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漂白工 ピッパは、メモを貼った。
2010/07/03(Sat) 02時頃
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―― 小さな森 ――
…
[空を仰ぐ。 宵の灯りは優しくリンダのカラダを照らしている。 緩やかに視線を落とし、頬にそっと触れた。]
冷たい。
[ぽつ、と零して儚い笑み。 滑らせて、何度か手の甲を擦ってみても 其処に温もりが灯る事は、無い。]
(21) 2010/07/03(Sat) 02時半頃
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昔、ね。
[声は随分と穏やかになっていた。 ガーベラと木製の椅子が傍に無言で佇んでいる。]
おじいちゃんって、凄く怖かったんだ。 逢うたびに、何時も、何時も、怒鳴られてた。
[双眸を細めて、苦笑する。]
おじいちゃんが、怖くて仕方無かったんだ、私。 でも、ね。
おじいちゃん、優しかった事もあったの。
(25) 2010/07/03(Sat) 02時半頃
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ピッパ、ピッパって。 私の頭を撫でながら、笑うんだ。
甘いもの食べるか、とか。 一緒に遊ぼうか、とか。
本当に、ね。 今でもあの笑顔、忘れられない。
[くす、くす、と穏やかな笑い声が響く]
おじいちゃん、ね。 それからすぐ、死んじゃった。
(28) 2010/07/03(Sat) 02時半頃
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多分。
[そ、とリンダの赤毛を一房、両手で握る]
おじいちゃん、解ってたのかもね。 ……どんな気持ちだったかは、 ―――、今も未だ、解らない。
遠いんだ。 私は未だ、子供、なんだと思う。
でも、きっと。 寂しかったのかもしれない、って。 覚えていて欲しかったのかもしれないって、思うんだ。
[愛おしそうに、赤毛を撫ぜて]
(30) 2010/07/03(Sat) 03時頃
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私が、忘れちゃった時。 誰も、おじいちゃんを覚えて居られなくなったとき。
おじいちゃんは、きっと ――――、初めて本当に、死んじゃうんだと思う。
……リンダ? だから、リンダ。
死なないよ。 居なくならないよ。
リンダは、生きていてね。
[どれだけ言葉を紡いでも足りそうに無い。 未だ枯れぬ涙は、再び目尻を静かに濡らしていく]
(33) 2010/07/03(Sat) 03時頃
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あれ…? う、 …っと …あれ? ねぇ、三つ編ってどう、するの?
[苦笑した。 今まで三つ編なんてした事も、された事も、無い。]
ごめんね―――。 せめて綺麗にしてあげたいのに。
友達甲斐の無い奴だなぁ。 ………ごめん、ね
[ひた、ひた、と赤毛を雫が濡らして行った]
(34) 2010/07/03(Sat) 03時頃
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漂白工 ピッパは、リンダの上半身を両腕で抱き寄せると、引き摺るように椅子の上へ。
2010/07/03(Sat) 03時頃
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――――っ!
[ぐぐぐ、と引き摺るようにリンダを椅子へ。 なんとかという具合に座らせると、苦笑い。]
ごめん。 ちょっと痛かった?
……運動不足。 力も無いから、さ。
[あは、と能天気に、笑う。]
(43) 2010/07/03(Sat) 03時半頃
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漂白工 ピッパは、リンダの頭へ手を伸ばしそっと撫ぜた。
2010/07/03(Sat) 03時半頃
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少し。 ……少しだけ、此処で待ってて。
誰か、呼んでくるから。
[何時までも此処に置いては、おけない。 そしてリンダの事を誰かに報せなくては、いけない。 身寄りの無い子だったから、少なくとも村長にだけは。]
寒いかもしれないけど。 ……我慢、しててね。
[一瞬、自身の格好を見遣るが 暖を取る為に渡すだけの余剰な衣服は着ていなかった。 言い残し、静かにその場を後にする。]
(45) 2010/07/03(Sat) 03時半頃
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―― 村・大通り〜村長邸前 ――
はっ、 はっ、 はっ―――!
