241 線路上の雪燕
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狼
墓
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全
マリオは仕立て屋 シビルに投票した。
クラリッサは仕立て屋 シビルに投票した。
ペラジーは仕立て屋 シビルに投票した。
キャロライナは仕立て屋 シビルに投票した。
ルーカスは仕立て屋 シビルに投票した。
シビルは廃品回収 マリオに投票した。
櫻子は仕立て屋 シビルに投票した。
サイラスは仕立て屋 シビルに投票した。
トヨタは仕立て屋 シビルに投票した。
イアンは仕立て屋 シビルに投票した。
シビルを処刑するには畏れ多かったので、取りやめた。
時は来た。村人達は集まり、互いの姿を確認する。
犠牲者はいないようだ。殺戮の手は及ばなかったのだろうか?
現在の生存者は、マリオ、クラリッサ、ペラジー、キャロライナ、ルーカス、シビル、櫻子、サイラス、トヨタ、イアンの10名。
––––弾丸>>3:139は、その影の脚首を正確に貫いた。
影は絶叫する。
今迄どれほど声を堪えて来たか。
それが今声帯から漏れ、それどころか、
その下の車両に居た者の鼓膜を貫く程に響かせてしまったのは
1つの皮肉とも言えただろう。
ごろり、と悶えた様に転がる。
それでも匍匐は止めない––––止まっては、ならない。
屋根上に糸の様な血痕を引き摺りながら、影は最後の連結部を跳ねた。
(#0) 2015/12/02(Wed) 00時頃
最後尾車両、そこは緩急車だ。
普段は車掌助手が乗り込む様なそこは、深夜は無人だ。
それは、その上に震えながらしがみつく。
ガラクタを握りしめる左手はじっとりと湿り。
それは、人の子の形をしていた。
人の子の顔が月光の中、ゆっくりと
自分を貫いた者を確認すべく、後ろを向いた。
目は見開き、歯をガチガチと鳴らし。
眉間一杯に硬直を持つ。
「…ッシェル…レーショー…レオ……
……しにたく、ない……」
微かな子供の声も、スピードに置き去りにされ、
誰かの耳に届く事は無かっただろう。
(#1) 2015/12/02(Wed) 00時頃
上げた顔を線路に戻す。河よりも速く、それは流れていく。
三等車両で罵り合う声が聞こえる。
権威嫌いの労働者達と、切羽詰まる鉄道警察達なのは火を見るよりも明かだ。
それは、鼓膜を破らんばかりの、ブレーキの音に掻き消えた。
緊急停止ブレーキ。引いたのは子の姿のそれ自身だった。
車輪がバチバチと火花を上げ、線路が高い音を上げる。
不完全燃焼を起こした雪燕はびるるるる、と絶叫すると
今迄に噴いた事もない、真っ黒な煙を吐き出す。
静止し切る前にそれは勢い良く屋根を蹴り上がり、夜闇に躍る。
枯れ果てた麦畑。その中に転がり落ちた影はグンニャリと、
人間の骨格では有り得ぬ度合いに曲げていた首をもたげ、
(#2) 2015/12/02(Wed) 00時頃
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あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛ぁ ぁ––––––––––––。
(0) 2015/12/02(Wed) 00時頃
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赤子の声と獣の声の混じった、咆哮を上げる。
不意に吹いた風、外套が翻った瞬間そこに人の形は無い。
麦畑を一直線に駆け、逃げていく狼の姿が車窓から見えたかもしれない。
次に響いたのは鉄道警察の叫びだった。
追え、惑わされるな、
奴はかの村を喰らい尽くした化け物だ、野放しにするなと。
彼等も麦畑に飛び降り、獣の後を追跡する。
落ちつつある満月の下、線路上の雪燕はその様子を見守るだけだ。
(#3) 2015/12/02(Wed) 00時頃
|
[ペラジーがどうやら説明をしてくれるようで。>>3:131 何やら誤解があったようだが>>3:137、ルーカスは首を傾げ]
ん?女性に対してなら、もっと気の利いた台詞にするさ。
[ちらり櫻子の様子を伺っては、イアンに同意を求めたりする、先ほどちらり聞こえた言葉から何かあったかと推測はするが>>3:141先ほどまでの怯えも何も見えない態度を見せるのは、落ち着いた証拠で。 其れに一役買ったのが、ジャンだったりするのだが。
ペラジーとイアンの自己紹介を>>3:133>>3:143 笑みと共に見つめ。 ちょうどペラジーが提案を口にしたか>>3:142]
良いですね。 …あまり変なことをしていると鉄道警察が何か言ってくるかもしれませんし。
[内心とあることを考えながら、そう頷いて。 睨まれたら、困るのは、誰かをその場に居る彼らを見て。少女を安全な場所にと思った――ときだろうか。*]
(1) 2015/12/02(Wed) 00時頃
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〔――そうして、蜂蜜をまだかまだかと待っていた、頃。
遠くで絶叫が聞こえた。 はっと顔をあげた直後。 鼓膜をつんざくような雪燕の悲鳴が聞こえた。 羽ばたきを強引に止められた鳥の声のようだった。〕
(2) 2015/12/02(Wed) 00時半頃
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〔がくん、と揺れる。 ミルクを零さないように咄嗟にコップを手で支え〕
わ、わああ……?! 何、何?
〔そんな声を出しながら、 キャロライナや紳士は大丈夫かと視線を転じ
ふと車窓の外を見た。〕
(3) 2015/12/02(Wed) 00時半頃
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〔 傾ぐ望月の下、 枯れ草の狭間を。
ちいさな影が、駆けていった。>>#3*〕
(4) 2015/12/02(Wed) 00時半頃
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ジャン、です ………あ
[今朝は、と言われてたっぷり3秒はイアンの顔を見つめてしまった。 あ、と声にはしたものの、結局はその服装を見てからようやく思い出す。 鞄にしまった新聞。 食事を取ることすらしていない身には過ぎた贅沢。 イアンのシャツを眺め、それからもう一度顔を見上げた]
今朝は ……どうも
[返して、通り過ぎるには狭い通路に少し困った顔をして………]
(5) 2015/12/02(Wed) 00時半頃
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― 一等車両・点検口下の廊下 ―
[ 銃声>>3:139に聞こえた。 勘違いだろうか?
ペラジーは緊張し、その場にいた3人の男性へ視線を走らせる。 誰かの顔に同じ警戒が宿っていれば……。]*
(6) 2015/12/02(Wed) 00時半頃
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[ ペラジーの提案>>3:142にルーカスが賛成したので、ほっとして微笑む。
他にも賛同の声が返ってくれば、もしサクラコが渋っても、宥めつつ彼女をラウンジ車へ誘導するだろう。 同行する者は誰かいるだろうか?]**
(7) 2015/12/02(Wed) 00時半頃
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[>>#0 放った弾丸は「家出少年」——それも、鉄道警察が汽車を止めてまで介入してくるほどのご身分の——に当ったようだ。 ひきつれるような絶叫は、強風の音よりも高く響いて聞こえた。]
…………。
[>>#1 しかし、「家出少年」は動きを止めること無く、最後尾車両へ至ってしまう。 これではやがて、鉄道警察があの車両へと乗り込むことだろう。 悪手だったかと若い頃なら舌打ちでもしたものだが、もはやそこまで血気盛んになれぬシビルは、あとはどうなろうがそれが神の導きなのだろうと審判を待つことに決めた。 であればこんな寒い場所からはとっとと撤退するが花である。]
(8) 2015/12/02(Wed) 00時半頃
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[最後になんとはなしに暗視スコープを覗き込み——]
………………。
[——その「家出少年」は、ニズ駅でシビルの要求にパーフェクト・アンサーを提示した少年と、良く似ていた。]
(9) 2015/12/02(Wed) 00時半頃
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― 一等車両 シビルの個室 ―
[少年がシビルを認識したにしろしないにしろ、狙撃銃を背負って再び個室へと後進である。 マスクをとり、手袋をはずし、狙撃銃をただの黒い筒たちに分解してトランクケースの中へと隠し込む。
煙草を取り出し、火をつけて、窓枠にガラスをはめこもうと————]
…………………………………………!?
[>>#2 先ほどの影の絶叫よりもさらに甲高い、闇夜を真二つに切り裂かんばかりのブレーキ音が車両中に響きわたる。 シビルはいつも通りの鈍くささでバランスを崩し、床に尻餅をついた。]
…………!
(10) 2015/12/02(Wed) 00時半頃
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― ラウンジ ―
本当だもの。
[短く応じる。>>3:146 ここにはいない鉄道警察に募らせるのは呆れであった。怒りを通り越した先にあるもの。 そんな感情はひとまず脇に置くに限る。 笑いたい時は思いきり笑うに。
もっとも、ずっと笑っているのも失礼だと思って、 カップを包んでいた手をちょっとずらして、微かに白い水面が波紋をたてるのを眺める。 そうしていたら、ハチミツのことを思い出したのだった]
(11) 2015/12/02(Wed) 00時半頃
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[そうそう、と、シェリーの独り言に頷いて。>>3:147
担当の者に頼むのは、追加のハチミツ、二人分]
実はあたしも初めてなんだよなあ。
[そうですこの知識は受け売りです。 でも実のところ、キャロライナの心の琴線に触れていたのは、 見知らぬ地を目指す列車内で知りあった人と、 顔つき合わせてホットミルクを飲む、そのことの方だった]
(12) 2015/12/02(Wed) 00時半頃
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[響く悲鳴に似た何か、そして、突然のブレーキ。 身体にかかる重力に、サイラスは壁に手をついて、背中を丸めた。
――普通ではないことが起こっている。
サイラスは、後方車両へと向かう彼らの後ろを行き、けれどいつしか、追い越すこととなるだろう。 ラウンジ車で足を止めることはしない。 腹は空いているが、朝はもうすぐそこまで。 終着駅までは、今までの自分を見失わずに行きたかった**]
(13) 2015/12/02(Wed) 00時半頃
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[このまま、平穏な時が過ぎてくれればいい―――
そんな願いはあっさりと断たれる。
雪燕に乗ってからこれまで聞いたこともない甲高い音。>>#2 それがブレーキ音だと気付く余裕もなく、 列車の揺れに合わせて上半身がつんのめる。 慌ててカップをつかんだ]
シェリー、だいじょう――
[思わずシェリー>>3の視線の先を追って、はっと息を呑む。 枯れた麦畑に落ちかかる満月。 その、天と地の狭間を縫うように、駆けていく影があった。>>#3 速い。数時間前のキャロライナの全力疾走よりも、ずっと。
目を凝らしてももうその姿は見えなかった**]
(14) 2015/12/02(Wed) 00時半頃
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[床に尻餅をついた拍子に、くわえていた煙草をシーツへ押し付けてしまった。 痛む腰は放置して、慌ててばたばたとシーツを叩き、一旦の鎮火にいそしんだ。
>>0>>#3 そんな折に聞こえてきたのは、人の赤子の泣き声とも、群れに応答する獣の方向ともとれる叫び。 間もあけずに風の音ではない何かが畑の草木をゆらす音と、使命に燃えるような者どもの威勢の良い声があがる。]
(15) 2015/12/02(Wed) 00時半頃
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薬屋 サイラスは、メモを貼った。
2015/12/02(Wed) 00時半頃
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………………。
………………………………。
[分解した窓を直すべく、シビルは手を動かした。**]
(16) 2015/12/02(Wed) 00時半頃
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……?
