという討伐隊の会話。]
…おれに?
[おまえが渡せば、あるいは供えればいい、姫とは知己なのだろう──と言おうと思ったが、これはドナルドの優しさなのだろうと──死ぬなよという励ましなのだろうと理解して、ことりと頷いた。]
確かに、お預かりする。
(36) enju 2012/05/04(Fri) 23時半頃
|
|
>>24
[必ず殺してやる。 血を吐くような宣言に、密やかに牙を見せて笑う。 ああ―――愉しい戦いが、できそうだ。]
ジェフリー・ハリソン、な。
名前を忘れる前には、顔を見せろよ。
[最大の敵だという主張(>>25)には、小さく笑い声を立て、]
(37) nekomichi 2012/05/04(Fri) 23時半頃
|
|
辛くなったら、いつでも帰ってきていいぜ?
――― 魔物狩人に殺されんなよ。
[低い笑い声は、互いの姿が見えなくなっても響いていた。]
(*11) nekomichi 2012/05/04(Fri) 23時半頃
|
|
先代はおそらく──姫を迎えに行った。
おまえは──どうする?
(38) enju 2012/05/04(Fri) 23時半頃
|
|
ムパムピス?
[周りに誰がいようが気にも止めないで、 ムパムピスの身体を抱きかかえると、ぴしゃりと頬を打つ]
ムパムピス、大丈夫か? ムパムピス?
…………!
(39) el900m 2012/05/04(Fri) 23時半頃
|
|
>>36 …ああ。
クレアの傍にいてくれた…… 護ろうとしてくれたアンタが、 持ってるべきだ、って思うんだ。
[この騎士の彼女への忠義を思い、 頷く彼に切なく笑いかける]
俺が、――俺たちが出来なかったことを アンタはしてくれてたんだからさ。
(40) tatsuru 2012/05/04(Fri) 23時半頃
|
|
[彼が生きているのか、死んでいるのかわからない。 ならば首筋に手を当てればと、 触れようとして違和感を感じた。
彼は、首筋まで防護していたはずなのに、 今は白い肌が露出していた。
嫌な予感がして覗きこむとそこには――2つの穴 まるで吸血鬼に血を吸われたような]
(41) el900m 2012/05/04(Fri) 23時半頃
|
|
[己がクレアにとどめを刺した事を、ヒューは知らぬ。
……ヒューがラルフにとどめを刺したことを、 隻眼の男は知らなかった。
大任を果たしたように、ふ、と息をつき]
――…? ………迎えに、って…
[次の言葉に、きょとんと振り返る。 何を言われたかわからない、というように瞠目した。]
(42) tatsuru 2012/05/04(Fri) 23時半頃
|
|
―― 地下聖堂 ――
[眠りから目覚めたばかりのようなぼんやりとした深紅の双眸。 ややして定まる焦点の中心に在るのは逢いたいと願っていた主の姿。 薔薇の芳香に混じり甘い血の香りが鼻腔を擽る。 頬に触れる手の優しさに女はくすぐったそうに目を細めた]
ヘクターさま
[夢現の様子で身を起こし その両の手は主の肩に絡めようと伸ばされて]
ただいま、戻りました
――…ずっと、ずっと、 こうして再び逢えるのをお待ちしていました
[待ち焦がれた主の迎えとその笑みに 女は安堵と歓喜の入り混じる微笑みを浮かべる]
(43) helmut 2012/05/04(Fri) 23時半頃
|
|
先代は、姫を甦らせると言っていた。
[そのために血が必要で、そのために自分たちは命を落としたのではないかと──その確認は省いた。]
だから── 姫が戻ったら、これはおれから姫に渡す。
ただ、おまえのしてくれたこと、おまえの言葉は忘れない。
…ありがとう。
(44) enju 2012/05/04(Fri) 23時半頃
|
|
………、クレアが、 ………甦る?
[呆然と呟く。 信じがたい話を聞いたように。
ひとつだけの瞳は見開かれ、
――やがて其れは、
歓喜でもなく 驚愕でもなく、
ただ、]
(45) tatsuru 2012/05/05(Sat) 00時頃
|
|
済まない……。 私は、君を護れなかった。
[ぎゅっと唇を噛む。
屈辱の痕がはっきりと残された、しろいのど。 慰めるようにそっと撫で――。
哀しげに見つめる瞳には、いつしか欲望の色が混じる]
(46) el900m 2012/05/05(Sat) 00時頃
|
|
……ッ、だったら…
[息を呑み込む。 唇が戦慄き、言葉には出来なかった。
何故。
――何故、自分達は、 こんな風にならねばならなかったのか、と]
(47) tatsuru 2012/05/05(Sat) 00時頃
|
|
― 地下聖堂 >>43 ―
悪いな。 随分と――― 待たせた。
[伸ばされる繊手を首に導き、 背中と膝の裏を支えて、棺の中から掬い上げる。 顔のすぐ横で、花の香りが開いた。]
もう、おまえに寂しい思いはさせねぇ。
ずっと、一緒だ。
[手放しはしない。 思いを込めて、ほんの少しだけ腕に力を入れる。 肌がより密に触れあうだけの強さ。]
(48) nekomichi 2012/05/05(Sat) 00時頃
|
|
[浮かぶのは――悲痛。
討伐隊は殲滅された。 ――自分と、主の獲物となったジェフリー。 それ以外の全員が死んだ。
そして、自分は]
(49) tatsuru 2012/05/05(Sat) 00時頃
|
|
(――復讐じゃ、なかったのかよ) (なら、なんで)
(なんで俺を)
[無意識に叩きつける。 それは聞こえない声であったかもしれないが。
……男は、己の血を クレアに直接注いだわけではない。 獲物の血が必要なことなどは知らなかった。]
(俺を――殺さなかったんだ)
(*12) tatsuru 2012/05/05(Sat) 00時頃
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……。…… ヒュー。 俺は行かない。
……悪い…、… ひとりで行ってくれ。
[言い残し、背を向けようとする。 その姿は、ジェフリーとすれ違ったかもしれない*]
(50) tatsuru 2012/05/05(Sat) 00時頃
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―― 地下聖堂>>48 ――
[悪いなというヘクターに小さく横に首を振る]
迎えに来て下さった それだけで十分――…
[待っていた間の苦も忘れてしまえるほどに 彼が蘇り此処に在るという事実だけでも報われた気がする。 寂しかったとは口にしない。 口にせずとも主は全て分かってくれているように感じたから。 導かれるままに彼の首筋へと縋ればふわりと浮くような感覚。 二つの腕に抱き上げられていると知れば羞恥に頬を染めて 深紅の眼差しが微かに伏せられる]
また以前のように傍に居ていいのなら ずっと、許される限り、お傍に在りたい
[頬と頬を重ね、女はそっと耳朶に囁く]
(51) helmut 2012/05/05(Sat) 00時半頃
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[激しい喉の渇きを抑えるように喉を掻き毟ると、 血が滲んだような赤い筋がひとつ、ふたつと増えてゆくが それで収まるはずがない。
風が血の臭気を運んでくる。 その甘く芳しい香りに、くらくらと目眩がする。
ヘクターを倒すまで生き続けると決めた以上、 血を啜ることには抵抗はない。 だが駄目だ。この男だけは―― このような事にならない為に護ったのに。
そうして特別なもののように感じれば感じるほど]
[彼が欲しくなる]
[情けなさに嗚咽しながら、彼の喉元にむしゃぶりついた]
(52) el900m 2012/05/05(Sat) 00時半頃
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………。
[階段を一段一段、下りる。 魔性の力を使わずに、ひとつずつ。
かつん。 かつん。
石床は不恰好に音を反響し、 手すりに腕をかけた影が、ゆっくりと降ってゆく。]
(53) tatsuru 2012/05/05(Sat) 00時半頃
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[ドナルドの反応に、この男は知らなかったのだと察する。]
おまえは償いのために、自ら望んで姫に血を捧げたのかと思っていたが…そうではなかったのか。
ひとつだけ、聞きたい。
姫を幸せにしたいと──思うか。
(54) enju 2012/05/05(Sat) 00時半頃
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[復讐だった。 儀式で、単なる食餌でもあった。
娘を殺した相手を生かしてはおけない。 殺すだけでは飽き足らない。
最初は、それだけだったのだ。]
(*13) nekomichi 2012/05/05(Sat) 00時半頃
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[胸の軋むような叫びの気配(>>*12)に耳を傾け、 薄い、笑みのようなものを浮かべる。
言葉としては、なにも口にしなかった。]
(*14) nekomichi 2012/05/05(Sat) 00時半頃
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[そうして、喉の渇きが癒えるまで、 彼の血を啜り、溢れて零れた分まで丹念に舌で掬い取る。
漸く顔を上げた時には、目は虚ろで 行儀悪く、唇の周辺は真っ赤だった]
(55) el900m 2012/05/05(Sat) 00時半頃
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>>54 [ヒューの声に、足を止める。 一瞬の躊躇い。
振り向かずに、答えた]
――……ああ。 幸せにしてやって欲しい。
[それは本心。だから声は揺らがない。]
アンタと、……アイツなら、 其れが出来るだろうから。
(56) tatsuru 2012/05/05(Sat) 00時半頃
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[一度彼女の命を奪った自分が。 ……今、彼女が甦ることへの歓喜よりも
今の運命に煮え滾るような怒りを覚えている自分が、 その資格はないのだ、と]
(57) tatsuru 2012/05/05(Sat) 00時半頃
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[そうして暫く物思いに耽っていたが、 やがて、何かを思いついたように、 ムパムピスの顔に視線を向けると話しかけた]
ムパムピス。 出来れば、お前をこのまま安らかに眠らせてやりたい。 だが、果たしてそれは出来ることなのだろうか。
私が、お前を見逃したとしても。 誰かが――お前を眷属にしようとするかもしれない。 ……私はお前を護ると決めた。 その気持ちは今も変わらない。
ならば、いっそ、他のものの眷属になって どう扱われるかわからないよりも。 私が……お前の保護者になりたい。
(58) el900m 2012/05/05(Sat) 00時半頃
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[そう告げると、爪で左手を切り裂き]
[流れだす血を、ムパムピスに注いだ]
(59) el900m 2012/05/05(Sat) 00時半頃
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― 地下聖堂 >>51 ―
[耳朶に掛かる吐息がくすぐったく、 肩を竦めて笑う。]
もちろんだ。傍にいてくれて構わない。 いや、居てほしい。
[重ねた頬は溶けそうに柔らかく、 無精髭が傷を付けてしまわないかと そんなことまで不安に思って、そっと顔を離す。 名残惜しくはあったけれども。]
おまえが灰になったとき、身体が裂けたように感じた。 こうしておまえをまた腕の中に抱けば、 嬉しくて叫びそうになる。
もう、どこにもいくな。
[正面から深紅を覗き込んで、強い口調で告げる。]
(60) nekomichi 2012/05/05(Sat) 01時頃
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[男の気配に、吸い寄せられる様に意識が向く。 伝わる薄い笑いの波動。 ……頭の中を掻き混ぜられるような惑乱。
――自分への嫌悪感に、 くらりと眩暈のように視界が回った。]
(*15) tatsuru 2012/05/05(Sat) 01時頃
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(領主様はとてもお優しい方よ)
[鈴の鳴るように涼やかな、彼女の声。 微笑いかけてくれた。 薔薇の花を摘んでくれた。 綴られる幸福な思い出。 今頃、クレアは、あの男に笑いかけているのか。 ――あの男はクレアを見て、微笑っているのだろうか]
(*16) tatsuru 2012/05/05(Sat) 01時頃
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[じっと顔を見詰めて、 彼が目を覚ますのを、静かに見守る。
師が教えてくれた、人を吸血鬼にする方法。 それが本当であればいい、と願った]
(61) el900m 2012/05/05(Sat) 01時頃
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―― 大広間>>60 ――
[ヘクターの笑む気配が触れ合う箇所から伝う。 頬に触れるちくりとした感触さえ愛しむかのように 一度摺り寄せ甘える仕草をみせた]
――…嬉しい
もう必要ない、と、手は足りていると言われたら、と ……少し不安に思っていたので
[血を分け与える様を鏡越しに見ていた女は 抱いていた不安を口にし安堵の吐息を零す。 離れる気配に、首筋に絡めた手を緩め]
何処にもゆきません ヘクターさまのお傍にいます、から もう置いてゆかないで下さい、ね
[覗き込む視線に軽く顎を引き上目に見詰め、願う]
(62) helmut 2012/05/05(Sat) 01時頃
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「マティアス君…いや、今はムパムピス君と呼ぶべきだったね。」
「これを君に預けるようにと命を受けた。」
「…この教会から、異端討伐の聖務を行う修道士となる者を送り出すことができ、とても光栄に思っている。」
「新しい地へ赴いても…達者でな。」
(63) uyuki 2012/05/05(Sat) 01時頃
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―その杖を渡されたのは、最初の「聖務」を執り行う前日のことだった。
長い間育てられた教会を離れる時、司祭様から頂いた護りの杖。
私の持つ力は、限られている。
物質に神の力を宿らせる聖別付与を得意とするだけで、 回復も、攻撃魔法も優れているとは言い難い。
聖務を執り行う役割を与えて頂いたことが、自分でも信じられないようなごく平均的な能力しかない修道士。
だから、力を消耗しない、尽きることのない祝福を受けた杖を与えられたことは、とても嬉しく…命をかけても、神を冒涜する魔物達を排し、人々の為、善き存在であろうと心に誓った。
――いつか神の御許に還るまで。
(64) uyuki 2012/05/05(Sat) 01時頃
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[ヒューを残し、螺旋階段を降りる。 隻眼ははっきりと、 その石床の罅ひとつまでを映し出しているのに
――酷く、足元が暗い気がした。]
――>>53へ
(65) tatsuru 2012/05/05(Sat) 01時頃
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……………夢………?
私……は…………
[生気を失い、閉じられた目が微かに震える。]
[何かを求めるように、投げ出された指先がゆっくりと動き、新たな血を得た体が大きく震える。]
……………ジェフリー……様…?