[森を抜け、大通りを走り 一直線に目指すのは村長の元へ。 とうに息は切れ、ほとんど気持ちだけが足を動かしている。]
……っ
[そして辿り着いた、扉の前。 すぐに手を掛ける事は出来ず、逡巡するのは、 『眠り姫』などと虐げられる現実が憚るから。
―――自分にそんな権利があるだろうか―――
事、此処に至っても、未だ手は、震える。]
(50) 2010/07/03(Sat) 03時半頃
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漂白工 ピッパは、メモを貼った。
2010/07/03(Sat) 04時半頃
漂白工 ピッパは、メモを貼った。
2010/07/03(Sat) 08時頃
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―― 昨夜・村長邸前 ――
……村長さん
[どれほどの時間、扉の前で悩んでいたか。 伸びた手が、す、と逃げて。 伸びて、逃げて、を何度繰り返したか。 漸くあけたのはリンダの笑顔が背を後押ししたから。
開け放ち、震える声で村長を呼ぶ。]
おっ、 おは お話が、ありま、す……
[どもりながらも告げれば、 あちらも何か抱えてるのか、深い溜息をつきながら 入りなさい、と声を掛けてくれた。
言われるまま、中へ。]
(96) 2010/07/03(Sat) 08時頃
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漂白工 ピッパは、メモを貼った。
2010/07/03(Sat) 08時頃
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[村長と女の二人きり。 自警団は全て出払った後なのだろう。 テーブルを挟み、向かい合うように座る。 間には、蝋燭の火が二つ、ゆらゆらと揺れている。]
……あ、あの り、りん――
[どもりながら、胸の内の怯えを、 誤魔化すように、繕うように、薄桃を手で弄る。 "独り"であれば既に逃げ出している程。
けれど、眸には強い力を残し す、と村長を見つめ
リンダに起こった事実、 隠されてきた秘密を全て、隠す事無く、告げた。]
(98) 2010/07/03(Sat) 08時頃
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[村長は緩やかに首を振り、深い溜息を吐いた。 そして、返されたのは嘘の様な現実 >>#2]
え、 そ、 ぅ
[言葉が続かない。 頭の中はリンダの事で、既に手一杯だったのに。 はちきれてしまいそうで、手の力が抜ける。
村長の言葉は続く。 恐らく沢山の死者が出るだろう、と。 村に残るものは、誰も助からないだろう、と。
だから。 要約すれば、リンダの葬儀も、 埋葬すらも行っている暇は、無い、と。]
(99) 2010/07/03(Sat) 08時頃
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そんな――!
[がたりと木製の椅子を弾いて、前のめりに村長へ詰め寄った。
御願いだから。 何でもします、だから。 リンダの葬儀を。せめて埋葬を出来るだけの助力を、と。
独りでは何も出来ない非力な自分を呪いながらも ただ、ただ、縋るしか無かった。
重い沈黙の後、村長は溜息と共に。 翌朝までにギリアンへ話をつけてくれると言う。
とにかく今日は休みなさい、と。 二人の会話は、其処で終わる。
安心した女が、すとんと、眠りにおちてしまった*から*]
―― 昨夜の出来事・了 ――
(100) 2010/07/03(Sat) 08時頃
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―― 翌朝・墓地(ギリアンの住処)前 ――
…
[翌朝。 墓地へと訪れたのは、女、ただ独り。 村長は話をつけるので手一杯という事。 しかしそれだけでも女にとっては十分有り難かった。]
ぎ、 ……ギリアン、さん
[何かの作業中、だろうか。 動いている背後から、そっと声を掛ける。 呼ぶ声は、低く、微かに震えていた。]
(101) 2010/07/03(Sat) 08時頃
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し、 ……仕事?
