20 Junky in the Paradise
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[駄目、と繰り返される声は、] [けれど。男自身の、怯えた声に紛れて届かず]
あ、つ あついあつい あついあついあつい……!
(*12) 2010/07/11(Sun) 01時頃
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[怯えて振り回される白衣を焼く火は熱を持ち、 狂乱の踊りに紛れて相手を、
誰と認識する前に、伸びてくる腕を炙る。]
あつ、あつああああついあついあついあつい や 焼けちゃうやけやけやややけ
[火の粉が散り、油の海を走る火が、 赤く染まった兎の人形を。 誰かと手を繋ぐようなかたちで固まったままの、 手を飲み込む。たんぱく質の焼ける匂い。 ミルクを煮るときの柔らかい匂い。混じり合う異臭。]
(42) 2010/07/11(Sun) 01時頃
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ぎ、ぎぅ
[猫背の首が猫のように抑えられる。 中腰の屈むような姿勢。 鋭い声に、言われるまま袖から腕を引き抜こうとはしても、 その動作は慌しくも効率悪くのろい。]
あっ
[脱ぎかけたところで──ぐい、と、 マーゴの腕に引っ張られ燃えたままの白衣が破れとれ、
白は黒く端を燃やし焦がしながら ──引けば揺らめく幽霊の様に、素裸の肌に纏わる。]
(43) 2010/07/11(Sun) 01時頃
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ひ あ、 は。
[頬が焦げる、ポケットに入れていたナイフが、 じいんと熱を持つ。ポケットに穴が開いて スプーンが抜け落ちて、じゅっ、と湯気と音を立てた。]
あは、あはは、 あははは、
あははは あは あはは
[目元に涙が浮く。けれど、立てる笑い声は、 空っぽであれどいっそ、響く音としては──明るく楽しげで]
(48) 2010/07/11(Sun) 01時半頃
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[痛みを得る回線もぷつんと切れたか突き抜けたか。]
あひ、 あははは!
[顔の涙目で、笑っているというよりはひきつった顔。 呼ばれるままべちゃぺちゃと油と火の中を走りぬけて]
ば、ばすばすたたた、 みみみみ あ…あはは!
[背中にひっついて離れない情熱的な炎に追われて、 >>45 マーゴの手が導く方向へ、勢いよく飛び込んだ。]
(50) 2010/07/11(Sun) 01時半頃
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─ 庭 ─
[涙目で口を開け高笑いながら疾走する様は滑稽で 道化演者がおどけて踊っているかにも見える。
窓を割り、草を踏み、 縺れる足は裸の娘を巻き込むようにして、 そのまま、水に飛び込んだ。]
ぷぷ ぁっ
[間抜けな声を上げて、水に飛び込むと、 熱と冷却にぴきりと眼鏡のフレームが歪み、 ──片目の硝子に皹が入る。]
(54) 2010/07/11(Sun) 02時頃
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[恐慌の中で耳にするは、 己の声と水の跳ねる音に、 掻き消されそうな呼び声。
幻聴か、妄想だ、と浮かれた頭に卑屈な声が囁く。]
(*14) 2010/07/11(Sun) 02時頃
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いだ、いだだ
[水面に強か顔を打ち付けて水を飲み、 咳き込みながら浮上する。 眼鏡が割れ髪も焦げ、ひりつく肌に水が沁みる。]
うあつ、か、かか…、……
[びしょぬれの濡れ鼠で隣を見て、 素裸の娘が隣にいるのに]
………
[まじまじとその顔を見つめて ── ぽかん。とした顔をした。]
(56) 2010/07/11(Sun) 02時頃
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マ、マー…
[呆けたまま──名前を呼びかけ避ける事を思いつく前に、 >>57 ぱあん!!と、盛大な音を立てて頬が張られた。]
いっ…!?!??!?
[歪んだフレームの眼鏡が噴水の中に落ちる。 衝撃に黒い目が瞠られて、 ばしゃん!と、 手をついたところの水が跳ねた。]
(59) 2010/07/11(Sun) 02時頃
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[頬を張られてもまだ、怒られる理由が見えず]
うあっ?! や、や、や いた いたいいたい!