[目を開くと、金の髪…城に入ってからの数刻の間に、最も信頼できる存在となった男の姿が目に映る。]
(66) uyuki 2012/05/05(Sat) 01時頃
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御無事だったのですね……
御力になれず…申し訳…ございません………
…口元に、血が……
回復を…しなければ……
[男の顔に、ゆるゆると手を伸ばす。 その血が自らの流したものだとは気付かないまま。 漆黒の闇と瘴気は、神の祝福により浄化されたように肌に優しく、安らげる空間となっていた。]
(67) uyuki 2012/05/05(Sat) 01時半頃
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― 地下聖堂 >>62 ―
[擦り寄る仕草は、まるで猫か小動物のよう。 頬に残る甘い感触に心を溶かしながら、 抱き上げた腕に、もう一度そっと力をいれる。]
誰がおまえの代わりになるものか。 おまえ以外には、いない。
[上目に見上げる深紅の瞳。 願いを紡ぐ、花弁の唇。 そのひとつひとつが、愛おしく、たまらなく、]
置いていくものか。 おまえを残していったりするものか。
二度と、おまえを悲しませるようなことはしない。
[力強く、約束の言葉を口にして―――]
(68) nekomichi 2012/05/05(Sat) 01時半頃
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[ ――― 誓いの印を、口付けた。 *]
(69) nekomichi 2012/05/05(Sat) 01時半頃
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―……なる主よ、求める者の声をお聞き下さい。 主の慈しみに生きる人に癒しの…力を……
[馴染んだ聖句。 能力は高くないが、常日頃から使い続けた癒しの言葉。 その発音を、上手く発することができないことに気づいたのは、癒しの白い光が、淡い灰色の闇の力となり目の前に発現した時だった。*]
(70) uyuki 2012/05/05(Sat) 01時半頃
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―― 地下聖堂>>68 ――
[主の腕に籠もる力とその言葉に 必要とされている悦びを感じる]
そんな風に言って貰えるなんて、嬉しい まるで幸せな夢をみているようで……
[幸せだと言わんばかりの笑みが零れた。 力強い約束に安堵したのは一瞬。 名を呼び言葉紡ごうとしたくちびるには 薄くもやわらかな感触が伝う]
――……ン、
[甘く鼻に掛かる音色を漏らし 女は主からの誓いの印を受け入れ眸を閉じた]
(71) helmut 2012/05/05(Sat) 02時頃
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[誓いに誓いを返すかのように 僅かに首を傾け角度を変えて押し当てる所作。 女の手が触れる首に近い肩の傷から 服に隠れた脇腹、胸から背にかけての傷に 白といわれる魔力が干渉し其れを癒そうとする。
どちらからとも知れず離れるくちびる。 とろりと蕩けるような深紅が再び主の双眸を見詰めた**]
(72) helmut 2012/05/05(Sat) 02時頃
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―― 大広間 ――
[献花の如く亡骸に散る白百合。 女はエリアスの器へと歩み寄り傍らに膝をつく。 手を伸ばしエリアスの頬をなぞれば 白百合の花粉が指先を金に染めた]
――…エリアス 私の血をあなたに
[紡げば風が女の掌を裂き深い傷を残してゆく。 漂う百合の芳香に生々しい鉄錆の匂いが混じった。 溢れる薔薇色が指先を伝いを青褪めたエリアスのくちびるへと落ちる。 吸血鬼の血が人であったエリアスに満ちるまで其れは続けられた]
(73) helmut 2012/05/05(Sat) 02時頃
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[満ちたと感じれば掌の傷は塞がり流れた赤が残るのみ。 エリアスのくちびるに残る赤を親指の腹で拭い取り]
エリアス……、私の愛し子 目を覚まして、私の許へ――…
[眠る我が子に目覚めを促す親のように優しくその名を呼んだ**]
(74) helmut 2012/05/05(Sat) 02時頃
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手伝い クラリッサは、メモを貼った。
helmut 2012/05/05(Sat) 02時頃
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[三階の画廊から、二階への螺旋階段へ。 何処に行く当てもなく歩いた。 ――何故、俺を。 その言葉に答えは返らなかった。 伝わったのはいつもの、 揶揄するような笑みの気配だけ。 だが]
(75) tatsuru 2012/05/05(Sat) 04時頃
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|
……望んで、血を捧げた、か。 [ゆっくりと足を運びながら、 ヒューの言葉を反芻する。
……何故、ヒュー・ガルデンが吸血鬼になったのか。 最初に出会った時の彼は人間だったように思う。
心底『クラリッサ』が 人間であると信じ込んでいたようにも] …… クレアを甦らせる為…、なんだろうな。
(76) tatsuru 2012/05/05(Sat) 04時頃
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[苦笑して足を止める。 あの騎士ならば、其れを躊躇う事は絶対にないだろう。 おかしな程にすんなりと納得がいった。 手すりに寄り掛かり、 ぼんやりと吹き抜けの天井を見上げる。
其処にいるであろう騎士に、 …それを持ちかけたのは、誰なのか。 当然その対象は、ひとりしかいないのだ。]
(77) tatsuru 2012/05/05(Sat) 04時頃
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………、…。――ッ…
[肩が、揺れる。 喉を駆け上るものに顔を歪める。 ぐしゃりと、髪を掻き上げた。 嗚咽に似た声が、螺旋階段に響く]
……。 …っ、……はは…
(78) tatsuru 2012/05/05(Sat) 04時頃
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…そっか…俺の血が、 クレアの為に必要だった、って事か…。
[隻眼の男は笑っていた。 酷く可笑しいことに思い当たったように 身体を折り、手摺に身を任せる。] 復讐兼ねた実益…っ、て、すげえアンタらしい。 絞りカスで愉しむ事まで出来んだもんな、 さぞや満足だろうぜ…っ、くく、
――…ッ、
(79) tatsuru 2012/05/05(Sat) 04時頃
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|
[足がぐらりとよろけ、踏み外す。 ――男は派手な音を立て、一番下まで転げ落ちた。 がつんという衝撃。激しく頭を床にぶつけ、 目の奥から火花が出た気がして、低く呻く。] ……ぅ、…っ、…てて…、…
………。
(80) tatsuru 2012/05/05(Sat) 04時頃
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|
[仰向けに倒れ伏したまま、ひくりと、喉が鳴る。 それを耐える様に唇を噛み締め、ぎりぎりと天を睨んだ。 『声』にしない、聞かせるつもりのない恨み言を 呪詛のように、脳裏に浮かばせる]
(……なぁ。満足したか? そうだよな) (アンタも甦れたし、クレアも)
(それなら)
……っ…。…
(81) tatsuru 2012/05/05(Sat) 04時頃
|
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(俺は、もう)
[――酷く惨めで。 今度こそ腕で顔を覆い、隻眼をぎゅっと瞑る。
怒りよりも、屈辱よりも先に
――もう、あの男にとって自分は用済みなのだ、と
そう知らされた事への絶望が先に立つ、自分が。]
(82) tatsuru 2012/05/05(Sat) 04時頃
|
|
[どれだけそうしていたのだろう。 ――ぼんやりと、身を起こす。 嵐の様に波立っていた心は、 酷く静かに、凪いでいた。]
……。
[ふたつの部屋に囲まれた、螺旋階段の部屋。 辺りを見回し、ひとつの扉に目がとまる。]
――そっか。
[行き先を見つけたように、微笑する。
男はゆっくりと膝を突き、立ち上がった*]
(83) tatsuru 2012/05/05(Sat) 04時半頃
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(最初に与えられる血は 力と渇望 を生み) (二度目に与えられる血は 忘却と服従 を強い)
(三度目に与えられる血は ――――)
(84) tatsuru 2012/05/05(Sat) 07時頃
|
|
……三度目は、…なんだっけ。
[古い書物に綴られた詩。 確か吸血鬼の生態を書いたものだったか。 美しい其れを無意識に口ずさみ、 火掻き棒をつかう手を止めて、 ふ、と首をかしげる。]
…どっかで聞いたみたいな詩だな。 よくあるハナシ、ってことか。
(85) tatsuru 2012/05/05(Sat) 07時頃
|
|
[可笑しくなって肩を竦め、 再び、炉を混ぜる作業を始める。 男によって彼が得たもの。 最初の血は魔物としての力と、飢えを。 ――次の血はヒトとして抗う心の、 なにもかもを奪った]
(86) tatsuru 2012/05/05(Sat) 07時頃
|
|
――…ああ、やっぱな。 残ってる。
[柔らかに幸福そうに笑んで、 狂った下僕は火掻き棒をとめる。 炉の灰の中に残る、銀の杭。 聖別された其れは、熱に溶け歪み 伸ばした掌を、焦げる様な音を立てて焼いて 其れでも抗わずに、手の中に納まる] …っつ、…
[流石に小さく眉を顰めつつも、 立てかけていたボウガンを、取り上げる]
(87) tatsuru 2012/05/05(Sat) 07時頃
|
|
…手伝ってくれよ、相棒。 最後がこんなんじゃ悪いけどな。
[苦笑し、燻した銀色の弦を辿る。 ひそやかに鐙に刻まれている十字架はその所属の証。
――己の命を幾度も護ってくれた。 だから此れに預けるのもいいだろう、とそう思った]
(88) tatsuru 2012/05/05(Sat) 07時頃
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………。
[杭の先端を持ち、 銃身に差し込んで固定する。
慣れた手順。
歪んだ其れも、何度か差し込み直せば …かちり、と聞き慣れた音を立て、 一番奥に、収まった]
(89) tatsuru 2012/05/05(Sat) 07時頃
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|
[とても簡単なことだった。 其れは、禁じられては居なかったから。 だがら多分其れがあの男の望みなのだと、 酷く晴れやかに、思う。]
……ああ。
[ゆっくりと、身体を折り。 覆いかぶさるようにして、 其れを心臓の上に当てる。] 思い出した。 ……三度目の――血は、
[与えられなかった血が齎すものが、なんなのか。 それに気づいて、小さく喉を鳴らした。]
(90) tatsuru 2012/05/05(Sat) 07時頃
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|
そう、…与えられてないんだ。 だから俺には永劫はない。
おまえを、
[腕を伸ばし、引き金に手をかける。 最後に上る思考は ――勝ち誇った様な、艶やかな色を宿して]
(91) tatsuru 2012/05/05(Sat) 07時頃
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(―――愛してなど、いない。)
(*17) tatsuru 2012/05/05(Sat) 07時頃
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―地下聖堂・クラリッサ復活前>>5:+43― [時間を望むか?と尋ねられ、 掬い取った亜麻色の髪をさらさらと、指の間からこぼしながら]
……ああ。 今のこの私にそのようなことを問うあなたを、八つ裂きにしたいと感じる程度には、
望んでおりますよ?
[にこやかに嗤う。細めた瞳には拭いようもない狂気がますます色濃く]
(92) wuming 2012/05/05(Sat) 11時頃
|
|
[復元された肉体に戻りつつあるクラリッサの、流れる髪は死せる錬金術師の指をすり抜けて、もう幽体である彼には触れることが適わない。]
時間を得るために己を売り渡そうとした私に、 今更他に何があるのですか?
[嗤いの裏で食い縛った歯から、呪詛じみた声を搾り出す。 明るさを繕い、最後にゆると手を振った。]
さようなら、姫君。 続きはまた再びお会いした時に――
(93) wuming 2012/05/05(Sat) 11時頃
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学者 レオナルドは、メモを貼った。
wuming 2012/05/05(Sat) 11時半頃
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[血をあらかた吸い尽くして、青白くなったムパムピスの肌が、 ゆっくりと血色を帯びてゆく。 そっと噛み付いた首筋に手をやると、 規則正しい脈拍が戻ってきていた。
やがてその瞼が開き、再び彼の優しい眼差しが、 己の視線を捕らえると]
……目覚めたか?
[そう声を掛けた。 人としてはなく、 神の摂理から外れたもの、という想いを言外に込めて]
(94) el900m 2012/05/05(Sat) 12時頃
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|
[口元の血を指摘されれば、 慌てたように服の裾で、ごしごしと擦る]
この程度、大したことはない。 それに君はよくやってくれた。
[こちらを気遣うような言葉に、 頭を左右に振って、否定する。 落ち着いて柔らかな声が紡ぐのは、 ハンターとして、これまでも受けてきた 耳に馴染みのある回復の聖句。
だが、もうそれに安らぐことはない。 声の魅力そのものは一欠片も損なわれることはなくとも、 神の慈悲を乞う辞は、今や何の意味もなさない 戯言でしかなかった]
(95) el900m 2012/05/05(Sat) 12時頃
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|
ムパムピス。 もう……いい。いいんだ。
[力無く笑い]
私も君も……。 もう……。人としての道は歩めないのだから。
済まない。 [それだけをぽつりと零して]
(96) el900m 2012/05/05(Sat) 12時半頃
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捜査官 ジェフは、メモを貼った。
el900m 2012/05/05(Sat) 12時半頃
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―地下聖堂―
[男の姿が見えれば>>33、ゆっくりと息を吐く。 アヴァロン伯の言葉にも頷かず、せめて討伐隊の誰かが生きてこの城を出てくれればと思っていたのだが。]
[――――――この男が、ここに来ているという事は。]
(97) apricot 2012/05/05(Sat) 13時頃
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[絶望に浸され行く頭を、ゆっくりと振る。 希望の光は、もう潰えてしまったのだろうか。 地上に残した皆の顔を思い浮かべれば、じんわりと涙が滲む。
既に肉体を失った身ではあれど。 鼓動を打たぬ胸が、ズキリと痛むのを感じるのだった――…。]
(98) apricot 2012/05/05(Sat) 13時頃
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[ジェフリーの形相から血を吐いたのかと危惧していたが、顔を拭えばその兆候は見られなくなり安堵する。]
…おかしいですね……寝起きの所為か…
調子が…戻らないみたいで……
[語りかけるジェフリーの言葉が心の中に優しく響く。 慕わしさと尊敬の念が綯交ぜになり、心の中を騒めかせる。]
[見蕩れたように暫く、目の前の男の顔を見上げ続け、 自分の行動の不自然さに気づいて慌てて目を伏せた。]
あの……きっと…集中力が欠けているのですね…
もう一度…試してみます…っ…!
(99) uyuki 2012/05/05(Sat) 13時頃
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[不幸なのか幸いなのか―元々強い信頼を置く相手であった為、 感情の動きに違和感を覚えることはなかった。
困惑しながら意識を集中しなおす。]
……何も起こらない。
[死と同時に能力が反転され、濃い闇の力が周囲を満たすように広がっていたのだが、瘴気を瘴気と感じなくなった感覚はまだそれを捉えることができなかった。
自らの最大の武器であるはずの聖術の力が使えないことに焦りを感じる。]
(100) uyuki 2012/05/05(Sat) 13時頃
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人としての道……
それでは………私達は……命を失ってしまったのでしょうか…?
こうして身体を持ち、触れることができるのも… 感覚を残しているように感じるのも…幻想…なのでしょうか?