[疾走する蒸気機関車のなか、後方から響くそれが、悲鳴だと気付いたのはどれだけいただろう。 疲労とアルコールのもやのなかに意識を浮かべていた男が、そのひとりでないことは確かだった。
もっとも、その次に訪れた事態に気付かぬものは、この雪燕の車内にはひとりもいなかったに違いない]
お、わっ……!!!
[がくんという衝撃とともに背もたれに背中が叩き付けられ、つまみのナッツの小皿が中身と共にすっ飛んできた。
何が起こったかは、酔った頭にも理解できた。 駅と駅の合間、ほとんどトップスピードであろう状態からの、有無を言わさぬ急制動。 下手をすればブレーキが焼き切れ、連結部が外れる恐れさえあり、機関にも影響なしとは言い切れないだろう。 無論、中の人間も――座っていたり、寝台で寝ていたりした人間はともかく、支えもない場所に立っていたらば。 立ち乗り客のひしめく三等客車あたりでは、下手をすれば、将棋倒しでひどいことになりかねない]
一体、何を考えてるんだ……!!
[鉄道の安全に関わる人間として、誰ともつかない相手を罵った]
(17) 2015/12/02(Wed) 01時頃
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[点検口の下、器具無しではどうにも開きそうにない入口>>3:102は、櫻子を一旦危険から遠ざけるにはかえって好都合だった。]
うーん、どうしようか。 ネジ回しなんか持ってないしなあ。 無理矢理開けれるものでもなさそうだし。
[そう言った声色は、少しわざとらしすぎただろうか。 そこにすかさずペラジーの提案がやってくる>>3:142。]
そうだね、流石に入れないようじゃあ意味がない。 ラウンジにでも行こうか。一旦状況を整理して、
[そこまで言って一旦、言葉を切った。遠くで微かに聞こえたのは、発砲音>>3:139。]
(18) 2015/12/02(Wed) 01時頃
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― 移動中のどこかで ―
[ 列車に急ブレーキがかかった>>#2のは、一等車両から次の車両へ移っている途中だったろうか。 それともラウンジに着いた直後?
いずれにせよ、鼓膜を破らんばかりの金属的なブレーキの音は、一切の人間の声をかき消し、
注意する暇もなく、 ペラジーも、 周囲にいた誰かも、
慣性の法則に従ってつんのめった。 たたらを踏むか、壁に手をつくかして姿勢を立て直せた者はまだましで、 ぶざまによろけ、ぶつかり、転びそうになった者もいただろうか。]*
(19) 2015/12/02(Wed) 01時頃
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……、 ……整理、しようか。
[ちらり、と同じく気づいたらしいペラジー>>6の方に目配せをして、言葉を繰り返す。 少なくとも、櫻子だけは安全な所へ置いた方がいい。 櫻子が渋るようならなんとか宥め、ラウンジへ向かおうと隣の車両へ移った時だっただろうか。
>>#2耳をつんざくような金属音と共に、車内が傾くような感覚に襲われたのは。]
(20) 2015/12/02(Wed) 01時頃
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記者 イアンは、メモを貼った。
2015/12/02(Wed) 01時頃
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なんだ、遠吠え……?
[形容しがたい咆哮が、夜気を通して、車窓を震わせる。 理由もなく、なんともいえぬ不気味な怖気を感じて。 それを振り払うように、どうにか零さずに済んだグラスの中身を飲み下してから、立ち上がる]
ああ――大丈夫だったか、君たち。
[呆然自失とざわめきが半々といった車内を何歩か進んで、二人の少女に声をかけ。
二人して車窓に向けている、その視線の先(>>4,>>14)を追ってみたが。 男が目にしたのは、ただ揺れる枯れ麦と満月、それに闇だけだった**]
(21) 2015/12/02(Wed) 01時頃
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[わずかに聞こえた音。 其れが、何を示すのか、嫌な予感しかしない。>>6>>18 ラウンジに向かおう>>7。と頷いたはずだったが]
これは…確かに整理は必要ですね。
[イアンの言葉に頷いて。>>20 彼女だけは安全な場所に居た方がよいだろう。 そう、思い。渋るようなら自分も声をかけ、多少強引にでも彼女を連れて行こうと移動した頃か。>>#2
酷い振動によって雪燕は静止しかけ いけないと伸ばした手は誰かを支える事が出来ただろうか。]
狼、の、声?
[響く音。いや、化けものだ。 あの時の、森での出会いを思い出す。 窓を見れば、麦畑を走る小さな狼の影。 >>#3それは衝動だった。抑え込むべき、衝動だ。 走った目の奥、灯ったのは、影を追いかけ。]
(22) 2015/12/02(Wed) 01時頃
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…これはやはり、ラウンジに行った方が良いですね。 少々危険なものが、潜んでいたのかもしれない。
[大丈夫ですかと紳士然とした笑みを浮かべては、彼らを半ば強引にでもラウンジへ向かわすだろう。 櫻子の様子を気にしながらも。頭の中を整えていく。]
ジャン、何処に行く気だい?
[そして、あんたに頼みたい事があるんだが。>>13と後ろを行く彼に一度近づき。そっと声をひくめ、周りに聞こえないよう、小悪党めいた顔をのぞかせて。少々、予定は変更せざる負えないだろう**]
(23) 2015/12/02(Wed) 01時頃
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[全ての音は、金属同士が擦れ合う不快な音に上書きされ、イアンは壁へと叩きつけられた。]
ッ痛!
[咄嗟のことに何の反応もできないまま、盛大に頭を打って思わず声を上げる。 が、その声もブレーキの音にほとんど掻き消えてしまっただろう。
他の者は、無事だっただろうか。 やがてブレーキ音が止み、しん、と急に静まり返ったころ。
>>0静寂の中聞こえたのは、何ともつかない、獣のような叫び声。 打った頭を上げれば、窓の向こうの満月の下、褪せた金色に輝く麦畑に紛れた、赤茶色の――。
昼間ペラジーと交わした言葉の数々、そして先程までの不審な列車内。
愛犬家の事件、子供、銃声、 噛み痕、傷だらけ、鉄道警察、 銃器、家出少年――――]
(24) 2015/12/02(Wed) 01時半頃
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[――――人狼。]
(25) 2015/12/02(Wed) 01時半頃
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[痛む頭もお構いなしに窓を開け、イアンは上半身を窓から乗り出した。 薄汚れた赤茶色した「それ」は、月夜に照らされた金色の波を一目散に駆けてゆく。]
……ペラジー。
[やっとの思いで喉からひねり出せた言葉は、彼を呼ぶ名前、ただそれだけ。 僅かに震えた手で指した方角に、ペラジーは「それ」の姿を見ただろうか。]**
(26) 2015/12/02(Wed) 01時半頃
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〔スウェルグに滞在していたことはあるけれど、 この経路で向かうのは初めてだ。
そんなシェリーにとっても、旅の途中で出会った人と―― 例えばルーカスやキャロライナと、 共に食事や茶を摂り穏やかなときを過ごすというのは なんともいえない嬉しさを生むもので
甘い蜂蜜がミルクに混ざって、 朝陽が夜を仄かに染め出すまで、 柔らかな時間が過ぎればいいと
そんな事を思っていた直後の事である。〕
(27) 2015/12/02(Wed) 02時頃
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〔よろめく。〕 〔がたがたとラウンジ車の瓶などが揺れた。〕 〔あまりに突然だった緊急停車に、誰も彼もが慌てだす。〕 〔ラウンジ車をあの金髪の男性が歩いていった。>>13〕 〔東国の紳士がなにやら毒づいていた。>>17〕
〔キャロライナからの言葉は途中で途切れた。 ああ、彼女も同じ物をみたのだろう。>>14〕
大丈夫よ。 ねえ、今の、って。
〔家出した男の子かしら、それにしては動きが、と そんなことをたどたどしく言う。
>>21声をかけられ、顔をあげた。 眼鏡の奥の瞳に微笑む。〕 ええ、ええ。大丈夫よ。私は大丈夫……。 あなたやキャロライナは大丈夫?
(28) 2015/12/02(Wed) 02時頃
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〔ならいいんだけど、と。
騒ぎが大きくなる車内にて、 掻き消えそうな声でそう言った。〕
〔その時。 風に乗って、男達の声が届いた。〕
(29) 2015/12/02(Wed) 02時頃
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『追え、惑わされるな、』
(30) 2015/12/02(Wed) 02時頃
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『奴はかの村を喰らい尽くした化け物だ、』
(31) 2015/12/02(Wed) 02時頃
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『 野放しにするな 』
(32) 2015/12/02(Wed) 02時頃
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…………ばけもの………?
〔――家出少年、ではなく、化物?
