112 燐火硝子に人狼の影.
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―昨夜/アイリスの部屋―
[夜闇に紛れるようにして男はアイリスの部屋を訪れる。 扉の鍵は掛かってはいなかった。 音立てぬよう扉を開けて中へと身を滑り込ませる。 後ろ手に扉を閉め、明かりを消すのは念のため。 男は気配を殺し獲物の傍へ忍び寄る]
アイリス、――見極める者よ。
[まどろむ彼女を現に呼び戻すように掛けられる声。 彼女の意識が覚めるのはややしてからだった]
おはよう。お邪魔してるよ。
[其処にあるのが当然であるかのように男は女の傍らで微笑む]
(*12) 2013/02/05(Tue) 10時頃
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[来訪者の存在にアイリスが驚くのも当然の事。 彼女が息を吸い込む気配に、男の手が動いた。 悲鳴があがる前に開かれたその口を塞ぐ]
まだ夜更けだ。 他の者の眠りを妨げてはいけないよ。
[窘めるように年下の娘に言い聞かせる]
見極める手間を省きに来た。 ――…私が、キミたちの探す者だ。
[に、と口の端を持ち上げて男は人狼であると告げた]
(*13) 2013/02/05(Tue) 10時頃
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[驚きに見開かれたアイリスの眸に映り込む男の顔。 人であったその姿は金色の毛並みに覆われてゆく。 人とも獣とも言い切れぬ姿は物語の中の人狼そのもの。 完全な獣の姿にも変じられるがリヒトは態とその姿を見せつける]
力があると自警団に知られねば こんな事に巻き込まれる事も無かっただろうに。 ――…災難だったな。
[災難の一言で済ませるには酷い未来。 彼女の命運を握る人狼は冷えた声音で彼女に囁きかけた。 裂けた赤い口許からは生暖かな息がこぼれその耳朶に触れる]
処刑などされて堪るか。
[低い呟きを聞けたのはアイリスのみ]
(*14) 2013/02/05(Tue) 10時頃
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[恐怖に顔を引き攣らせるアイリスを横目に見遣り 口塞いだまま、もう片方の手でとらえた腕に力を込める。 鋭い爪が彼女の肌を裂き、その肉に食い込んだ。 逃れようと藻掻いた彼女の手が人狼の鼻先を掠める]
逃がさない。 暴れれば余計に痛い思いをするだけだ。
[諦めろと慈悲なき声が落ちる]
キミの命が我らの生きる糧となる。
[そう紡いだ口が大きく開かれて女の白い喉へと寄せられた]
(*15) 2013/02/05(Tue) 10時頃
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[硬い何かを噛み砕く鈍い音が獣の耳に響く。 断末魔の叫びが宛てがわれたままの手に消えて]
――…。
[間もなく意識を失い息を引き取る気配がその掌に感じられる。 事切れた女の肢体がくずおれる前に 人狼は彼女の口許から手を外しその腰を抱きとめた。 咥えたその喉から迸る血潮が人狼の口腔を満たしてゆく。 甘く芳しい女の血は芳醇な葡萄酒よりも人狼を酔わせるよう。 コクリと上下する喉骨。 一口では飲みきれぬ赤が床に散り 月明かりの下、何よりも鮮やかな花を咲かせた]
(*16) 2013/02/05(Tue) 10時頃
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[彼女の首筋から人狼の牙が引き抜かれる。 男の腕に余る細い腰を支えながら 赤く彩られた床にアイリスを横たえた]
ミドル、待たせたな。 狩りは滞り無く済んだ、食餌の時間だ。
[リヒトと名乗る人狼は漸くミドルとサリスに意識を向ける]
今の内に腹を満たして力を蓄えておくといい。 見極める者が屠られたとあれば 自警団の警戒も更に厳しくなるだろう。
[自警団は元より解放する気はなかっただろうが 容疑者として集められた者たちも 半信半疑であった人狼がいると知り変化があるだろうと思う**]
(*17) 2013/02/05(Tue) 10時頃
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[昨夜聞こえた嘆息と短い応え>>*8 もう会うこともないだろうと思っていた相手との再会を 受け止めた獣の心中は複雑なものだった。 己の聲を聞き言葉を交わす彼を仲間と思う反面 牙を持たぬままである事を仄かに残念に思う]
――…嗚呼。