[もう既にそんなに抱えてしまう程。 死者は出始めているのだろうか、と心臓が大きく跳ねる。 すぅ、すぅ、と呼吸を繰り返し心音を落ち着かせながら]
あの―――。 村長さんからお話は、い いって る、と思います、けど
……リンダが。 リンダが、……病気でしん、じゃって 未だ森の中に居るんです
ささやかでも ……運んで頂けるだけでも構いません 助力を、願え、ません……か
(104) 2010/07/03(Sat) 08時半頃
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あ、ありが
[んく、と言葉が詰る。 礼すら上手く紡ぎ切れない、纏わり着く"どもり"。 けれど女は何度も、小さく頭を下げて嬉しそうに笑う。
立ち上がる大男を先導するように、森へ。 途中教会へ寄り、棺を抱えるのを見守り、 二人、森に辿り着く。]
あそこ、です
[やがて、その場所へ。 指差した先には、幾本かのガーベラと。 椅子に力なく座る、リンダの姿。 優しい木漏れ日に照らされて薄ら、微笑んでいるように見えた。]
(106) 2010/07/03(Sat) 08時半頃
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漂白工 ピッパは、リンダの姿を見ると再び滲む雫。ぐ、と手の甲で乱暴に拭った。
2010/07/03(Sat) 08時半頃
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―森の中・朝もやに微笑む少女の前で―
そ、
[ギリアンの率直な感想を聞く。 恐らく彼が紡いだ意味の全てを理解は、出来ないが。 綺麗、という点で深く理解を得て、 嬉しくて、嬉しくて、言葉を紡ぎ切れず ぽろぽろ、と涙を零して、頷いた。]
……よかったの、かな 少しでも、辛く……なく、なれば 私はそれ、だけで……
[身勝手かもしれない。 けれどそう望まずには居れなくて。 置かれた棺の真横で、華、と零すギリアンに頷く。]
(110) 2010/07/03(Sat) 09時頃
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ええ。
[微笑で、ガーベラの傍へ。 納棺する横で、一つ、二つ、三つ。 摘んでは、棺の傍へ寄り、ギリアンへ微笑んだ。]
ほん、とは。 全部いれてあげたい、けど ………同じ華を、見ていたい、から。
[添える"希望"と、残す"希望"。 どちらも、傍に在ればいいという、ささやかな願い。 リンダの髪に一つ、挿してやり 一つは、リンダの手に握らせて、
もう一つは、願うように、胸元へ添えた。]
(111) 2010/07/03(Sat) 09時頃
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漂白工 ピッパは、墓堀 ギリアンに『御願い、します…』と涙交じりの声を向けた。
2010/07/03(Sat) 09時頃
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ぴ、 ピッパです……ピッパ・レッシグ。
[問われれば、小さく掠れた声で応答した。 一旦閉める、と言われ名残惜しげな視線を落としつつも]
……
[リンダの表情と。 偉かった、と。それだけの言葉が何よりも嬉しくて。 く、と奥歯を噛み、言葉を紡げぬまま 歩き出す背について、共に歩き出す。]
……はい。 その、 あり、 ありがとう、ございます――。
[大男には見えない、だろう。 けれど、顔をくしゃくしゃにしてなき続けた。 今はただ、この男の言葉が優しく、心を支えてくれたから。]
(115) 2010/07/03(Sat) 09時頃
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[女の世界は 大男と、棺と、自身だけで手一杯だった。 だから大男が呼びかけた声ではた、と我に返る。]
――…。
[声を向けたほうに視線を遣れば、 >>116 その姿を見つける、だろうか。]
(118) 2010/07/03(Sat) 09時半頃
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漂白工 ピッパは、墓堀 ギリアンの背とキセルを手にする青年を交互に見遣る。
2010/07/03(Sat) 09時半頃
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お、 ……御願い、します
きっと、リンダも喜ぶ、から
[ギリアンの声に小さく頷いて、 願う言葉と眸が、キセルの青年へ。]
(121) 2010/07/03(Sat) 10時頃
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ありがと。
[柔らかな笑みを青年へと向ける。 道中、名を問うたりもして、 此方からも青年へと名乗り返したかもしれず。]
一緒に。
[土を掘り始めたギリアンに声を掛けて、 手伝える事であれば、了承を得て、 彼の指示を仰ぎながら、手伝ったかもしれない。
低く響く歌を、聴きながら。]
(125) 2010/07/03(Sat) 10時頃
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…
[ラルフの声を聴く。 ちらと見遣る眸には言葉の内容に、 聊か冷たい色が灯っていた。 けれど、その表情を見て、]
