182 【身内】白粉花の村
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キリシマに1人が投票した。
ガーディに1人が投票した。
レティーシャに6人が投票した。
レティーシャは村人の手により処刑された。
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クシャミ! 今日がお前の命日だ!
2014/07/03(Thu) 09時頃
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時は来た。村人達は集まり、互いの姿を確認する。
クシャミが無残な姿で発見された。
現在の生存者は、キリシマ、ガーディ、デメテル、ネル、ローズマリー、セシルの6名。
本日落ちる二人はこちらになります→デメテル[[who]]、セシル[[who]]
吊り票をキリシマに委任してください
※落ちる方には後ほどキリシマが何らかの形でご報告に参ります
(#0) 2014/07/03(Thu) 09時頃
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―掲示板前―
[四枚目の張り紙を、三枚目の隣りにぴたりと寄り添わせて貼付ける。 『レティーシャ』と『クシャミ』の転院を示す張り紙だ。
ついでに落書きのあった二枚目の張り紙を剥がしてしまって、新しいものへと張り変える。 ぴしりと並んだ四枚の張り紙を見れば、満足したように一つ首肯いて。軽い足取りで院長室へと帰っていった]
(0) 2014/07/03(Thu) 10時頃
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[痛みに気を緩めたかのように僅かに緩んだ手の間>>63から、ひゅ、と喉を鳴らして息を吸った。 すぐに戻った力に、再び喉を詰まらせて低く唸ることになったけれど。
圧迫される呼吸に、自然と気を取られる。気遣いも躊躇いもなく吐き出した言葉に歪んだ顔>>64を、目を細めてただ眺めた。]
……っ、何か、言えよ、
[何かを言おうとして閉じられた口を見てとって、薄まった酸素を使いながらそれを咎める。 痛みに歪む相手の顔には気付いていながら、先に比べれば随分と弱い力で、乱れたシャツの襟を掴んで押し付けた。]
――…は…!、く、…っ、
[言葉の代わりとばかりに、今度こそ容赦なく締め上げられる手に、残った僅かな酸素を押し出すように呻いて。]
…僕、を。――殺すのか、
[弟がどこまで本気なのか、自分には結局、 その思考もろくに理解できなかったなどと自嘲しながら。 殺すだの殺さないだの、そんなやり取りを思い出しながら、余りに早かったと思う。]
(1) 2014/07/03(Thu) 10時半頃
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[建前も体裁も何もなしに感情を吐き出した喉は、もう動かすつもりはなかった。全て吐露したことに倦怠感すら覚える。 みすみす殺されてやるつもりもなかったけれど、それでも。]
(…ああ、そうだ。 こいつも、――もうすぐ死ぬんだから)
[余命数ヶ月、と。何度も読み返したカルテの文面が浮かべば、自然と表情は綻んだ。 ――それならば。 何よりも心の支えにしていた弟が死ぬよりも、先に死ねるのならば。 それはそれで、僥倖なのではないか。 酸素の回らない頭で、そんな事を思って薄く笑う。]
………、ふ、
[意識の向かなくなった足は緩んで、そのまま相手の方へとよろめく。 無理やり振り払われでもしなければ、シンクへ押し付けた身体に覆い被さるように凭れる形になるだろう。振り払われたのならば、それはそれで楽になる。
憐れな癖に威勢だけは良い、何も思うようにいかない生意気なガキだと思い続けてきたけれど。 爪を立てていた手を緩めて、まだ子供のあどけなさを残した青白い頬へと、手を伸ばした。]
(2) 2014/07/03(Thu) 10時半頃
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奏者 セシルは、メモを貼った。
2014/07/03(Thu) 11時頃
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[彼女が食事を取りに席を立った後>>62、テーブルに取り残された紙コップをぼんやりと見つめた。 たぷん、と机に置かれた衝撃で緩く波を打つそれは、とてもとても魅力的に見えて。
ケチャップで乾かされた喉に、潤いを与えそうな素晴らしい飲み物。命を奪う液体。…欲しい、どうしても欲しい。]
……っ!
[汗ばんだ手が、そろりと紙コップに伸びようと動いた時。彼女が元気良く戻って来て思わず息を詰める。 悪いことをしようとした手は、そっと机の下に隠した。]
…わあ!
[少しどぎまぎとする心を抑え付けながらも、黄色いキャンパスに描かれた愛らしい鳥に喜びの声を上げる。 ろーずまりぃはすごいな!とはしゃいだように声を上げた。 ー机の下で、手汗まじりの手をぎゅっと握って。]
(3) 2014/07/03(Thu) 15時半頃
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――…何が聞きたいの? 俺の話なんて聞く気もないくせに、
[段々と弱々しくなっていく呼吸と喉の動きに、奇妙な感覚を覚える。 こんなに簡単に、奪われるだけと思っていたものを、奪えるんだろうか。 いくら喚いたって大人ぶったって殴ったって、結局勝てないと思っていた兄に、今なら勝てるんじゃないか。それが誤った浅慮な優越感だとしてもだ。
ふと、両親の顔が脳裏に浮かぶ。 目の前の、表向きは人当たりがよくて、勉強ができて、尚且つ愛されてるこいつがいなくなったら、あの人たちはどう思うんだろう。 自分が死ぬと聞いた時ですら、そんな事は考えなかったのに。
片手だし、立ったまんまの状態じゃ、そんなに上手に強く力を入れてやれないけど。だらだらと苦痛を引き延ばしているだけかもしれない行為に、罪悪感は芽生えない。]
(4) 2014/07/03(Thu) 16時頃
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殺していいって、言ったじゃん、
[いつの間にか痛みも苛立ちも気にならなくなって、やたらと鈍くなったように思考が冷える。冷静ってわけでもなくて。ただ何も考えてないだけかもしれない。 歪めていた表情も知らない内に失せていたけれど、 苦悶めいていた兄が顔つきを緩ませるのを、少しだけ、不思議そうに眺めた。
本当に、死にたいのかな。 自分なんかの手で死ぬ事を、笑ってくれるなら、まあいいや。 頼りない呼吸を続けるだけになったその首に、もう少しだけ指を強く押し込んでやる。]
? ぅぁ゛、…っ、
[殆どの意識が、相手の首元に向かっていたから、ふらつく相手の動きは唐突めく。こっちに向かって傾ぐ身体を避けるにも支えるにも反応が遅れて、僅かに双眸を丸くした。
力の抜けた体重が圧し掛かってきて、背中や腰の辺りがシンクの硬さに押し付けられて痛い。 片肘をついて、なんとかぎりぎりの所で体制を保ちはしたけど、相手の首を締付けていた手は緩んで解けてしまった。
頬に触れた指先にあまり温度は感じなくて、随分と頼りない動きに、自分が何をしてたのか。何をしようとしてたのか。分からなくなる。 呆然めいて肩越しの景色を見た。]
(5) 2014/07/03(Thu) 16時頃
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[ローランド兄弟宛の手紙を持って歩き出す。 兄弟二人で向こうに行く……というのは、全くの偶然なのだけれど。少々問題があるかとも思うが、じきにこの医院の患者は誰も居なくなる。ただ、向こうに行くのが少し早まったというだけだろう。