あの愛らしい微笑の少年が、化物? まさか。
唐突に嵌まったピースは、常識を逸していた。
あまりにあまりの出来事に、 シェリーは言葉を失い、 ふらふらと車窓の窓辺へ――
枯野さざめく麦畑を見下ろした。〕
(33) 2015/12/02(Wed) 02時頃
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―少し前・サイラスと―
[こちらの挨拶に返してから、彼はしばしの間、こちらを見つめて固まった。>>5
あ、と声に出した所を見るに、今ようやく思い出したところなのだろう。
少し気まずい、と言わんばかりの困った顔つきに、思わず吹き出した。 ]
どうも。 ……ふふ、君、結構面白いね。
[ルーカスが彼に対して、珍しく人の悪い笑みを浮かべた理由もなんとなくわかる。 こういう分かりやすい人間は嫌いじゃない。]
どうか宜しく。
[親しげににこりと笑ってみせれば、彼は笑ってくれただろうか。 もしも引きつった笑いだとしても、それはそれで面白かっただろうが。]**
(34) 2015/12/02(Wed) 02時頃
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記者 イアンは、メモを貼った。
2015/12/02(Wed) 02時頃
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……………… きっと何かの間違いだわ。
〔誰にいうでもなくそういう。
影は凡そ、傾く満月が見える方に逃げたように見えた。
今頃は鉄道警察が降りるために 昇降口も一つは開いているだろう。
追うべきだろうか。 追って違うというべきだろうか。
雪燕の外では夜が口を開けている。 気を許せば飲み込まれてしまいそうだ。 ……枯れ草しか見えない闇の中へ、視線を彷徨わせた**〕
(35) 2015/12/02(Wed) 02時半頃
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あら、イアンまで大袈裟ですのね。
[危ない>>3:113、とイアンに重ねて言われれば。 ぷりぷりと頬を膨らませるだろうか]
ルーカス様もペラジー様もイアンも。 口を揃えて、同じことを言うのですもの。 わたくし、そんなに運動神経が悪く見えますの?
[そんなことを言って、口を尖らせていた矢先]
……まあ。兵隊の持つ、歩兵銃?
[ペラジーの言葉>>3:111に。櫻子の瞳がまん丸になる。 家出少年を相手に、銃? やはり大袈裟なように思えて。 危ない、というのが。単に列車の上に登ることだけを指しているのではない事に気付く]
(36) 2015/12/02(Wed) 03時頃
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いったい、なにが……?
[開きかけた櫻子の口を閉ざすように。 ペラジーはオルゴールを取り出す>>3:117だろう]
まあ、素敵な音色。
[『月のゆりかご』のメロディは、不思議と気分を落ち着かせた。 昔の―――兄の出来事を思い出して。 ひどく神経が高ぶっていたのかもしれない。 冷静にならなければならない、と櫻子は思う]
……ありがとうございますわ。ペラジー様。
[にこり、と。微笑んで櫻子は礼を言うだろうか]
(37) 2015/12/02(Wed) 03時頃
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あら。ルーカス様のご友人ですの?
[目の前に現れたジャンと名乗る金髪の青年>>3:127。 櫻子と申しますわ、と彼に挨拶を交わしただろうか。 ほんの一瞬だけ浮かんだルーカスの人の悪い笑み。 ジャンの渋そうな顔。 言ってから、たぶんふたりは友人ではないなと察してしまう]
……ふふ。 ルーカス様は相変わらず口がお上手ですのね。
[ちらりとルーカスに目配せ>>1されれば、 ふんわりそう微笑むだろう]
(38) 2015/12/02(Wed) 03時頃
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確かに。少しここは冷えますわね。
[ラウンジ車への移動を提案>>3:142されれば、小さく頷いて。 移動を始めた頃合いだっただろうか]
今の音、なんですの……?
[まるで銃声のような、と言いかけて]
(39) 2015/12/02(Wed) 03時頃
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……きゃっ!
[続いて、耳をつんざくような金属音>>#2。 ふわり、と体が宙に浮いて。 倒れそうになった櫻子の右腕を、誰かの手が掴んだ>>22。 来ると思った衝撃は、ついぞやって来ず。 その力強い腕の感触に、懐かしさを感じて。恐る恐る目を開ける]
ルーカス様……!
[ルーカスに体を支えられていた。 耳元で「狼の声?」と、彼の暗い囁きが聞こえた]
なんですの、今の遠吠え。
[不安な気持ちになって、ついルーカスの服の袖を掴んでいたことに気付く。すぐに顔を赤くして手を離した。 もう子供ではないというのに、無意識に甘えた行動を取ってしまうのは。やはりルーカスが兄に似ているからだろうか]
(40) 2015/12/02(Wed) 03時頃
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|
ルーカス様、ありがとうございますわ。 皆様もお怪我はありませんこと……?
[余裕のない表情でルーカスに礼を言うと、辺りを見回した。 すると、イアンが窓を開けて上半身を乗り出そうとしている>>26。 思わずそちらに視線を遣って。櫻子は目撃してしまう。 麦畑を一直線に駆け抜けていく、「そいつ」の姿>>#3を]
……ひっ。
[喉がひゅう、と鳴った。今見たものは、なに]
いったい、何が。
[そう呟くのがやっとであった**]
(41) 2015/12/02(Wed) 03時頃
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看板娘 櫻子は、メモを貼った。
2015/12/02(Wed) 03時頃
|
[運動神経が悪い。かどうかではない。 ただ案じて居るんだ、口を尖らせる彼女に苦笑を浮かべたのが少し前の事。>>36友人かという問いかけには、ああと頷いたが、ジャンは渋そうな顔を浮かべていたかもしれない。>>38 まだ、何かあったと分かっていても其れが身近に無く、誰もが怪しんでも――まだ降りかかることなく、移動をという話をした矢先だった。
――金属音と、揺れる車内。 咄嗟に伸ばした手は、彼女を掴み。>>40 落ちることなく、身体を支えていた―――。
響く咆哮。]
…櫻子さん、大丈夫ですか?
[ぽつり呟いたのは、獣の音に対する囁きで。 不安な気持ちを向けている少女に気づけば、離された手を少し追いかけながら、支えていた手を離しては安堵させるような笑みを浮かべ。赤くした顔が余裕ないのに、聊か心配が過った]
(42) 2015/12/02(Wed) 13時半頃
|
|
いや、……イアン?
[礼を言う彼女に大したことではないと首を振り>>41。 彼女と同じ様、辺りを見回せば、窓を開けたイアンの視線の先。彼の震えた手が、ペラジーを呼び。>>26
見えたものに――……、一度、目を伏せた。
次の瞬間には、怯えたように見える櫻子を安堵させるような笑みを浮かべ。]
どうやら、彼らはあの化けものを追いかけていたようだ。
[鉄道警察の叫びが続く中。>>#3 味方は居ないか。と思う声は嫌に落ち着いていて。此処に居ても、埒が明かない。とせめて、彼女を休ませようと動こうとしただろう。
…妹、とは違う、あの獣を護る義務はない…だが。**]
(43) 2015/12/02(Wed) 13時半頃
|
|
[ 急ブレーキのかかった列車内は騒然とし始める。 多くのできごとが同時に、いちどきに起きて、誰も彼もが混乱しているようだった。
勢いよく壁に叩きつけられた>>24イアンは、盛大に頭をぶつけたらしく、 「ッ痛!」>>24 と声を上げていた。
サクラコからは、 「……きゃっ!」>>40 という短い悲鳴。
壁にすがったペラジーが振り返ると、彼女は支えてくれたルーカスの服の袖を掴み>>40、不安げに彼を見上げている。]
(44) 2015/12/02(Wed) 14時半頃
|
|
[ そのルーカスはあらぬ方を見やり、 「狼、の、声?」>>22 とつぶやいた。 ペラジーははっとなって彼の顔を凝視する。
完全に停車した列車の後尾から、赤ん坊の泣き声とも獣の遠吠えともつかない声>>0、>>#3が聞こえてきた。]
(45) 2015/12/02(Wed) 14時半頃
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[ 窓のほうを見やったルーカスは、 「…これはやはり、ラウンジに行った方が良いですね。 少々危険なものが、潜んでいたのかもしれない」>>23 と言って、咄嗟に支えた>>42サクラコを半ば強引にラウンジへ行かせようとする。
イアンは窓へ駆け寄り、寒風の中、上半身を外へ出した。>>26 「……ペラジー」>>26 吹き込んでくる風音に紛れながらも、名を呼ばれた気がしたのは、予感のせいだろうか。
近づくと、イアンは何かを指さしている。>>26 その指先は僅かに震えているようだ。]
(46) 2015/12/02(Wed) 14時半頃
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[ 鉄路の周囲は枯れ果てた麦畑だった。>>#2 満月>>#3の光に照らされて、動くものの姿は鮮明で――
列車から遠ざかろうと一直線に逃げていく 狼の 姿>>#3は、とても鮮明で――。
ペラジーは茫然と獣の影を視線で追う。]*
(47) 2015/12/02(Wed) 15時頃
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[ 窓辺で立ちすくんでいたのはどれくらいの時間だったろうか。
鉄道警察隊員が口々に、 「追え、惑わされるな」 「化け物だ、野放しにするな」>>#3 と叫び、列車から飛び降りて麦畑に向かっていく>>#3のを見て取ると、ペラジーの足も動いた。
外へ行かなければ、と強く思う。
ジャンは無言で彼らを追い越そうと>>13ずんずん歩き、 「何処に行く気だい?」>>23 というルーカスの呼びかけに足を止めたかどうか。
ペラジーも外に出られる場所を探して、とりあえず後尾のほうへと進む。 途中、もし誰かが話しかけたとしても、うわの空で応答したに違いない。]
(48) 2015/12/02(Wed) 15時頃
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― ラウンジ車 ―
[ シェリー>>35の姿を認めると、脇に抱えたオルゴール>>3:111、>>3:117のことを思い出し、急いで近づく。]
すみません、これを持っていてください。 大事な人の……形見のようなもの、なので。
[ 厳密には違うが、省略するとその説明しかできなかった。
乗車前の列で見かけた>>0:26にんじんのような赤い髪の女性>>14や、 一等車両ですれ違った>>0:87東洋系の男性>>21も、 その場にいただろうか。
彼らと視線が合えば、慌ただしく目礼したかもしれない。]*
(49) 2015/12/02(Wed) 15時半頃
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― 乗降口→外 ―
[ シェリーとはいくらか言葉を交わしただろうか。 状況的に、長い時間をかけた会話ではなかっただろう。
ペラジーはラウンジ車を通り過ぎ、二等車両の廊下を抜けて、急ぎ足で次の車両へ移る。 鉄道警察隊員たちが降りたらしい乗降口が開きっぱなしだ。>>35
入り込んでいる冷たい夜風に、コートのフードを被りながら、ペラジーは外へ身を躍らせた。 見た目よりも高さがあったが、レールにも枕木にも足を取られることなく、着地に成功する。
続いてくる者は誰かいただろうか?
