173 【突発RP村】夢の通い路
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[『ちゃんと女らしい恰好をしなさい』
母はいつもそう言っていた。 でも、それは嫌だった。 文句を言う母の横で、兄のお下がりの服に袖を通す。 母がなんと言おうと、スカートは穿かない、髪は伸ばさない。
――だって、仲間はずれは嫌だから。
『待ってよ、―――、お兄ちゃん』
いつも前を走る兄"たち"を追う。 スカートを穿いたら走れない。 髪は短くないと木に登れない。 置いて行かれるのが嫌だった。 "女"だって理由だけで]
(8) 2014/04/20(Sun) 15時頃
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[そんな風に考えごとをしていると、辿りついたのは2
1.押し入れの中 2.クローゼットの中 3.物置の中]
(9) 2014/04/20(Sun) 15時頃
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[周りはいやに暗く、狭い。 布が体にまとわりつき、見動きはとりにくい。 ただ、扉の隙間から光が漏れているため、自分がどこにいるのかはわかる。]
―――なんで、クローゼット。
[建物は和風だったと言うのに、何故かそこの作りは洋風。 後ずさると踵が堅い木製の箱のようなものにぶつかる。 小物を収納する棚だろうか。 考えられた利便性は生活感を感じる。 どうしてクローゼットの中に辿りついたのかはわからない。 わからないが、最初に会った女の人のクローゼットだと]
……なんか不味い気がする。
[自由に出歩いてもいいとは言われたが、さすがに不法侵入になるんじゃなかろうかと]
(10) 2014/04/20(Sun) 15時頃
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[クローゼットの中の服は雑多。 男性の物、女性の物、大人のサイズから子どものサイズまで。 冬の暖かそうなコートも、夏の涼しげなワンピースもあった。 予想通りあの女性のクローゼットかはっきりとはわからない。]
…とりあえず、でな、きゃ……?
[狭く、息苦しく、少しだけ埃っぽいクローゼットの中で何かを思い出しかける]
――あの時は、1人じゃなかったっけ。
[誰といたんだっけ]
(11) 2014/04/20(Sun) 15時半頃
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[『ガーディ、どこだ!』
兄は自分を探していた。自分、つまり悪戯の犯人を。 ちょっとした腹いせ。 自分に内緒で、――――と遊びに行ったから。 ――――には、風邪で遊びに来れないと言っていたらしい。 だから、二人で、悪戯を仕掛けた。 置いて行った腹いせと、嘘をついた仕返しに。 提案したのは――――。
キャンディの包みの中のカエルを見た兄の反応を見て、笑ったあと、一目散に逃げる。 二人で隠れたのはクローゼットの中。 息をひそめて、見つかるまで、クスクス笑いながら]
(13) 2014/04/20(Sun) 16時半頃
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[クローゼットの暗がりに、そんな幻影を見た。 自分の隣にいた、もう一人。 兄と、自分と――――]
僕の忘れてたことは、この人。
[自分の隣を指差した。 そこには今、服がある。それ以外に何もない。 そして、"あの日"、差し出された手も、この人。 足りないピースは、"あの人"との"あの日"。
何故忘れていたんだろう。 何故短かった髪を伸ばそうとしたのだろう。 クローゼットの思い出から出るため、扉に手を*かけた*]
(17) 2014/04/20(Sun) 17時頃
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[クローゼットの隙間に指を引っ掛け、扉を開けると、この建物に来た時に会った女性が、いた]
え、わ……ぁ……… ご、ごめんなさいっ! 僕、気付いたら、ここにいて!