[金の髪に手を伸ばす。 自分に笑顔を向けるジェフリーは、とても力なく寂しげに見え、 その表情に心が痛む。]
貴方は命をかけて此処まで来て下さった… 謝る必要なんて…何も、ありません…。
[首を振り、慰めようと語りかけながらジェフリーに笑顔を向ける。 その口元には、異端の印。 形勢されたばかりの鋭い犬歯が闇の中、白い姿をのぞかせていた。]
(101) uyuki 2012/05/05(Sat) 13時半頃
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修道士 ムパムピスは、メモを貼った。
uyuki 2012/05/05(Sat) 13時半頃
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―― 地下聖堂>>92 ――
[記憶にある重力を再現するかのように レオナルドの指から零れた亜麻色はさらと肩に流れる]
――…まあ 八つ裂きだなんて、こわい事を
[驚いたように目を瞠り、女はわらう。 狂気が彩るその双眸を静かに見遣り]
そう、ね 貴方の言葉も心に留めておきましょう
[焦らすかのように確たる約は口にせず 彼の言葉を遠く聞きながら 纏う明るさを眩しがるようにふっと目を細め、消えた]
(102) helmut 2012/05/05(Sat) 13時半頃
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―― 大広間 ――
[暫し時を置き、エリアスと共に並んでいた遺体に目を遣る。 復活するその直前まで話していたレオナルドの器が在るを確認すれば 少しだけ考えるように首を傾げた後、彼の許へと歩み寄る]
私の血は――… 貴方の望みを叶えるに相応しくないかしら
[尋ねに似た響きをそと漏らし エリアスに血を与えた時と同じ箇所を傷付け レオナルドのくちびるを指先で開かせて その口腔へと赤い雫を流し込んでゆく]
物足りぬなら…… 彼の方に願ってみると良いでしょう ここから先は、貴方の心が望むままに
[血を分け与える行為を終えて 女は手指に残る血をぺろりと舐めとる*]
(103) helmut 2012/05/05(Sat) 13時半頃
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手伝い クラリッサは、メモを貼った。
helmut 2012/05/05(Sat) 13時半頃
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―― 大広間 ――
[甘い味が広がる。 とても芳しくて、甘くて、暖かい。
沈んでいた意識が徐々に浮上していく。 優しく導くような声に覚醒を促されて、ゆるりと瞼を上げた。]
…クラリッサ……さま。
[ぼんやりとクラリッサを見つめる。 彼女を見ているととても安心する。 横たわっていた身体を起こし、クラリッサに深々と頭を下げた。]
これからもお側にいる事をお許しください。
[記憶はあちこち欠損している。 それでも目の前にいるクラリッサが自分を救ってくれた事ははっきりと覚えていた。 これからは自分が彼女を護ろう。 そうひっそりと心の中で誓った。]
(104) laetitia 2012/05/05(Sat) 14時頃
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―― 大広間>>104 ――
[初めて血を与えたエリアスが目覚める気配に 女は安堵したように目許を和ませた。 ぼんやりとしていた眸が焦点結んでゆくを見詰める]
エリアス
[呼ぶ声に、名を呼び返し 頭を垂れる彼女の髪をそろと梳き撫でた]
――…ええ、勿論 あなたが傍に居てくれると嬉しいわ
[髪に触れた手をそのままエリアスの前に差し出し 顔を上げ立ち上がるよう促して]
主さまにも私の可愛い娘を紹介しなくては、ね
[微か弾むような音色で愛し子に笑いかける*]
(105) helmut 2012/05/05(Sat) 14時頃
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[側にいる事を許してくれた。 とても嬉しい。 その気持ちを素直に出すように笑みを浮かべて、差し出された手にそっと自分の手を重ねて立ち上がり。]
…主さまですか?
[小首を傾げてクラリッサを見遣り。 クラリッサが主と慕う相手なら、自分も尊敬の念を持って相手に接しよう。 乱れている後ろ髪を手で撫で付け、汚れている服を軽く払う。 主はどこだろう、と荒れた大広間をゆっくりと眺めた*]
(106) laetitia 2012/05/05(Sat) 14時半頃
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[吸血鬼と討伐隊。 立場の違ったあの頃は見られなかったエリアスの笑みが 今はこんなにも近くにある。 問うような響きにはたりと瞬き]
此処の城主、ヘクターさま 私の“親”にあたる方なの
[城主の名を彼女に告げて。 レオナルドの許へと歩んだのはその後の事*]
(107) helmut 2012/05/05(Sat) 14時半頃
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― 客間 ―
[火掻き棒を使う、その背後で 銀の杭をボウガンに装填する、その頭上で 闇が、じわりと濃さを増す。
忍びやかに、密やかに、 部屋の角から闇が滲み、家具の隙間から影が染み出す。
壁を、床を、這い広がるように 闇の手が、隻眼の眷属へと伸ばされる。]
(108) nekomichi 2012/05/05(Sat) 15時頃
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[ボウガンを抱え込むように、 或いは、祈りを捧げるように身体を折る男。 その指が引き金に掛かった時、 闇が、伸び上がるように床から離れて、男に覆い被さった。
男の上体を引き起こして闇が滑り込み、 強く強く、締めつける。
かちり、と引き金が引かれる音。 杭が肉を貫く、湿った鈍い音。 溢れるほどに部屋を満たす、血の臭い。
そして、静寂。 ]
(109) nekomichi 2012/05/05(Sat) 15時頃
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[聖別された杭は、男の胸を僅かに抉り、 刻印のように爛れた痕を刻んで、止まっていた。
背後から抱きかかえるように回された太い腕を、 貫き、砕き、焦がして。]
(110) nekomichi 2012/05/05(Sat) 15時頃
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[我が"子"の身体を突き放し、突き倒す。 腕に杭を生やしたまま、立ちはだかり、見下ろす。]
………誰が死んでいいって言った?
[平坦な声の裏に渦巻くは、怒り。]
―――…オレに黙って勝手に死んで良いと、 いつ言ったよ?
[握りしめた拳の先から血が滴り、落ちる。 床に跳ね、広がる紅。 ふたりを繋ぎ縛る、絆のいろ。
激情を呑み込んで、冷えた巌のごとき表情で 命を絶とうとした"子"の顔を見据えた。]
(111) nekomichi 2012/05/05(Sat) 15時頃
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― 地下聖堂 >>72 ―
[僅かに開かれた唇から零れるは 芳しい薔薇の吐息。 触れれば溶けて無くなりそうな唇が、 柔らかな力で押し付けられる。
交わされた誓いの温かさ。 その温もりが全身に広がるように 肩の、胸の、そして脇腹の傷がゆっくりと癒されていく。]
ああ。おまえの力はいいな。 助かる。だいぶ、楽になった。
[まだ柔らかな感触が残る唇を開いて礼の言葉を告げ、 熟れて潤んだ深紅に、自身の鮮やかな紅を重ねる。 視線を僅かにも外さないまま、北の扉へと歩き出した。]
(112) nekomichi 2012/05/05(Sat) 15時頃
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―二階客室―
[少しも、気づかなかった。 気づかせてもらえなかったのかもしれない。] ――っ、…ぁ、……
[引き金を引いた瞬間。 ――躯を覆う様に、滑り込む漆黒の闇。 昏い紅を、見開いた。 指が滑る。力強い腕が背後からまわり、 杭が肉を貫く鈍い音と――
胸を抉る其れの 覚悟していたよりも、遥かに浅い衝撃。]
(113) tatsuru 2012/05/05(Sat) 16時頃
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…、…ヘ、ク、…、…
[噎せるような、血臭。 濃密な。 喉を塞ぐ、鉄錆の香り。 外す筈のない距離に押し当てられた杭は 伸ばされた男の腕を貫き、 浅く己の心臓の上を抉って、止まっている。
呆然と呟き、顔を見上げようとしたところで 突き倒され、客室の床に叩きつけられて低く呻いた]
(114) tatsuru 2012/05/05(Sat) 16時頃
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…っ、……。
[腕を貫く杭を其の侭に、 ――平坦に、男が言葉を紡ぐ。] …な、…っで、…っ
[ひどく動揺した声が、喉をせり上がる。 わけが判らなくて眉を寄せ、 尻餅をついた体勢のまま、その顔を見上げた。 彼が何故ここにいるのか、 何故、怒っているのか、 ――何故、自分を]
(115) tatsuru 2012/05/05(Sat) 16時頃
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……だって、……要らねえだろ? もう用済みじゃねえか……
[酷く冷厳な男の表情を、 其の侭見続ける事は出来なかった。
酷く、声が震えた。 杭の生えた腕に目を向ける。 零れ落ちる鮮血。 痛々しげに瞳を歪ませ、戦慄く唇を噛んだ]
始末する手間が省けただけだ、 こんな、…こんな事、することなかった…っ!
(116) tatsuru 2012/05/05(Sat) 16時頃
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小悪党 ドナルドは、メモを貼った。
tatsuru 2012/05/05(Sat) 16時頃
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[見つめられていることに気づくと、はっとする。 もしや、人間にしては不自然な鋭い犬歯を見られてしまったのだろうか。 だが、変わらずこちらを気遣う姿を見ると、違う理由なのだろう。
自分の、そして彼自身の異変に気づかぬまま、 己の為に、一生懸命になる姿に胸をしめつけられる。
こんなに優しくて心清らかな人を、 自分と同じ道に引きずり込んでしまった。
その姿を見ていられなくて、詠唱を続けるムパムピスを抱きしめた]
(117) el900m 2012/05/05(Sat) 16時頃
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……本当に。もういいんだ。
[その無垢な魂に真実を告げるのを躊躇ってしまう。 もし、真実を知ることがなければ、彼は元通りに 暮らせるのではないかと錯覚してしまう。
だが――すぐに気づくだろう。耐え難いほどの喉の渇きに。 そして、教会組織に近い彼のことだ。 逃げることも叶わず異端審問に掛けられ、 地獄のような責め苦や恥辱を受けて、 やがて息絶えてしまうのだろう。
それだけはさせたくなかったから、重い口を開く]
(118) el900m 2012/05/05(Sat) 16時頃
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死んだのではない。 我々は生まれ変わったのだ。 異端の悪魔として――。
[証拠のように、犬歯をみせると]
君にも同じものがある。 そして君をそのような姿にしたのは。
――わたしだ。
だから君は私を憎んでくれていい……。
[憎むことであるいは生きられるかもしれない。 己がヘクターに対する憎しみで、生きていけるように]
(119) el900m 2012/05/05(Sat) 16時頃
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[息を、吐く。 激した心のまま、目の前のものを轢き潰さぬように。 熾烈な光を宿した鮮紅を、床の上に向ける。]
何故、…だと?
[己にとっては自明の理。 それを問う男に、苛立ちが募る。 語ってこなかったのは自分だと、わかってはいたが。]
(120) nekomichi 2012/05/05(Sat) 17時半頃
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ドナルド・ジャンニ。
[もう一度息を吐き、名を呼ぶ。 重く、刻み込むように。]
オレはな。 そんな生半可なモンで、おまえを眷属にしたわけじゃねぇ。
[憎しみを抱いて。 報いを与えるべく。 それは、今も変わらずある理由だったけれども]
オレだってな、命張ってんだ。 おまえの気持ち全部受け止めて、 おまえの行く先全部見続ける覚悟で 命削ってんだよ。
[自分の命を分け与えた相手へと 抱く感情は、一色ではない。]
(121) nekomichi 2012/05/05(Sat) 17時半頃
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だからな―――
[血を零し続ける腕を伸ばし、 ドナルドの襟元を掴んで引き起こす。]
おまえが死にたい、ってんなら、 おれが殺してやる。
[それが覚悟の示し方、 眷属を生み出すものとしての、けじめの付け方だった。]
(122) nekomichi 2012/05/05(Sat) 17時半頃
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……何か、効果は出ていると思うのです… それなのに、いつもなら見える光が出なくて…
[なんとか聖術の発動を試みようと、詠唱の形を変える。 見慣れた聖術の光は生まれず、 気の流れだけが闇の中ゆらめくように動く。 そうしている内に抱きしめられて、顔を上げた。]
………え?………
[その瞬間、彼が何を告げているのか理解できなかった。 修道士として得ていた知識が、 その可能性を理解することを拒否していた。]
(123) uyuki 2012/05/05(Sat) 17時半頃
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ジェフリー様……?
何を…言って……
貴方はこうして……生きて……
それに…瘴気も発していないし体も……
[抱きしめてくる体は、死体の冷たさではない。 邪悪な気に近づいた時の不快感もない。 そう、伝えようとしたところで決定的な証拠…彼に今まで存在しなかった、魔物の牙を見せつけられる。]
(124) uyuki 2012/05/05(Sat) 17時半頃
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[闇の血を持つ心臓がとくりと跳ねた。]
[目を見開き、ジェフリーの顔を見つめ… そこで漸く、光のない場所で、灯りがある時と変わりなく彼の姿が見えていることに気づいた。]
ジェフリー様が異端に乗っ取られた…!?
私…も………??
(125) uyuki 2012/05/05(Sat) 17時半頃
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そんなはずがない… あるはずがない…… そんなことが起こるはずがない…
貴方の魂は間違いなくジェフリー様の形なので…
私も…誰にも入れ替わられたりなどしていない…っ
記憶も、知識も…全て、何も変わりないというのに…!
[例え牙を見せつけられても、何かの冗談と否定してほしかった。 そうすれば、信じることができた。]
(126) uyuki 2012/05/05(Sat) 17時半頃
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―異端の身体には悪魔の魂が入る。
―だから、どんなに生前と変わらない言動をしていても、魔物は、魔物。
―情を移さない。心を許さない。その声に耳を傾けない。
―魔の誘惑に惑わされることなく、 唯、主を冒涜する物を滅ぼせばいい。
…そう、聞いているんですよ? 天の主が…奇跡を司る存在が…偽りを教えることなんて……ッ ある……わけが………
[信じる世界が反転していく。 もし、異端が異端と成り得ない魂を持っていたのなら、自分が断罪してきた魔物達は全て哀れな犠牲者の救いを求める姿であったことになる。 その中には幼子もいた。 少女も、老人も…妊婦も…… そして、仲間であったはずの者まで。]
(127) uyuki 2012/05/05(Sat) 18時頃
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「……俺はドナルドだよ、坊っさん。」
「呪われた存在でも、 ヒトでなくなっても、
誰に赦されなくても、……生きてる。」
[魔物の戯言として聞いていた言葉が、記憶の中に蘇る。>>5:90 魂が押しつぶされそうな絶望感の中、ジェフリーの体にしがみつくき、泣き出しそうな表情を向けた。 ――信じる神に救いを求める敬虔な信徒のように。]
(128) uyuki 2012/05/05(Sat) 18時頃
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修道士 ムパムピスは、メモを貼った。
uyuki 2012/05/05(Sat) 18時頃
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――ッ。
[名を呼ばれ、びくりと肩を震わせる。 命令にも近い、その響き] (生半可なもので、眷属にしたわけでは) (命を張っている) (全部見続ける、覚悟で)
……、…っ、ぁ、…
[それは真実の声に聞こえて、 混乱するように、小さく喘ぐ。 真っ直ぐな言葉に、頬に血が上る。 それが本当なら、どれだけいいだろう。 その言葉に縋りつきたかった。
全て呑み込んで、お前を信じる、と 身をゆだねてしまいたかった]
(129) tatsuru 2012/05/05(Sat) 18時半頃
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―― 地下聖堂>>112 ――
[甘美な誓いに酔いを覚え溺れ掛けるは 焦がれ続けた存在と交わす口接けゆえと知る。 主の言葉に魔法の効力がみえると安堵の吐息を零した]
痛みが少しでも和らいだなら良かった ヘクターさまに何かあればと思うと、怖くて……
[交わる視線。 主の紅の双眸に見惚れていれば 歩みの為の振動が腕の中にある女にも伝わり 己が未だ抱き上げられたままであることに気付く]
――…ッ、ヘクターさま…! 私、自分の足で歩けます、から…… もう、大丈夫ですから、……
[おろしてください、と頬を朱色に染めた女が 消え入りそうな声で囁き彼の肩口に顔を埋めた*]
(130) helmut 2012/05/05(Sat) 18時半頃
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[自ら望んで血を捧げたのでもなく、 目的があってかつての仲間の命を奪ったのでもないのなら、 ドナルドの行動は、"血の親"への献身だったのだろうと思う。
もしドナルドが、自分は利用されただけなのだと、裏切られたのだと考えたなら──その絶望の深さは傾倒の強さの裏返しだろう。
けれど──、]
(131) enju 2012/05/05(Sat) 19時頃
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…、っ…――
[ぼたぼたと零れ落ちる血。 傷ついた腕に襟元を引き起こされ、息を詰める。 真摯に此方を見る、紅の双眸。
殺してやる、と。 ――その言葉に感じたのは 眩暈がするような安堵と、
……煮え滾る、怒りだった]
(132) tatsuru 2012/05/05(Sat) 19時頃
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忠義の宣誓は、一方的な義務ではない。
[口にした言葉はもう届く距離ではないと知りつつ、呟く。]
(133) enju 2012/05/05(Sat) 19時頃
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何、……言ってんだ?