良かったって言うなら ……なんでそんな か、 悲しそうな顔、してるの
[見えたままを、問い掛けた]
(127) 2010/07/03(Sat) 10時半頃
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…
[言葉を受けて、手が止まる。 なんて莫迦な事を聴いたんだろう。 どうかしてる、と自分を戒める、溜息。]
ごめん。 ……でも、 ―――そう。
そうだよ、ね。
[何故だろう。 気付けば、口許に、緩い笑みが浮かんでいた。]
(130) 2010/07/03(Sat) 10時半頃
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[ちらと窺った表情と、掌。 泥だらけの其れが、綺麗だと、零す。 自身の掌も出来る事を手伝ったせいか、汚れている。]
うん。
[ラルフの横に並んで、ぽつり、零す頷き。]
あっちでもきっと、 この子なら、引っ張り凧だよ
[あえてそんな軽口を向けて、微笑]
(134) 2010/07/03(Sat) 11時頃
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ん。
[ギリアンの声には緩い頷き。 他にも参列者が居れば、小さな礼を告げたかもしれず。 被さる土で棺が隠れてしまう前に、 女は小さく、別れの言葉を呟いた。]
また、ね。
[魂なんていうものが、在るのなら。 その願いは何時か叶うのだろうか。]
――、ありがとう。
[墓標に対しては、そんな言葉をギリアンへと向けた。]
(137) 2010/07/03(Sat) 11時半頃
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[暫く墓標の前で無言に佇んでいたが。 去っていったギリアンの後を追い、 静かに、彼の小屋の方へと。]
ギリアンさん
[小屋の入り口。 確かな声で、彼へと呼び掛ける。]
(138) 2010/07/03(Sat) 12時頃
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[振り返る彼に向く眸は真っ直ぐ向いて。 先程までの涙は既に、乾いている。
あ、と言い掛けた口が一度閉じて 再び、開くと]
御願いが、あります。 ……私は、この村を出る心算は、無いから。
だから、貴方の仕事を。 どんな小さな事でも、良いから、仕事を。
手伝わせて、ください。
[きゅ、と自身の服の裾を掴んで、見据える]
(139) 2010/07/03(Sat) 12時頃
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貴方を見ていて、思ったん、です。 私が出来る事、してあげられる、事。
此れは貴方にとって、失礼な事かもしれない。 だけ、ど。
[去来するのは、去っていく笑顔。 祖父の、リンダの。そして、見送る者達の、笑顔。 自身が抱える物のせいで、役に立たないかもしれない。 むしろ、邪魔、かもしれない。]
あの話が本当、なら。 私は最後まで、………見送る立場で在りたい。
それだけじゃ、駄目ですか。
[けれど、相当に拒否をされぬ限りはもう 下がる心算も無い、意志の双眸。]
(141) 2010/07/03(Sat) 12時半頃
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[其れでも構わない、と彼が漏らすなら。 一度、俯いて]
さよならと。 涙を流す人は、傍に居て欲しい、から。 私は、誰も、独りで死なせたくないから。
[ゆっくり顔を上げて]
好きだったんだ。 この、村が。
[虐げられた事も、上手く行かなかった日々も。 こんな時に、漸く愛せるようになって、 気付かされるなんて、と ―――、女は笑った。]
(143) 2010/07/03(Sat) 12時半頃
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[差し出されたバケツと、 お世辞にも彼に似合うとは謂えない笑み。 けれど初めて向けられた笑みは、嬉しかった。
バケツを両手で受け取って]
ありがとう。 そ、 それじゃあ
[早速、と足を向けようとするが]
其れくらい、貴方の眸を見ていれば、解るよ。
[部屋には入らない、という彼に くす、と零して、とりあえずはいわれた部屋を見に行った。]
(151) 2010/07/03(Sat) 12時半頃
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―― 墓地の小屋・少女の部屋 ――
…
[バケツを抱え踏み入った部屋は。 入ってすぐに、小さな後悔を生む事となる。 それは、彼にとって恐らく"大事"だと思える、 そんな、場所だとすぐに、思ったからだ。]
っ、と
[一度、床にバケツを置いた。 不躾かと思いながらも、気になったのだ。 "墓守の子"というのがどういう子だったのか。
そ、と言われた衣服を探ろうと手は伸びる。]
(160) 2010/07/03(Sat) 13時頃
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[結論から言えば。 其処に在るのはきっと男性の残滓だと思っていた。 けれど、大きさ的にもその線が直に消えた。]
……女の、子?