[染まりきらぬならば喰ってしまおうか。 あの時聞いた声と血の味は好ましいものだったはず。 アイリスを手に掛けた張本人は何食わぬ顔で自警団に 彼女の死を伝えながら、ひそやかにわらう**]
(*18) 2013/02/05(Tue) 11時頃
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―朝/広間―
[自警団曰く、これは人狼の仕業だ、と。 人狼と思しき者を処刑する為引き渡せ、と。 アイリスの遺体を運び出した自警団員が言い残した言葉を反芻する]
人狼と思しき者、など――… どうやって見つけろと言うんだ。
[壁に凭れた姿勢で苦々しく呟いた]
誰が……、……。
[思い悩むように俯き独り言ちる。 自警団が容疑者と示した者の顔を思い浮かべるが 心は揺れて誰と絞りきることは未だできずにいる]
(39) 2013/02/05(Tue) 14時頃
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[ふ、と瞼を伏せれば赤黒く彩られた惨たらしい遺体が浮かぶ。 引き裂かれた彼女は大きな獣に襲われたように見えた。 人の手による犯行とは思えぬ惨状。 人狼の存在を意識せずにはいられないもの]
――…アリバイなど訊いてまわっても無駄だろうな。
[無論、男自身にもそのようなものはない。 夜の間に起こったのであれば目撃証言も期待できぬだろう。 それ以前に、目撃者がいたのであれば 自警団に訴え出るなりするだろうと思われた]
何か手掛かりでもあれば良いんだが。
[アイリスの部屋にあるテーブルにシチューの皿と 日記らしきものが残されていたのを思い出しはするが あ、と声漏らすも眉を寄せるのみで直ぐに動こうとはしない**]
(42) 2013/02/05(Tue) 15時半頃
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[アイリスの訃報を聞いたテッドの声>>54が耳にとまる。 エントランスへと向かう彼の様子が気になりそちらに足を向けた。 余所者を疑っている風だった彼の意見を聞いてみたいと思うも 口を挟む余裕などなく、小銃が向けられるのを見る]
乱暴だな。 人狼容疑を掛けられれば扱いさえそうなるか。
[ふん、と軽く鼻を鳴らして自警団員を見遣る。 その自警団員の一人が気づき、睨むを感じれば やれやれといった風情で肩を竦めた]
見極める者に護衛さえつけずにいたとはね。 キミたちの遣り方には少しばかり失望したよ。
[揶揄るようにそう言い残し、 テッドが立ち去ったのを確認してから退散する]
(66) 2013/02/05(Tue) 21時頃
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ルーカスは、シーシャの顔色が芳しくなかった事を思い出し、ふと眉を寄せた。
2013/02/05(Tue) 21時頃
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妙な力、か。
見極める力を持つ者がアイリスの他に居るなら――… 見つけ出して彼女と同じ道を辿って貰わねばなるまい。
[それにかぎらず邪魔と思えば排除するだけ。 言葉にはしないがそんな思考が見え隠れする]
(*27) 2013/02/05(Tue) 21時頃
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[エントランスから厨房の方へと向かう少年>>68の後ろ背を 翡翠色の双眸が認めるが声かけ引き止める事はしなかった。 会話らしきものを交わしたことのない相手。 何を考えているかなどはまだ知れずにいる。 思った事がすぐに表に出てしまうらしいテッドとは対照的に見えた]
――…女子供がそうとも思えないが。
[ぽつと漏らし]
嗚呼、そういえば
[色の知れぬ相手が他にも居た事を思い出す。 一人ランタンを弄っていた彼の姿を思い浮かべながら歩む。 広間まで戻れば椅子に座り、思案するように、俯いた]
―→広間―
(69) 2013/02/05(Tue) 21時半頃
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狩りやすそうな所で私は構わない。 厄介そうな相手も今の所目星はついていないし、ね。
――…食餌としてなら、女子供の方が 肉が柔らかくて好ましいが。
[昨夜はアイリスを狩る際に血を口にしていた。 肉にまでは手をつけずにいたが 強い欲求は未だなく、希望も緩いものとなる]
(*29) 2013/02/05(Tue) 21時半頃