……喜ぶ、とでも、思うのか? アンタが殺してくれるって、…?
[唇が震え、渇いた笑みが漏れる。 彼が何を言っているのか、 自分が何に怒りを抱いているのか、わからなかった] 作った責任があるから、殺してやりましょう、ってか。 ……っはは、…最後まで、 アンタの許可なしじゃ死ぬことさえできねえの?
だったら何で今放っといてくれなかった。 今だったら、さっきまでだったら俺は、
(134) tatsuru 2012/05/05(Sat) 19時頃
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それを受けた君主もまた、臣下に至誠を尽くすという覚悟をもって求めるものだ。
[騎士に叙勲してくれたクラリッサにも、血と命を召し上げたヘクターにも、その自負があったと思う。]
(135) enju 2012/05/05(Sat) 19時頃
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―― ……っ、して、ない、って
[ひくりと、喉を鳴らし。 泣きそうに瞳を歪めて、男の胸に顔を埋める。
どん、とその胸を叩いた。]
そう思ったまま、死ねたんだ…っ!!
[ 自分を騙せたのだと。 ――信じたまま、死ねるのだと思った幸福は、
もう、失われてしまったのだ]
(136) tatsuru 2012/05/05(Sat) 19時頃
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小悪党 ドナルドは、メモを貼った。
tatsuru 2012/05/05(Sat) 19時頃
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自らの血を、命を分け与える行為──あだに思うまい。
[ドナルドに託された紅玉の髪飾りを包む指先に力がこもる。
自分も──殉死を考えている場合ではなかろう。 ヘクターの呼びかけをもってしてもクラリッサが戻らなければ、自分はなおいっそう努めねばならぬ。 それが忠義をまっとうする道であると思い直す。]
やはり、おまえには礼を言っておく──兄弟。
(137) enju 2012/05/05(Sat) 19時頃
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負傷兵 ヒューは、メモを貼った。
enju 2012/05/05(Sat) 19時頃
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[ムパムピスが驚いたような顔をした。 心臓がどくりと跳ね上がるのが、抱き寄せた身体から伝わる。
彼の唇から漏れる言葉は、真実を否定するものだった。 嘘だと言ってやれれば、どれだけ彼に安寧をもたらすのだろう。
だが、これは紛れも無い残酷な真実。 ゆるく首を振って、彼の言葉をひとつひとつ否定する]
瘴気が感じられないのは、気にならないからだ。 なぜなら君も瘴気を発しているのだからな……。
それに身体がさほど変わるわけじゃない。 今まで見てきた悪魔の血も……赤かっただろう?
[諭すようにしながら、彼が少しでも落ち着くように背中を撫でる]
(138) el900m 2012/05/05(Sat) 23時頃
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『異端に乗っ取られた――』
[ムパムピスの言葉を考えるように反芻する。 いや乗っ取られたわけではない]
私にもよくわからないのだ……。
だがな。 昔、討伐中に吸血鬼に喰われた仲間がいたんだ。 そいつは仲間の顔も名前も覚えていてな。 それでも血の乾きに耐え切れなかったんだろう。 涙を流しながらかつての仲間を襲ってきたよ。
[話しながら表情が苦悩の色を帯びてくる。 当然の義務として、自分は彼を殺した。 何年たっても彼の泣き顔は深く心に刻みつけられていた]
だから、恐らく乗っ取られるのではない。 ただ……。身体中の血が入れ替えられるだけなのだろう。
(139) el900m 2012/05/05(Sat) 23時頃
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[見上げる彼の瞳は僅かに潤んでいて、 どれだけ衝撃を受けたのかはすぐにわかる。 だが、彼にどうやって答えればいいのだろう。
彼にとって、教会が正しいのであれば、この状況は受け入れがたい。 逆に教会が嘘を教えているとなると、彼は壊れてしまいそうだった。 そして恐らく正しい、正しくないという対立軸だけで 語ることは出来ないのだ。
だから結局思ったままを、口にする]
君が教わったことは…… それも間違っていないのだと思う。 その人の人格は残ったとしても、 人間でなくなったことには変わりがない。
(140) el900m 2012/05/05(Sat) 23時頃
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私だって、今はまだこうしていられても 最後には人格より……欲望が勝ってしまうんだ。 君を……君の血を。求めた時のように。
[ムパムピスの身体に取り縋り、浅ましく欲望の限りに その血を啜った自分は、間違いなく悪魔だ]
(141) el900m 2012/05/05(Sat) 23時頃
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それでも私は……何も変わっていない。 君を護りたいという願いも……。
[なんて己に都合のいいことを言っているのだろう。 その想いで声が震えている。 ムパムピスの目をまともに見られなくて、目を伏せた]
だから……。 いくら憎んでも嫌っても構わないから。 私に、君が護れるように。 人でなくなっても……ずっと側にいて欲しい。
(142) el900m 2012/05/05(Sat) 23時頃
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― 地下聖堂 >>130 ―
オレに何があるって?
[何も心配要らない、と笑いを浮かべかけて、 つい数日前まで眠りについていたことを思い出し、 肩を竦める。]
おまえを心配させはしないさ。
[微妙に言葉を変え、頷いて見せた。 運ばれていることに気付いた娘が 恥ずかしげに顔を伏せて、ささやかに主張するのを、 笑って却下する。]
まだ起きたばかりだからな。 無理するな。
[そう言って結局、長い秘密の通路を通って 厨房に入るまでは、ずっと抱き上げていた。]
(143) nekomichi 2012/05/05(Sat) 23時半頃
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― 客室 ―
[殺してやると、 宣言した時の"子"の変化は、劇的だった。 感情の高ぶりが顔に色を無くさせ、唇を震えさせて 食ってかかり、拳を打ちつけてくる。 そんなふうに感情を露わにする様を、 冷えた紅で見下ろす。]
―――当たり前だ。 おまえはオレのものだ。
オレ以外に殺されることは許さん。
[所有を、支配を主張する冷厳な紅が、 不意に歪んだ。]
(144) nekomichi 2012/05/05(Sat) 23時半頃
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何故、何も言わずに死のうとした? オレから逃げたかったのか? 意趣返しでもしたかったか?
[裏切られたと、 そんな怒りと痛みが瞳を走り、すぐに消える。 残ったのは、やはり冷たく硬い声。]
…オレが、おまえのことを要らないなどと 一度でも言ったか?
[後ろ髪を掴んで上を向かせ、 視線を突き入れるように、濡れた瞳を覗き込む。]
(145) nekomichi 2012/05/05(Sat) 23時半頃
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―If end 2012 :D.J―
(ねえ、知ってる? 史学科の――) (うん、いなくなっちゃったんだってね。謎の失踪、だって) (結構可愛かったのになぁ) (よくいうよ、アンタ彼氏いるクセに)
――へぇ。
[スツールに腰掛けてキャラメルマキアートを啜りながら、 興味なげにボックス席の方向を見やる。 近所の大学の女子学生だろう。 そういえば、また誰かがいなくなったらしい。 治安のあまり良くないこの街では 日常のこととはいえないが、珍しいことでもない。]
(146) tatsuru 2012/05/06(Sun) 00時頃
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……物騒なこった。 ………あれ。
[硝子張りの店内から外を眺める。 そろそろ薄暗くなった街明かりの中。 よく知る人物の後ろ姿が、其処にあった。
複雑げに眉を寄せると食べ残りのドーナツを咥え、 カフェと一緒に無理やり呑み下す]
……まーた送り迎えにきてんのかね。
(147) tatsuru 2012/05/06(Sun) 00時頃
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あれじゃあ、マフィアのオヤジが 愛人溺愛してるようにしか見えねえってのに、な。
[ほんの少し拗ねたような響きが言葉に混ぜられ、 それに自分で気づいて苦笑した。 ……いつまで経っても自分はこうだと、 変わらない事への困惑と自己嫌悪。 自分がどうしようもなく嫉妬深いことと、 それが、『ふたり』ともに向けられているものであるということに 気づいたのはまだ、ごく最近のことだった]
(148) tatsuru 2012/05/06(Sun) 00時頃
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…まあ、しゃあねえか。 俺は俺だ。
[もう、とっくに―― 最初から気づいている。
叶わないことも、 終わらないであろう事も、…ずっと]
(149) tatsuru 2012/05/06(Sun) 00時頃
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[くしゃりと紙を丸め、ゴミ箱に放り込む。 スツールから降り、早足で扉へと向かった] 『――――』、何やってんだよ?
[背後から、声をかける。 ゆっくりと夜に向かおうとしている街の中。 それは、何処にでもある光景。**]
(150) tatsuru 2012/05/06(Sun) 00時頃
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[ヒューが騎士となる一年ほど前の事。 彼の姉であるリンダが侍女として傍に居た頃、 午後になると彼女と共にお茶を飲むのが日課となっていた。 テーブルを挟んだ対面に座るリンダを見詰める女が じっと彼女の眸を見詰める]
最近またきれいになった リンダ、若しかして、恋でもしたの?
[好奇心と期待に満ちた眼差しのまま、尋ねた。 彼女は一瞬きょとんとして それから頬を赤らめ慌てる様子を見せた]
図星ね ――…それでどんな人? ヒューにはもう言ったの?
[尋ねを重ねて彼女の答えを待つ。 彼女とこういった話をするのも楽しみの一つだった]
(151) helmut 2012/05/06(Sun) 00時頃
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「とっても楽しそうですね。 あまりからかわないで下さいよ」
[そんな前置きするリンダは何処か幸せそうで微笑ましい]
少しくらいいいじゃない それで――… ?
[女がヘクターとの思い出を語ると リンダもまた好奇に目を輝かせていたから お相子だと笑いながら先を促した]
「お城に出入りしている貿易商の方なんです。 あ、弟にはまだ、言い辛くって」
[彼女の語るその彼はとてもいい人のように感じた。 何より彼女の声や仕草から好きだという感情が滲んでいて それから時折、彼女の恋の相談に耳を傾けるようになった]
(152) helmut 2012/05/06(Sun) 00時頃
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[それから半年が過ぎた頃。 いつものお茶の席でリンダの様子がおかしいことに気付いた。 溜息の数が増え、思い悩んでいるようで 口を開き何か言いかけては言えぬまま視線そらしの繰り返し。 大事な話をしようとしているのが分かるから 女は彼女自身の心が決まるまで口を出す事はしなかった。 カップも空になりお開きという頃、リンダが重い口を開いた。
貿易商である彼が旅に出るということ。 その彼からついてきて欲しいと言われていること。 此処から離れたある村で妹に似た娘を見掛けたという噂。 行方知れずの妹を捜すためにも、共に行きたいと思っていること。
ぽつぽつと語る彼女の言葉を聞いて]
それがあなたのしたい事なら応援するけれど ――…寂しくなるわね
[溜息まじりに呟いて女は困ったように笑う]
(153) helmut 2012/05/06(Sun) 00時頃
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その事、ヒューには……?
[尋ねればリンダは首を横に振る]
「妹をみつけたら戻ります。 弟には余計な心配かけたくないから。 その時まで秘密にしてくれませんか」
[これまでいくら捜しても見つからなかった彼女らの妹。 漸く得た情報に期待も大きかったはず。 期待が大きい分、見つからなかった時の反動は計り知れない。 だから、彼女は自らのみで抱える事を選んだようだった]
ヒューはあなたと同じで優しいから あなたが居なくなったらきっと心配するわ 約束して、落ち着いたらヒューに無事を知らせる、と 約束してくれるなら、――…
[交わす約束。 お守り代わりであった髪飾りと対の首飾りを彼女に贈る]
(154) helmut 2012/05/06(Sun) 00時頃
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[翌日、侍女の一人が居なくなったと知らせを受ける。 クラリッサのお気に入りであった彼女。 後日、それは駆け落ちであったとそんな風に噂された**]
(155) helmut 2012/05/06(Sun) 00時頃
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…魔物と化した者の最後は何度も見ました。 目の前で…息絶える姿を。
術で浄化させた者は眠るように灰になりましたが、杭を打ちつけられた者は、暫く消える事なく、人と変わらない赤い色に染まっていきました。 異端だと教えられなければ、救いの手を差し伸べてしまいそうな程、 人らしい…姿で……
[落ち着かせるように背中に手が置かれた。触れる仕草はとても優しく、魔物の牙が存在していることが、この目で見ていても信じられなくなりそうだった。]
…………… [崩れ落ちそうになる気持ちを堪え、次々と告げられる言葉を聞く。 その内容が過去の話に言及するとジェフリーの表情に影が落ち、その表情に酷く心が痛む。]
その方を、「解放」したのも…ジェフリー様…なのですね。 [言われることはなくても、表情で確信できた。]
(156) uyuki 2012/05/06(Sun) 00時頃
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…ドナルド様も…私の、呼び方を…覚えていました…… あの方、今の名前が憶えづらいからって、坊っさん、と変なあだ名をつけたのですよね。 再会した時も、そのまま…呼び方は変わらなくて…… でも…吸血鬼が来ると…目の前で、その…血を……
[捕えられていた時の記憶が鮮やかに蘇る。>>62 あの時、ドナルドはどんな気持ちで自分に相対していたのだろうか。今頃になって、そんなことをぼんやりと思う。]
(157) uyuki 2012/05/06(Sun) 00時頃
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…間違って、ない? でも…それなら……どうして……
私は、神に裏切られたのか。 それとも、この世に存在できないような罪を背負ったのか。 その…どちらでもないと……
[心の刃を振り下ろす先が見つからず、混乱する。
それでも、ジェフリーは、神を否定も肯定もしない。
消してしまいたい。
消え去りたい。
相反する感情の流れる先が示されることはなかった。]
(158) uyuki 2012/05/06(Sun) 00時頃
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………私も…そうなるのでしょうか…… 今はこうして…人格を保っていますが… 血に飢えると……そのような、姿に……
[異端の存在…吸血鬼になる。 それは、今まで世界の全てだと思っていた聖なる世界と断ち切られる存在になるということ。 何よりも恐ろしく思っていた事。 それでも、不思議とジェフリーを恨んだり嘆きをぶつける気持ちにはなれなかった。 彼の言葉はどこまでもゆるぎなく、変わらない]
(159) uyuki 2012/05/06(Sun) 00時頃
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……もし、これから先、理性を保てぬ吸血鬼として 永遠に、私でない存在に成り果ててしまったら その時は、お願いです。ジェフリー様の力で、止めて…下さい……。
その願いにそこまでの価値があるものだとは、とても私には思えませんが… それでも……望まれるのなら…
異端として存在していても…神の世界に行けなくなった身であっても… 私は、貴方についていくことにします。ジェフリー様。 私が、私として在る限り…
(160) uyuki 2012/05/06(Sun) 00時半頃
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[――オレのものだと。
そう囁く冷たい声音に こんな時さえ、背筋が震える。
じんわりと上る幸福感。 縋りつき、頷いてしまいそうな、衝動。
ぎゅっと眉を寄せ、耐えようとした。]
(161) tatsuru 2012/05/06(Sun) 02時頃
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……アンタのもんだったら、…… 自分からお片付けくらい、しろよ……。
[弱弱しく抗弁して、笑んだ。 ――自殺さえも赦されないのだ、と 傲岸な声は、そう言いたいのだろう。
けれど自分が今殺して欲しいと望むのと、 何が違うのだ、と言いたげに]
(162) tatsuru 2012/05/06(Sun) 02時頃
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…、……? ――…ッ、…ぁ、…
[一瞬だけ。 淡々とした声音が揺らいだ気がして、 目を上げようとする。
その途端に引かれた後ろ髪に、 小さく苦鳴を漏らした。
痛みに歪む昏い紅に、 捩じ込んでくるような男の双眸。
――それが、ほんの僅か 傷ついている様にも見えて、心臓が竦んだ]
(163) tatsuru 2012/05/06(Sun) 02時頃
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…………
……、…、…もう、用済みだからだよ。
[嘘を赦さない、とでもいうような其の視線。
暫くのあいだ眼差しが絡み合い、 鈍い痛みを覚えながら、そう返す。
自嘲するように 唇が笑みのかたちに歪んだ。]
クレア…、生き返ったんだろ? その為に俺の血が必要だった。
(164) tatsuru 2012/05/06(Sun) 02時頃
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気にくわねえ俺を噛んだのは、 …復讐と、その為だった。 アンタらしいよな。
[小さく喉を鳴らし、笑う。 当たっているのだろう、と探るように、 昏い紅は、男の冷たい炎を覗き込む]
(165) tatsuru 2012/05/06(Sun) 02時頃
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――……散々搾り滓で愉しんだんなら、 もう、お役御免にして貰っていいだろうが。
他にも玩具は増えた。 クレアも居る。 ………俺ひとり消えて、何が困るんだ?