[幾つかの衣服のうち、 一つを手に取って、広げながら首を傾いだ。 他の衣服も、そう。 少なくとも自身より幼い、子の衣服。]
…
[それ以上の詮索は辞めた。 衣服を元、在った場所に戻し、二度と。 二度と、開く事は無い、と心に刻む。]
(161) 2010/07/03(Sat) 13時頃
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―――、そうだ、行かなきゃ
[言って、バケツへ手を伸ばそうとする。 けれど突如、襲い来る強い、眠気。
くら、と後方によろめいてそのままベッドへ お尻から倒れこみ、臥せる。]
しご、と ……や、だよ これだけはさきに ―――、したい、のに…
[抗おうとするも、抗いきれぬのは、 ナルコレプシーという名の、女が抱える、*罪*]
(162) 2010/07/03(Sat) 13時頃
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漂白工 ピッパは、メモを貼った。
2010/07/03(Sat) 13時頃
漂白工 ピッパは、メモを貼った。
2010/07/04(Sun) 01時半頃
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―― 墓場の小屋・少女の部屋 ――
……っ、ァ
[どれ程の時間、眠っていたのか。 女は何度も、夢を見た。 そのうちのほとんどは、悪夢、だ。 そして決まって睡眠麻痺(金縛り)がついて回る。]
……あぁ
[だから、漏らす声は酷く憔悴していた。 頬に残る涙の道筋を、指先で優しく拭い去る。]
……
[一番最初の夢が、妙に鮮明だった。 未だ過ぎたばかりの現実だからだろうかと整理をつける。 何時も、こうだ。 女は現実と夢の狭間を数多の表情でクロールする。]
(312) 2010/07/04(Sun) 01時半頃
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|
[自身の笑い声で起きる事もあれば、 叫びで起きる事もあった。
そして鮮明な夢は何時も現実の時間を暫し奪う。 心を縛って、離さない。]
………なんでかなぁ。 やっぱり私のせい、かなぁ
……
[漏れた弱音は、諦めに近い色を灯す。 >>235 去来する過去は『殺せ』という人伝いの噂。 現に面と向かって、『死ね』と言われた事もあった。 そして今、リンダが夢の中、『死ね』と言い放ったのだ。]
ごめん、ね――
[そんな事を言う子では無いと解っていても。 漏らさずには居られぬ、謝罪。]
(318) 2010/07/04(Sun) 02時頃
|
|
[ベッドの上で暫し膝を抱え丸まっていた。 時折鼻を啜る音だけが小さな部屋に響いていた。
夢が現実に少しずつ薄れていくと、 漸くベッドからそっと足を地へつけた。 傍に置き放ったままのバケツを手に取ると]
行かなきゃ――
[水、とギリアンから受けた事をすべく、部屋を後にする]
(324) 2010/07/04(Sun) 02時頃
|
|
―― 墓地 ――
っ、と
[水の入ったバケツを両手で抱えながら 墓地の隅に現われた女の姿。 此処に長い年月建っていそうな墓標から 少しずつ、少しずつ、水を掛け始める。]
……へぇ
[きっと気のせい、だろうが。 水を浴びて墓石が少し陽光に煌いてみえた。 それが喜んでいるようにも見えて――。 女は柔らかく、微笑した。]
(333) 2010/07/04(Sun) 02時半頃
|
|
[呼ぶ声がした。 何処かで聞いた事のある、声。 ゆらり振り向けば]
ソフィア―――?