ペラジーは口を引き結び、厳しい表情で満月>>#3を振り仰ぐと、コートの襟を押さえながら夜気の中を進んだ。 枯れた麦畑>>#2の中の獣の影>>#3に向かって。]**
(50) 2015/12/02(Wed) 16時頃
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― 枯れた麦畑 ―
[ ペラジーだけでなく、急停車に憤った三等車両の乗客たちも、三々五々、列車を降り始めた。 珍しい捕り物を直に見ようとしてか、あるいはスポーツの試合感覚でどちらかに声援を送ろうとしてか。
単に新鮮な空気を吸いたくなっただけかもしれない。 手足を伸ばしたい乗客もいただろう。
何名かが興味津々の様子で、ペラジーと同じように、枯れた麦畑の中を進んでいる。
鉄道警察隊員たちは逃げる獣にしか注意を向けていない。 いや、最初から想定していなかったのだろう。 乗客が自分たちの後を追ってくるとは。]
(51) 2015/12/02(Wed) 17時半頃
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[ 歩くたびに足元からざく、ざくと音がする。 霜を踏みつけているのだ。
刈り取られないまま放棄された畑なのだろうか。 枯れた麦がそれぞれ勝手な方向に倒れているさまは寒々しく、どこか悲しい雰囲気すら漂わせている。
ペラジーは鉄道警察隊員たちの声を頼りに進む。 自分に何ができるかはわからない。 何かをしたいわけでもない。
ただ…………、
せめて、見届けたいのだ。]
(52) 2015/12/02(Wed) 18時頃
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[ ラシード王子の代わりに?
いや――王子の死の瞬間を、 見届けられなかった、その代わりに………?
ペラジーにもわからなかった。 感情と記憶がぐるぐると脳裏を駆け巡っている。
冷静な思考も、 明晰な判断も、
できるような心理状態ではない。 それだけは、わかっていたけれども。]
(53) 2015/12/02(Wed) 18時頃
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[ 幼い子どもに見えた。 顔立ちや体格だけではなく、サラグニッド駅のホームでペラジーを見つめ返したときの怯えよう>>0:33が演技とは思えず、世慣れていない雰囲気がしたのだ。
誰かに教わったことを必死で守っているような雰囲気が。]
だから、子どもだと………。
[ ペラジーはつぶやいて、痛ましげな視線を麦畑の先へ向ける。 それは記憶の中の亡き主人へ向けた眼差しでもあった。]
(54) 2015/12/02(Wed) 18時頃
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きみは、どこへ行きたかったのですか……?
(55) 2015/12/02(Wed) 18時頃
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[ ラシード王子が故国アイラをひたすら思い焦がれたように、彼もまた、暖かな南の地スウェルグへの憧れを持ったのだろうか?]
そこでなら、生きていけると考えた………?
(56) 2015/12/02(Wed) 18時半頃
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[ 銃声が響いた。 わずかな感覚を置いて数発。
ペラジーは足を速めた。
満月に照らされた麦畑の中で、白いコートのフードを被ったペラジーの姿はそれなりに目立っているだろう。 歩兵銃を構えていた鉄道警察隊員のひとりが気づいたらしく、苛立った声を上げる。
ペラジーは左手を軽く振って相手を制した。 かつてラシードがそうしていたように。]
(57) 2015/12/02(Wed) 18時半頃
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[ 成金でも、他人に何かを命じることはできる。 だが、彼らは黙っていることができない。 事細かに説明しなければ、誰もその命を理解できないからだ。
ラシードは違った。 彼には説明する必要がなかったのだ。 意を汲み取ったペラジーが先へ先へと動くから。
本物の貴人には、生まれながらにそういう立場の者が用意されている。 だから、過剰な言葉は必要ない。 ときには身振りだけで相手を動かせる。]
(58) 2015/12/02(Wed) 18時半頃
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[ ああ、そうか、とペラジーは納得した。 もしルーカスが同行していれば、彼の顔に視線を走らせたかもしれない。
身なりのよいルーカスに感じていた違和感はそれだった。 従者を付けられて成長した者の態度には見えなかったのだ。 もちろん、家庭教育の違いはあるだろうけれども……。]
(59) 2015/12/02(Wed) 19時頃
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[ サクラコの国の身分制度がどうなっているのかは知らない。
だが、彼女の無防備さや天真爛漫さ―― 「幼い頃から木登りは得意でしてよ」>>3:74 と言い出すような、ある種非常識な面――は、トラブルの解決をお付きの者に任せっきりで育ってきたことに起因するのだろう。
ルーカスにはそれが感じられなかったな、とペラジーは思う。
ペラジーの知りえない家訓や伝統のある家柄かもしれないし、スウェルグで楽団付きの赤絨毯が待っているような身分ならば面白いけれども。]
(60) 2015/12/02(Wed) 19時頃
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[ 麦畑の先で、また複数の銃声がした。 枯れた麦を踏み荒らしながら激しく動いているのは、鉄道警察隊員か、それともあの獣か。
怒号にも似た命令語が飛び交う。
人狼が、もし狼以上の能力を持っているならば………、 5人という人数は頼りないかもしれない。
ペラジーは周囲を見渡す。 同行者がいれば、視線を合わせて頷き合ったかもしれない。]**
(61) 2015/12/02(Wed) 19時頃
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[ 複数の、霜柱を踏みしめる音がこちらへ迫ってくる。 枯れた麦をかき分けているのだろう、がさがさという音も激しい。
隊員の名を呼ぶ鋭い声がする。 同時に唸り声と、短い悲鳴。 近くで揉み合っているのだろうか、枯れた麦を倒す激しい音が、移動しながらしばらく続いた。
ペラジーは丸腰だ。 緊張しつつ、周囲を見渡すことしかできない。
同行者は武器を持っているのだろうか。]**
(62) 2015/12/02(Wed) 19時半頃
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[ 月明かりの下、すべてが白っぽく見える枯れた麦畑の中で、その痕跡は酷く目立った。
直感的に]
血だ、
[ と見取って、ペラジーは振り向く。 同行者がいれば、何か反応しただろうか。]
怪我をしている……? ……それとも、
[ 誰かをその牙や爪で倒したのだろうか、という言葉をペラジーは飲み込んだ。]
(63) 2015/12/02(Wed) 20時頃
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[ それは突然現れた。 枯れた麦を倒しながら、荒い息遣いを隠そうともせず。
四つ足の獣。 犬に似た、けれども圧倒的に大きなその姿は、
――狼。
姿は違えど、赤茶色の乱れた毛並みは、確かにあの少年の髪に似ていた。
同時にペラジーは、狼の片方の後ろ足が血塗れなのを見取る。 列車の中でも、この麦畑でも、何度か銃声が響いていた。 1発、いや、もっと当たったのだろう。 腹の白い毛も血で汚れているようだった。
そして、口の周りも真っ赤だ。 たった今、誰かをその牙で倒した証拠に。]**
(64) 2015/12/02(Wed) 20時頃
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うん、それは良かった。
[大丈夫と答える、蜂蜜の少女>>28に頷いて。 赤毛の少女――どうやらキャロライナというらしい――はどうかと、視線を向けて]
……、化け物?
[外から響く声に、眉根を寄せる。何かの比喩だろうか? 鉄道警察の隊員たちの怒号に混じって、銃声さえ聞こえる]
捕り物のようだね……背負っていた小銃は、このためか。
[なんとも、物騒な。口のなかで、呟いたころ。
幾人かの集団が、ラウンジを抜けていって。 うち一人が、蜂蜜の少女になにかを手渡した>>49]
(65) 2015/12/02(Wed) 20時半頃
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トヨタは、ペラジーという名は知らなかったが、雪燕で最初にすれ違った相手だとは判った。
2015/12/02(Wed) 20時半頃
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おい、いったい何を……、 なにをそんなに急いで――君、何か知っているのか?
[問いかけたが、白フードの青年に自分にまで言葉を返す余裕はないようだ。 青年が蜂蜜の少女に押し付けた箱に、怪訝な視線を向ける以上のことをする余裕はなかった。 かれと一緒にラウンジ車に入り、駆け抜けるか残るかした人間のなかに、他に見知った顔もあったから]
(66) 2015/12/02(Wed) 20時半頃
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[雪燕は停まっている。 停まっているのだ。もうよろめくこともカップを支える必要もない。
だとしたら、ちょっと前に聞こえた、あの、音は、なんだったんだろう。 遠くから聞こえた音は、今思えば、叫び声というよりは、そう、吠え声のようであった。 甲高く、寒空の下で白い息を吐きだして。 通常運転の雪燕のように。だけど軽快さはなく]
(67) 2015/12/02(Wed) 21時頃
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…………よかった。
今の、……うん、……小さかったよね、ずいぶんと。
[だから、探されてたあの男の子かもしれないと思ったって何らおかしくはない。>>21 でも、夕方に見かけた時は、あんなに速くはなかった]
だ……だいじょうぶ。
なんなんだろね、びっくりだよ。
[シェリーと黒い髪の男の人、ふたりに順繰りに笑いかける。おそるおそる、といった風に。>>21>>28]
(68) 2015/12/02(Wed) 21時頃
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[言葉にすれば急に列車が停まった、それだけ。 だけどそれは“普通でないこと”、だから。
誰もかれもが原因を探そうとするだろう。 ほらもう、誰かがラウンジを出ようとしている。 行き先は前の方。車掌に事情を訊くつもりか。
けれど風に乗って、外から聞こえてきた声が、その人の動きすらも停める。>>30>>31>>32]
とり、もの…… あの子を追っかけて、捕まえちゃうの?
[日常とはあまりにかけ離れた言葉が黒い髪の男の人の口から飛び出して。>>65 だからすっごく目を丸くしてしまう]
(69) 2015/12/02(Wed) 21時頃
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……たぶん、そうなるだろうね。
[赤毛の方の少女の問い>>69に、そう嘘を吐いた。 どの子かは知らないけれど、見知りなのだろうと。
――少女にはそれと判らないのかもしれないが、既に、銃声が響いている。 あの隊員たちが、穏便に捕まえるつもりだとは、思えなかった]
(70) 2015/12/02(Wed) 21時頃
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看板娘 櫻子は、メモを貼った。
2015/12/02(Wed) 21時半頃
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大丈夫、ですわ……。
[>>42ルーカスにそう答えるのがやっとであった。 足がすっかり竦んでしまっている。 ラウンジ車にやって来ると、 見知った顔がいくつか見えただろうか]
キャロ、お怪我はありませんの?