[いっそ不思議そうに、 そう眼差しは柔らかな狂気を含んで]
(166) tatsuru 2012/05/06(Sun) 02時頃
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……っ。 ………… 要らない、とは、… 言われてないさ。、
[その言葉には、瞼を伏せかけ]
……ただ、代わりはいるだろ…?
――俺よりアンタに忠実な奴も、優秀な奴も、 面白がれる獲物も…。
(167) tatsuru 2012/05/06(Sun) 02時半頃
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[激情は去っていた。 ただ、残るのは寂しさ。悔しさ。 ――戸惑い。
何故自分が怒りを覚えたのか、 漸く理解する。
望むなら殺してくれるという言葉には 彼の意思が、介在しないからだ。
それなら今、死にたかった。
――畢竟、己は眼前の魔物に少しだけ 特別に思われたかったらしい。
意味のない、つまらない感情。]
(168) tatsuru 2012/05/06(Sun) 07時頃
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―大広間― [――どのくらい時が経ったのだろうか。 『それ』は、薄闇の中で目を覚ました。
生まれたての『それ』が最初に感じたのは強烈な餓え。 ぎこちない動作で起き上がると、濁った両眼をぐるりと回して辺りを見る。 鈍い思考は、生前の記憶の残滓を辿って、そこが石造りの城の内部であることを確認した。食欲を煽る血の香はあれど、生命ある生き物の気配は近くには無い。 『それ』は餓えを満たすために新鮮な血を求めて、のろのろと外へ通じる大扉に向かって歩き出した。
『それ』が錬金術師の屍体から生じた負の生命体であることは間違いなかった。 だが、知性に欠ける獣じみた動きは、吸血鬼というよりは動死体(ゾンビ)か食屍鬼(グール)の方が近い。 血が足りなかったのか、器に重大な欠陥があったのか。 蘇ったものは生前の知性を殆ど残していない、捕食者の本能だけを持った屍鬼だった。]
(169) wuming 2012/05/06(Sun) 10時頃
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[突然『それ』が足を止め、雷に打たれたかのように身を強張らせた。 『それ』の鈍い触覚でも明瞭に感じるほどの異様な冷気が背後から迫って全身に広がり、瞬く間に『それ』の身体を蝕んで自由を奪う。 『それ』は白眼を剥き出し、四肢を引き攣らせながら床に倒れた。
侵食する冷気は『それ』の頭のなかにまで入り込んできた。 未熟で愚鈍な自我はパニックを起こして悲鳴を上げようとしたが、顎が外れんばかりに開いた口からは何の音も出なかった。 『それ』の荒涼たる精神世界を、冷気の触手は片端から容赦なく壊死させ、その巨大な霊的質量でもって圧倒し、押し潰し、こなごなに打ち砕いた。 切れ切れになった『それ』の精神は冷たい闇に吸収されて消滅した。 こうして、生まれて間もない屍鬼は、あっけなく死を迎えた。]
(170) wuming 2012/05/06(Sun) 10時半頃
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[――ややあって。 裏返っていた瞳がぐるりと戻り、ぴくぴくと不器用に目蓋を痙攣させた。 緊張の解けた身体は弛緩したが、内側に入り込んだものが肉体の所有権を少しずつ握ってゆくたびに震え、引き攣った。 やおらばね仕掛けのように上半身を起こし、軋む絡繰を調整するが如くに右手指を一本一本ばらばらに動かす。]
……やれやれ。 身体を動かすのがこんなに面倒だとは思いませんでしたよ。
[元自分の肉体であった屍鬼に、“宿主を殺して”憑依した悪霊は、溜息のなり損ないの息を吐いて独り言つ。 本当のところ、縺れた舌と満足に開かぬ口唇で作った声は、間の抜けたくぐもった音にしかならなかったのだが。]
(171) wuming 2012/05/06(Sun) 10時半頃
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[一度肉体との接点を失った霊は肉体の制御方法を忘れてしまうという法則でもあるのかどうかは知らないが、生きていた時の身体感覚を一々記憶から拾い上げて肉体に実行させるのは、地道で非常に手間の掛かる作業だった。 人間というものは、実に生きて動くだけで膨大な作業を無意識に行っているのだと思い知らされた。 何しろ、瞬きや呼吸といった基本的なことすら、ともすれば疎かになってしまう。 吸血鬼に本当に呼吸や搏動が必要なのかは不明だが、それを怠った所為で折角与えられた二度目の生を失うのは馬鹿らしい。
少し気になるのは、手に非常に薄い手袋を嵌めて物に触れた時のような、まとった肉体の五感との間に微妙に隔たりがある感触を受けることだ。 しかしそれは後でゆっくり調べればよいと片付けて、まずは四肢を操って立たせた。]
(172) wuming 2012/05/06(Sun) 10時半頃
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しかし、二重存在とは。 実に興味深い現象ですね。
[表情筋が蠢き、戯画化された嗤いとも言うべき歪みを顔面に表す。]
生前の記憶を持つ霊体の私と、お粗末な知能と本能だけを持った吸血鬼の私。 どちらが本当の私なのでしょうねえ? それとも、死んだ私こそがオリジナルの私で、私はその複製品に過ぎないんでしょうか。
[神学では「吸血鬼は魂を持たない」と説いて、アンデッドの人格を認めない。死体に取り憑いた悪霊が記憶を複製して故人の人格を模しているに過ぎないと主張している。 魔法学の立場からは、アンデッドにも魂は内在しているのではないかという意見もあるが、血を媒介とした伝染性の呪いに罹患することにより肉体が変質して吸血鬼となるのか、存在の負転換によって生じた霊的欠落を埋めるために吸血衝動が発生するのか……魔道師のあいだでも諸説紛紛だ。]
(173) wuming 2012/05/06(Sun) 10時半頃
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[ともあれ、考えることは後でもできる。 まずは、生きて城から抜け出すことが肝心だ。 生き延びることさえできれば――時間はもう有限ではないのだから。
些か不自然さの残る足取りで城門へと歩き出した。 城の出入り口に落とし格子が降りていることは知らなかったが、知っていたとしても失望はしなかっただろう。今ならば、手段はいくらでもあると思われた。 開かれた世界を前に、悪霊はまとった肉体の内側でほくそ笑む。]
――世界は広大だ。**
(174) wuming 2012/05/06(Sun) 11時頃
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[ヘクターが肩を竦めれば>>143 女はくすりと小さく笑み零した]
――…はい ずっと、お傍に居るとお約束しましたから 何があろうと、今度こそ 最期の一瞬までヘクターさまと運命を共に
[主が長く眠りにつくことになったあの時は 何も分からず守られるだけで果たせなかった事。 もし次があれば少しでも助けになりたいと思いを綴る]
(175) helmut 2012/05/06(Sun) 11時頃
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[女の訴えは聞き届けられず長い通路を抜ける間も 抱き上げられて距離は密となったまま。 おずおずと顔上げて主の紅を見詰める。 今はその優しさに甘える事にしたかコクンと一つ頷いた。 少しばかり過保護な気がするが 大事にされているようで、恥ずかしくも嬉しい]
夜の王にしてアヴァロン治める我が主・ヘクターさま おかえりなさいませ 御帰還を、ずっと、心待ちにしておりました
[物見塔で二度目の死を迎えた女は あの時言えなかった言葉を想いこめて囁いた**]
(176) helmut 2012/05/06(Sun) 11時頃
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[生きると決めた以上、いつまでも倒れてはいられないだろうと身体を起こす。 クラリッサの復活にどれほどの時間がかかるかはわからぬ。 それでも、]
──支度をせねば。
[手をついてゆっくりと立ち上がり、塔の端へ向かった。]
(177) enju 2012/05/06(Sun) 11時半頃
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[浄化の光に晒された身体は、外観は崩れ落ちていないまでも燻り宿る痛みに苛まれ、ヒューの動きは関節の錆びた人形のようにぎこちない。
ドナルドが螺旋階段を降りていったのは知っているが、そのルートはとらず、南北の塔の狭間に身を投げた。]
(178) enju 2012/05/06(Sun) 11時半頃
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── 中庭 ──
[城館の端からまっすぐに落ちればそこは壁に囲まれた中庭。 自分が人としての命を終えた場所だ。
手始めに「弔い戦」の印であった額の布をほどき、その余の装備・着衣も外して、身ひとつで井戸の清水を汲み上げ、頭から浴びた。
水気を含んで色濃くなった髪は頭蓋の整った形をあらわにして、耳の後ろから肩へとつながる肉の稜線を際立たせる。 小柄ながら鍛錬をかかさぬ体躯の薄い皮膚の下でしなやかな筋肉の動きが作る起伏を、冷たい水が流れ伝った。]
(179) enju 2012/05/06(Sun) 11時半頃
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[血と汚泥を拭い去った後で、しばし思案し──闇の血で象ったフランベルジュを手にとると、その形を解いて編み直す。
身体を包む深紅の衣。 髪の色とも馴染んで具合がいい。]
(180) enju 2012/05/06(Sun) 11時半頃
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[仕上げのように首もとのホックをかけて、左右へと振った視線が、ふと、北の塔の基部に留まる。
扉が薄く開いていた。
吸い寄せられるように、中へと入る。]
(181) enju 2012/05/06(Sun) 11時半頃
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── 北の塔 1階 ──
[湖に向かって開けた窓の前に小さな机があり、筆記具が置かれている。 学習室というより、詩作にでもふけるのか似合いそうな部屋だった。 壁にはリュートと、その他に名前を知らない楽器がかかっている。
それらを見上げることに気をとられているうちに、何気なく後ろに回した手が机の上の玻璃のベルに当たり、転がす。 慌てて振り返り押さえたが、それは思いのほか澄んだ高い音を奏でた。]
(182) enju 2012/05/06(Sun) 11時半頃
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負傷兵 ヒューは、メモを貼った。
enju 2012/05/06(Sun) 11時半頃
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[事を成し終えた女の耳に澄んだ音色>>182が微かに届く。 不思議と惹かれるベルの音に誘われるように北の塔へと向かった。 通り過ぎはしても使うことのなかった一階にある部屋の 半ば開かれた扉に手を掛ける。 誰の為の部屋かは知れぬが使い手の趣向が窺える品々の中 深紅を纏う騎士の姿が目に留まる]
ヒュー ?