[ぱち、ぱち、と緩やかに瞬いて、名を呼んだ。]
(339) 2010/07/04(Sun) 02時半頃
|
|
[深い辞儀に一寸遅れて返したのは、浅い辞儀。 すぃと視線を逸らし、墓標へ戻す。]
こんにちは。
[返す声は、淡々と。 別にもう、ソフィアに対し蟠りがある訳では無くて。 吐き出した言葉の手前、 向ける表情を持ち合わせていないだけ。]
……そんな、崇高な物じゃないよ ただの、お手伝い。
[だから淡々としては、居ても あのとき、森で向けたような鋭さも、冷たさも無い。]
(342) 2010/07/04(Sun) 03時頃
|
|
………詩人? さぁ――。
[少し呆れたような吐息を漏らした。 双眸を細めて、連なる墓標を臨む。]
始まりを見た事が無いの。 何時も、終わり。
だから。 ……誰かの言葉を借りて、酔うなんて 到底―――。
[小さく左右に首を振って、少しだけ笑った。]
……ソフィアは、お参り?
(349) 2010/07/04(Sun) 03時頃
|
|
?
[不思議に思った。 墓場、では無かったのか、と。 けれど笑う様子に、まぁそういうものなのだろうと 深くは追求せずに。]
……伝えたい事?
[続く言葉には、ちら、と視線を向けて 続きを促すよに問い掛けた。]
(352) 2010/07/04(Sun) 03時頃
|
|
嫉妬?
[リンダの墓標がある方向へ一度視線を移し、 ソフィアへと移す。 カラダをゆっくりと其方へ振り向かせて。]
行き成り、何、言ってるの? ……悔しいとか、 ……真実とか、
……嫉妬、とか。 よく、意味が解らない
[信じられないといった態で、首を左右に振った]
(357) 2010/07/04(Sun) 03時半頃
|
|
[けれど真っ直ぐな眸と、続く言葉。 緩やかに振った首は真ん中で、静止した。]
…………本気で、謂ってるの
[病気、の噂はもう既に村中に蔓延しているのだろう。 だから、では無いかと思っている、声。]
(358) 2010/07/04(Sun) 03時半頃
|
|
…
[ソフィアの言葉を受け、 じっと見据えたまま、失った音。]
私は。 ……そんなこと、い、 いきな、り
……謂われても
[つい、と視線を地へと逃した]
(362) 2010/07/04(Sun) 04時頃
|
漂白工 ピッパは、ゆっくりと顔をあげて、こく、と喉を鳴らした。
2010/07/04(Sun) 04時頃
|
そんな、資格、無いよ――。
[上がった顔は少し寂しげな笑み]
もう、やめてよ ……此れ以上、私を傷つけないでよ
恋をした、なんて。 …………今度は何、考えてるの? 貴方は一緒、を望むのに、 リンダには何て伝えたか、覚えてる?
[罵声にならぬように、必死で声色を抑えるが。 何時もより、畳み掛けるような声になってしまう。]
(365) 2010/07/04(Sun) 04時半頃
|
|
貴方の言う、大切って。 他の何を犠牲にしても
―――、手にしたいものなの?
[ねえ?と問う頃、眸からは一筋。 涙がぽつりと地へ流れ落ちていった。]
(366) 2010/07/04(Sun) 04時半頃
|
|
怖いのは、貴女、でしょ? ………独りになるのが、
……自分を包むものが 何も、無いのが、怖いだけ、でしょ……?