――全員分の治療薬の完成ももうすぐだというから、自分もそのうち此処を離れる事になるのだろう。 そう考えると多少は感慨深くもあるが、それだけだ。……彼の居ない場所に、意味は無い。無理をして研究を急いだのも何もかも、あの、うつくしい幼馴染の為なのだから]
……これでよし。
[二人の部屋に、それぞれ手紙を差し入れて。そのまま院長室へと帰って行く。 もう少しで彼に会えると思えば、多少の無理も苦では無い。今日中に必要書類を片付けてしまおう]
(6) 2014/07/03(Thu) 16時半頃
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[怠惰じみて与えられる緩やかな死の感覚>>4は、妙に現実味が薄い。 本当にこれで死ねるのだろうかなんて、そんな疑問さえ生まれる。それを望んでいるのかいないのか、自分でも確証なんて持てないのだけれど。]
(…いいって、言った)
[無感情めいて吐き出された言葉>>5には、内心で返事を返した。痛みを通り越して感覚を失いつつある喉をこれ以上動かすのは、あまりに億劫で。 負の感情は成りを潜めて、何やら複雑な表情を浮かべた弟の顔が、明滅する視界に映る。
最後に向けられるのが憎悪ではないことには、―どこか安心した。 可哀想な弟を差し置いて誰よりも愛されて、それでもまだ、無いものねだりを繰り返す子供じみた自分を、身勝手な自分を。 ――おまえは憎んでいるんじゃなかったか、と。 自然と浮かんだ疑問に反して、緩んだ表情は動かないまま。]
……っぁ、ぐ、
[ぐ、と強く押し込まれた指の感触は、それに従って揺らいだ自分の身体と漏れ出た声によって、他人事のように知覚する。 その感覚も、あまり長くは続かなかったけれど。]
(7) 2014/07/03(Thu) 17時頃
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[力の入らない身体は、自分のものとは思えない。弟の鈍い悲鳴を聞きながら、けれどそれをどうにかしてやる術はない。]
…っは、く、…ッ、
[なんとか倒れ込まずに済んだ弟の様子に意識を向けるより先に、自由になった喉から急速に流れ込む酸素に、ただ噎せ返った。 無意識の生存欲で必死に呼吸を繰り返しながら、脳に酸素が行き渡る感覚に、自分より小柄な肩口で荒く呼吸を繰り返す。
――なんて無様だと、そう思った。]
…殺せ、ば。 ………良かったのに。
[痛む喉を無理やりこじ開けて絞り出した言葉に既視感を覚える。 ずっと理解り合えないと思っていた相手と、こんなところで思考の共有めいたことが起きるのが、あまりに異常で可笑しい。
痺れた指先に触れる頬の感覚は、ひどく非現実じみていた。 自分に負けず劣らず間の抜けた表情をする弟に、思わず苦笑しようとして。]
(8) 2014/07/03(Thu) 17時頃
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いや、…悪い、僕のせいだ。 なんなら、もう一度、…―――ッ、
[先の弟の模倣のような呵責の言葉は、自分の情けない行動を思い返せば理不尽だと、荒い呼吸の中ですぐに撤回する。
――殺してやることも、殺されてやることもできないなんて。 倒錯めいた思考の中、それが余りに情けない。薄らと浮かんだ生理的な涙が押し上げられるのを感じて、思わず目を伏せる。
相変わらず手よりも先に動こうとする唇は、けれどそれ以上動かずに、そのまままた、すぐに咳き込んだ。]
(9) 2014/07/03(Thu) 17時頃
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奏者 セシルは、メモを貼った。
2014/07/03(Thu) 17時頃
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[何でそんな顔が出来るんだろう。苦しいくせに。 綻びを見せる兄の表情>>7をただ眺めていたけど、でももしかしたら、多分、さっき自分もそんな風に笑ってたかもしれないと。つくづく妙な所ばかり似る。
凭れ掛かる肩への重みと、そこから伝わる酸素不足の震えに、何をしてやるでもなく、停止した思考の中で、耳元で繰り返される乱れた呼吸音だけがいやに響く。]
――…なに、いってんの?
[殺せばいい。もう一度。切れ切れの声>>8>>9は、聞き取りづらい筈なのに、するりと脳内に浸透する。その言葉が内包する意味を考えるには、至らなかったけど。
また同じだ。似たような言葉を吐いた記憶が脳裏を掠める。 なんでだよ。自分になんか縋らなくたって、アンタは何でも持ってるじゃないか。 悔しがればいいのか泣けばいいのか怒ればいいのか、――喜べばいいのか。
脳味噌の中でぐるぐる巡るだけで結論の出ない思考は、行き場を失って視界すらぼやけさせる。 あんなに近く聞こえていた呼吸の音がぼんやりと遠退いて、それを引き留めるかのように、不規則に揺れる背中に片手を伸ばして白衣を掴んだ。]
(10) 2014/07/03(Thu) 18時頃
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[彼女なりの力作に喜びの声を上げてはしゃぐ>>3少女を見ては顔を綻ばせて笑顔を返し、机の上の冷め切ったオムライスに目をやる。少女が望むのなら交換してもいいのだけれど。と思うがすぐに考えを改める。既に半分平らげたそれを見ては、些か量が多いだろうと思ったからだ。]
あら、良かったわ♪ お褒めに預かり光栄に御座います、お姫様。
[彼女は感謝の印を示す様に、その少女の手の甲に接吻をしようとテーブルの下の少女の手に己の掌を伸ばす。 硬く握られたその拳に触れては、びくり と小さく震えて。 しっとりと汗が滲んだその手は少女が平常通りでは無い事を示すには明らかな違和感だった。]
ーデメテル、どうしたの? 具合でも悪いのかしら?
[心配そうにその汗ばむ手を己の両の掌で包んでは摩る。 どこか落ち着かない様子に、どうすれば良いのか悩む。 自分ならどうするか。とりあえず水を飲み一息入れるだろう。]
ー飲む?
[彼女は目の前にあった紙コップを差し出す。 ミルクの包み込む様な優しい味は、気分を落ち着かせるのに適任だろう。そんな事を考えながら]
(11) 2014/07/03(Thu) 18時頃
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…ぁ、
[彼女に震えた手を握られ、心配そうな顔をされる。そんな瞳を見つめて、だいじょうぶだ、と言おうとしたときに差し出されたのは、その液体。>>11
デメテルの動揺と裏腹に穏やかに波打つミルクの波紋を見つめて、彼女は震える唇を結んだ。 そ、と手が紙コップに伸びる。
ーどうせ、もう長くない命だ。 これを飲んでも、死ぬわけじゃない。元より短い寿命がほんの少し縮まるだけ。 彼女の優しさに甘えて、自分の弱さに甘えて。紙コップを受け取って、その白い液体を、口に含んだ。 甘いミルクの香りが口いっぱいに広がって、常に乾いた口内に潤いが広がって。禁断症状から解き放たれたようにくらくらとした。 そのまま、白い液体を飲み下そうと、したけれど。
ー頭によぎったのは、 憎まれ口を叩きながらも助けてくれたけちんぼせんせい、一緒に頑張ろうと声をかけてくれたいんちょうせんせい、 …いつも自分を、笑顔にしてくれる。
ネル。]
(12) 2014/07/03(Thu) 19時頃
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(ーだめだ!)
っぉ、ゔえぇッゔ…!