[何処か趣違って見えるその横顔に呼びかける声]
(183) helmut 2012/05/06(Sun) 12時半頃
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本屋 ベネットは、メモを貼った。
enju02 2012/05/06(Sun) 12時半頃
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[玻璃の鈴より柔かに透き通る声で名を呼ばれる。
振り向けば、空虚だった城の灰色の石壁の前に、 一番、会いたかった人がいる。]
姫――
[手を伸ばしかけ、畏れ多くて止めた。 もっと見つめていたいのに、視界が滲んだ。]
(184) enju 2012/05/06(Sun) 12時半頃
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…お待ちしておりました。
[こみあげてくるものを言葉にすることができない。 ぎこちなく、クラリッサの前に膝をつくと拳を握りしめる。 俯いたまま、嗚咽を堪えた。]
(185) enju 2012/05/06(Sun) 12時半頃
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[潤みを帯びる騎士の眼差し>>184と呼び声に胸が熱くなるを感じる。 家族を除けば、一番長い時間を共に過ごした存在で その関係を壊しがたく魔性であると告げられなかった相手。 正体を知って尚、変わらぬ忠節を捧げて呉れた騎士]
――…ごめんなさい 騎士であるあなたに何も言わず姿を消して
[ゆっくりと歩み寄り手の届くほどまで距離を縮める]
――…ありがとう ヒューが呼んで呉れたから還って来られた 私を呼び戻す為に多くの血を流した事も、知ってる
[膝をつき俯く騎士の前で女もまた冷たい床へと膝を折る]
(186) helmut 2012/05/06(Sun) 13時半頃
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[嗚咽堪える気配は微かな肩の震えから伝わるか。 女は両の手を騎士へと向けると 彼の頭をそのまま自らの胸へと引き寄せる動き]
我慢しては身体に毒よ 誰も見ていないから……
[せき止められた騎士の感情をそと撫でる*]
(187) helmut 2012/05/06(Sun) 13時半頃
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[艶やかな唇に乗せられる謝罪、その優しさは変わることなく。 慈雨のように沁み入る。
見守るしか、待つことしかできなかったクラリッサの辛さこそ如何ばかりかと思うのに、幼子のごとく頭を抱き寄せられれば、物心つかぬうちに他界した母に慰められているようで、郷里と父をあるいは姉妹を失った時にもこれほど泣きはしなかったものを、熱い涙は堰を切って溢れた。]
(188) enju 2012/05/06(Sun) 14時頃
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……、 姫がお隠れになっている間に、さまざまなことがありました。
おれも、姫の意に染まぬだろうことをしました。 それでも今、
こうして、再び姫にお目にかかれたことが 嬉しくて たまりません。
(189) enju 2012/05/06(Sun) 14時頃
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[膝を交える距離。 千々に乱れる思いに揺さぶられるも、歯を食いしばり顔を上げる。 拳で両眼をぬぐうと、膝行で一歩退き、息を整えた。]
姫が仰られたとおり──おれは多くの血を流し、奪い、 一度は騎士の自負すら捨て、 人としての倫も外れました。
けれど、あなたへの忠節は変わらず、ここにあります。
[胸へ掌を添える。]
(190) enju 2012/05/06(Sun) 14時頃
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姫――…、 おれはこれまで、真にあなたを知らずにいました。
あなたがどれほど深い闇にひとりでいたのかを。 どれほど孤独であったのかに気づけないまま、あなたを護っていると自負していました。
どうか、この先は、その闇の中でも伴することをお許しください。 あなたの傍らにあり続けることを。
(191) enju 2012/05/06(Sun) 14時頃
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[溢れる騎士の涙を受け止めて 落ち着くまで赤い髪を柔く撫でた。 語られる一つ一つの言葉に耳を傾けていたが 騎士が退く気配に女は腕を解き、それを胸もとで重ねて]
――…全て私を想ってして呉れた事でしょう ? 貴方の手を血で染めてしまったのは私の弱さが招いた事 罪深きは、この私……
[祈るかのような姿勢で眸を伏せる]
私もまた貴方に逢えて嬉しい
[拳で拭われた涙の跡残る騎士の双眸に深紅を交え あいたかった、と小さな紡ぎ]
(192) helmut 2012/05/06(Sun) 15時頃
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[崩れて消えてしまいそうな、濡れた瞳。 自分の手で打ち壊してしまいたくなるような、強情な―――]
ああ。 戻ってきた。
["娘"が蘇った事実は端的に肯定し、 目だけを細める。笑みの形に。]
そうだ。 苦しめるために眷属へと為し、 あれのために血を流させた。
…おまえは、良い玩具だったよ。
[嘲笑。 或いはそれに似た、何か。]
(193) nekomichi 2012/05/06(Sun) 15時頃
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――…変わらぬ忠節をありがとう 私の真を知って尚、変わらずにおもって呉れたこと感謝します
[秘めた心を汲むような騎士の言葉にふと目を細める]
闇を知るのは私一人だったけれど ヒューとリンダが傍に居て呉れたから 孤独感も寂しさも、癒された 貴方に護られていたのは確か――…
[自負は錯覚でないと伝える声は真摯 騎士の掌が添わされた胸へと視線落とし]
(194) helmut 2012/05/06(Sun) 15時頃
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叶うなら永久に我が騎士として傍にいて欲しい ヒュー、あなたを頼りにしています
[騎士の忠節に応えるように 儚さが滲む声に深く確かな響きをのせて 女はそろと立ち上がり、 白き手の甲を騎士へと差し伸べた*]
(195) helmut 2012/05/06(Sun) 15時頃
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……だがな。
[笑みを収めた後は、 怒ったような、困ったような 表情の選択に迷っているような顔になる。 溜息が、ひとつ。]
そんな程度にしか思っていない奴のために、 オレがわざわざここまで来ると思うか?
(196) nekomichi 2012/05/06(Sun) 15時頃
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[苛立ち。 もどかしさ。 煮え切らない感情に、拳を握る。]
代わりのある奴なんざいねぇよ。 おまえの代わりがいるわけねぇだろ?
困る困らないの問題じゃねぇんだ!
[口調が、次第に荒々しくなっていき、 最後はほとんど怒鳴るように言葉を叩きつけて ドナルドの身体を、再び床に突き倒した。]
(197) nekomichi 2012/05/06(Sun) 15時頃
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[荒い息をひとつ吐き出し、 虚空を握るように、手を突き出す。 闇が噴き出し、現われたのは刃の広い小剣。]
―――…… やっぱり、おまえはもう一度死ね。
[淡、とした声で宣告する。]
(198) nekomichi 2012/05/06(Sun) 15時頃
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……おまえを殺して、生まれ変わらせてやる。 真に、オレの息子としての生を…
… 三度目の血を、くれてやる―――
(199) nekomichi 2012/05/06(Sun) 15時頃
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(最初に与えられる血は 力と渇望 を生み) (二度目に与えられる血は 忘却と服従 を強い)
(三度目に与えられる血は ―――)
――― 与えるのはな、 いつだって、親なんだよ。
(*18) nekomichi 2012/05/06(Sun) 15時頃
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[静かな瞳で、ドナルドへと切っ先を向け]
……これが、オレからおまえへの、愛の形だ。
[その胸めがけて、突き出した。]
(200) nekomichi 2012/05/06(Sun) 15時頃
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[会いたかったと、ありがとうと、心に言葉の重なる歓び。 涙のあとに刻まれた笑みは、傍らに、頼りに、の望みを託されて勇気に昇華される。]
もったいないお言葉、 ありがとうございます…!
我が心はクラリッサ姫に、 我が身命は先代に捧げ、血盟騎士としての誓いを全うする所存。
[差し伸べられたたおやかな手を押し頂き、わずかな震えの後、静かに唇を落とす。]
(201) enju 2012/05/06(Sun) 15時半頃
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[そのまま白い手首をとらえたのは、騎士としては礼を失する行いである。 深紅の双眸を仰ぎ見みる姿勢のまま、ヒューは続けた。]
まことに僭越ながら… 姫にお願いがございます。
(202) enju 2012/05/06(Sun) 15時半頃
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おれが 新しい命を生きる最初の糧に──、
姫の血を いただきたい。
[踵を揃えて立ち上がれば、背の高さは逆転する。 凛とした琥珀が長い睫毛を見下ろした。]
(203) enju 2012/05/06(Sun) 15時半頃
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ドナルドが血を啜っている姿は私も見た。 そして、ドナルドも……何も変わっていなかったのだよな。
[ドナルドがムパムピスに対して どんな話をして、どんな感情を抱いていたかはわからない。
だが、人間としての短い付き合いや、 彼がヘクターの下僕になってからの最中でも、 本質的に悪いものだという感情を持つことはなかった。
彼の吸血する姿が、先ほどの自分と重なって――。 ああ、なんて哀しい生物なのだろう]
(204) el900m 2012/05/06(Sun) 16時頃
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[それきり黙って、ムパムピスの言葉に耳を傾ける。 きっと彼もたくさんの戦いの舞台を見てきたのだろう。
神の教えに忠実に従えば、情という感情は殺しやすく 多くのハンターは、それで自分の心が壊れるのを 守ってきたが、彼は本気で信じていたのだ。
だから教えを失った彼が痛々しくて―― 愛おしいと思う]
(205) el900m 2012/05/06(Sun) 16時頃
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[最後の科白まで聞き終えても、しばらくは目を伏せ黙ったままで。 漸く瞼を開くと、じっと彼の瞳を見つめた]
……良かった。 君に罵られるのならいくらでも耐えられる。 だが、もし君が再び命を絶ってしまったら……。 この罪を償うことすら出来ない。
……もし君が神に裏切られたと思うのなら、忘れてしまえ。 私は決して君を裏切らないから。
この世に存在出来ないなんてことを思う必要もない。 何故ならば私が君を必要としているのだから……。
君が血に飢えて苦しむ時は、私も共に苦しもう。 私が、愛しい我が子にしてやれることは、それだけだ……。
(206) el900m 2012/05/06(Sun) 16時頃
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[そう告げてゆっくりと身体を離すと、 少し離れたところに戦った時のまま落ちていた剣を、 拾い上げて鞘に収める]
では行こうか。
[すっかりいつもの穏やかな顔に戻って、 再びムパムピスに声を掛けると、 有無を言わさず、彼を両腕で抱きかかえ持ち上げた。
軽く助走をつけると、屋上から跳んで一気に城門の外へ。 そのまま、森の奥深くへと消えてゆく]
(207) el900m 2012/05/06(Sun) 16時半頃
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[首を落とされてもなお復活を遂げる、 恐ろしい生命力の持ち主。
かの無敵の雄を完全に滅ぼす方法が見つかるまで ここに戻る気はない]
[願わくば、その時が訪れる瞬間もムパムピスと共に――**]
(208) el900m 2012/05/06(Sun) 16時半頃
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[戻ってきた。 苦しめるために。 あれのために。 ――良い、玩具。
嘲笑する様な囁きに、今度こそ瞼を伏せる。 胸が軋む。焼け爛れた傷からではない、 内側からの痛み。 当然返る筈の言葉を欲しがって、 当然のように傷ついている自分への、嫌悪。
だから、……ゆるやかな溜息が聞こえるまで、 男の困惑したような表情には、気づかなかった]
(209) tatsuru 2012/05/06(Sun) 16時半頃
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………ヘクター……?
[そんな程度に、との言葉に、 不思議そうに目線を上げる。 一瞬何を言われているのかわからなくて瞠目し、 同じようにもどかしげな瞳と、目線があった]
――…っ、…。
(210) tatsuru 2012/05/06(Sun) 16時半頃
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[まるで叱責の様に。 子供の駄々の様に――響く、其れ。>>197]
…っ、…嘘、だ…、 そんな事、信じられるわけ…っ…!
[切迫した、男の顔。 望んでいた言葉に、頬に血が上る。 喉が震え、引き攣った。 胸が痛い。 ――信じたいと叫び、揺らぐ。] だって、アンタは… …………俺が、 …俺がそう言って欲しいから、んな事…!
(211) tatsuru 2012/05/06(Sun) 16時半頃
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……っ、離せよ! もう聞きたくな…っ [彼の傍を離れたかった。 己が、認めてしまう前に。
逃れようと身を捩り。 その体を押し遣ろうと腕を突っ張って、 ……ぬるりと滑る感触に、目を見開いた。]
(212) tatsuru 2012/05/06(Sun) 16時半頃
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…ぁ、……。… [べっとりと掌についた、 自分の為にこの男が流した血。
纏わりつく其れに息を呑んで、 反射的に彼を見上げた。 感情の奔流に呑み込まれた様な――赤い、双眸。]
(213) tatsuru 2012/05/06(Sun) 16時半頃
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………
[息が出来なかった。 ……限界だった。 ――自分が崩れていくような、気がした]
(もう、) (――もう、俺は)
(214) tatsuru 2012/05/06(Sun) 16時半頃
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…っ、…!
[荒々しく床に突き倒され、背中を強打する。
痛みに歯を食い縛り、 不恰好に仰向けになったまま 己を見下ろす男に顔を向けた。]
……――。ヘクター…?
[再度の死を宣告する男の姿に、 何かを考える暇は、あまりなかった。 ただ、 三度目の血を、と。 その言葉に、瞠目し]
(215) tatsuru 2012/05/06(Sun) 17時頃
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…っ、……ぁ、……あ、…
[ゆっくりと胸を突き通す闇の刃。 酷くあっさりと呑み込まれてゆく其れ。 心臓を掻き分けてゆく鉄の感触。 ――痛みよりも感じるのは、 焼けるような、熱さ。 唇が血泡を吹き、けほりと、赤い咳を漏らす]
(216) tatsuru 2012/05/06(Sun) 17時頃
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……っ、……
[躯が形をもたなくなってゆくのを ぼんやりと、自覚する。 のろのろと腕を上げた。] (――愛の、形) (アンタの) [急速に機能を失っていく聴覚に、 睦言の様にそれが響いて ちいさく、唇が笑みを刻む]
(217) tatsuru 2012/05/06(Sun) 17時頃
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……、…… [覆い被さる様にして 己に小剣を突き刺している体躯。 その背に縋るように――腕を回した*]
(218) tatsuru 2012/05/06(Sun) 17時頃
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[分け隔てられた騎士の心と身命。 胸に僅かな疼きを感じ女は柳眉を寄せた。 誓いが嬉しいと思うと同時に寂しさと切なさを感じる]
あなたの働き、期待しています
[形にならぬ思いは言葉にすることなく 騎士を前に女は主の役割を演じるように言葉を掛ける。 其の手に騎士の口接けを受けた女は微かな笑みを見せ 自らの手を引き寄せようとするが其れは騎士に阻まれる]
………、
[ヒューに繋ぎとめられた細い手首。 流れるような連なる指先がピク、と小さく跳ねた]
(219) helmut 2012/05/06(Sun) 17時頃
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お願い……?