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……、ああ、キミか。
[メアリーから声が掛かると顔を上げた。 少しだけ困ったように眉尻が下がるのは 彼女に聞かせるのはしのびない話ばかりだったから]
見極めると言っていたアイリス嬢を覚えているかな。 彼女が何者かに襲われ、亡くなった。 自警団の話では、人狼の仕業らしい。 昨日も言っていたが、人狼と思しき者を引き渡せと言っている。
[は、と吐息零し間をあけて]
それから――… それを知ったテッドが、少し騒いで、ね。 自警団が小銃を彼に向けて――… それで漸く彼が退いたのだが……
[悩ましげにぽつともう一つの話題を彼女にする]
(74) 2013/02/05(Tue) 22時頃
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――残念ながら。
[本当だと肯定するように少女>>79に頷きを向ける]
見極めるといった彼女の、結果が知りたくてね。 彼女の部屋に彼――…ホレーショ―と行ったんだ。 ノックしても返事がなかったんだが、叩いた弾みで扉が開いてね。 ――…獣に襲われたような有様の彼女を、みつけた。 息があるとは、思えない、酷い状況だったよ。
[衝撃を与えぬように言葉を選びはするが 正確に伝えようと思えば、ままならず]
(82) 2013/02/05(Tue) 22時頃
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[お兄さんと己を呼んだ彼女に一瞬妹の姿が重なる。 不安げな少女の眸を見詰め、微かに表情を緩めた]
名乗りそびれていたかな。 僕はルーカスという。
[軽く名乗り]
嗚呼、一人で居る方が拙いとは思うが 彼は僕も警戒していたようだったから――… 皆と一緒にいようと言った所で聞き入れないだろう。
[思う事を口にする]
心配なら、彼の様子をみにいくかい? 少し離れた場所から見守るくらいしか出来ないが
[もしそうならついてゆく旨を彼女に伝える]
(84) 2013/02/05(Tue) 22時半頃
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―広間―
[廊下に居る踊り手の姿>>83に気づくのは少し遅れて。 視線は一瞬重なるがすぐにそれて 彼女の背が翡翠に映り込むのみ]
……ン。
[不思議そうに頸を傾げ、視線を戻した]
(89) 2013/02/05(Tue) 22時半頃
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[ミドルの聲にゆると思考を巡らせる]
狩りやすそうなのは、あの、少年か。
[丁度ミドルが対峙している相手を思い浮かべ呟く。 元々身寄りのなさそうな相手を獲物とする傾向がある。 だからこその選択ではあるが、 ミドルやサリスの意向もあるだろうと強くは推さない]
(*31) 2013/02/05(Tue) 22時半頃
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――…何かの間違いであれば良かったが。 本当に、居るようだ。 見極める者が居なくなってしまった今、 どう対応すればいいのか――…
悩ましいね。
[名乗りを受ければメアリーに一つ頷く。 笑みを浮かべる彼女の健気さに翡翠の眼差しが緩んだ]
メアリーか。 キミに似合う、可愛らしい名だね。
(93) 2013/02/05(Tue) 22時半頃
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[考えこむ様を見れば口を噤む。 メアリーの考えを聞けば、ふむ、と小さく声を漏らし]
仲が良い相手でないなら――… 刺激しないほうが良いかもしれないな。 自警団にも臆せず立ち向かった彼が…… キミを傷つけないとも限らない。
[目の前にいる彼女を案じるような言葉を紡いだ]
一人の方が安全だ、と、彼は思っているのかもしれない。 人狼が誰とも知れぬ状況だからそうなるのも仕方ないが ――…人恋しくなれば、出てくるだろう。 今はそっとしておくほうが、彼の為かもしれない。
[己の考えを彼女に告げる]
(95) 2013/02/05(Tue) 22時半頃
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サリス――。
[呼びかける声は普段と変わらぬ響き]
私達に喰われたくない者がいるなら言っておくと良い。 考慮はしよう。