[そう思うや否や、飲み下しかけた液体が、一気に身体を逆流していった。咄嗟にローズマリーに背を向けて、手のひらで口元を抑えるが、ばしゃばしゃとミルクが溢れ出る。 そのまま、先ほど口をつけていたオムライスだった吐瀉物も、一気に、白い液体に混じって溢れ出てきてしまった。 すぐそこにある死に抗うように不健康な身体を激しく揺らし、吐いた]
(13) 2014/07/03(Thu) 19時頃
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[落ち着く気配のない呼吸を無理やり押さえつけて収めようとしながら、寄せた耳が疑問の声>>10を拾う。 そこに滲む感情は、余り聞いたことのない類のもので。何を考えているかなんて、察してやることはできない。 そしてそれは、きっと弟も同じなのだろうと。子供の割に妙に冷えた体温を感じながら思った。]
は…、……殺そうと、 …してたんじゃないのか。
[それともただ、いつものように痛めつけたいだけだったか、と。 煩い呼吸の間を縫って口にした言葉は、霞んだ思考の中に、はっきりと落ちていく。
――そうだとしたら、おまえにしては上出来だ。 こんなに心を掻き乱されるのは久しくて、酸素を巡らせようと早鐘を打つ心臓の上を、ぎゅっと抑えて握り込む。]
満足、…したなら。それでいい。 ……もう、それでいいだろ、
[これ以上会話を続けていたら、今度こそ戻れなくなってしまうと。亀裂の入りかけていた自尊心が、もう傷付けられないようにと。 思考はそればかりでいっぱいになって、震える手に力を入れて、身を引く為に目の前の身体を押す。 けれどその腕が伸び切るより前、背に回った弟の腕に、伏せていた瞳を開いた。]
(14) 2014/07/03(Thu) 20時頃
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[白衣を握りこまれるのをシャツ越しに感じて、離れかけた身体を留める。 思わず見下ろしたその顔の、無機質な蛍光灯を反射させる瞳が濡れていることに、そこで初めて気付いた。
こうして、ただ純粋に弟に縋られるのは、一体いつぶりだっただろうか。 重なって見えるのは、誰にも手を伸ばすことなく、独りで立つ幼い弟の姿で。 それを知りながら見て見ぬふりをしていたいつかの自分が、滲む思考を支配するように浮かび上がる。]
(…子供をあやすのは、苦手なんだ)
[伸ばされかけた腕を振り払って、そうしてから掴み上げて、無理やりに引き上げたのは、他でもない自分だったけれど。 背に回る腕を同じように拒絶することは、今の自分にはできなかった。]
………どうして、ほしいんだよ、おまえは。
[懇願するような色を含んで、震える声を絞り出す。 目に映るのが、今の弟なのか、いつかの幼い子供なのか、それすらも区別がつかないまま。 一歩踏み出すと、成長の遅いその手を取って、再び自らの首へ導いた。
――おまえの望むことなら、なんだって叶えてやりたい、と。 湿った呼気とともに至近距離で落とした先の復唱が、弟に届くかは理解らないけれど。]
(15) 2014/07/03(Thu) 20時半頃
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[部屋を出る前に投げ掛けられた、再会を示唆する言葉>>4:47を思い出して、薄く笑む。誰がここを出ようと関係ないと思っていたけれど、また会いたいという気持ちは、確かに心の中に生まれてしまった。 果たして自分の命はあとどれくらいなのだろう。ーーもしかしたら、自分の所にも転院の知らせが、届いてるのかもしれない。 そんなことも頭に過ったけれど、なかった時の絶望に、耐えれる気はしなかったから。無闇に希望を持つのは、良くないんだ。
不意に窓の向こうを眺めれば、綺麗に咲き誇っている筈の紫陽花が、毒々しく、只管に忌々しい自らの奇花に重なってしまって。]
(ほんと、気持ち悪い。)
[すぐに視線を逸らして、陰鬱とした気持ちを振り払うように首を振る。このまま部屋に閉じこもれば、また妙な思考に取り憑かれてしまうだろう。 食堂ならば、誰かしらいるだろうか。考えていればお腹も減ってきたような気がして、そのままの足で食堂へ向かった。]
(16) 2014/07/03(Thu) 20時半頃
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[食堂への扉を開けば。真っ先に耳に届いたそれは、苦しげに嘔吐く、デメテルの声>>13で。]
ーーーっ!デメテル!!!
[考えるよりも先に、身体は動いて。小さな身体を激しく揺らし、咳き込むデメテルのもとへ辿り着けば、丸まった背中をさするように手を動す。 どうしてこんな状況になったのかとか、ローズマリーの具合の様子とか、そんなことも考える暇もなく、頭はデメテルを早く楽にさせることでいっぱいで。 ーーこの少女に何かあったら、自分はどうかしてしまう。]
吐きたいだけ吐いて、ゆっくり、落ち着いてデメテル
[一番混乱しているのは自分かもしれないけれど、言葉上は取り繕って、声を掛けた。 嘔吐の処置法なんてほとんど分からないし、不安気な表情は隠しきれないとは思うけれど。]
(17) 2014/07/03(Thu) 20時半頃
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っっ、、ね、ネっゔ… ごめ、ごめんなざ、あ"っげっえぇ"…ッ
[内容物が逆流する苦しさに生理的な涙がぼろぼろととめどなく溢れる。 胃液と混じった吐瀉物はえぐみを感じ、それが彼女の吐き気をより増幅させて。 先ほどまで頭の中に浮かんでいたネルがいつの間にか近くにいて、名前を呼んでくれて、背中をさすられて>>17。 生きている事やネルがまだいる安心や、死へと抗うことの不安や、 床を汚してしまって、食事前のローズマリー>>11に酷い場面を見せてしまって、罪悪感でいっぱいで。
息も絶え絶えに謝るけど、それもまた逆流したモノに身体の中から口を塞がれて。]
げ、ごほっ、あ"っ、げっほ…っ、あ、ああぁっ…
[苦しさに咳き込みながら、必死に彼女は戻して、謝って、咽び泣いた。]
(18) 2014/07/03(Thu) 22時頃
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――…そーだよ。
[殺そうとしてた。でも出来なかった。 自分から手を伸ばしたくせに、それを成し遂げられなかった兄を、一度は馬鹿にすらしたのに。結局自分も同じなのか。
力無い肯定を落として、何処を見てるのかも分からない視界の中で、離れようとする相手の姿>>14を捉える。 押される身体は抵抗もなく後方に傾いだけれど、兄の背に伸ばした腕の動きは止めなかった。]
[振り払われる事も無く、握り込んだ手の中で白衣特有のあまり柔らかさを感じさせない布が、くしゃりと形を歪める。 自分は何度だって伸ばされた腕を払いのけてきたのに、そうされなかった事に何処かでほっとした。]
…置いてかないでよ、
[考える前に漏らした言葉に、感情がついてこないから、やけに単調な声になった。殺してくれと、先刻縋った時のそれと、少し似てはいるかもしれないけど。 どうしてほしいのかなんて問い掛け>>15に応えたようで、そうでないような。
取られた手は、離したばかりの首筋にまた触れて。 既に赤藍い痕を作りつつあるその箇所を視界に留めて。 血の流れの感覚を掌に受けながら、再び指先に力を篭めようとはしないでいる。]
(19) 2014/07/03(Thu) 22時半頃
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[突如嘔吐を始めた>>13少女に驚くとがたり と勢い良く立ち上がる。 倒れる椅子、大声で泣きじゃくる少女、嘔吐、そしていきなり現れた>>17彼の姿。先程まで長閑に食事をしていた風景とは打って変わり、まるで阿鼻叫喚である。]
…ごめんなさい!
[少女に駆け寄る彼の形相を見ては、居た堪れない気分になる。自分が何かしてしまったのではないかという恐怖が体を支配して、気付いた時には彼女は逃げる様に駆け出していた]
(20) 2014/07/04(Fri) 00時頃
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[耳に届いた弱々しい肯定>>19は、現状にはそぐわない。けれどそこへ至る過程は、自分も辿ったばかりだから、納得することはできた。 弟が自分と同じ思考を辿ったとは、にわかには考え難かったけれど。
やけに平坦な声音で落とされた言葉はすぐには理解できずに、幾度か目を瞬かせる。]
……あ、
[その拍子に淵から一滴、雫が零れて、慌てて手を上げて拭った。 生理的なものが殆どではあったけれど、僅かに混じる別の要因と、何より弟の前で涙を零すなんて情けない事実が、あまりにも居た堪れずに。 どうかその瞳が他を捉えていればいいと、苦い気持ちで願いながら、先の言葉を咀嚼する。]
僕が、…おまえを? 置いていくって?
[思わず返した言葉は、あまりに白々しい。 躊躇われた腕を知りながら背を向けた、そんな酷い兄だった自覚はある。 自ら導いて首筋に当てられた手に、反射的に身を引きかけるけれど、ただ確かめるだけのようなその動作には眉を寄せて。]
(21) 2014/07/04(Fri) 00時頃
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置いていくのは、…おまえのくせに。
[目を伏せて視線を外しながら、小さく呟いた。 ずっと心の支えにしていた目の前の"可哀想な"弟は、それゆえに自分の手には負えずに、先に行ってしまうのだと。 目を逸らし続けてきたその事実を、意図せず責めるように。
子供じみた弟が素直にさえなれば、もっと円滑にいくとばかり思い込んでいたこの関係は、いざそうなってみれば上手くいかない。 ――子供なのはどちらだ、と。 悟られたくも、自覚したくもないのに。]
……、…どうすれば、いいんだよ。
[遠いいつかに拒否した手を受け入れるように、縋り付いてくる子供に、縋るように。歪む唇を震わせながら、弟の行動を模倣するように手を伸ばす。
――愛し方なんて、受け入れ方なんて、ろくに知るはずがない。 ずっと目を背けて、切り捨ててきたのだから。
そうしてその細い背を掻き抱くことを弟が許してくれるかさえ、とうてい想像なんてできなかったのだけれど。]
(22) 2014/07/04(Fri) 00時頃
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えっ……、待って、ローズマリー!