[仰ぐヒューの眸見詰め続く言葉に耳を傾ける。 その内容に驚いたように女は二度三度瞬きを繰り返した。 彼の動きを追うように深紅の眸が仰ぐかたちとなる]
騎士であるあなたが望んで呉れるなら 我が血を、あなたに捧げます
[琥珀の双眸を見詰め答えると 女は肩に掛かる髪を後ろへと流して首を僅かに横に傾いだ。 白く頼りない首筋を騎士の眼下に晒し、瞼を閉じる*]
(220) helmut 2012/05/06(Sun) 17時頃
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[クラリッサの眉をひそめさせた心の動きを、誓いの言葉のままにあろうとする実直な年若い騎士は察していない。 ヘクターの愛のように、一であり全である形もあるものを。
まだ器も経験も足りぬようであった。]
(221) enju 2012/05/06(Sun) 18時頃
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[自分の掌におさめた白い指がわずかに強ばった瞬間には罪悪感を覚え、続く言葉に愁眉がひらく。 許すではなく、捧げると告げられた声に焦がれるほどの信頼を感じて。]
感謝 いたします。
[かしこまった礼をしたヒューは、しばし、そのまま固まる。
ヘクターはヒューの血を吸わず、その術も教えていなかった。 模範といっては先ほど金髪の剣士が襲われたのを目撃したくらいだったが、吸血鬼というよりは人狼に喰われたようなあれをクラリッサに試すことはまかり間違ってもできない。
血を飲むのだ、口を使えばいい、それはわかっているのだが──]
……は、
[喉が引き攣るのは、血への渇望ではない、きっと。]
(222) enju 2012/05/06(Sun) 18時頃
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[不慣れな騎士を導くように、クラリッサが自ら亜麻色を流して細い首筋を晒してくれる。 祈るように閉じられた瞼が決断を促した。]
失礼をば──、
[声が震えるのがわかった。 指先を伸ばし、クラリッサの顎に触れて、わずかに顔を仰のかせる。 殺した息にも揺れる睫毛。 その距離。
あとは引き寄せられるようにゆっくりと唇を寄せれば、短い赤毛が白い肌に被った。]
(223) enju 2012/05/06(Sun) 18時頃
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[ぷつりと、牙が柔らかい抵抗を穿つ。 滴ったのはほんのわずか、紅玉の髪飾りほどの血。
唇に含んだ雫は甘く軽く綿菓子のような味がした。 昔日の優しい思い出にも似て。]
(224) enju 2012/05/06(Sun) 18時頃
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[不意に身体中に力と幸福感が駆け巡る。 浄化の光が刻む痛みが鎮まってゆく。
これが血の糧──吸血鬼の正餐。
愛するものの命の味。]
(225) enju 2012/05/06(Sun) 18時頃
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姫の命をわけてくださり、ありがとうございます。
…終生、忘れません。
(226) enju 2012/05/06(Sun) 18時頃
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[そっと触れていた指先を離し、上体をたてる。]
初めに知ったのが姫の血であったから、 おれはこの先、人の血に貪婪に狂うことは、決して、ない。
あなた以上に求めるものなどないのですから。
(227) enju 2012/05/06(Sun) 18時頃
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飢えても浅ましからず。 あなたに相応しい騎士であらんと精進します。
[確固たる意志をこめて微笑み、誓った。]
(228) enju 2012/05/06(Sun) 18時頃
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やっぱり、いい女になったな。
[何があろうと、最後の一瞬まで。 言葉(>>175)を紡ぐ"娘"の瞳は美しく澄み渡り、 思いを告げる顔には、しなやかで強い意志が宿る。
己の眠っていた歳月が、華をさらに美しく開かせた。 それが誇らしく、―――口惜しくもある。
自分の手でそれを為せなかったことに。 労苦の歳月を過ごさせてしまったことに。]
(229) nekomichi 2012/05/06(Sun) 18時頃
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[隠し通路を抜けて本館に入り、 漸く"娘"の身体を床に立たせる。
帰還への言祝ぎに応えるのは]
―――ああ。 今、帰った。
[短く、力強い宣言と、 これからも共に行こうと差し出す、掌だった。**]
(230) nekomichi 2012/05/06(Sun) 18時頃
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[刃を、肉に貫き通す。 幾度もしてきた、馴染んだその動きに 今は、微かな緊張を覚える。
これは、儀式だ。 永劫を、約束する。]
(231) nekomichi 2012/05/06(Sun) 19時頃
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[狂気に押し流されていく瞳を、見ていられなかった。 それならば、いっそこの手で壊したかった。
違う。 壊したくはなかったのだ。
だから、殺した。
闇の眷属にとって、死は―――滅びではない。]
(232) nekomichi 2012/05/06(Sun) 19時頃
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[貫いた刃の先から、肉体がほどけていく。 剣を押し返していた圧力が薄れ、 命が流れ出していく感触が伝わる。
背を抱きしめる手。 笑みを浮かべる唇。 身体ごと、ぶつかるように触れた肉体は、 細かな粒子となって床に折り重なり、風にふわりと浮いて―――]
――― 留まれ。
[命ずる声に、はたりと動かなくなった。]
(233) nekomichi 2012/05/06(Sun) 19時頃
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[肩に残る灰を指先にとり、口に含む。 舌先に広がる、強い苦み。]
―――おまえの抱えている苦悩がそれほどに重いなら、 すべて、忘れてもいい。 なにもかも無くして、まっさらになってもいい。
[降り積もる灰の前で、腕を貫いた杭を引き抜く。 浄化の力に爛れ、血の止まっていた傷口を 灰のまとわりつく刃で、さらに深く切り裂く。]
(234) nekomichi 2012/05/06(Sun) 19時頃
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みたびの、闇の祝福を受けよ。 闇の寵児たれ。ドナルド・ジャンニ。 オレの魂が滅び砕け散る瞬間まで、 おまえを慈しみ愛すると約束する。
(235) nekomichi 2012/05/06(Sun) 19時頃
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だから、
――― 戻ってこい。
(236) nekomichi 2012/05/06(Sun) 19時頃
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[鼓動のリズムで噴き出し、溢れる血を 惜しみなく灰へと降り注ぎながら、
闇の主は強い眼差しで、紅に染まりゆく灰を見つめていた*]
(237) nekomichi 2012/05/06(Sun) 19時頃
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[騎士が礼をすれば其処に留まる空気が流れる。 肌で其れを感じながら待つのだけれど動きの感じられぬ間があった。 呼気に混じる音に思わず伏せた睫が震える。 声を掛けようとくちびるが僅かに開かれるが 音を結ばぬまま閉じて、断りの声を聞いた。
顎へと触れる指に促されるまま顔を上げる。 傍からみれば口接けを待つ乙女の姿にも似るが 幸い周囲に人目は無く気付くものも無く。
騎士の髪が頬へと触れる。 くすぐったそうな吐息を漏らし ヒューの白き牙をその身に受け入れた]
(238) helmut 2012/05/06(Sun) 19時頃
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――…ン、
[チクと刺すような痛みは一瞬。 吸血という行為が齎す甘い痺れがその背に奔る。 女の手指が縋るように騎士の胸へと纏わるも 震えるくちびるがそれ以上の音奏でるを耐えるように結ばれた。
肌に感じるは信頼寄せる騎士の息遣い。 穿たれた牙が引き抜かれる気配に軽く喉を反らした。 女は絡めた手を下ろし蕩けかけた深紅の双眸を露にする。 彼が口にした血の量は僅かで 礼には及ばないと、ゆるゆる首を振ってみせた]
(239) helmut 2012/05/06(Sun) 19時頃
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貴方には沢山、貰っているから……
私の命をヒューが必要とするなら それは私にとって喜ばしいこと
[狂うことはないという騎士に頷きを返し]
我が騎士が飢えに悩まされることあらば 今日のように命の雫を貴方に捧げる
(240) helmut 2012/05/06(Sun) 19時頃
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[微笑む騎士の誓いに綻ぶような笑みを浮かべ]
――…ヒュー 貴方は私の自慢の騎士よ 貴方が私の騎士である事を 誇りに思います
[凛とした声を其処に響かせた*]
(241) helmut 2012/05/06(Sun) 19時頃
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[考えるように伏せられていたジェフリーの顔が上がり、 視線が交差する。 心の奥底まで見透かされそうな真っ直ぐな眼で、 光を見失い、どこにも戻れなくなった自分に新たな道を示す。]
……はい。その言葉を頂いたからには…
神に定められた戒律からではなく……私の意思で…
[服の袖で顔を拭い、ジェフリーに笑顔を向ける。
喪失の記憶、絶望感は、きっと忘れることはできないだろう。
それでも、それ以上に、自分にとって大切になるであろう言葉を 記憶の中に刻み付けることができた。]
(242) uyuki 2012/05/06(Sun) 20時頃
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ジェフリー・ハリソン様、 修道士ムパムピスは…… [言いかけて軽く首を振り言い直す]
…マティアス・デイヴィースは、貴方を唯一永遠の主として お仕えすることを誓います。
貴方の為にも…私はこれからも生き続ける。 吸血鬼として。 ――この、世界で。
[隠し続けた本名と共に、誓いの言葉を口にする。]
「ムパムピス」は、聖務につく者が精神支配を避けるための通名なのです。勿論普段はその名前で呼んで頂いて構いませんから。
(243) uyuki 2012/05/06(Sun) 20時頃
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[ジェフリーが立ち上がり、剣を拾い上げている。 自分も杖を拾おうと手を伸ばすが、聖別されたそれは近づくだけで熱を持ち、手にすることは叶わなかった。]
…さよなら。今まで、ありがとう。
[目を伏せ、心の中で聖なる杖に別れを告げる。]
「 では行こうか。」
はい…っ!どちらの部屋を通っていきますか? 吸血鬼が、下のエリアに移動しているのは確かなのですが、気配を探るには…
(244) uyuki 2012/05/06(Sun) 20時頃
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――えぇぇぇぇっっ!???
[不意に抱き上げられると、ジェフリーはそのまま走り出し、 躊躇いもなく、建物の屋上から身を躍らせる。
浮遊感。冷たい風が頬を撫でる。
思わず肩に手をかけ、しがみついた視線の先で 屋上が、城が、見る見るうちに遠ざかっていく。]
(245) uyuki 2012/05/06(Sun) 20時頃
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…今、気づきました。 ジェフリー様って、堅実派に見えて意外と… 大胆な行動をされますよね。 [思わずぽつりと呟いた。]
[恐怖感はない。跳べると、確信しての行動だとはわかっていたが、それでも何も試さず屋上から飛び降りることは 自分にとっては予想外過ぎる。]
――いえ、何でもありません。 独り言…です。
[怪訝そうな表情を向けられ、笑いながら答えると、この変則的な空中散歩を楽しむことにした。]
[行き着く先は深い森。 新しい、「道」の始まりがそこにあった。**]
(246) uyuki 2012/05/06(Sun) 20時頃
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[やっぱり、と続けられたヘクターの言葉>>229に 深紅の双眸がまあるく見開かれる。 本当に、と尋ねたくなる衝動を抑え]
若し、そのように…… 以前と違って映るのなら
ヘクターさまを想い待ち続けた時間が 私をそのように変えたのでしょう
[主の心の内を知らぬまま 晴れやかな笑みを彼へと向けた]
(247) helmut 2012/05/06(Sun) 21時半頃
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ヘクターさま、――…我が君
[強き宣言と共に差し出された掌に 女は己の掌をそっと重ねてその眸を見上げる]
お預かりしていた“The Earl of Avallone”の称号を 今、あなたさまにお返し致します
“ My Lord ”
[主従であり父娘でありながら そのどれとも違う響きで呼び掛けた華は アヴァロンの領主の傍らで楚々と咲き誇る**]
(248) helmut 2012/05/06(Sun) 21時半頃
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[吸血鬼が常人離れした能力を持つことは知っていたから、 飛ぶことに何も不安はなかった。
ただ、ムパムピス―― マティアスがびっくりして振り落とされないかだけが心配だった。 彼も心配だったのか、ぎゅっとしがみついてくる身体に 安心と、それから頼られていることへの喜びを感じる。
想像以上の速さで、地面が近づく。 風の心地良い冷たさと、近くにマティアスの鼓動。 この素晴らしい時間が、すぐに終わってしまうのが惜しいと思う]
(249) el900m 2012/05/06(Sun) 21時半頃
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「…今、気づきました。 ジェフリー様って、堅実派に見えて意外と… 大胆な行動をされますよね。」
[そうぽつりと零れた言葉に、怪訝そうな表情を向けると、 マティアスは笑いながら独り言だという。 その笑顔につられたのか、 今まで見せたことのない笑顔が自然と浮かんだ]
石橋を渡っているだけでは、 為せぬことだってある――……。
(250) el900m 2012/05/06(Sun) 21時半頃
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ああ、それから、マティアス。 その呼び方はやめてくれ。 ジェフでいいといったろう?
これは、主としての命令だ。 [真名を他の誰にも聞かれないように、 耳元に口を寄せて囁いた。 これが初めての。 そして恐らく最後の命令になるだろう**]
(251) el900m 2012/05/06(Sun) 21時半頃
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― 南の塔 ―
[全てが終わり、新たな物語が始まる狭間の時。
最後の戦いの舞台となった塔の上で、 闇の主は、静かに外を眺めていた。
暗い霧に包まれた湖。 それを超えれば、そこはもはや昼と夜が混在する世界。]
――――…行ったか。
[闇の痕跡が、残り香のように宙を横切り、 深い森の中へと消えている。 姿を消した"子"へ向けて、牙は剥かずに、小さく笑みを送った。]
帰って来る時を、楽しみにしているぞ。
[生き延びることさえ困難な前途が、"子"を待っているだろう。 それでも帰ってくることは、疑いもしなかった。]
(252) nekomichi 2012/05/06(Sun) 21時半頃
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………しっかし…
[返事が戻ってくるはずもない城の外から目を逸らし、 己の為すべきことを為すべく、城内に足を向ける。
その途中、足を止め、床の一点を見つめた。]
―――……… どうしてくれるんだ。 んなもん置いていって。
[ぽつんと取り残されていたのは、光の聖杖。 しばらく困ったように見ていたが、まあ良いかと階段を下りる。
世の中、なるようになるものである**]
(253) nekomichi 2012/05/06(Sun) 21時半頃
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[ ――どこかで、声が聞こえていた ]
(254) tatsuru 2012/05/06(Sun) 21時半頃
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[ゆるりと空に融けていく意識。 ほどけていく。 絡まりあった糸が解れるように。 繋いだ手が、離されるように。 この感覚には経験がある、と、 融け掛けた心が、つぶやく。 あの時はとても痛かった。 ばらばらになるような気がした。
痛めつけられた細胞の一つ一つが、 悲鳴を上げて、何かを求めていた。 ――けれど、今のこれは、 酷く暖かい気がして それは、
最期に触れた背の、じんわりとした熱さに似ていた]
(255) tatsuru 2012/05/06(Sun) 21時半頃
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(……すべて…)
[聞き覚えのある声が、囁いていた。 冷厳で無表情な、支配者の響き。
失われた鼓動が、跳ねるような気がした。 聞いていると苛々した声だ。 憎しみに膚が泡立つ感覚。 羨望に渇いた、記憶。 己の大切なものを奪っていく其れ。]
(256) tatsuru 2012/05/06(Sun) 21時半頃
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[耳朶を擽り吹き込まれた、揶揄いと、嘲笑。 わかりきった児戯。かたちだけの優しさ。 それが悔しくて。痛くて。――惨めで。 ……求めて。求めて。求めて、
胸がくるしくなる――声。]
(257) tatsuru 2012/05/06(Sun) 21時半頃
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(……アンタらしくねえだろ。何言ってんの?)