[水に濡れた白い足に、蹴りつけられ、 顔を庇う腕が踏みつけられる]
だ、だって、 ほ、ホーム、ぱ、パーティな、なら バ、バーベキューでも つき、つきもの
ご、ごめ、ごめんごめんごごごめんなさ
[怒られている事から逃げ出したいが故の謝罪に誠意は薄く 噴水の水の中、後じさりしようとしても縁戚に逃亡は阻まれる。]
(62) 2010/07/11(Sun) 02時半頃
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[叱られる素通しの黒い瞳は、どこか途方にくれた様]
な、なん、なんで
[許さないとの言葉は重く響き 表情には、怯えが走る。]
だっ、で、
わ、わざ、わざと、じゃ [今まで、窘められたことはあっても── こんな風に彼女に叱られたことは、記憶にない。 ただ泣きそうな顔で唇を噛み]
(*16) 2010/07/11(Sun) 02時半頃
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え、そ、そんな
[男の目に映るのは──深い、怒りの発露。 そういう風に、目に映る。]
や、やく、約束、は、
[そうして、次に、口にしたのは──報酬の心配で]
(*17) 2010/07/11(Sun) 02時半頃
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ま、待っ、
そ、そ、そんな あ。い、いた、痛かった?
[マーゴが顔を伏せる様に慌てて、 読み取れるのは──不快にさせたこと。 爛れた肌を見て、顔を青くして]
ごめ、ごめん、ごめんなさい。 ぼ、僕がいけなかったな、なら、 あや、謝る、謝る
か、から
[言い捨てていく背中に追いすがろうと、 水の中で、手をばたつかせる。 だから。と、謝罪を引き換えに乞うる許し。]
(64) 2010/07/11(Sun) 03時頃
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["だから"許して。と、強請る誠意のない謝罪。 咄嗟の約束の心配も
男の意識は、きっと、 ──目の前にいる筈の彼女を見れていない。 その怒りの理由を、理解できていない。]
そ、んな…
[だから]
(*19) 2010/07/11(Sun) 03時頃
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[幼稚な性質の男が、次に浮かべるのは]
……、────。
["不要"と、自分を捨てていく背中を──睨む様な 不安から転化した苛立ちに眉を吊り上げて 不平を腹に溜め込んだような貌。]
なん…、…、
[拗ねたような──べたリとタールのような粘着質な 怒りの色で、口を引き結び歪める。]
(*20) 2010/07/11(Sun) 03時頃
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─ 庭 ─
[水を割って先に屋敷に歩いていく背中を、 濡れ鼠で髪を焦がした男は──追わないまま。]
り、
[かち。と、食いしばった歯を噛み合わせる。]
りふ、理不尽、だ、だよ。
[かち。かち。かち。かち──ぎし、ぎりり、と 責められた理由に気づけぬまま、歯を鳴らす。]
(68) 2010/07/11(Sun) 03時半頃
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[外は暗い。屋敷の明かりから離れて 窓の中燃える火を澱んだ暗い目が睨む。]
ひ、ひど、ひどいじゃ、じゃないか。 ぼ、僕は、ぼ…僕は
[ぼそぼそと。呟くのは、自分に向けた慰め。 責めるような詰るような 咎めるような言葉を吐いて]
……、…の…ッ!!
[ばしゃん、と、息づく苛立ちに任せたように、 ──噴水の水を、縁石の外に向けて*蹴り上げた*。]
(69) 2010/07/11(Sun) 03時半頃
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の…ッ こ、の、 この、このこのッ
[めちゃくちゃに何度も水を外に向けて蹴る。 反復。反復。反復。近くに人が来ても気づかず>>82]
この、この、この……ッ!
[噴水の周りの草がけりだされた水に濡れる。]
なんだよ……!!
[黒い影が傍に来るのにめがけても、水を蹴った。]
(85) 2010/07/11(Sun) 23時頃
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なに?
[>>84 ヤニクに問われた内容を投げ返す言葉は 語尾上がりで語調も強く喧嘩腰]
なにって、みてわかるだろ……!?
[怒り任せに水を吸った腕を振り回す。 びしょぬれのまま、夜の闇のなか、 ただ、苛立ちに黒い目が燃えている。]
なに? なにってなに? なに?
なんでわかんないの? なんんんで、わかんないの!?
[吐きかける怒気は、男が引きずるもので、 投げつける言葉はただの八つ当たり。]
(87) 2010/07/11(Sun) 23時頃
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怒ってるんだよ!
邪魔するなよ……ッ
邪魔なんだよ! 邪魔なんだよ!! いらいら……苛々するんだよ!