[走り去る後ろ姿>>20に向かって叫ぶけれど、彼女には聞こえただろうか。悲痛な謝罪の声に彼女の存在を正しく認識したのだけれど、正直頭はパニック状態なのだ。 そうしてる間にも、デメテルは苦しそうに嘔吐いていて>>18、格好悪いほどにあたふたしてしまう。]
デメテル、謝らないでいいから、落ち着いて、
[背中をさすり続け、涙が滲む瞳を殊更優しく拭う。 嘔吐きが弱まったことを確認すれば、咳き込む小さな身体を辛くならないようにゆるく抱き締め、頭に手を回してあやすように撫でる。自分が汚れることなど、全く気にはならない。彼女の苦しみが、自分に移ればいいのに、なんて本気で考えたりしながら。]
…大丈夫、僕はここにいるから、大丈夫だから
[まだ吐き切れていないようならば、嘔吐を促すようにまた背中をさするけれど、彼女の様子はどうだろうか。]
(23) 2014/07/04(Fri) 01時頃
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ーゔっ、うぅっ…
[彼に優しく抱き締められれば>>23彼の洋服が汚れてしまう!と反射的に肘で彼を押し退けようとするが、それは体格の差で叶わず。 戻した反動でえづきは収まらないけれど、もう戻す物は無いようで。 上手く取り込め無かった酸素を、咳き込みながら吸う。 汚れてしまった口内と、手のひらが気持ち悪くて、汚してしまった彼の服や、床が申し訳なくて。]
ろーずまりぃが、っう、ちがうんだ、でめてるのせい、でっ
[下を向いたまま、どうやったら上手く事の顛末を伝えられるのかわからないけれど、とにかくショックを受けさせてしまった彼女>>20は悪くない。それだけはネルに分かって欲しかった。 まだ込み上げるえづきを抑えながらせきこんで、必死に訴える。 吐瀉物の色を彼が直視してしまったら、デメテルが禁忌を冒そうとしたことも暴露てしまうだろうか]
(24) 2014/07/04(Fri) 01時半頃
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[呼び止められる声>>23に彼女はきつく目を閉じ駆け出す。得体の知れない恐怖、罪悪感、自責の念、よく解らないネガティブなものが頭の中を支配していた。
無我夢中で走ると、ぐらり と歪む視界。 彼女は壁を背にしてへたり込む。先日突発した眩暈は未だに止むことはない―どころかその勢いを強め、最近では眩暈どころか意識の維持が精一杯という所まで進行していた]
…潮時ね。
[彼女は荷物入れを漁り、先の一件の時に処方された薬を口の中に放り込む。もはやその効果は薄れ通常の用法の3倍量を服用する様になっていた。
死期が近い。そう感じていた。]
…あら?あの張り紙…
[夢中で駆けていた為、何処へ向かったという訳でもない。目の前には掲示板があった。 今日も転院者を知らせる張り紙が出されたのか。そう思いその紙に視点の定まらない視線をやると、彼女はその目を見開いた。]
(25) 2014/07/04(Fri) 01時半頃
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レティーシャ…? クシャミ…?
[覚えのある名前に朦朧とした意識をかろうじて繋ぎ、掲示板に寄っては間近で確認する。 確かにその名前は「自分と似た者」達二人のもので、何も告げずに去ってしまったその水臭さと、仲間はずれにされたような疎外感を仕返すかのように感じて。彼女は覚束ない手で荷物入れを漁りペンを取り出し、その二人の名前の中心に線を書いてその頭上を三角で覆った]
これで、よし… 相合傘…ずっと仲良くして居なさい。二人で…
[治療の見通しが立った彼らはいい。だが自分はどうだろうか。限界を感じ、こんな所にへたり込んでいる。彼らとまた「仲間に戻れる」未来はあるのか。不安にかられながら薬が体内に巡るのをただ待つだけだった]
(26) 2014/07/04(Fri) 01時半頃
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[殆ど意識もせずに漏らした言葉を、その意味を、じわじわと頭が理解し始める。
ずっと奥底に押し込めて目をそらして見ない振りをしていた物を、 まさか自分の言葉で認識させられるとは思ってもいなかった。 感じたのは口にしてしまった後悔とかそんなのよりは、 脱力感に似た何かで、なんだか無性に気が抜けた。
首筋に当てていた手を、止められなければゆるゆると退いてく。 自然と横に逸れた視線は、伏し気味の位置で一度留まる。]
――…なんで泣いてんの?
[横目の端に僅かに映った儘だった兄の顔を、何かが零れ落ちていく>>21のが見えて。虚ろがちだった瞳に、怪訝めいた色が乗った。
涙を流させるような事を、言っただろうか。 思い当たるのは先の言葉くらいだけど、それが涙に繋がるとは到底思えない。 兄が泣く所なんて、久しいどころか記憶に残っているかすら怪しいのに。
すぐに拭われてしまったそれに向けていた視線を下げると、 半端に崩れていた体制を、背にしたシンクに凭れなおして正して。]
(27) 2014/07/04(Fri) 02時頃
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気のせいでしょ、
[僅かに瞼を伏せて、吐息を零すように、何処か自嘲めいて薄く笑う。 之だけぐだぐだと同じ所に留まって動けないでいるのに。
何が不満で、何が不安なんだよ。 置いて何処かへ行けるくらいなら、もうとっくにそうしてる筈だ。
どうしたらいいかなんて。何より分からないから答えられるわけもない。]
…は?
[不意に引き寄せられた身に、えらく間の抜けた声が出た。 常なら抱いていた筈の嫌悪感よりも困惑が優って、 抵抗も忘れたように弛緩じみて突っ立ってる。 思い出した所で、そもそも抵抗する気が、何でか湧かないんだけど。
その全部に戸惑ったように視線を彷徨わせて、 のろりと腕を持ち上げると、相手の腕の辺りを軽く掴んだ。]
(28) 2014/07/04(Fri) 02時頃
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[押し退けようと小さな抵抗を示す細い腕>>24には気付いたけれど、離すつもりは毛頭無く。か弱い力が、少女の衰弱を物語っているようで、不安は煽られる。 嘔吐は取り敢えず収まったようだ、とひとまずほっとしたけれど。]
……うん、そっか、ローズマリーのせいじゃないんだね ………デメテルも、悪くない。頑張ったね
[必死に何かを伝えようとするデメテルを落ち着かせるように、頭を撫でる手は止めずに。
やっと自分も落ち着きを取り戻すことは出来たみたいだ。視線だけ動かして辺りを確認すれば、机の上に転がっている紙コップ。中からは元々入っていたであろう飲み物が零れてしまっている。そのままデメテルの視線を追って床を確認する。吐瀉物の中の白い液体を見れば、大体の流れは分かったように思う。
ちがう、ちがう、と必死にローズマリーを弁護する少女を見たら、水分を含もうとしたのは、デメテル自身なのだろう。 それでも、彼女は、自らそれを吐き出した。その事実が、とても嬉しいことに感じて。]
頑張ってくれて、ありがとう、デメテル
[思わず抱き締める力を強めてしまったけれど、苦しくはなかっただろうか。]
(29) 2014/07/04(Fri) 02時半頃
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[目は逸らしたまま、ゆっくりと引いていく手>>27を横目で見送りながら。 怪訝そうにかけられた疑問に、かっと目元を染めた。]
な、…いてない。 ……おまえだって、
[今にも泣きそうな顔をしていたじゃないか、と。そう指摘するのは自分の恥まで認めるようで癪だけれど、反射的に言い返す。 不可抗力で熱を持つ顔を、無理やり袖口で押さえながら、けれど目を合わせることはせずに。 これはただの生理的なものだと、口の中で呟いた。 ――溜まりに溜まった感傷やら衝動やら、そんな全てを飲み込んで溢れた雫は、さっさと白衣へ染みて消えてしまえば良い。
伸ばした腕が拒絶されなかったことには、自ら仕掛けた上で驚愕したのだけれど。 こうしてただ素直に触れるのは、それこそ一体いつぶりなのだろうと、そんな事を思いながら。むずかる子供のように、自分に似て柔らかい髪に、ゆるりと顔を寄せる。]
(30) 2014/07/04(Fri) 03時半頃
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[ぽつりと落とした自分の懸念に、気のせいだ、などと言われたところで。>>28 この子供が――あと数ヶ月も経たないうちに、自分を置いてってしまうと。 自分は誰よりも、知っているはずなのだから。
なかば恨むような心地のまま、腕を掴んできた手には、思わずと身体が震えた。拒絶される前にと、手早く先の答えを紡ぐ。]
……置いていける訳がないだろ。 おまえが居なきゃ、…駄目なんだ。僕は。
[言葉だけを取れば、とうてい弟に掛けるものではない。それでもどうせ理解しているだろうと、こじ開けられた本心を隠しもせずに、言葉に乗せた。 かといってどうすれば良いかなんて、濁された返答から汲み取れはしなかったのだけれど。]
………、
[弟が常のように拒絶したならば、そのまま退がって距離を置く。 もしもめぼしい抵抗がなかったとしたら、回した腕を強く引いて、その肩口に再び顔を埋めるだろう。
どうしても今は、顔を合わせたくはなかった。 すっかり常の調子に戻ってしまった弟が、僅かに憎らしくて仕方がない。自分はまだ、ようやく呼吸が落ちついたばかりだというのに。]
(31) 2014/07/04(Fri) 03時半頃
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[大量に投入した薬が体に廻る。ぐにゃりと歪んだ世界は治まったけれど。今度は体が重い。薬効が脳を刺激する。彼女は壁に肩を押し付け、立ち上がり移動する]
…いい事、思いついたわ…
[朦朧とした意識の中、彼女は思う。太陽を浴び、自然に身を預ければどれだけ楽か。緑に塗れて 花に塗れて この意識を預けられたらどれだけ幸せか。]
…中庭、まだ行った事無かったわね…
(32) 2014/07/04(Fri) 04時半頃
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―中庭
…あら? [目の前の、藍色の花弁を見ては こんな花あったかと思いつつもその色彩に目を細める。学術名「アサガオ」そう呼ばれていたか その花は確かに力強く咲いていた
その先を進むと、紫陽花が広がっていた。 懐かしい色彩ひとつ その目で確かめると挨拶もせず去った少女を思い出し、彼女はなれない鼻を鳴らすのであった]
…あら?