[す、とその場にバケツを置いた。 薄桃をさらりと後ろへ追いやり、深く息を吸う。]
私は、あれからずうっと考えてた。 貴女は、リンダの為に ……わざわざ嫌われ役を買って出たのかもって。
私の知っている貴女は、 ……知っている貴女なら、きっと。
そうかもしれないって、思った。
(369) 2010/07/04(Sun) 04時半頃
|
|
でも、違ったね。
[違う、と零す表情は酷く優しかった。 はら、と涙を零しながら、何処までも優しく。]
誰かの悲しみが無きゃ 成り立たない優しさなら
……幸せなら。
私はそんなもの、要らない。
[はっきりと告げ、そのまま小屋の方へ歩き出した]
(370) 2010/07/04(Sun) 04時半頃
|
|
……ッ
[待て、という声に振り返る姿には 怒りを露にした表情が在る。]
じゃあ、何? 誰の為? ……まさか、ピッパとリンダの為だとか 今更言い出す、心算?
[ぷちん、と何かが切れた音。 多分もう、止まらない。 リンダは、泣く、だろうか。 視界の端に入る墓標につきんと心が痛んだ。]
(374) 2010/07/04(Sun) 05時頃
|
|
幸せに死ぬことを望んで何が悪いの?って? 悪くないんじゃない?
……リンダのカラダを借りて、 そっくりそのまま、あんたに返してあげようか
[内心自嘲した。 嗚呼、私は此処まで酷くなれるのだ、と。 その時、女は醜悪に、口許の笑みを繕った。]
(375) 2010/07/04(Sun) 05時頃
|
|
[くす、くす、くす、と笑う。 琥珀の眸は二つ。 確りと開かれ、その中にソフィアを捉えている。]
じゃあ、
[握った左拳で自分の左胸を柔く叩いて]
―――、殺しなさいよ。 リンダが望もうが、其れを奪おうとした癖に。
恋をした相手には、選択を赦すって? ……それこそ、泣きながら、苦しみながらでしょ? 違う―――?
(378) 2010/07/04(Sun) 05時頃
|
|
今の貴女に殺されるなら。 同じように奪われるなら。 ―――、私、きっと幸せに笑えるよ?
[両腕を広げ、薄汚く笑い続けた。]
(379) 2010/07/04(Sun) 05時半頃
|
|
…
[何を謂っているのか、と言う。 その眸に、笑みは消えた。 広げた両腕を降ろし]
もう、いい。 貴女は結局、そうだから。 率直に、言う。 ………私は貴女の事が、大嫌い。
[>>0:@68 何時かと同じ、言の葉。 けれど明らかに違うのは、女とソフィアの距離。]
幸せな時間は、与えて貰うのを待つものじゃない。
自分から、作るものだから。 ……笑っていた、あの子のように。
[完全な拒絶の言葉を返し、 バケツを取りに戻ると一切其方を見ぬまま、小屋の*中へ*]
(382) 2010/07/04(Sun) 05時半頃
|
漂白工 ピッパは、メモを貼った。
2010/07/04(Sun) 06時頃
|
― 墓地の小屋・少女の部屋 ―
…
[ベッドに腰掛けて暫くの間。 静寂は物思いの為の僅かな、時間。]
きっと。 他にも、言い方、あったよね。 ……リンダなら、どうしたかなぁ。
[漏らしたのは、弱音。 こんな時に頼ろうとするなんて卑怯だろうか。 自嘲しながらゆっくり立ち上がれば 一度、小屋を後にする。]
― 墓地の小屋→自宅 ―
(393) 2010/07/04(Sun) 14時頃
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漂白工 ピッパは、メモを貼った。
2010/07/04(Sun) 14時頃
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― 自宅 ―
……ッ
[自宅へと辿り着き、扉の前で足は止まる。 中から届くのは、父と母の怒声。 伸びた手が扉を開こうとしたまま宙に在る。]
別に、いいのに――。
[薄ら届く内容に微笑した。 そしてそっと、扉を開く。]
ただいま
[すぐ其処に父と母は居て。 両者とも息を荒げて居り、父は母の胸倉を掴み 母は頬を赤く腫らして、泣いていた。]
(396) 2010/07/04(Sun) 14時頃
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[父は言葉を返さなかった。 ただ、一度。 実の娘を、忌み者を見る目で一瞥した。 母は泣きながら唇を振るわせた。 おかえり、と。待って居たのだ、と。
一緒に、と言い掛けた母の言葉を父が遮った。]
……別に、いいよ。 私は、何処へも行かない。
[父は恐らく言うのだろう。お前は連れていけない、と。 ある程度の予想はしていた。 閉じられた村社会なんて、所詮そんなものだ。 そうでもしないと、父は母を護れない。]
(397) 2010/07/04(Sun) 14時頃
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[父が、母が。 酷く小さく、見えた。 あんなに大きくみえた父の背中も。 包んでくれる優しさの、母も。
今はこんなにも、小さかった。]
……父さん。 間に合わなくなるよ。
お母さんを、御願い。
[女は、笑った。 上手く笑えただろうか、と自身に問い掛ける。 けれど誰もそれを評価してくれる人など居ない。
母は、可笑しくなる位、大きな声をあげ、 顔をくしゃくしゃにして、泣いた。 父も一瞬、悲しみで歪んだように、見えた。
きっと―――、気のせいだろうけど。]
(398) 2010/07/04(Sun) 14時頃
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作業は、何処までやってあるの?
