261 甘き死よ、来たれ
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―南シェルター― [此処に来た当初から一月ほどで、個人スペースはずいぶん広くなった。そこを使ってた人が居なくなったからだ。この世から。]
今、何人くらい生きてるんだろう。
[ この地球上に。 想像でしか出せない数字。想像しても意味のない数字。 TVもラジオも勿論ネットも、一向に回復しそうな様子はない。 西シェルターでは「エフ氏」が何かやってたようにも思うけど。]
特効薬とか、作ってるとこあるのかな。
[ あったとしても過去形だろう。開発資金を出せるような国なんてもうきっと残ってない。国としてのかたちはとっくに崩壊してしまってるのは、世界中同じだ。]
三ヵ月、かー。 あのゲームでもそこまで早解きいけないよね。
[数年前に流行したスマホのアプリ。伝染病をコントロールして全人類を絶滅させるやつ。一時かなりはまっていた。自分の伝染病に好きな名前を付けれるのがいいのだ。 『愛と勇気』とか。]
(33) 2016/12/14(Wed) 03時頃
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―南シェルター―>>4 [くだらない事を考えてる内に、誰か帰ってきた。 いつもと同じような笑顔。]
冷くん、おかえり。 あのひと。 ?
[首をかしげる。兄だ、という言葉を聞いても、別段、淡々とした理解しか沸いては来ない。彼の声色と同じように。 そうか、死んじゃったんだ。ただ、ひとつ、]
そのあと、何か変わった様子、なかった?
[ わたしは何度か、そういうのを目にしていた。そのうち幾らかは周りの皆にも話していたから、死者の情報を集めているのが伝わっていたかもしれない。]
死んだ人の、様子。ふつうだった?
(37) 2016/12/14(Wed) 03時頃
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[ 普通じゃない様子と言えば、たとえば。 死んだ人が、さらさらの白い砂に変わったとか。 溶けてヘドロみたいな粘液の塊になったとか。 急激に熱くなっていって自然発火したとか。 葉を生い茂らせた樹になっていたとか。 光の降り注ぐお花畑に変わったとか。 そんなのですら一例にすぎない。]
[およそ物理法則なんて無視したようなでたらめな現象が何度も起きている。原因も原理もわたし程度の頭で分かるなんて思ってないから――ただの好奇心、なんだろう、これは。]
[冷くんが適当に答えてくれたなら記憶にとどめて、休む彼と相前後してわたしも個人スペースのマットに転がった。シェルターの夜は早いのである。]
(38) 2016/12/14(Wed) 03時頃
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読書家 ケイトは、メモを貼った。
2016/12/14(Wed) 03時頃
ケイトは、みょんこに話の続きを促した。
2016/12/14(Wed) 22時半頃
ケイトは、みょんこに話の続きを促した。
2016/12/14(Wed) 22時半頃
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