さんかく… 紙飛行機…?
[紫陽花の花の上に墜落した、文字のある飛行機を解く。 その折り目は正確で、読むのに容易だった。]
…レティーシャ? [転院の知らせ、治療の吉報。それは先程掲示板で知ったとおりの事実だった。
(33) 2014/07/04(Fri) 06時頃
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…、僕は、泣いてない。
[自分がどんな顔をしてたかなんてよく分かんないし。泣いてないんだから一緒にされても困る。 実際にも泣いたんだけど。少し前に。 そんなの忘れたと言わんばかりに、憮然とした表情を浮かべて否定を向ける。
袖口で覆われた顔の下はどうせいつもみたく真っ赤になってるんだろう。 第一そんなんじゃ、隠しきれてない。]
(34) 2014/07/04(Fri) 13時頃
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―…っ、 …かわいそーな奴。
[一瞬、息が詰まった。恋人か何かにでも言うような台詞>>31の中の真意が何処にあるかは多分、分かってる。さっき自分で指摘したばかりだから。 可哀想な僕がいないと、自分の価値が揺らぐのが、怖いんだろ。 何かの錯覚ではないかとすら思うけど、そんな事告げる必要はない。 相手がそう思っている限りは、大丈夫だ。むしろそうでなきゃ駄目だ。 自分だって、そんな可哀想な兄に必要とされることでしか、自らの立ち位置を把握できないんだから。
俺も可哀想だけど、アンタも十分可哀想だ。 捻じ曲がった同情を押し付けて、 そうやって安定を保つ。大丈夫、今迄通りだ。
強く引き寄せられる慣れない感覚に幾らか身が強張ったけど。 呼応するように腕を掴んだ手にぎゅと力を篭めたけど。
乾いていた瞳がじわりと湿っていくのを感じたけど、今なら多分バレない。]
(35) 2014/07/04(Fri) 13時頃
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ごめん、
[吐き出した謝罪は、文字通り何れは置いていく結果になるだろう事にか。 矢張りどうあがいても歪んだ感情の捌け口にしかならない事へか。 今迄散々繰り返しえ来た我儘に対してか。
よく分かんないけど謝った。]
(36) 2014/07/04(Fri) 13時頃
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[院外にあるポストを確認していたら、珍しくも手紙が届いている事に気付いた。 そっとそれを裏返してみれば、『レティーシャ』と。先に転院した女性の名前が書かれていて。 その事実に気付けば、ふ、と。笑みを浮かべる。どうやら元気でやっているらしい。
誰に向けられて書かれたのか分からないそれを開けて良いものかと逡巡して、開けなければ宛先も分からないのだからと自分を納得させる。 出来るだけ丁寧に開いてみれば、出てきたのは三枚のメモ書きで。
《1枚目》はマリーに。転院したこと、お酒に付き合ってくれたお礼、それからマリーの体調を案ずる内容を纏めて。右下には紫陽花のイラストを添えて、大事に育ててあげてねとコメントを書き足した。
《2枚目》はネルに。気遣ってくれたお礼とまたお話しようね、お互いの病気が治ったら絵本を読ませてね、なんて内容を転院したことを伏せて。
二枚のメモには、それぞれその様な事が書かれていた。 ああ、これは後で二人の部屋に届けておかなければ。そんな事を考えつつ、何気なく三枚目のメモに目をやる]
(37) 2014/07/04(Fri) 14時頃
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……、
[――奇病を煩った患者に感謝されたのは、初めてではないか。 紙一杯に書かれた感謝の気持ちに目を細めて、ふ、と。笑みを洩らす。少しだけ涙腺が刺激されたけれど、まあ、誰にも見られることは無かっただろう]
[二枚のメモをそれぞれ別の封筒に入れ直して、ローズマリーとネルの部屋にそっと差し入れる。 彼女の注文通りにしっかりと送り届けたのを確認してから、再び笑みを作ると来た道を戻って行った]
(38) 2014/07/04(Fri) 14時頃
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[可哀想だ、と>>35。 自分が先に掛けた言葉を返されて、ぐっと息を詰めた。引き寄せる腕に自然と力が入って、それが一体何の抱擁なのかも理解らなくなる。]
……………、理解っ、てる。
[――自分よりも下の相手につけ込んで、それで自尊心を満たして、そんな自分が惨めだってことくらい。 弟の前でだけは絶対に言ってやるまいと思っていたけれど。 言わないままのその本心を見抜くのも、結局は弟だけなのだ、と。 そう理解してしまえば、もう虚勢を張ることすら億劫で仕方がなかった。
自分を拒むことはせず、ただ掴む力を強めた手に、悟られないよう深く息を吐いて。 弟に向ける感情の、その全てが利己的なものではないとは、きっと伝わっていないだろうけれど。]
……、何、?
[そこで小さく聞こえた謝罪の声>>36に、ふと目を上げる。曖昧な響きのその言葉に、まだ少し熱っぽい瞼を瞬かせた。
弟からの謝罪なんて、ずいぶんと長い間、聞いた覚えがない。 何があろうと、たとえ弟自身に非があってそれを本人が自覚していようと、頑なに口にはされずにいたその言葉に。 謝られているのだと理解するまで、僅かに時間が必要だった。]
(39) 2014/07/04(Fri) 14時半頃
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何、を、…謝るんだよ。
[そうして、その貴重な謝罪の言葉は、いったい何に向けられたものなのか。 まるでやんわりと拒絶されたような気がして、顔の熱が引くのも待たずに、思わずゆるりと身を引く。弟の腕を振り払うまでには至らなかったけれど。 反射的に恨みがましい言葉を吐こうとして、それより前に、潤んだ双眸に目が向いた。]
……やっぱり、泣いてるんじゃないか。 なんで泣くんだよ、…おまえこそ。
[理解できないことがあまりに多すぎて、得体の知れない感情に荒れた気持ちは、中途半端に彷徨う。 謝罪の言葉とともに泣きそうな顔をされれば、あどけなさを残した顔は、常よりも更に子供じみて映った。]
[――また泣いているのか、と。 自然と浮かんだ思いは、ずいぶんと昔に置いてきた記憶だけれど、――今までろくに感じずにいた罪悪感を覚えて、表情を曇らせる。
散々暴れまわったおかげで乱れた低い頭に、わざとぞんざいに手を置いて。 幼少期の反復めいて、泣き止まない子供をあやすように目元に近付けた唇が、許されるのか。その衝動の理由が何なのか。 冷静ぶって、その実かき乱されたままの思考で判断するには、まだ至れない。]
(40) 2014/07/04(Fri) 14時半頃
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[転院の報せ それは本来なら喜ばしい報せであるのに、何故その紙がこんな形で放ってあるのかと考えれば、それを理解出来る事は無くて。 個室の連なる窓を眺めると、成る程窓から放られたのだ。と、折り目の付いた紙を見て納得する。]
…レティーシャ。 貴方は今、どんな気分かしら?
