88 吸血鬼の城 殲滅篇
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レオナルドは、ジェフに話の続きを促した。
2012/05/02(Wed) 22時半頃
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(どうかあれも姫のために──)
(*47) 2012/05/02(Wed) 22時半頃
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恵みと慈しみの主よ、その御手を上げ逆らう者、悪事を働く者の腕を挫き 彼の反逆を余すところなく罰して給え。 無辜たる民の魂に近づき、贖い呪われし敵より解放し給え。
[杖を振ると、その先の赤い炎が大きさを増す。炎の塊をテーブルクロスに向かい投げつけると、屍人兵の頭上で燃え広がっていく。]
(127) 2012/05/02(Wed) 22時半頃
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すっかりぼろぼろだからなぁ。
[今まで身につけていた服は、あちこちが破れ、すり切れ、 血が染みこんで酷い有り様になっていた。
もはや見る影もない服を脱ぎ捨て、 手に取ったローブを入り口に下げて、浴室に入る。 脱ぎ捨てた服は、音も無くやってきた影が片づけていった。]
(128) 2012/05/02(Wed) 22時半頃
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――呪われし屍に、浄化の炎を――
[オレンジの炎は真っ白に発光して骨の兵に降り注ぎ、その禍々しい姿を呑みこむように火柱を噴き上げた。]
(129) 2012/05/02(Wed) 22時半頃
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― 3F:浴室 ―
[鍛え上げられた壮年の身体を、湯の中に沈めていく。 溢れる湯が赤く染まり、それも流れて透明さを取り戻した。]
あぁー、生き返る。
[不死のものとしては甚だ不適切な言葉を発し、 頭まで湯に浸かって堪能する。]
(130) 2012/05/02(Wed) 22時半頃
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[そうして、湯の中で手足を広げている間にも、 階下で行われている戦闘には、意識のいくらかを割いていた。 闇をたぐり寄せ、影と感覚を繋ぎ、 戦いのさまを堪能する。
影が運んできたワインの香りを楽しみ、 口を付ける真似事までして、くつろいでいた。]
(131) 2012/05/02(Wed) 22時半頃
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(……、こんな心の声まで、筒抜けなのだろうか…)
( 主のみならず、さきほど、耳もとを掠めて消えた正体不明の気配にまでもとなると、問題だ。)
( あれはいったい誰だ? 予想外に柔らかな感触だったが──)
( いかん、筒抜けなんだぞ。)
[しばしは目の前の闘いに集中することにした。]
(*48) 2012/05/02(Wed) 22時半頃
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[ヒューが下段の構えをしたのを見て取ると>>120 竜牙兵はムパムピスに任せ、彼の前に立ち、剣を構え直す。
剣を造り出した経緯。脅威の身体能力を見ると、 彼ももう魔物の領域に入っているのだろう。
ならばヘクターと同じように首を狙う――。 足を踏み出した]
(132) 2012/05/02(Wed) 22時半頃
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[くつろぎながら、触れてくる眷属たちの気配と声にも耳を傾ける。 "子供ら"同士のやりとりには、微笑さえ誘われた。
思い悩むさまの騎士には声を掛けてやろうかとも思ったが、 いまは止めておく。 それよりも、戦いの行方を追う方が面白い。]
(*49) 2012/05/02(Wed) 23時頃
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[細剣を絡めとり、ぎりぎりと引きずり寄せようと力をこめた。 距離が詰まり、腕の届く箇所にレオナルドの体躯が迫る。]
――ッ、………ったかよ、!