[人参色の髪の少女>>69を見つけると。 元気な様子にほっと胸を撫で下ろしつつ、笑いかけた]
先程のブレーキは凄かったですわね……。 危うく倒れて怪我をしてしまうところでしたわ。
[現実離れしたふわふわした気持ちが、やっと落ち着いてくる。 先程見た光景も、すべて夢だったのではないかとすら思う]
(71) 2015/12/02(Wed) 21時半頃
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……あら、九重様。
[キャロライナの隣にいた九重の顔>>70を見ると、首を傾げる。 ちょこん、と。背伸ばしして。 彼の頭に手を伸ばそうとするだろうか]
額の近くが少し赤くなってらっしゃるような……?
[先程の緊急停車のときにぶつけましたの?、と。 心配そうな声を出すだろう。 まさかそれが鉄道警察にやられた>>3:77ものだとは気付かない]
(72) 2015/12/02(Wed) 21時半頃
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………そっか。
[それが嘘だと気付かぬまま小さく頷いて、>>70 ちらりとシェリーの様子をうかがった。
間違い。何が間違いだって言うんだろう。>>35 キャロライナと違って、平穏が戻ればそれで良しとはいかなさそうなシェリー。
開いた昇降口から外の夜気はここにまでは入り込むことはない。 けれど、背筋をうすら寒い気が駆け抜けていく。
もう一度カップに伸ばした手は小さく震えていた]
(73) 2015/12/02(Wed) 21時半頃
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……。
[人の気配が増えたと気付いたのは、 黒髪の男の人がキャロライナ達とは違う方向に声をかけたからだった。>>66 列車前方より。 一言で言えば見た目的に目立つ一団が入ってくる。
見知った顔もある。 慌ただしくこっちの方に目礼し、 シェリーに箱型の何かを渡す白フードの人物は、>>49 キャロライナが気付かなくとも視界の端の端にいたのかもしれない。
けれどとっさに名前を呼べるのはひとりだけ]
(74) 2015/12/02(Wed) 21時半頃
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ペラジーは、>>57訂正 ×感覚 ○間隔
2015/12/02(Wed) 21時半頃
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サクラコ!
[そう、一番目に遭遇した黒髪の少女である。>>71 ほっとした様子で笑いかける]
怪我? ないよ! サクラコの方こそ……
[安心させようとぱたぱたと手を振って。 どうして見た目的に目立つ一団が形成されたのか、 訊くのも忘れて、無事を喜ぶ]
うん……あたしは座ってたからまだマシだったけどさあ。 こんな時間まで何を……は、訊くまでもないかな。
[きっと鉄道警察は、一等車両の方にも来たんだろうし]
(75) 2015/12/02(Wed) 21時半頃
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[どたばたと、落ち着かぬなか。 見知った、しかし、こういった状況では意外な顔>>72に]
と……これは、ああ、櫻子さん。
[なんと呼ぶか迷った末、結局、名で呼んだ。 旧財閥の令嬢とはいえ、熊野のお嬢様とかご令嬢とか大仰な呼び方は、異国の地で数少ない同胞相手に他人行儀すぎる気もして]
どうやら、怪我もないようでなによ、るぉいっ?
[不意打ちのように、伸ばされる手。>>72 冷やりとしつつも温かで滑らかな指先の感触に、反射的に仰け反る。変な声が出た]
……い、いや……そう、はい、さっきぶつけて。 大事ないですが、押すと少し痛みまして、ええあの。
[押すどころか、触れるか触れないか程度ではあったが、そう誤魔化した]
(76) 2015/12/02(Wed) 21時半頃
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[ 周囲に誰かがいれば、狼の血塗れの口元に驚いただろう。 声を上げたかもしれない。
ペラジーは黙って見つめていた。 痛ましい、その姿を。]
(77) 2015/12/02(Wed) 21時半頃
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どこへ、行くつもりだったのですか………? それは本当に、きみの望みでしたか?
誰かにそこへ行けと教えられた……、 あるいは、よいところだと信じ込まされただけ、 ではありませんか?
本当に、きみ自身が好きになった場所? そこでなら、生きていけると思った………?
(78) 2015/12/02(Wed) 22時頃
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[ 傷ついた狼はもはや人語を解さないのかもしれない。 血走った眼でペラジーを睨みながら、荒い息を吐くだけだ。
そこに銃声。 狼を見つけられない鉄道警察隊員が、夜空に向けて撃っていた。
びくりと身を震わせた狼は、ほとんど横っ跳びに移動し、枯れた麦の茂みの中へと駆け込む。 血痕を残して。]**
(79) 2015/12/02(Wed) 22時頃
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薬屋 サイラスは、メモを貼った。
2015/12/02(Wed) 22時頃
記者 イアンは、メモを貼った。
2015/12/02(Wed) 22時頃
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[ 枯れた麦をかき分ける音、 霜柱を踏む音。
鉄道警察隊員の上げる怒号、 三等車両の乗客らしい喧嘩口調の大声。
散発的な、ばらばらの方向からの銃声。
それらが不規則に交錯し、普段は静かなはずの麦畑が別世界のような騒がしさだった。
ペラジーは狼の血の跡を追おうとする。 同行者がいれば止めるだろうか、あるいは………。]*
(80) 2015/12/02(Wed) 22時頃
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キャロも無事で良かったですわ。
[キャロライナの無邪気な様子>>75を見ていると。 こちらも自然と顔が綻んでしまう]
あの騒ぎでは、さすがに寝てはいられませんもの。
[小さく苦笑するだろう]
まったく、鉄道警察の殿方たちの不躾な態度ときたら。 部屋の中まで見せろと言うのですのよ?
[ぷりぷりと口を尖らせた]
(81) 2015/12/02(Wed) 22時頃
|
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やはり、どこかにぶつけられたのですね? おいたわしい……。
[まじまじと、九重の顔を覗き込むだろうか]
ハンカチを冷やして参りましょうか? 頭の怪我は甘く見てはいけないと、爺やが行っておりました。
[仰け反って変な声を出した>>76九重の姿に、首を傾げつつ。 自分の行動がさらに九重を困惑させることには気付かない]
(82) 2015/12/02(Wed) 22時頃
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いや、いえ……大丈夫です、ええ。 こんなもの、唾でもつけておけば治ります。お手を煩わせるほどのことは。
[顔を覗き込まれた、その動揺を隠すように、ぶんぶんと首を振る]
(83) 2015/12/02(Wed) 22時頃
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― ラウンジ車 ―
〔視界の端より近づく見覚えのある白フードの姿に、 シェリーは戦慄く唇をぎゅっと噛んで、振り向いた。 どうやら、ラウンジには他の人達もきたらしい。 キャロライナや東国の紳士が青い着物の 美少女に話しかけている姿が見えた。〕
ペラジー君? ど、どうしたの……
〔とまどうシェリーに手渡されたのは、箱だ。 それが咄嗟に何かわからなかった。 何、と呟いて、小さく開ければ、 微かに音が響いてオルゴールと知れた。〕
これ、って。 えっ、そんな。大事な人の形見を……
〔なんで、という声は喧騒に掻き消された。>>49〕
(84) 2015/12/02(Wed) 22時半頃
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〔ペラジーはラウンジの外へ行ってしまっただろうか。>>50 手に残された箱をじっと見つめて、 シェリーは眉根を寄せた。
もしかしたら、ペラジーはあの化物を追うつもりかも。 だからこの形見をシェリーに託したのかもしれない。 彼の意図を知らず、そんな事を思う
けれど、けれども。〕
……待って、
〔ここで立ち止まることを良しと思わなかったシェリーは 喧騒の中を静かに、駆け抜けて 昇降口より三等車の乗客たち>>51に混じって枯れた麦畑に降り立った。
オルゴールは一切傷つけないように大事に抱えて。〕
(85) 2015/12/02(Wed) 22時半頃
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〔葡萄農家はそうしなければ 生きていけないから虫を殺すのだ。 人は生きるために他者を犠牲にするのだ。 それが人も動物もかわらぬ摂理というものだ。
その摂理を飲み込んでしまえるほどに 少女は大人ではなかった。〕
〔夜に響き渡る発砲音。 びくり、シェリーは肩を震わせた。>>79〕
〔前方、 枯れ野の草に足を引っ掛けられ、 三等車両に乗っていたと思しき男が転んだ。 かん、という金属音。シェリーは恐る恐る近づく。 そこにはシャベルがあった。 男が持っていたものか、畑に置き去られたものか、 ――ともかくも〕
(86) 2015/12/02(Wed) 22時半頃
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そ……れはともかくっ、
[櫻子相手に、動揺と困惑の合唱を奏でさせられて、のち]
……一体、いま、何が? 訳知りらしい青年と、ここまでご一緒だったようですが……、
[と、ようやく、本題に達した]
(87) 2015/12/02(Wed) 22時半頃
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|
― ブレーキがかかる前 ―
[サイラスは自分に面白みが欠けていることを自覚している。 たいていのことをシリアスに考えすぎることも知っている。 だから、「面白いね」なんて言われても>>34 それこそ面白い反応をすることも出来ず、イアンがきっと予想しただろう引きつった笑みを返すことしか出来なかった。
宜しくするつもりは勿論ないし、 新聞代を押し付けてやろうかとも思った――が、勿体無いし余裕はない。 イアンにとっては、たいしたことではないだろうに。 真面目に考えすぎて、そのことが馬鹿らしくなって、 そしてやがて、世界は一度、動きを止めたのだった*]
(88) 2015/12/02(Wed) 22時半頃
|
|
ごめんなさい
〔シェリーは唇を噛むと、 男は置いておき、 その錆びかけたシャベルを拾って走っていく。
血痕を辿って、「化物」を追う。〕
(89) 2015/12/02(Wed) 22時半頃
|
|
[――実感というものが、いまいち湧かない。
戦争は今日もどこかで絶えず行われていて、誰かの死によって今日も悲しみはやってくる。 戦争は偏見を生み、そうしてまた、誰かの心を暗く深い谷底へと沈ませる。 不慮の事故や突然の事件は、昨日までの平和を一瞬で壊し、思いも寄らない者に影を落とす。
頭では、分かっているのだ。 その全てが事実としてそこに、確かに存在するということが。 きっとすぐそこで、悲しむ誰かが居るということが。
ただ、書面で見るのみのそれがイアンの心に響くことは一度たりともなく、事件現場を見たところで見えるのは、物的証拠と云う単純な情報記号のみ。 目の前で悲しむ被害者の声に同情する傍ら、淡々と手帳へと書き写す自分が居て。
どこか他人事だから、好奇心などという理念の下で進んでこれたのだろう。]
(90) 2015/12/02(Wed) 22時半頃
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|
[「人狼なんて、ただの噂に過ぎない。」 数年前、とある辺境の村で惨死死体が発見された事件。 人狼の仕業だという噂に対してそう言う者も、記者仲間の中には居た。
いいや、案外あるんじゃないか。 イアンは笑って言った。 否定は一度たりともしなかった。
ただ、その言葉の中に、「確かに居る」なんて実感も、何処にも存在しなかった。
今、すぐそこの麦畑を走っていったのはきっと、 ……否、紛れもなく。
指差す手は、微かに震えた。
窓の外からやってくる風が、イアンの頬を冷たく撫でる。 風に流れて微かに香るのは、硝煙の香りだ。 先程打った頭が、痛む。 窓の外では誰かが口々に喚く声がして>>#3、それらが赤茶色の影を追いかけていく。]
(91) 2015/12/02(Wed) 22時半頃
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|
[――彼は今、紛れもないリアリティの中に居る。]
(92) 2015/12/02(Wed) 22時半頃
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[それは動揺のせいか、未だ残る酔いのせいか。 蜂蜜の少女が白フードの青年を追った>>85のに、気付くのが遅れた。
平静であったなら、銃声轟く闘争の庭、終結したはずのあの戦争のような世界。 そんな場所に、悪意を知らない少女が赴くのは、絶対に止めたことだろう]
(93) 2015/12/02(Wed) 22時半頃
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― そして、雪燕は動きを止める ―
[痛い、と声をあげる者。 他に手を伸ばす、余裕のある者。 サイラスはそのどちらでもなく、少し身体をよろめかせた後、黙って列車を後ろへと向かう。 途中、声がした。 窓の外、走る影はよく見えなかった。 夜に霞む目は、やはり白目がやや濁っている。 狼、と聞こえた声に、サイラスは自分でも理由がわからない震えを感じた。
やがて、細くなる廊下で、サイラスはルーカスの声に顔をあげる。>>23 何処に、と問われても外に出ないのであれば行ける場所は決まっている]
……あんたが、俺に 何を頼みたいって?