[忘れてもいいと囁く声に、そう、笑う]
(……俺が、蘇るつもりとでも思ってんのかね) (もしそうだったとしても…) (まっさらな俺に何か吹きこもうってか。 ああ、やだやだ)
[肩を竦めたかったが、 もう、その概念さえも失われていた。
ああ、自分は消えかけているのだなと、 残った最後の一片が思う。]
(258) tatsuru 2012/05/06(Sun) 21時半頃
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(………でも、そうだな)
(アンタの謂う通りなのかもしれない) (それもいいのかもな……)
[今の全ての想いを砂に帰してしまえば、事足りる。
まるで生まれながらの吸血鬼のように、 あの男を、純粋に父として慕い その伴侶たるクレアを敬愛し ……そう、弟、という存在も出来たのだ。 鍛えた鉄の様に真摯な目をした、クレアの騎士。]
(259) tatsuru 2012/05/06(Sun) 21時半頃
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(もう何も、感じずに済む。) (人を屠る苦しみを。血を啜る、罪の意識を) (俺が殺したクレアへの想いも、すべて)
(アンタを、……もう、憎まなくても、済むんだ……)
(260) tatsuru 2012/05/06(Sun) 22時頃
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[ゆらりと、忘却への誘惑に意識が薄れていく。 引き戻したのは、同じ声。 ――魂が砕け散る瞬間まで。
力強い其れに、 ……ぴくりと、瞼が震えるような感覚。 息が急くように、思った。 吸い寄せられるように意識が再び纏まり、 その声の元に、引き摺られてゆく。]
(261) tatsuru 2012/05/06(Sun) 22時頃
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(………なんだよ。俺、最後まで) (もう、いいのに) (生き汚ェ、ってことなのかね)
[苦笑するような思考。 此の侭逃げてしまえば自分の勝ちだ。
そうしたいかと自分に尋ね、 そうしなければ、と理性は囁く。 ……けれど、その声が ]
(262) tatsuru 2012/05/06(Sun) 22時頃
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『 戻ってこい 』
[その声が――、自分を呼ぶのだ]
(263) tatsuru 2012/05/06(Sun) 22時頃
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[楽しそうな…晴れやかな、初めて見るジェフリーの表情に自然と視線が吸い寄せられる。 そうしてじっと見ていると、耳元で伝えたばかりの真名が囁かれた。]
え…それ、が、命令なのですか? ジェフリーさ……… [言われた直後に早速噛んだ。常に相手を様づけする習慣がついていた為、意外とこれが難しい。]
………はい、ジェフ。
……これから、そう、呼ばせて頂きます。
[返事をしたのと空中散歩が終了したのは、 ほぼ同時のことだった**]
(264) uyuki 2012/05/06(Sun) 22時頃
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[指を伸ばそうとした。 ………凝る闇に。 濃密な薔薇の芳香のする場所に。]
(でもさ) (……アンタの、元に戻るなら)
(265) tatsuru 2012/05/06(Sun) 22時頃
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[最後に感じたのは、小さな苦笑い。 酷く愛しいものに、向けるような。]
(――それでも、俺は……)
(266) tatsuru 2012/05/06(Sun) 22時頃
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[薔薇色の闇を注がれて、 緩やかに灰は凝る。
生き物の様に始祖の血液は石床を這い回り、 さらさらとした砂を赤黒い泥に変えていった。 ――ゆるり、と、泥がその表面を震わせる。 紅色の泥は表面を泡立たせながら流れ、 混ざり、自らを攪拌していく。 ゆっくりと――ひとりの男のカタチへと。]
(267) tatsuru 2012/05/06(Sun) 22時頃
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………、――
[ばさりと、 ……羽ばたきのような音。 立ち尽くす男の姿は、 砂となる前と、殆ど変わらないように見えた。
左眼を覆う眼帯。 纏う実用的な軽装は色を漆黒に変じて、 蝙蝠の羽の様に長い裾を、 ゆるりと引いている。]
(268) tatsuru 2012/05/06(Sun) 22時頃
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………。
[わずかに頤が上げられ、 酷く無表情な、昏い紅が、 眼前の男の顔を見遣る。 ――隻眼の男は優雅に膝を付いた。 祈るように頭を垂れる]
我が君。 ――みたびの祝福に感謝いたします。
(269) tatsuru 2012/05/06(Sun) 22時頃
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|
[血を介した交歓が呼び覚ましたクラリッサの揺らめき。 潤む瞳と甘い陶酔の表情を目にして、ヒューの裡に掻き立てられたのは、まだ官能を知らぬゆえに危険のない憧憬。
あえかなその放埒の一瞬を、ただ手の届かない美しさと思った。]
(270) enju 2012/05/06(Sun) 22時頃
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|
[送られた優しい言葉と約束に、もう一度、クラリッサ前に膝をついて頭を垂れる。]
そのお言葉を胸に刻み、 夜の影、風の刃となって御身、お護りさせていただきます。
── 我が血と魂(ヒュー)にかけて。
(271) enju 2012/05/06(Sun) 22時頃
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|
[ポケットの中で何か鳴った気がして、指を差し入れる。 取り出してみれば、紅玉の髪飾りであった。]
あぁ──これを。 ドナルド・ジャンニから託されました。
[彼は「アンタが持ってるべきだ」と渡してくれたのだけれど、それを本来の持ち主に返さないという選択肢は実直な騎士にあろうはずもなく、両手を添えてクラリッサに差し出す。]
(272) enju 2012/05/06(Sun) 22時頃
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先代から、お聞き及びでしょうか。 おれとドナルドは、いまや「血の兄弟」です。
[今、彼が彷徨う苦界は知らず。 結ばれた絆を、どこか喜ばしげに知らせる。]
(273) enju 2012/05/06(Sun) 22時頃
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どうか、彼にもお言葉を賜らんことを。
…照れてフテくされるかもしれませんが、彼の居場所は──きっと、
これから、ここに。 おれたちと 共に。
(274) enju 2012/05/06(Sun) 22時頃
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[血を吸い込み、赤黒く染まっていく灰。 始源の大地のように、命を産んだ海のように、 泡立ち、さざなみ、蠢いて渦を巻く。
その変化を全て焼き付けるように 鮮紅の瞳は、瞬きひとつ無く見開かれていた。
やがて泥は自ずから凝り、立ち上がり、 ゆっくりと形を成していき―――]
(275) nekomichi 2012/05/06(Sun) 22時半頃
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[殻砕くように闇を払って、一人の男が姿を現した。
纏う衣は闇の色。 変わらぬ隻眼に宿るのは昏い紅。
立ち居振る舞いも優雅に、 闇の貴族たるに相応しき所作。
跪いての言葉に頷き、 その頭上に、無傷なほうの手を翳す。]
(276) nekomichi 2012/05/06(Sun) 22時半頃
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良く戻ってきた。 ドナルド・ジャンニ。
[名を呼ぶのは絆を確認するため。 そして、]
――― 言ってみろ。 おまえにとっての、オレはなんだ?
[我が君と、その呼びかけを押して、さらに問う。 未だ感情見せぬその心の奥に、何が残り、何が芽生えたのか、 それを確かめるがために。]
(277) nekomichi 2012/05/06(Sun) 22時半頃
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>>272 ――…、…。
[紡がれた名前に伏せた瞼が震えた。 頭は更に深く垂れ、 翳された掌は信徒に祝福を与える聖者のものの様。]
――我が主。 我が父。 我が魂を泥より創りし者。
……して、――
[最後に、小さく唇が震える。
それは、きちんとした言葉にならず消え 薄い唇がゆっくりと引き締められた]
(278) tatsuru 2012/05/06(Sun) 23時頃
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|
[問いに答える声は、平坦で硬質。 紡がれた言葉は、用意されたように整っている。
全ては儀式の続き。 命を与え、 命を創り出す、 闇の洗礼の一環。
最後の、ひとかけらを除いては。]
(279) nekomichi 2012/05/06(Sun) 23時頃
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―――― …上出来だ。
[ひとつ息をついて、手を下ろす。 それは溜息などではなく、 厳粛な空気を吹き飛ばす合図。
頭上に翳された手がそのまま黒衣の腕を掴み、 いささか強引に立ち上がらせる。
次の瞬間、 両腕の間に細身の身体を抱きしめていた。]
(280) nekomichi 2012/05/06(Sun) 23時頃
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良く、戻ってきた。
[最初に告げたものと同じ言葉が、 まるで違う色を以て口にされる。 感慨深く、安堵の色さえ滲ませて。
抱きしめていたのはほんの一瞬か、もうしばらくか。 ばしりと息子の背中を叩いて、解放した。]
おまえが戻ってきてくれりゃあ、 まずは満足だ。
[そんな言葉と、にやりとした笑みと共に。]
(281) nekomichi 2012/05/06(Sun) 23時頃
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|
[女の身に生じた熱は 首筋に穿たれた跡が薄れゆくと同じ速度でひいてゆく。 其処に在る赤い雫だけが吸血という行為の名残。 女に傅き誓う騎士にゆると一つ頷いて]
――…私の、唯一の騎士・ヒュー 頼りにしています
[其の忠節に足る人物であろうと背筋を正した]
(282) helmut 2012/05/06(Sun) 23時頃
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[ヒューが差し出すは物見塔の屋上で失くした髪飾り。 騎士の両の手に触れ紅玉輝く飾りを受け取り]
大事な、祖母の形見の品なの 届けてくれてありがとう、ヒュー
――…嗚呼 ドナルドにもお礼を言わなきゃ、ね
[自らの最期は覚えているが気にする素振りはなく “血の兄弟”知らせる騎士に不思議そうに瞬いた]
私が不在の間に何があったか 茶会の席ででもゆっくり聞かせて頂戴
(283) helmut 2012/05/06(Sun) 23時頃
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[ヒューとドナルドが兄弟であるなら 本来ならば自分もまた同じ位置にあるはず。 けれど騎士と主というそれまでの関係を崩そうとは思わぬのか 其の点には言及せずにおく]
ドナルドに逢いにゆきましょうか 共に、在るならば、…… 新しき同胞に挨拶しなくては、ね
[騎士に立つよう促す仕草をみせ、彼のエスコートを待つ様子。 ふ、と思い出したように女は再び口を開き]
討伐隊にいたエリアスという娘を覚えていて? 彼女も此処で過ごすことになるから――… 仲良くしてくれると嬉しいわ
(284) helmut 2012/05/06(Sun) 23時頃
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[腕を掴み、引き摺り上げる手に 僅かに跳ねる息。
――両腕が背に回り、 囲い込まれる様に抱きしめられる。 暫く身を硬くしていたが、 ……やがて委ねるように力を抜いた。]
…………。 光栄です。
[酷くのろのろと、そう答える。
ぎこちなく逸らされた視線。 抑えた声音。]
俺は、……貴方のお傍に。
(285) tatsuru 2012/05/06(Sun) 23時半頃
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[息子から返る反応に、 ふつ、と小さく心が泡立つ。
だがそれを表に出すことはしなかった。 望んだことだ。 自分が。]
―――どうした? なにか不満だって顔してるぞ?
[揶揄する口調で問いかける。 それでも、わずかに棘は滲み、]
蘇らせられるのがいやだったか?
[言いつのりかける口を、閉ざす。]
(286) nekomichi 2012/05/06(Sun) 23時半頃
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[男の腕が離されると、 まるで安堵したように息が漏れる。
触れられる事は、予想外だった。 鼓動が跳ねる事を知られては、ならなかった。
生まれ変わる前の自分が出した、 ――臆病な結論を、繰り返さない為に]
(287) tatsuru 2012/05/06(Sun) 23時半頃
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― 数日後 ―
[ここはガストンの住処であり、 ジェフリーがハンターとしての修練を積んだ場所でもある。 彼は今、何かを探すように机の引き出しや本棚。 果ては本1冊に至るまで、丹念に調べていた]
全く……。 大体がヘクターが復活するかも知れないと危惧していたのなら、 あなたが永遠に封印する方法を、探して実行していれば、 私が奴の討伐に行く必要もなかったのだ。
無論、マティアスと逢えることも無かっただろうから、 悪いことばかりでもないが……。
[そう口にしたことに気づくと、罪悪感を覚える。 信仰心の篤い彼が、そのまま神の恩寵を受けられていたのなら それこそ喜ばしいことなのだから]
(288) el900m 2012/05/06(Sun) 23時半頃
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[頭を左右に振って、芽生えた物思いを消すと、 再び、探しものをはじめる。
実行はされていなくても、どこかにヘクターを倒す方法があれば、 と僅かな可能性に掛けたのだ]
……ん?
[パラパラと頁を捲っていた本から、ひらりと1枚の紙が落ちた。 拾い上げると、間違いなく師の筆跡のようだ。 何気なく目を走らせていくうちに顔色が変わってゆく]
(289) el900m 2012/05/06(Sun) 23時半頃
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『ジェフリーへ
……俺は、吸血鬼に血を吸われてしまったことがある。
もちろん、俺が、そんじょそこらの吸血鬼に引けをとるはずがない。
といったらわかるだろう。 俺の血を吸った奴の名はヘクター・ロックウェル。 あの最強の吸血鬼様だ。
別に隠す必要もないのかもしれない。 だが……。ほんの少し吸われたというだけでも、 後ろめたいことは事実だ。
だから、こうして手紙という形で告白する。 これは賭けのようなものだ。
――俺はお前にこの告白をみつけて欲しいと思っている
ガストン・ワイルダー』
(290) el900m 2012/05/06(Sun) 23時半頃
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[クラリッサの唇をこぼれる礼の言葉、眼差しに触れる度に灯火のともる気がする。]
はい、話はいずれ。
[ゆったりとした時のあること、それが嬉しい。 討伐隊のエリアスという名にはすぐには反応できずにいたものの、容姿を聞けば頷く。 最後に見たときは亡骸だったが、優しい魔法が施されたのだろうと。]
承知しました。 その話も──お聞かせください。
(291) enju 2012/05/06(Sun) 23時半頃
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[ややあってくしゃりと手紙を丸めると、ランプの火に翳した。 みるみるうちに手紙は灰になって、後には何も残らない]
……くそっ。
[形見のペンダントを、服の中から取り出して握りしめる。
師がそれを告げられなかった理由はなんとなくわかる。 吸血鬼の牙が食い込んだだけで、神の恩寵を失ったと感じたのだ。 信心深いものなら大多数がそう思うだろう。
そうであれば、ますます負けられなかったのに―― 握り拳を作ると、机をがつんと叩き]
ヘクター……。 どうやらますますお前を倒す理由が出来たな。
[そうひとりごちた。 結局、師の住処ではそれ以上のものは見つからなかった**]
(292) el900m 2012/05/06(Sun) 23時半頃
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では、参ります、姫。
[露払いするように、クラリッサの斜め前方に立って歩き出す。 これからの長い時の 第一歩を。***]
(293) enju 2012/05/06(Sun) 23時半頃
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不満はありません。 ……貴方が選んだ事なら、……俺は。
………俺も、其れを選んだ。
[ぎこちなく笑み、彼の紅を覗き込む。 隻眼はやわらかく細められ]
………大丈夫です。 もう失敗はしない。
(まっさらな俺なら、) (……アンタをもう裏切らない。) (だから)
(294) tatsuru 2012/05/06(Sun) 23時半頃
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[どこまで通用するのだろうと思いながら、 ゆっくりと目を伏せる。
もう、気づかれてしまっているのかもしれない。 けれど今己が出した、これが結論。]
………俺は、アンタの傍にいたい。 ……ヘクター…。
[彼の望む自分を演じ。 ――彼の望むように、魂を殺しても]
(295) tatsuru 2012/05/06(Sun) 23時半頃
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[ぼんやりと唇を動かす。
闇の躯がかたちづくられる、その時に。 己が最後に思考にのぼせた言葉を]
……それでも、俺は。
(………ヘクター) (アンタを覚えていたい)
(――この想いを、忘れたくはない、と)
(296) tatsuru 2012/05/06(Sun) 23時半頃
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[初めて浮かべた、というようにぎこちない笑み。 かつては見たこともない、柔らかな眼差し。]
……血が足りなかったか?
[僅かな思案の後、 おもむろに手を伸ばし、顎を掴んで引き寄せる。]
それとも、 記憶と一緒に、心までどこかへ投げ捨ててきたか?
[ああ、そうだ。 違う。 これは、自分が望んだものじゃない。]
ドナルド・ジャンニ。 そこまで、オレを拒んだか?
[抜け殻が、欲しかったわけじゃない。]
(297) nekomichi 2012/05/06(Sun) 23時半頃
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[一日では語りつくせぬ事があった。 それは隣で女の手を引く騎士もまた同じだろう。 全てを知って尚、騎士として誓いを捧げてくれた彼に 秘密を抱えたままではいけないとも思う]
ヒュー 貴方に話したい事がたくさんあるの
[彼の姉の事もまた打ち明けよう。 一日で語りつくせずとも 私たちには他より長い長い時間があるのだから――**]
(298) helmut 2012/05/07(Mon) 00時頃
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………っ、…ヘクター…。 違う…。
[顎に触れる手に、ふるりと睫を震わせる。
視線は何かを耐える様、 目の前の男に向けられた。] ……… 俺…、……決めた、んだよ。 アンタと一緒に行くって。
[よわよわしく、笑う]
もう俺は、アンタを憎んだり、しない。 ………アンタの忠実な、僕でいる。
だから、……
(299) tatsuru 2012/05/07(Mon) 00時頃
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我、世に並びなき主を得たり。
[それは騎士の口癖であったという。]
(300) enju 2012/05/07(Mon) 00時頃
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