[投げつけられる酸の瓶。 だが、今度の攻撃はある程度予測していた。 捕らえた剣を軸にする様にして 身を捩り、右腕を乱暴に薙ぐ。 ぱりん。 音を立て、空中で瓶が破裂する]
(133) 2012/05/02(Wed) 23時頃
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つっ…、…ッぐ
[全ては避けきれず、その内部は飛散して皮膚を焼く。 直撃にはいたらなかったが 酸は傷口をまともにかぶり、 即席の包帯が切れてばらりと解けた]
(134) 2012/05/02(Wed) 23時頃
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[祈りに触れてすでに攻撃本能を失っていた竜牙兵が、浄化の炎に包まれる。 思わず左腕をかざして目を守ったのは、その光があまりに強く感じられたから。
言い知れぬ嫌悪感が募る。
瞬間、金髪の剣士の一撃が風を裂いて飛んで来た。 その刃は聖別されたものであったか?]
(135) 2012/05/02(Wed) 23時頃
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ムパムピスは、ヘクターに話の続きを促した。
2012/05/02(Wed) 23時頃
ムパムピスは、ヒューに話の続きを促した。
2012/05/02(Wed) 23時頃
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[こうなれば、鋼糸を使う彼は剣を取り上げようと、剣に絡めた糸を手繰り寄せるであろうことも予想していた。
――ここまでは、全てが事前の計画どおり、想定内。 むしろここからが、本番。
腕を払われた瞬間、右腕に恐ろしいほどの衝撃が来た。 そのダメージを逃がすため、自分から細剣を手放し、後ろへ飛んだ。]
(136) 2012/05/02(Wed) 23時頃
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[二階での戦いは、おおよそ互角。 か弱いと見えた錬金術師の身体能力と、 多彩な薬品を使った攻撃に、感心した声をだす。]
ハッ。なかなかやる。 問題は、それがどこまで続くか、だが。
[持ち運べる薬品の数など、たかが知れているだろう、と 冷ややかに観察する。 身体能力の上昇も薬の効果のようだし、 切れるまでにどこまでやれるかが、見物だと唇を歪める。]
(*50) 2012/05/02(Wed) 23時頃
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[右腕の袖とともに皮膚が裂けていたが、腱は傷ついていないようだ。 ドナルドが酸のダメージで動きが鈍ることを祈りつつ、左手指に最後の火炎弾を挟む。]
(137) 2012/05/02(Wed) 23時頃
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はっ!
[動きを止められることなく間合いに潜り込むと、 ムパムピスにより聖別された白刃>>94を ヒューの首めがけて、水平に振った>>135 その勢いは風の唸りがあがるほどに]
(138) 2012/05/02(Wed) 23時頃
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[対して、一階の戦いは、眷属の不利に進んでいるようだった。]
しっかりやれよ、おら。
[発破を掛けるが、騎士の実力では厳しいだろうことは 最初から承知していた。 神聖魔法の使い手と、手練れの剣士の組み合わせは、 自分ですら、時に手を焼く。
どうするか。 思案の顔で、しばし湯船に沈んだ。]
(*51) 2012/05/02(Wed) 23時頃
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……ッ、ンな事までして、こんな身体になりたいのかよっ…。
[ワイヤーに触れた部分の細剣の刃が、 音を立てて漆黒に染まっていく。
……ラルフの刃だ。
彼がこれを貸したのか。 傭兵にあるまじき程潔癖に優しいあの男は、 この光景を見たら悲しむだろうかと脳裏に浮かぶ。
酸に痛む腕を揮い、ぶんと横に薙いで剣を打ち捨てる]
(139) 2012/05/02(Wed) 23時頃
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――…出て…来なくなった…? [人の骨を象った灯りが徐々に崩れ、粉となり消えていく。その様子を見ながら、新手の兵士が召喚されていないことを慎重に確かめる。]
[大規模な術を連続で使った為、消耗は激しかったが杖を支えに何とか立ち、大きく息をついた。]
(140) 2012/05/02(Wed) 23時頃
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[腕はじんじんと熱く、 エリアスの刃の傷と相俟って魔物の身体を苛んでいた。
僅かに荒い息をつき、軽く腕を動かす。 多少、鈍い。だがまだやれる。]
………。
[思案して、血のこびりつく包帯を剥がした。 ぎゅっと掌に巻き、握り締める。]
(141) 2012/05/02(Wed) 23時頃
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[床に飛び散った酸が白煙を上げるのを前に、錬金術師は薄く笑む。 乾いた血のこびり付いた口元が、まるで不釣合いな穏やかな微笑。]
若くて健康なあなたには分からないかも知れませんね。 自分がもうじき確実に死ぬと分かって生きねばならない人間の気持ちは。
(142) 2012/05/02(Wed) 23時頃
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[初撃から首筋を狙ってくる相手。 充分な勢いの乗った攻撃だった。 身を引いても間に合わない。 とっさに判断すると、かざした左腕の篭手で剣を受け、流す。 が、予想外の白い痺れが腕を貫いた。]
──… っ ?!