[不自然な状況。不安の篭る空気。 今までで一番警戒心を灯らせた目で、ルーカスを見上げた]
(94) 2015/12/02(Wed) 22時半頃
|
|
[無事――という点のみならず、 鉄道警察によって憤懣やるかたない事態に遭ったという点も共通している模様。>>81]
部屋の、中……。 ベッドの下とかに隠れてるんじゃないかーって思ったのかな。
[――ぬいぐるみの中よりは、 よっぽど現実味を帯びた推定隠れ場所。
とは思ったものの、 サクラコの手前小さく笑いだすのはなんとか、我慢した]
(95) 2015/12/02(Wed) 22時半頃
|
|
[イアンは凍りついていた。 それは、現実として理解したことによる恐怖のせいだったかもしれない。
彼が我に返ったのは、自身が上の空で呼んだ、ペラジーが動き始めたから。>>48
一瞬見えた彼の目に、迷いはなかったように思う。
俺は、どうするべきなんだ? 歩みを進めるペラジーの姿を眺め、思う。 彼は、どうするつもりなんだ? 彼を、一人で行かせていいのか?
昼間の彼の言葉の数々を思い出す。 きっと、彼は何かと決着をつけたがっている。]
(96) 2015/12/02(Wed) 23時頃
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|
[シェリーがいない。>>85 そのことにキャロライナが気付いたのは、 彼女がとっくに飛び出した後だった。
部屋に戻ったのか、という楽観的な推測は、 物思う様子を思い出せばすぐに危うくなる。
窓の外を見る。 枯れた畑の中へ飛び出していく屈強な男達の姿。>>51]
まさか……。
[飛び出していったというのか。夜の中へ]
(97) 2015/12/02(Wed) 23時頃
|
|
……ペラジー。 俺も行く。
[呼んだ声に、彼は反応しただろうか。
ラウンジへ向かえば、そこには>>35シェリーの姿があって。ペラジーが彼女へ何かを託すのを見届けた>>49たなら、共に乗降口から麦畑の方へと。
現実として実感すれば、好奇心よりも、圧倒的な恐怖心が勝る。 しかし、だからこそ。
……危険を冒すペラジーを、放ってはおけないだろう!]
(98) 2015/12/02(Wed) 23時頃
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[窓のこちら側と向こう側。雪燕の中と外。 そこには見えないながらも確かに境目がある。 踏み越えてはならない、と理性的な部分は告げている、が]
…………っ、
[ふらふらと、足は思わずラウンジ車から出る方へ]
(99) 2015/12/02(Wed) 23時頃
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[ペラジーの視線が>>45イアンの指刺す方を見た。>>47 何を思うのか、立ちすくむ姿に此方から声を掛けることはなく。 大丈夫という櫻子は大丈夫に見えず、彼女をラウンジまでと周りにも、促すだろう。>>71
ラウンジを通り過ぎるジャン>>13に声をかけ。 警戒心を灯らせた目を、にやりと見つめ。]
…今度会ったら、あんたの話を聞きたい。
[口にしたのはそんな事。 名前、教えろよ。とその場には不自然な笑みを浮かべ。 彼が向かう先をちらり。見て。
またな。と軽く言って頭を乱雑に撫でようとしただろう。*]
(100) 2015/12/02(Wed) 23時頃
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[ 自分でも自分の焦燥を説明できなかった。 危険は承知だ。 頭に血を上らせた鉄道警察隊員が、どこへ銃を撃つかわかったものではない。
けれども、ただ、見届けたかった。 あの幼い子どもが――狼としてはずいぶん大きかった。人間とは成長が違うのだろうか?――が、どこへ向かうのか。
いや、どこへ行きたがっているのか、を、]
知りたいのです………。
[ 懐中時計の時刻と傾いた満月からおおまかな方角を割り出しながら、ペラジーはぽつりとこぼした。]*
(101) 2015/12/02(Wed) 23時頃
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[ああ、くそ――心のなかで、悪態を吐く。
蜂蜜の少女もぬいぐるみの少女も、つい数瞬前までここにいた。 あの白フードの青年と話してから、どこかへ行った。
――こんな、銃声が鳴り響くなかで、下手に動き回るものではない。 気の立った、銃を手にした男たち。月明かりが頼りの闇のなか。どんな事故が起きるか判らない]
ああ、くそ……、
[今度は、声に出して、何かを罵って]
……その、櫻子さん。 今こそ、たぶん、お付きの方の代わりをすべき状況とは思うのですがね。
[そう、切り出した]
(102) 2015/12/02(Wed) 23時頃
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〔 枯れ野のさざめきは 人々の野蛮ともいえる声に掻き消されるが それでも夜風に紛れる血の馨だけはごまかせぬもの。
複数人が手に持つランタンのせいで 幾らか明るくなったのも、 血痕を追いやすくした要因だろう。〕
〔畑を歩くのはある意味慣れている。 息も切れ切れ、化け物とやらを追って、追った。
シャベルを手に取ったのは夜道が危ないから 化け物を追うのは少年の無実を訴えたいから
けれどもその様子は少年を狩り立てるものどもと そう変わりは無い。〕
(103) 2015/12/02(Wed) 23時頃
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[囁いた頼み事はかなうかどうか。
何方にしろ、櫻子をやすませようと ラウンジ車に彼女を送っていっただろう。 >>69まず目についたのは人参頭。 その鮮やかさは、暗い闇に光を灯す陽にも見え。 もう一人、異国の男に気づき、眺めれば>>70]
どうやら、本物の紳士の登場のようだ。
[――自分の役目は終わった。と肩を一度竦め。 其々の声に安堵があると心からの微笑みを浮かべ。 シェリーへと、ペラジーが何かを渡すのを横眼に見つめ>>49>>84、昇降口に向かう姿を見て。
かけゆくイアンに。>>98]
(104) 2015/12/02(Wed) 23時頃
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〔草木がさざめく。
獣のような荒い息が雑草の向こうから吹き込んで。
唐突に、”そこにいる”のだと悟った。〕
待って………… ねえ、そこにいるの
〔震えた声で、 ただあのみすぼらしい少年が そこにいるのかと問うた〕
〔刹那。〕
(105) 2015/12/02(Wed) 23時頃
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ああ、お酒を奢ってくれるんだろう?
[それだけ背に掛ければ、自身もラウンジ車から姿を消すだろう。人参頭が>>99ラウンジから、出る方へ行くのだけはわずか眉を顰ませ
――、彼らとは反対側、一等車両に向かう。*]
(106) 2015/12/02(Wed) 23時頃
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〔月光の中。 小さな血に餓えた狼が躍り出る。
瞳はただ殺意にぎらついていた。 その毛並が、あの少年の髪の色と似ていた。〕
――ッ!!
〔シェリーは咄嗟にオルゴールを庇いながら、 シャベルを盾にするように翳す。 ガキッ、という金属音が周囲に響いた。 狼がシャベルの柄を噛んだのだ。〕
(107) 2015/12/02(Wed) 23時頃
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……ペラジー様、どこに行かれるのです?
[ふと。クラリッサにオルゴールを手渡して>>49。 ラウンジから去ろうとするペラジーに目が止まり。 慌ててそれを止めようとするだろうか。 先程見た獣の姿が、頭の中でフラッシュバックする]
あっ。
[このままでは、行ってしまう。 慌てて後を追いかけようとしたところで。 櫻子を追い越して、 イアンとクラリッサがラウンジから出ていくだろうか]
(108) 2015/12/02(Wed) 23時頃
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[九重の質問>>87に、ふと我に返って]
その、上から物音が聞こえたって。イアンが言ってらして。 家出してきた少年が、そこに隠れてるかもって。 それで列車の上に登ろうとしたら、急ブレーキが。
[たどたどしい口調で、九重に説明するだろうか。 自分でもよく状況が理解できていない]
外から遠吠えが聞こえて。 窓の外を見たら―――
[そこで言葉を区切った]
(109) 2015/12/02(Wed) 23時頃
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〔勢いで地面に転んだシェリーは、 オルゴールをぎゅっと抱きしめて 泣きそうになりながらシャベルを振る。〕
なんで。きみは、本当に……?