[この手紙を受け取った時、あの少女は何を思ったのだろう。そして今何を感じているだろう。 ふと上を見上げると、青い空は何処までも繋がっている気がして。]
(41) 2014/07/04(Fri) 14時半頃
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[フラフラとその歩みを進め、彼女は休息を求め自室へと戻る。 そのドアを力なく開けると、足元に見慣れない>>38封筒。]
…何かしら
[重い体を引きずり、封筒を拾うとベッドに身を投げる。 横になり封を切ると、思い掛けない差し出し主に彼女はその目を細める。]
(42) 2014/07/04(Fri) 15時頃
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…ふふ。
[何も言わずに去ってしまった事の報せを文で受けては、その「らしさ」に微笑む。 端に描かれた可愛らしい絵を眺めては、部屋に活けられた紫陽花を見る。]
…大切に、するわよ。 少なくとも…私が大丈夫な内は…
[その文を抱きしめる様に胸に握りしめては、傍の薬箱を開ける。 無茶な服薬が祟り、もうその中身は空だった]
…ごめんなさい、ね…
[彼女はその握られた文を目頭に当てる。 こうすれば、あの指を包んだ優しい温もりが感じられる様に思えて]
(43) 2014/07/04(Fri) 15時頃
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[わかってるならいい。 上っ面を取り繕われた誤魔化しなんかよりはずっとマシだ。
兄にはその惨めに歪んだ執着めいた何かを、持っていて貰わなくては困る。 例えそれが堪らなく気持ち悪く、嫌悪感を齎されるものであっても。 結局は自分にとっても必要な事なのだから。 こんな事、気づきたくもなかったのは、きっとお互い様だろうし。
兄に抱き締められる>>39のなんて不快である事に変わりないし、 それなのに拒まない自分はもっと不愉快で、 全部気持ち悪くて仕方がないのに、仕舞い込んでた感情を理解してしまった以上、腕を掴む力を緩める事が出来ないでいる。]
―――…、
[どうして、謝ったりしたんだろう。 随分と言い慣れない言葉の響き、特に目の前の相手に告げた事なんて、 それこそいつの事だったか覚えていないくらい記憶に遠い其れ。 口にしただけで何処かむず痒さすら覚えて口を閉ざしていたけど。
戸惑いがちの声とともに引かれた身に、はっとしたように咄嗟に双眸を開いて、腕が伸びきって離される前に、引き留めるように強く白衣を握り込んだ。口の中が乾く。]
(44) 2014/07/04(Fri) 16時半頃
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……、泣いてない、
[まだ涙は零れてない。もう、しょっちゅう泣いてたガキじゃない。 未だに僅かに残る意地が否定の言葉を反射的に紡ぐ。
多少雑な動きに揺らされるように頭が少し下を向く。 霞みだす視界をせめて戻そうと、持ち上げかけた右腕が、近付けられる顔に気付いてぴたりと止まった。 目元に寄せられた唇に双眸を細めて、触れた柔らかい感触に眉間に皺を寄せる。 未だに兄の中では幼い頃の弟の儘なんだろうか。自分はもう、ほとんど覚えてなんかいないのに。]
…、なんなんだよ、もう、
[顔を俯かせて、半端な位置で留めていた右腕で袖で雑に目元を擦る。 すれた布地が微かに痛いせいか、まあそんなんじゃないんだろうけど、 余計に後から押し出されるように涙が溢れるから、そのまま袖を当てて、水分を全部吸い込むまで待つ。]
(45) 2014/07/04(Fri) 16時半頃
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[身を引こうとした時に握る強さを増した手>>44に、にわかに目を開いた。 胸の内の汚いわだかまりを散々ぶちまけた後でも、拒絶されるどころか縋られていることが、未だに信じられずに。
――これじゃあ、形振り構わず逃げ出すこともできない。 自分でも絶対に許せないけれど――それでも今手を離されたら、そのまま身を引いて踵を返してしまいそうだった。 引き止める意思を持って回された腕に、救われたのか、責められているのか。
目元に触れた唇がじわりと濡れる感覚と、僅かに動く表情と。 反射めいて返された反論>>45の説得力なんて無いに等しくて、いっそもう、その言葉に触れてやることはしない。]
……僕だって、知るか。
[俯いて見えない唇から落ちた湿っぽい声に、咄嗟に言葉を返した。 先から繰り返した言葉の応酬は、ままならない今の状況には、無意味としか思えなかった。]
(46) 2014/07/04(Fri) 22時頃
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[顔の間に割り込んできた弟の腕に僅かに身を引きながら、自分の行為を拒むように当てられた袖を見る。 繋ぎ止めるような動きを見せるくせに、いざ近付けば押し返される。そのことが腹立たしくて、それよりも何よりも、今はただ、不安を煽った。]
…どっち、なんだよ。
[――ごめん、と。 何へのものかも理解らない先の謝罪は、結局は自分を拒むものだったのかと。 ここまで暴かれて、恥を晒して。腹の内だって、とっくに知られていて。 それでも身体に染み付いた未練は、執着は、未だしぶとく燻り続ける。]
……それなら、いっそ突き放せばいい。
[もしもそうされたのなら、酷く傷付けられた自尊心のままに、金輪際弟に近付くことなんてできなかったかもしれないのに。 弟はどうなのか、何より自分が、望んでいるのか、いないのか。 それさえ理解しないまま、目元を覆う腕を掴んで、緩く引いた。――無理やり引き剥がすほどの力は、とうてい込められなかったけれど。]
(47) 2014/07/04(Fri) 22時頃
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嫌なら嫌で、……良いのなら、良いで、 ……おまえが、そんなだから。
[――こうして離れられないままなのだ、と。 身勝手な理屈で、責めるように吐き出した言葉は、けれど震えて掠れた。 朱くなった目元を見ながら肩に手を当てて、引き寄せていた身体を、再び押しやって。]
――だから僕までもが、こんなところまで来たんだろ。
[泣きそうな声に反して、瞳はすっかり乾いていたけれど。 喉の奥からこみ上げる惨めな言葉を、無理やり堰き止めるように、一度噛み締めた唇を、弟の歪んだ口元へと寄せる。 先の口付けの延長と考えれば、児戯めいても取れるそれは、けれど今の自分達がするには、あまりに歪だろう。
受け入れられるとは、はなから思っていなかった。 例えば不意をついたのならば、その唇の端に噛み付くことくらいはできただろうけれど。
――それでももしかしたらその感触は、初めてのものではなかったかもしれない。 けして自分を受け入れることのない弟を、唯一の捌け口を、なんとか繋ぎ止めようと。 その為ならきっと、何だってできたから。]
(48) 2014/07/04(Fri) 22時頃
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[これまで幾ら押し退けても跳ね除けても、鬱陶しい程に離れようとしなかったくせに。 今になって離れるのかよ。置いてかないでなんてみっともなく告げてしまった自分の言葉が頭の中で、何度も執拗に反芻される。 掴んだこの手を開いてしまえば、あっさりと置いて行かれるのか。 いっそそうしてくれれば、楽になれるのか。
それを確かめる事も出来ずに、一層指先に力が入る。 握り込みすぎて血の気も失ってる掌の中で、白衣はきっと無残にぐしゃぐしゃになってるに違いない。 こんなんじゃ、迷子になった後の子供と変わんない。
目元に押し付けてるカーディガンがじわじわと水分を吸収して、大分濡れてしまった。体温程度じゃそれを温めてはくれない。冷たい。 その腕を引かれた所で、緩い動きに合わせてのろのろと従うだけで。 ガキんちょに遊ばれる人形にでもなった気分になる。 こんな力無い動作、振り払うなんてワケないのに。]
(49) 2014/07/05(Sat) 00時頃
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[兄が言う通り>>47、どっちなんだろう。 抵抗しきる気もないのに、拒絶めいた事もしたくなる。 複雑に絡み切った心情なんて到底理解できなくて、 相手からすれば余計にそう感じるのだろうけど。
それを責めるような言葉達が、連なって耳に届く。 ずきずきと心臓が痛むのに、表情を歪める気力すら何処かへ行った。]
……俺が悪いの?