[>>88 水を乞うヤニクを睨みつける。 普段は見せない攻撃性。]
(91) 2010/07/11(Sun) 23時頃
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[言葉に成されるのは、ぶつける相手のことすら まるで見ていない、一方的な要求ばかり。]
おまえ、おまえ、おまえらなんか……ッ
どうだって、どうだって、どうだっていいんだ! なに? なんなんだよ!
邪魔、しないでよ! 大人しくしててよ……ッ!
[怒りに我を忘れている男が、水が飲みたいのかと、 勘違いしたできたわけでもなかろうが。 蹴りつける水は、味わえ、とばかりにかヤニクの顔を目掛ける。]
もっと、まだ、 まだ、まだだったのに……ッ!
(92) 2010/07/11(Sun) 23時頃
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そうだよ!
[水を足で割って縁石に座り水を飲む男に近づく。
怒りを吐き散らしていると、 余計に腹が立ってくるのか 睨む目は剣呑で、夜の闇も手伝いどす黒い。]
やっと、やっと、やっと、
こっちを見てくれると思ったんだ…ッ
なのに …なのに!
[ぎり。と、睨む目に]
(97) 2010/07/11(Sun) 23時半頃
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[───明白な殺意が透ける。
故意の、目的を持った殺意。]
…そんなに水が飲みたい?
[それが問いへの言葉なき答えの様に、 息を荒げた男は水を飲みに着た男の肩を掴み、 水に引きずり落とそうと手を伸ばした。]
(98) 2010/07/12(Mon) 00時頃
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い、イフリートに、 こ…今度は、水のバケモノ?
[引きずり込むのは成功して>>100 水飛沫があがる。]
な、何言ってるかわからない! どっちがバケモノなんだよ! 歌声で誘惑したのは、そっちじゃないか……!
取ったくせに…ッ ぼ…僕から、盗ったくせにッ!
[ぎらつく目で、掴みかかり、青年の頭を水に沈めようとする。]
(101) 2010/07/12(Mon) 00時頃
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[青年を睨みつける黒い瞳の奥に浮かんでいるのは、 通りすがりに彼を蹴りつけていったときと同じ色。]
…し…死ねばいいんだ
[みどりいろのめをしたばけもの。]
(*23) 2010/07/12(Mon) 00時頃
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[それはイフリートより、セイレーンより、 堕天使より王様より、 ずっと醜く──もっと、ずっと恐ろしい]
死ねば、死ねば死ねば死ねば…ッ
[そこにいるのは。──身勝手な嫉妬に狂った、ただの人間。]
(*24) 2010/07/12(Mon) 00時半頃
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─ 庭 ─
[庭から見える窓は、朱を帯びた灯かりが漏れ 黒い芝を影にして照らしている。 割れた硝子が地面に落ちそれを反射して
大音量で思考を押しつぶすような音楽。 その合間に、暴れる水音が挟まる。]
なに、なに、なにを笑ってるんだよ…ッ おま、おまえも、 サイモンみたいになりたいんだ!
[浮かぶ笑いを、自分をバカにしたものと、 歪めてそう受け取って手を伸ばし──]
〜ぎッ!?
[服の袖のない素の腕に、歯が食い込んだ。]
(107) 2010/07/12(Mon) 00時半頃
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[深くかぶりつかれれば、そのまま骨をがっちりと捉えられる。
痛みに顔を歪めて、引き離すために、 腕を振り回そうとぐいと手を身体の方にひっぱる。]
こ、の…っ
[噛まれていない手で、上から水の中に押さえつけようと、 正面から、肩に手をかける。 一見だけは、じゃれてふざけて、水遊びでもしているようで、 ぎらつく男の目だけが、ひどく異様。]
(108) 2010/07/12(Mon) 00時半頃
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[肩を掴み、襟を掴まれた状態で、 庭の芝の上に転がされる]
痛ッ
[芝の上には硝子の破片がまだ散っていて、 それで、頬を軽く傷つけた。]
(112) 2010/07/12(Mon) 01時頃
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─ 庭 ─
[引き摺り倒されながら、縁石に階段でぶつけたのと 同じ箇所をぶつけて、痛みに目を見開く。]
こ、の、
邪魔、邪魔──ッ
邪、魔す る、なあぁああ!!!!!
[痛みで倍加した苛立ちに手を振り上げる。 細い男の闇雲の滅多打ちは、 かわすも容易で、稚拙な*怒り任せの攻撃*。]
(115) 2010/07/12(Mon) 01時半頃
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