[善処出来るかは知れないが喰われたくない存在があるかを問う]
(*34) 2013/02/05(Tue) 23時頃
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[頬を染めるメアリーを微笑ましげに見つめる。 眼差しは常よりやさしいものとなっていた]
そんな仕草も可愛らしいと言っては――… 不謹慎だと自警団に叱られてしまうかな。
[照れ隠すような呟きをのせて、小さく笑う。 彼女の言葉を聞けば、少し考えてから頷き]
気に掛けてくれる誰かが居ると知れれば心強いと思う。 キミの優しさが、彼の心もとかすかも知れないね。
[それを支持する言葉を向ける]
(98) 2013/02/05(Tue) 23時頃
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余所者を疑っていたようだったからな。 今の所、害はないとみているが――…
[アイリスと同じ>>*35と聞けばクツと喉を鳴らす。 口腔に広がった血の味が思い出された]
メアリーが彼の事を気にしているようだ。 同じ道は、辿らぬやもしれん。
(*36) 2013/02/05(Tue) 23時頃
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からかっているつもりはないけど そう聞こえてしまったなら済まないね。
――…可愛いと思ったのは本当だよ。
[歳の差は歴然であるからメアリーにとっては 迷惑やもしれぬと思い、ささやかに添えられるだけの言葉]
嗚呼、もちろん。 いつでもキミの都合の良い時に声を掛けるといい。
[問いかけには首肯で快く応じる]
(106) 2013/02/05(Tue) 23時半頃
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――…ふ。
[サリスの反応に思わず漏れる笑み声。 紡がれた名には少し考える風に間をおく]
美味そうな娘であるが――… 今は、見逃そう。
けれど、良いのか? 己の名を紡いで置かなくとも。
[悪戯な囁きをのせて目の前の少女を見つめた]
(*39) 2013/02/05(Tue) 23時半頃
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厄介な変化があれば――… その時に、狩れば良い。
余所者に疑いの目を向けて呉れるのを期待しているのだが どう転ぶだろうね。
[ミドルの聲にゆると己の考えを添える]
(*40) 2013/02/05(Tue) 23時半頃
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―広間―
[オスカーの訪れに、ピクと片眉が持ち上がる。 彼の手元から漂うのは紅茶の香り]
……キミが淹れてくれたのかい?
[表情かたいままの少年に頸を傾ぐ]
丁度喉が渇いていたんだ。 ありがたく頂くよ。
[彼の持ってきたカップを一つ受け取り感謝の言葉を向ける]
(108) 2013/02/05(Tue) 23時半頃
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[シーシャの声が聞こえ、ふとそちらに顔を向けた。 アイリスの部屋近くで会った時と変わらず その顔色は芳しからぬ様子]
大丈夫かい? 気分が優れないなら無理せず休むのだよ。
[軽く声を掛けてから アイリスの名を口にしたランタン持つ男>>85へと眼差しを移した]
(109) 2013/02/05(Tue) 23時半頃
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ミドル。 キミの懸念も分からなくもない。 面倒な事になるようなら責任をもって私が処理しよう。
[静かな同胞の聲に似た響きを返した]
(*42) 2013/02/05(Tue) 23時半頃
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[メアリーを中心に和やかな空気を感じる。 その場で紅茶を含み、一息吐いた]
――…嗚呼。
[落ち着くあたたかさに癒されるのも束の間。 自警団員が動く気配がした]
待ちきれなくなったか? 見極める者も居ない今、決めかねる、など…… そんな理由に引き下がってはくれぬのだろうね。
[溜息混じりの言葉を漏らし 処刑を促す為に来た自警団員を一瞥する]
(113) 2013/02/06(Wed) 00時頃
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