〔列車で少し顔を合わせただけなのに こうも情がうつるのは何故なのか、 シェリーも理解していない。
そうこうしている間に、 狼の凶爪がシェリーの腕を裂く。 ――反射的にシャベルを振るうと、
がつん、と鈍い音がした。〕
(110) 2015/12/02(Wed) 23時頃
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[窓を無事にもとの状態に修繕したシビルは、きちんと開け閉めできるかを確かめるついでに外の音を聞く。
そのころには、逃げる少年と追う警察、そして野次馬どもの声が夜闇の空によく通って聞こえていた。]
…………。
[これだけ停止していれば、雪燕が終着駅に着く時間は予定よりも遅いものになるだろうか。 シビルが望むにしろ、望まぬにしろ。]
………………。
(111) 2015/12/02(Wed) 23時頃
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…………ひっ 。
〔歯の根が合わない。
濃くなった血の馨に 言い知れない恐怖と悲しみに咄嗟に後ずさった。
狼はシェリーを睨みつけていたかと思うと ゆらり、再び夜に紛れて*〕
(112) 2015/12/02(Wed) 23時頃
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……あの騒ぎのなかに、縁のあった女の子たちがね、向かってしまったようなんですよ。 いや、蜂蜜とハーブティーのどちらが好きかと尋ねられて、ぬいぐるみと駆けただけなんですけどね。
[だからなんだと、そう思われるかもしれないが]
ニズ駅で、貴女を助けた青年、かれと同じだったんですよ。
[そう、口にして]
――"あの戦争の仇"の私にに、屈託なく接してくれた子たちですからね。 ただの大人として、私も接するなら――見知った子らが危険な場所に向かったのを知りつつ、知らん振りはどうもと、思いまして。
[だから、と]
……私は、外の様子を見に行こうと思います。仕事柄、騒動の理由も知りたいですしね。 もし、ことの始末が気になるようならば、せめて、私の後ろから。 銃声も響いていますから、出来れば窓には近づかず、部屋でお静かにしていただけたほうが、安心なのですがね。
(113) 2015/12/02(Wed) 23時頃
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クラリッサは、ペラジーから渡されたオルゴールを、再度ぎゅっと抱きしめた。
2015/12/02(Wed) 23時頃
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[にやり、とした表情は貴公子然とした振る舞いからは外れているのに、妙に板についていた]
俺の、話? ………つまらないぞ
[小さく首を振り、背を向けようとする。 半分ばかり、身体をルーカスから背けた時、名前、と囁き声が聞こえた。唇を噛んで、少し迷っていれば、ごわついた髪を乱暴にかき回され、振り払いながら一歩引き、ルーカスを見た]
ルーカスは、ほんとの名前?
[興味があるわけではない、はずだ。 ただ、サイラスは知っている。 疑いを持つ者、相手の嘘に気づいてしまう者は、自らの中にそれを持ち合わせているのだと。問われてようやく思いついたほどの頭の回らなさだった。 気づいたのは、ひとつのこと。 どうやら、この見せ付けられている余裕は――それ自体が、演技なのではないか、と]
(114) 2015/12/02(Wed) 23時頃
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[そう櫻子に応じたあと、偽悪的な笑みをつくって]
ああ――もし、あなたに何かあったら、申し訳ないですが、全身全霊で知らん顔を決め込みます。
[解体されたとはいえ、政財界に隠然たる影響力を持つのが、旧財閥。 そのご令嬢が危険に飛び込むのを止めなかったなんて、知られたら、ことである]
(115) 2015/12/02(Wed) 23時頃
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― 一等車両 通路 ―
[コートを着たシビルは、通路に出ると、自室の扉を背にして周囲に目をやった。 他の乗客たちの目も覚めているらしく、そわそわとした焦燥があたりに満ちている。 腕を組んで通路の奥を見やっていると、知らぬ誰かに話しかけられた。
「聞きましたか、人狼が乗り込んでいたそうですよ」]
……………… …………、
[シビルはややあって口を開きかけたが、どうやら他のご婦人らの気を引いたらしく、話の輪に加わってきた。
「恐ろしいことですね」 「しかし、少年の姿をしているとも」 「銃を向けられおびえていると」 「まずは話し合って解決を」]
………………。
(116) 2015/12/02(Wed) 23時頃
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[答えが返ってくるとは思っていない。 またな、の声には当然のように何も返さず、今度は無事、壁にぶつけなかった手を引いてようやく背を向けた。
深夜――否、明け方のラウンジ。 人の姿は、まばら。零ではない。 今、この瞬間に安らかな眠りの中にいる者はどれだけいるだろう]
(117) 2015/12/02(Wed) 23時頃
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[「いや、人の姿を模した獣など早く殺してしまえば良い」 「わたしたち人間には憐れみという感情が」]
…………。
[次第に話の輪はシビルをおいてけぼりにして大きくなっていく。 もはや完全にお呼びでないと理解したシビルは、特に気を悪くした表情を浮かべるわけでもなかった。]
………………。
(118) 2015/12/02(Wed) 23時半頃
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[ 狼の血痕を追って麦畑をそろそろ進みながら、ペラジーはわれ知らず、子守歌を口ずさんでいた。 『月のゆりかご』。 この半年間、何度も何度も聞いた曲だ。]
三日月のゆりかごで、 ゆらゆら揺れて…、お眠り、なさい………。
[ あの狼の姿では、もう理解できないかもしれないが、それでも。
赤茶色の毛皮の下に、 幼い子どもの心が少しでも残っているならば、]
どうか、安らかに、と。
[ 願わずにはいられなかった。]*
(119) 2015/12/02(Wed) 23時半頃
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[ イアンが傍らを歩いていれば、怪訝な顔を向けてきたかもしれない。
ペラジーはうつむいて小さく首を振る。 もはや自分にできることはないのかもしれない。
彼の最期が安らでありますように、と祈る以外には。]*
(120) 2015/12/02(Wed) 23時半頃
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九重様……。
[だめ、いかないで。その一言が口まで出かかって。 なにをやっているんだろう。 それでは、兄の出征を泣きながら見送ったあの日と。 まったく同じではないか。 いかないで、と泣いて兄に縋った櫻子は。もういないのだ]
いってらっしゃいまし。
[とん、と九重の背中を押した]
キャロもペラジーも。 わたくしにとっては大切な友人ですわ。だから。
[じっと九重を見つめて]
彼女らを、宜しくお願いします。
[小さく微笑むだろう]
(121) 2015/12/02(Wed) 23時半頃
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|
あら、それは困りましたわね。 全身全霊で知らん顔を決め込まれては敵いませんわ。
[九重の言葉に思わず笑みが零れて]
……分かりました。自室にて待機しています。
[彼に迷惑をかけるのは本意ではなかった。 肩を竦めて見せるだろう]
(122) 2015/12/02(Wed) 23時半頃
|
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― 二等車両 ―
[扉のいくつかは開け放されている。 部屋の中、窓を開いて身を乗り出す者。 廊下に出て立ち話をする者。 ぎっしり詰まったボックス席。 ぽつねんとした席、からっぽの席。
多くの人がそこにはいた。 誰の顔も目に留まらない。 誰の姿も、サイラスは通り過ぎていく。
此処でならば、サイラスの身形もそう飛びぬけて奇異にはうつらない。 もしかしたら、ボックス席のひとつに収まってゆっくりと車窓を眺める人生もあったかもしれない。―――そんなこと、ないのはわかっているけれど。 列車の外、喧騒も血臭も構わずに、サイラスは後方へと向かっていく]
(123) 2015/12/02(Wed) 23時半頃
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少し前。 [つまらないぞ、という言葉に首を振る。>>114 それは無いな。と確信があった、興味を持った事で詰まらなかった事など一つも存在しない。 背を向けようとした彼が、唇を噛んだのは名前を問うたとき。 ――やはり、偽りだったか。分かっていても、知るのは心地よく。振り払われるまでそのごわついた髪を掻きまわした]
次会ったときに、…教えてやるよ。
[ほんとの名前?と問う声は幼く聞こえ。 思わず、肩を震わせ、漸くか。と笑う。 彼にはヒントを撒いたつもりだったから、
まるで次があるように。>>117 演技を終えた、演者の如く、種明かしを呟いた。 彼がこちらに興味が無いにしても、こちらは彼に興味がある。
背を向けた男を、見て。またなと言ったのは、軽く。 何も返さない背を見送り、ラウンジへと向かう。
そろそろこの、ルーカスの終幕だ。**]
(124) 2015/12/02(Wed) 23時半頃
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|
[ゆっくりとしたまばたきを数回したあと、口を隠さずあくびをしたシビルは、自室へと戻ることにする。**]
(125) 2015/12/02(Wed) 23時半頃
|
|
→一等車両 [車内は何処もかしこも人が居たか。 其々、思い思いに喋る声の間を潜り抜けていく。 声をかけられぬよう早足で進む先。
一等車両に向かえば、其処に>>118>>125
話の輪に入らず自室へ戻る姿を見つけ。 一等車両のベッドの寝心地はどうだった。と問いかけてから、自身もまた自分の個室を開くだろう。*]
(126) 2015/12/02(Wed) 23時半頃
|
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ええ、行ってきます。
[頷いて]
ああ、櫻子さんも、あの二人を見知っていましたか。
[キャロは、あの赤毛の少女――キャロライナのことだろう。 とすれば、蜂蜜の少女がペラジーというのかと、盛大な誤解とともに]
はい、私の手の及ぶかぎりは。
[もっとも、そう長くもない手だが――]
もちろん、見届けたなら、真っ先に報告しますよ。
[彼女の個室は、この列車での旅が始まって直ぐ、ひょんなことから知ってしまったので>>1:46]
(127) 2015/12/02(Wed) 23時半頃
|
|
―雪燕付近・野外―
[凍えるような風に身震いしつつ、大地に降り立った。 なんのかのと偉そうなことをいって出てきたが、出来ることといえば、ほとんどない。
櫻子が大切な友人といった少女たちを連れ戻すか、或いは。 結末を認めて、それを報告するか。それくらいだろう]
……は、……なんだ、歌?