[不意な問い掛けに父も母も、此方を凝視した。 あ、あ、と母があたふたする。
父がそれを手で制し、静かに作業場を指差した。 伝う途中の作業工程。 父の声は、僅かに震えていた。
女は、微笑して―――緩く頷いた。]
ほら。……急ぐ、急ぐ。 街に行ったら、少しゆっくりして来て。
お土産、待ってるから。
[傍に纏め置かれた荷物を強引に父へ、母へ。 押し付けながら、扉の外までその背を押した。]
(399) 2010/07/04(Sun) 14時半頃
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[静かに扉を閉める。 少しの間、母のすすり泣く声がした。
それも父の声を切欠に遠のいて。 やがて二人の気配は完全に、無くなった。]
……
[扉を背に、ずる、ずる、とへたり込んだ。 膝を抱き、顔を埋める。]
あーあ。
[そっと顔を上げ]
―――、広かったんだなぁ。
[独りの我が家を見回して、笑った。]
(400) 2010/07/04(Sun) 14時半頃
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[どれほどの間、膝を抱えていたろうか。 立てぬ女の意識を現実へと引き戻すのは]
『こつ――、こつ――、』
[背後、扉を叩く音と 数人は居るかと思われる、男性の声。]
はい。
[答えて、立ち上がり、扉を開いた。]
(401) 2010/07/04(Sun) 15時頃
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[其処に居たのは軽装の自警団員達。 皆、一様に緊張の面持ちで、女を見ると余計に 表情を堅く、強張らせた。
そして威嚇するような声で言うのだ。 噂 >>237 にしか過ぎぬ事を、実しやかに。 それが普遍の事実で、 今正に村を襲う、悪魔の仕業であるかのように。]
――。
[女は、ゆっくり、俯いた。]
(402) 2010/07/04(Sun) 15時頃
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[ 嗚呼、そう、か。
リンダも――。 父も、母も―――。
そして、自警団員(こいつら)も。 全て、私が。
嗚呼。
そうか――。 そうか、そうか……。
そうか、そうか、そうか―――。 ]
(403) 2010/07/04(Sun) 15時頃
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は、ははは――、
[笑い声にざわめく自警団員達。]
の、のろっ ―――、呪ってやる、よ
[顔を上げた女は、醜悪に]
私と同じ、 あっ、 あんた、 たちが望む、 ―――、永遠の眠りに引きずり込んでやるよ
[泣きながら、笑う。 あは、あはははは、あはははははははははは!! 何処で歯車は狂ったのか。やっと。 "この村が、好きだ"と云えるように、なったのに――*]
(404) 2010/07/04(Sun) 15時頃
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あは、 あははは、 あははははは!! ―――、っ
あははははははははははははははは!!!
(*52) 2010/07/04(Sun) 15時頃
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漂白工 ピッパは、自警団員達が怯え去っても、暫くは扉の傍で*笑い続けた*。
2010/07/04(Sun) 15時頃
漂白工 ピッパは、メモを貼った。
2010/07/04(Sun) 15時頃
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