[漸く声を絞り出したけど、結局思考を放棄して相手に答えを求めた。 そうならそうで、もういい。認めてしまいたい。もう疲れた。
一度離れた筈の唇がもう一度寄せられて>>48、今度は口許に触れる。 ――ああ、やっぱり気持ちが悪い。 相手を受け入れる気なんてない。自分が受け入れて欲しいが為だけに。 その行為を許諾するように、両腕を持ち上げて相手の後ろ髪を緩く掴んで身を寄せた。
包帯で固定された指は動かしづらいけど、そもそも動かそうとすると容赦ない痛みが襲ってくるけど、そんなことはどうでもいい。]
(50) 2014/07/05(Sat) 00時頃
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[掴んだ袖>>49からじわりと滲む冷たさに、思わず眉を寄せる。 カーディガンとシャツとに阻まれて、その最下層にあるはずの体温は伝わってはこない。おまえの中身は冷え切ってでもいるのかと、あり得ないはずの思考は否定しきれずに。 自ら引くような動きに合わせて、不快にすら思える冷たさの上から、その腕を握り込んだ。]
………あ、
[自分が悪いのか>>50、と。 諦めたようなか細い声に、思わず言葉を詰めた。必死で責任を押し付けようと動いていた口は、そのまま緩く結ばれる。 動かないことに却って違和感を覚える表情からは、変わらず何も読み取れないままで。]
……違う、
[咄嗟に落とした言葉は、口にしてから後悔した。思考なんて、まるで役に立ちやしない。
――全てただの責任逃れだと。ひたすらエゴを、自己満足を押し付けて、そうして縛り付けたのは、他ならぬ兄である自分だと。 自分ですら理解しているのだから、散々それを 拒絶してきた弟が、気付かぬ筈がないだろうに。
望むまま、願ったまま、"可哀想な子供"に仕立て上げられた弟は、それこそ自分の望んだ存在のはずだった、――けれど。]
(51) 2014/07/05(Sat) 01時頃
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…くそ、……っ、
[優越感も何も、あったものじゃなかった。 口にした言葉が戻ることもないし、撤回するつもりもない。そんなこと、未だに主張し続ける自尊心が、許す筈がない。]
――惨めなのは、 おまえを、こんなにしたのは。
……、僕、だろ。
[拒否されることなく接近を許した唇と唇の間で、呼気混じりに吐いた言葉は、そのまま冷えきった部屋の空気に溶け込む。]
(52) 2014/07/05(Sat) 01時頃
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[ゆっくりと寄せられる身体と、力なく引かれた髪を、意識の隅で捉えながら。 腕を離した手を寄せられた頭の後ろへ回して、抱え込むように唇を重ねる。
髪に触れられるのは好きではない。力任せに引きちぎられたことも、記憶のどこかにある。 ――だからこそ、慣れとも、諦めとも取れる往生際の良さは、やはり異常に思えて落ち着かない。 いっそこのまま有耶無耶にしてしまえたら良いと、そんな願いは浅はかだったと、そこで知る。]
…っ、
[知らぬうちに慣れた手順通りに、ゆるりと唇の淵を辿ってから、拒否が無ければ割って入ろうとするけれど。 いっそそのまま、常より強い力で舌を噛み切って気道を潰してくれたなら良いのに。 喉に残る鈍い痛みを今更思い出しながら、乾き切って痛みすら訴え始めた目を伏せた。]
(53) 2014/07/05(Sat) 01時頃
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……っ、
[彼にむぎゅう、と抱き締められれば、ああ彼の服が汚れてしまう、なんて思ったけれど。でも、彼の優しい一言に、心が嬉しさで跳ねた。>>29 持ち歩いていたハンカチで口元を抑えていた手を拭けば、そのまま自分も腕を彼の背中に回した。 ぎゅ、と彼の存在を確かめるように。彼の言葉をより深く受け止められるように。彼の胸に顔を埋めて、その暖かさを実感した …残りの命が短かったとしても。 病が、治らなかったとしても。自分は、幸せだ、と。そう思えたから]
……ネル、 そばに居てくれてありがとう、
[そして、ぽつりと。溢れ出た気持ちを、彼の瞳を見て、伝えた。彼女の大人びた笑顔や嬉しさは、伝わったのだろうか。]
(54) 2014/07/05(Sat) 01時半頃
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[引かれた腕がずきりと傷痕に響いて痛みを思い出させる。 なんだか今日は、あちこちが痛む。 常日頃からの眠気を強く意識する間がないのを、 喜ぶべきかどうかは定かではないけど。
散々に責められたかと思えば、違うと否定される。>>51 それなら何を悪いと思えばいいんだよ。 結論を出すことを押し付けた思考はとっくに考える事を止めてる。]
…じゃあ、全部、アンタが悪いの?
[そうだと言ってくれれば。それはそれで憎み続ける事が出来る。 原動力にすらなり得るその感情が無ければ他の物まで鈍っていくから。
殆ど距離の失せた兄の双眸を眼前に捉えて、 半分消え行くような声に問い掛けた。
指先に絡まった少し癖のある髪が、自分のものと似通った感触なのが気に入らないとは思いつつも。自分と同じように髪や顔に触れられることを好まない事を思い出しつつも。 それでも払いのける事をしないのを知ってる。 知っていて尚そうする事すらバレているだろう事も知ってる。]
(55) 2014/07/05(Sat) 02時半頃
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、…、
[好意からの甘ったるい行為でもない。間違ってるのも分かってる。 だからいつまで経っても生理的な嫌悪感は拭えない。 それでも拒絶をしない自分が滑稽で仕方がない。
だからって訳じゃないけど、薄く開いた唇の隙間から割り込む舌に歯を立てた。ましたや、噛み千切って欲しいなんて相手の考えを読み取れた訳でもないけど。 それによって引っ込められようが、そうでなかろうが。 口内にじわりと薄く広がる鉄の味に双眸を細めながら、一度唇を離して。再度ふさぎ直した。]
(56) 2014/07/05(Sat) 02時半頃
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ガーディは、セシルに話の続きを促した。
2014/07/05(Sat) 02時半頃
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そんな事まで、…僕に聞くのか。
[間近でかち合った視線>>55と、思考を放棄したかのような問い掛けに、疲れた声音で問い返す。 誰が悪いのかなんて、そんな判断まで預けておいて。そうして決めてやったとしたら、それに従って素直に自分を責めるとでもいうのか。 そんなの、余りに惨めで、――遣る瀬無い。
――憎まれたい訳じゃあないのに、と。 虫が良すぎるとは知りながら、そんな今更な思考を低く呟いて、それから僅かに首を横に降った。]
自分で決めろよ、……それくらい。
[それでも弟の中ではとっくに答えが出ているはずだと、突き放すような言葉を、滲んだ声で告げる。 選択権を投げ返すその行為に含まれた、先の傲慢な願いは、自分でも自覚することはなかったけれど。]
(57) 2014/07/05(Sat) 03時半頃
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…ッつ、!