[やはり、彼女のクローゼットだったか。 しかも自室なのか、机の上には今まで食べていただろう煮物と熱燗>>40 仕事ではなく、プライベートな部屋に来てしまった事に、勢いよく謝罪を述べた]
(43) 2014/04/20(Sun) 23時半頃
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あの、えっと……探しに、来たんだと思うけど……
[それは、彼女からこの建物の中に入った時に聞かされたことだから。 無くしたものなんて、知らなかった。 無くしたことすら、知らなかったから。 今は、見つけなければいけないと思った。
答えが出せなかった故に、忘れてしまった問いを。
だから、一つ、深呼吸の後に]
うん、探しに来たんだと、思う。
[そう、はっきりと言い直した]
(46) 2014/04/21(Mon) 00時頃
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[どこか懐かしい気配の漂う、初めての場所で]
はい、思い出がありました。
[覗きこまれ、視線を合わせ]
誰かと、いた。忘れるはずの無い、
[忘れるはずがない、だからそれはきっと]
僕の、大切な人。
(51) 2014/04/21(Mon) 00時半頃
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僕が男みたいにしてるのは、あの人に置いて行かれたくなかったから。 ずっと一緒にいたかった、から。
[だから、そのためには"女の子"でいちゃいけない。 一緒に遊べる"男の子"でなくちゃ。 花と戯れ、着飾る女の子にならず、隣にいる友達でいようと。]
でも、あの人は言った。 『ガーディ、髪を伸ばしたら?』って。 だから、僕は……少し伸ばそうかなって。
[ショートよりも、ボブに近づいた長さの髪を一房摘み、いじる。 その言葉に従ったのは、なんとなく。 少しだけ、嫌な予感はしていたけれど。]
(52) 2014/04/21(Mon) 00時半頃
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その人は 『ガーディ、僕はキミが好きなんだ』 って。
[その人の、手の中には花の付いた髪飾り。]
だから、僕は忘れてた。 よくわからなくなって、それで。
(53) 2014/04/21(Mon) 00時半頃
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―――貰った花の髪飾りをどこかに、置いてきてしまった。
(54) 2014/04/21(Mon) 00時半頃
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[忘れていたもの。それは彼に関する、記憶。
何故、男のように振る舞うのか。 なのに何故、髪を伸ばしたのか。
ささやかな矛盾は、"友人"の名で隠した気持ちと、自らの成長が招いた齟齬。]
悲しかったんだ。 男の子みたいな僕は、好きじゃないのかなって。 髪飾りが、似合うようなそんな人になれって言われてるようで。
[いつの間にか成長して、背が伸びて。 男か女か曖昧だった自分も、より女性に近づいたとも気付けずに。 ただただ、子どもの頃の延長をすごす。 関係が軋みだす。]
(58) 2014/04/21(Mon) 00時半頃
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でも、同時に嬉しかったんだ。 僕も好きだったから。 でも、
[伸ばされた手は頬に触れた。 嬉しかった。 でも、歪めた自己が、軋んだ、悲鳴をあげた。]
涙が出て。 それを見たあの人は、悲しそうに笑って。 なんて言ったらいいかわからなくて。
[逃げて、捨てて。 気付いたらここにいた。]
(59) 2014/04/21(Mon) 00時半頃
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僕は、
[撫でる手が、重なる。 過去と、夢と。 撫でているのは女性。]
答えを探すための髪飾りを無くしてたんだ。
[それが、僕の願いなのだろう]
(60) 2014/04/21(Mon) 00時半頃
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[『髪飾りだけではダメよ』
その言葉は心に刺さる。 まだ手に入れてない答え、それはここで見つける物ではない。]
無くしたものは、問いだから。
[白く何も書かれていない紙、そこにやっと問題が刻まれた。 だから、あとはそれを持ち帰って解くだけ。
それが、宿題。]
答えは、必ず、見つける。
[誰かに頼っても。 遠回りをしても。 どんな答えでも。
自分の納得のいく答えならば、誇ることができるのだと。 ヒーローが教えてくれた。]
(65) 2014/04/21(Mon) 01時頃
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[髪には、赤い花の髪飾りが揺れる。
視界は、良好。]
(66) 2014/04/21(Mon) 01時頃
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……うん。 答えはすぐに出ないかもしれないけど…
もう、忘れない。
[肩を優しく叩かれると、勇気を貰ったみたいで、胸が暖かくなる。 進もう、前に。]
ありがとう、僕、がんばるね。
[微笑み、元気に告げると最後に寄るべき場所へ行くため、部屋を後にした]
(68) 2014/04/21(Mon) 01時半頃
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― 池 ―
[廊下を歩き、和室を抜け。目指すは鯉のいる、中庭。 飛び石を跳ね、池を覗きこむ。]
………似合う、のかな。
[鏡面となった池に、髪飾りをした自分が映る。 赤い、デイジー。 少し恥ずかしげに、手に持っていたヒーローのお面で顔を隠す。 水面で仮面ドライバーが髪飾りをつけていた。]
(73) 2014/04/21(Mon) 02時頃
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[しばらく水面を見つめていると、波紋が像を乱す。 鯉だ。 3匹揃って、泳いできた。 今度は何かを欲するそぶりは見えない。 池の中で、色を、模様を見せつけて、優雅に。 斑も残りのに引きと一緒。 黒と赤は、追う、追われるではなく、寄りそうように。]
うん、良かった、みたい。
[黒は、あの人。 赤を、女の子の自分を見ていた、あの人。]
(74) 2014/04/21(Mon) 02時頃
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[しばらく池を眺めた後、その場を静かに立ち去る。 奥に見えるのは、竹垣と、扉。 吸い寄せられるように、その扉を開く。 その扉の先、夢の終わりへと、足を*向けた*]
(75) 2014/04/21(Mon) 02時頃
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