[枯れた麦畑の向こうから、旋律が聞こえた>>119]
(128) 2015/12/02(Wed) 23時半頃
|
|
[ 銃声が複数回。 近い。
続いたのは、鉄道警察隊員の罵声か、はたまた歓声か? 別の野太い声が罵声を返す。 口調からして、三等車両の乗客だろうか。
ペラジーは口を引き結び、枯れた麦を踏みしめながら、その方向へ急ぐ。 もしイアンが視線を合わせてくれば、ペラジーの激しい緊張が伝わったかもしれない。
だが、そこに転んで>>110いたのは、シャベルを構え、青い顔をしたシェリー。>>112]*
(129) 2015/12/02(Wed) 23時半頃
|
|
[結局使っても意味は無かったか。と笑う顔は、女ものの化粧品を転がして。鞄を片手に男は、嫌に目立つシルクハットと礼服の上着を個室にと脱ぎ捨てた。]
はぁ、どうするか。
[最初から、あの獣を追いかけるという選択肢はない。悪意と憎悪、混沌に塗れた世界など興味の欠片もなく。紳士然とした顔を捨てれば其処にあるのは、善意の塊もない、顔だ。 獣を追いかけ、誰かが犠牲になろうと知った事ではない。今は、良いが列車が動き出し。駅に着けば、化けものを調べる為に鉄道警察が本格的に介入してくる可能性が高い。 そうなれば危ないのは、自分の身だ。
こんなところでドジを踏む訳にはいかない。 いかないが、胸を刺す痛みはどうすることも出来ず。]
お人よしどもめ。
[悪態をつくことで。心を静めた。 妹に似たあの少女はどうしたか、外に出るなどということは、異国の紳士が止めてくれるだろうと思って居た。>>115>>122他力本願というらしいが。
自分の身が、危うくなる可能性が高いのだから。 これ以上は何も出来ない。
窓を開け。――、そこから車内より抜け出すだろう。**]
(130) 2015/12/02(Wed) 23時半頃
|
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― 枯れた麦畑 ―
[これは、そう、違うのだ。 好奇心などではない。化け物に対しての。
そう自分に言い聞かせながら歩く。 誰が責めるものか。大勢出てきている。 それでも違う、と。
シェリーを追うのは案外容易だった。 目撃証言がを手に入れることができたからだった。 自分が落としたシャベルを拾ってあっちへ――血痕が続く方角へ行った、と。>>86>>89 そう聞いた時は迷いもしたものだ。 シェリーは自分の“間違い”を認めてあの子を捕まえる方に回ったのか、 あるいは単に自分の身を守るために武器を手に取ったのか、果たして―――
[まあ――どちらでも、シェリーを連れ戻す、という目的に変わりはない。 夜道は危ないし、化け物と呼ばれる者を捕まえるのは、 それができる者に、任せるべきだ。それしかない]
(131) 2015/12/02(Wed) 23時半頃
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|
[立ち上がり、ラウンジから出て一等車両へ向かったところで。 車掌と三等車両の客が言い争っているのが目に入るだろうか。 三等車両の憤った乗客たちが列車を降り始めた>>51のだ。 お客様困ります、と。車掌が必死に客たちを押しとどめている]
その、道を開けてくださいまし。
[小柄な櫻子ではどうにもならない。 三等車両の柄の悪い男が、車掌に向かって手を振り上げた]
……え。
[車掌がその拳をすんでの所で避けて。 行き場の失った拳は、そのまま真っすぐ。櫻子の元へ。 うるせえ、俺たちを外に出せ。罵声が聞こえた]
(132) 2015/12/02(Wed) 23時半頃
|
|
……きゃあっ。
[小さな悲鳴を上げる。天地がひっくり返る。 自分が列車の床に押し倒されたのは分かった]
あ、う。
[頭がちかちかして。自分に駆け寄る車掌が見えた。 そのまま意識がブラックアウトしていく。 次に目を覚ました時には、 全てが終わっているかもしれない**]
(133) 2015/12/02(Wed) 23時半頃
|
|
― 三等車両 ―
[少し密度の和らいだ三等車両。 酷い匂いは相変わらず、それでもやはり、この中が一番サイラスの影を薄くさせる。 誰もサイラスを見ようとしない。余裕のない者ばかりだからだ。好奇心がある者は、いくらかは外に出て、いくらかは囁きあっている。
誰もサイラスを笑ったりしない。 蔑まれることには慣れていた。 勿論、笑みにはプラスの感情が篭ることも知っている。 どちらもない、曖昧なものも知っている。 雪燕で向けられたいくつかはどれだろう? それは、サイラスの目的を助けるものだったろうか?]
(134) 2015/12/03(Thu) 00時頃
|
|
[ 駆け寄ってシェリー助け起こそうとするが、驚きは消えない。]
大丈夫ですか? なぜここに? 列車に戻ってください……その、シャベル、も……?
[ ペラジーは思わず、シャベルをまじまじと見つめた。 彼女が拾ってきた>>86とは思わずに。
イアンの反応はどうだったろうか。]*
(135) 2015/12/03(Thu) 00時頃
|
|
……おおい、蜂蜜の娘、ペラジー!! ――ぬいぐるみの娘! キャロライナ!!
[片方が間違っている。が、それを当人も周囲も知らない]
……どこまで行ったんだかね。
[嘆息する。時ならぬ停車に、外に出た乗客は多い。 新鮮な空気を楽しんだり、喫煙したり、用を足したり、諸々だ。 命知らずの肉体労働者や元兵士が多いらしいとは聞くが、銃声が響くなかで、大したものだとは思うが]
どうもこうも……探しようがない。
[手がかりといえば、少女たちが視線を向けていた、満月だけ――]
(136) 2015/12/03(Thu) 00時頃
|
|
― 麦畑 ― [何でもいいから、持ってくればよかった。身を守るような武器だとか、上着だとか、あとは一服用の煙草くらい。
ペラジーは、無言で歩みを進める。 イアンは、それを追う。 辺りからは銃声が響き、ペラジーは歩みを速めた。>>57
どうすれば良いのかは、全く手立てが浮かばない。 ペラジーに何かあったときに、どうするべきなのかも浮かばない。
ただ、彼について行かなければならないという覚悟だけが、其処にある。
怒号、銃声、風に靡いた麦の囁く音、様々な情報が混沌とする中、ペラジーとふと顔を見合わせた>>61後だっただろうか。
>>64巨大な血まみれの狼の姿が、其処に現れたのは。]
(137) 2015/12/03(Thu) 00時頃
|
|
[>>126 自室に入ろうとしたところで、切符を譲ってくれた紳士に話しかけられる。 一等車両に戻ってきた、ということは、彼も野次馬の一人であったのだろうか。]
寝心地か……上等だとも。
こんな事態でさえ無ければ、 わたしの目が覚めることはなかっただろうから。
[こんな事態、と軽く肩をすくめて言うと、彼もまた個室へと戻るのであろう様子を見送り、シビルは扉を閉じた。**]
(138) 2015/12/03(Thu) 00時頃
|
|
[三等車両の隅に座り込む。 図らずも、そこは人狼たる少年が座り込んでいた壁際だった。 それと知らず、サイラスは背中を壁につけ、意地でも鞄はどこにも触れないよう膝に抱えたまま、深く息をついた。
―――人狼、と声がする。その単語は、一瞬だけサイラスの心で跳ねて、すぐに通り過ぎていった。
夜行列車は、夜を通り過ぎるものだ。 早く通り過ぎて欲しかった。 早く、遠く、サラグニッドより遠く、遠い地へ逃げ出したかった]
まだ ……何も、見つからないけれど
[抱えた膝の間に顔を埋める。 夜明け前の最後の暗闇。 列車は、夜に通り過ぎられようとしていた]
(139) 2015/12/03(Thu) 00時頃
|
看板娘 櫻子は、メモを貼った。
2015/12/03(Thu) 00時頃
|
〔追うものがいたなら、振り返りはしただろう。 平時であればペラジーが女の子だったのかと、 勘違いに勘違いを重ねたかもしれない。>>136
途中、この場に似つかわしくない旋律が聞こえた。 それはほんの少し聞いた腕の中のオルゴールの音と、 似ているような気がした。
ざざ、と草を掻き分け見えたのはペラジーの顔。>>135〕
……ペラジー、君。
〔蒼褪めた顔で彼を見つめると、 ちょっと眉根に皺を寄せてから、 助け起こそうとしてくれる彼に「大丈夫よ」と言って シャベルを杖に立ち上がる。〕
(140) 2015/12/03(Thu) 00時頃
|
|
シャベルは拾ったの。
……あの男の子にもしものことがあったら、 大変と思ったから。
〔言い訳などする筈もない。 だけれど、言葉を重ねる元気もない。〕
狼は、あっちに行ったわ。 追うなら…持っていって
〔狼が消えた方角を指差して、 それからシャベルを渡そうとしてみるけれど。〕 それと、ついていかせてくれると嬉しいのだけれど。
〔せめて見届けたいのだと。 そう訴えかけて、同行の許可を願う。 反対されたならば、逡巡の後に引き返すだろう。*〕
(141) 2015/12/03(Thu) 00時頃
|
|
[狼の口は、真っ赤な血に濡れていた。 咄嗟に、ひ、と声にならない声を上げ。 そこから動かないペラジーと狼を、黙って見つめていた。
やがてペラジーは、「それ」へと語りかける。>>78 狼は応えない。答えるはずがない。 ……少年の面影は、最早どこにもなかった。
そこで鳴る銃声と共に、狼は再び闇の中へと姿を隠した。
再び消えた狼に向けて、>>119ペラジーは歌う。きっともう、少年には届きなんてしやしないのに。
……現実は、御伽噺のように呪いが解けてハッピーエンドなんてなるはずないのに。]
(142) 2015/12/03(Thu) 00時頃
|
|
[耳を澄ますと、時折、暗闇の奥で銃声や怒号、悲鳴が響いている]
……丸腰で、何をどうしろって?
[これは、櫻子の傍についていたほうがよかったかな――なんて、自嘲しながら。 もう少しだけあの少女たちを探してみようと、雪燕の灯りが届かない枯れ畑へと、歩を進めた]
(143) 2015/12/03(Thu) 00時頃
|
|
[もしも黒髪の男の人がそばにいれば、>>136 名前間違いをやんわりただすこともできただろうが。
聞こえるのは、寒風吹きすさぶ音と、屈強な男達の笑い声と、 何かが破裂するような音。繰り返して。
そういえば鉄道警察は銃を持っている、と聞いた。 撃ったのか。つまりは]
……どうして。
[応える声はない。そも、何に対して「どうして」と言ったのかも曖昧なまま。 進んだ先。果たしてシェリーはそこにいた。>>140 シャベルを杖に立ち上がって]
(144) 2015/12/03(Thu) 00時頃
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