[容易く侵入した舌にすぐに歯を立てられて>>56、その鋭い痛みに顔を顰めた。ぶつりと切れる音を、耳の内側から聞いて。 噛み切るには至らない緩い暴力に、それでも反射的に身を引き掛ける。
自衛なのか、悪意なのか。吐き出される言葉を含めて"口の悪い"弟に傷を付けられるのは、きっと初めてではなかった。 ――些細な傷を残して抉ってゆくのが、この子供は妙に上手い。]
……、いい加減にしろよ、
[それに素直に痛みを感じながら、けれど未だ反抗されることには、僅かに安堵も覚えながら。 元よりそれ以上傷付ける意思はなかったのか、自分と同じように一度退がった顔に向けて、咄嗟に叱責を吐く。 今度は相手から塞がれた口に、最後まで言い切る事はなかったけれど。]
(58) 2014/07/05(Sat) 03時半頃
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[僅かな動揺を越えて、凝りもせずに乾いた口腔を探ろうとするのは、もはや条件反射に近い。 再び拒否されるか否か、今では予想すらできなかったけれど。
――それでもせめて、受け入れられたとしたら、多少は報われるかもしれないのに、と。 道徳的とは言い難い行為を仕掛けながら、救いを求めるような心地で目を伏せた。
どのみち応えられたのならば、その後自分がどうするか、そんなことだけは理解りきっている。 せめて表面上だけでも優位に立とうと、追い詰めるように身を寄せて、後頭部に回した腕に力を込めて。
――思考だけは嫌に冷え切っていて、別にそれを望んでいる訳でもないのだけれど。 それでも他の手段なんて、なにひとつ浮かばなかった。]
(59) 2014/07/05(Sat) 03時半頃
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[答えを聞いて何が悪い。どんな答えを出したって、いつも違うと否定をしてくるのは他ならぬ目の前の相手だ。 そんな不毛な遣り取りに終止符を打てるなら。 いっそ一方的に決めつけてくれさえすれば。 例え理不尽な責任転嫁でも、構わないとすら思ったのに。]
――…、どっちでもいいよ。
[放棄された解答を受け止める程にはもう思考に余力がない。 薄まりつつある酸素の中で、曖昧で投げやりな答えに行き着く。 これまで散々続けてきた惰性だ、少し長引いた所で支障はない。
無防備な柔らかい舌に歯を突き立てる事なんて簡単で、 あっさりと切れた皮に、それはそれで気持ち悪いと感じる。 噛み癖なんて今に始まった事ではないけど。 口の中に残る後味は不快で、今すぐ吐き出したくはある。]
(60) 2014/07/05(Sat) 04時半頃
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[低く漏らされた非難めいた声>>58に、薄らと細めた双眸は悪びれた様子がないのは、目にすればすぐに分かるだろうけど。 受け入れてみれば困惑じみた顔をする、全てが"可哀想"で"出来の悪い弟"のせいだと言い包めて抑え付ける事もしない、かと思えば反抗も嫌がる。何を演じてやれば、満足するというのか。 塞いでしまった口のせいでそれを問う事も、聞く事も出来ないけど。]
…は、
[距離の開いた間に、小さく零した吐息はすぐに消える。 再度割り込んだ舌が口内を辿る動きとより広がる血の味だけがやけに鮮明で、他の事に頭が回らない。 押し遣るような距離の詰め方>>59に、再びシンクに背が当たる。 僅かにバランスを崩した片足が、かくりと身を傾がせて、 そこで不意に気付く頭の揺れ。
――ああ、やばい。
そう思ってからの波は畳みかけるようで、頭を殴られでもするような眠気に視界がぐらぐら、容赦なく揺れた。 相手の後ろ髪を掴んでいた両手はずるりと力無く下がって、 支えも無ければその場に崩れ落ちる。 めちゃくちゃに気分が悪い。脳味噌がひっくり返りそうだ。]
(61) 2014/07/05(Sat) 04時半頃
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……は、 おまえが、それで良いのなら。
[結局投げ出された結論>>60に、わざと呆れたように溜息を吐いてみせながら、――断言されない答えには、確かに安堵した。 おまえが悪い訳ではない、と。 そう弁護してやりたい衝動は、弟からの憎悪を忌避する思考に掻き消される。 全てを弟に押しやって、自分ひとりが悦に浸ることもできたのだと、そこでようやく思い至ったけれど。 気付いた後でも、その選択をする気にはならなかった。
反省の色を見せない瞳>>61を見ながら、首をゆるく傾けて口付けを深める。 結局定まることなく巡る思考は、意識を弟にすり替えることで、無理やり振り払おうとしながら。]
…っ、ガーディ、
[僅かに空けた唇との隙間に、名前を呼ぶ声を落として。自分よりも短い髪に、指を差し込んで緩く撫でて。 恋人の真似事のような、それよりも性質の悪いこの行為に、けれどありきたりな衝動は伴わない。 自己顕示欲だとか、承認欲求だとか。そんな自分だけの願望達が、弟との会話で揺らぎ掛けた自身の存在意義が、――僅かでも満たされる、はずだったのだけれど。]
(62) 2014/07/05(Sat) 06時頃
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……っな、
[手応えを感じられなかったのは、突然傾いだ弟の身体のせいか、それとも自分の精神状態のせいか。 どちらにせよ、頭を伝って落ちた腕に気付けば、咄嗟に手を伸ばして、崩れる身体を支えた。小柄な身体に腕を回して、蒼白な顔色を認める。]
………、悪い、…辛いか。
[今の弟が、とうてい健全とは言えない状態なのは承知の上での行為だったけれど。 それでも確かに感じる罪悪感に、今更とは知りつつ謝罪を落とす。 抱えるようにして引き上げながら、静まり返った室内に視線を巡らせた。
一角にだけ奇妙な空気を残したこの場所に、これ以上留まるのは気が引ける。 何より常の発作ならば、そのまま部屋に戻して休ませてやるのが一番だと。 どうせ話などろくに頭に入らないだろうと、そう自己完結させれば、当事者へと再び目を戻した。
歩けるのならば手を貸して、無理ならば背に負って。そうして移動する旨を、抑えた声で告げる。 肯定されれば、もしくはめぼしい否定が無ければ。そのまま弟を連れて部屋を離れるだろう。
にわかに医者として回り始めた思考の中で。 ――いつかは置いていかれる、と。そんな仄暗い不安が、再び顔を覗かせはしたけれど。]
(63) 2014/07/05(Sat) 06時頃
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セシルは、ガーディに話の続きを促した。
2014/07/05(Sat) 06時半頃
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[曖昧に濁した決断のせいで責任の所在は宙ぶらりん。 どちらかが悪いなんて言えない事は、お互いどうせ解りきってるのに、それすら口にしない。臆病なだけとは、気付きたくはないし、追及もしない。
何度か離れては近づく唇の合間で呼ばれた名前に、 応えでもするかのように、また噛み付いてやろうかとも思ったけど。
唐突にがくんと下がった視点が、今度は唐突に留まる。 転がったのではなく支えられた>>63のだとは後から気付いた。 無様にひっくり返るのがよかったのか、 情けなく抱えられるのがよかったのか。 判断もつかない程度には、意識が薄い。]
(64) 2014/07/05(Sat) 07時頃
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――…、だ、…い、じょぶ、 ――……じゃない、
[別に大したことではないと。切れ切れに口にしてはみたけど。 引き上げられた身体の重たさに気付いて、付け足すように否定した。 抱えられる腕に体重の殆どが乗っているに違いなくて、 シンクに片手をついて支えにでもしようと思ったけど、 そんな力すら入らなくてずる、と掌が滑って腕が落ちた。 足はまったく言う事を聞いてくれないし。
自分の身すら支えていられない歯痒さは感じたけれど、 視界がぐるぐる回って眩暈に頭がどうにかなりそうだ。
歩けるもんなら歩きたいけど。 脳味噌が伝達能力を失ってるのが四肢がぐんにゃりして自分の物じゃないみたいに弛緩してどうしようもない。 唇を動かすのも億劫で、背負われた所で否定も肯定もしない侭。
部屋には処方された薬がまだ多分あると思うから。 飲みたくないなんて言ってもいられなくて。 あのわけのわからない物たちが、またチラつき始めるのが怖い。]
(65) 2014/07/05(Sat) 07時頃
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ガーディは、セシルに話の続きを促した。
2014/07/05(Sat) 07時頃
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