(143) 2012/05/02(Wed) 23時頃
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[それでも、動きを止めるわけにはいかなかった。 斬られたくなければ。
そのまま、深く礼をするように上体を折ってもんどりを打つと、踵落としに男の肩を狙う。]
(144) 2012/05/02(Wed) 23時半頃
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[ワイヤーを引き、生き物の様に手元に戻す。
漆黒の闇の血に染まる其れは、 既に隻眼の男にとって、自らの腕の様に自在に動いた。]
……。 ………センセイ、アンタ……。
[瞠目し、まじまじと彼を見る。 ……恐らくは薬剤か何かで活性化しているのであろう、彼の身体能力。 けれど其れにも隠せず、その顔は窶れ、どこか深い死の影を宿していた]
(145) 2012/05/02(Wed) 23時半頃
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[前触れもなくいきなり石床を蹴って、前進する。 死角の左側を狙うと見せて、直前で右へ飛び、
火打ちの指輪を打ち鳴らし、 点火した火炎弾を手に彼のふところに飛び込んだ。]
(146) 2012/05/02(Wed) 23時半頃
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…ちッ、…――
[跳躍に舌打ちし、左手でワイヤーを勢い良く揮う。 波打つそれは死角を防御するように流れ、彼を遮ろうとする]
――ッ、……
[触れれば恐らく身体を切り裂くであろう鋼糸を避け、 レオナルドの痩身が右側に向けて飛び掛った]
(147) 2012/05/02(Wed) 23時半頃
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[男の身体能力なら、ここからでもまだ跳躍して下がれるかもしれない。 そう予測して、外した場合にすぐに剣を構え直すつもりでいたが。
そのまま篭手で受け止められると>>143 聖なる力で腕を焼き尽くせんとした。
――不意に男の身体が沈むと、すぐに肩に激痛が走る]
……つっ……!
[そのまま勢いで後ろへ跳ね飛ばされる。 肩はズキズキ痛み、骨にヒビが入ったか、最悪砕けたか。
それでもかろうじて取り落とさなかった剣を手に、 素早く立ち上がった]
(148) 2012/05/02(Wed) 23時半頃
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[懐に飛び込んだ彼の手にあるものを認め、 ぎり、と唇を噛み締める。
現物を見たことはない。 けれどその存在は何処かの戦場で聞いたことがある、其れ]
――っ
[包帯に覆われた右手を、レオナルドが掴む火炎弾に伸ばす]
(149) 2012/05/02(Wed) 23時半頃
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[火炎弾を彼の足元で爆発させるために、 可能な限り彼の身体近く、前傾してすり抜けようとする、 が。]
!!!
[予想よりも速く反応したドナルドの右手が握った火炎弾に伸びる。]
(150) 2012/05/02(Wed) 23時半頃
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[手応えはあった。
踵落としの大技から死に態となった身体を横に転がして素早く立ち上がり、距離をとる。 その左手は肘から先が禍々しい闇に染まり、痺れていた。]
…穢れ …だと
[自分の肉体から血を抜き取った後、傷を塞いだヘクターの力がなんであったのか、ようやく合点がいった。]
(151) 2012/05/02(Wed) 23時半頃
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