208 【突発誰歓】ーClan de Sangー【R18薔薇】
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―何処か―
[クランを出て数日が経つ。 薬の摂取を止めたことで、脳内に幾重にもかかった靄は徐々に晴れ。 取り戻していく記憶とともに、あまりにも様変わりした世界に戦慄にも似た驚き]
鉄が……空を飛んでいる。
[貨客船の甲板より頭上横切る機影捉えて。 初め見た時は何の鳥かと近くにいた者らへ問い質したものだ]
慣れぬ。
[現在の世界にも、己の恰好にも。 着物を羽織って出ようとしたが、其れでは拙いと執事に止められ。目立たぬようにと窮屈な三つ揃えを着せられた]
そうだ。ハワードと謂った。
[今頃思い出した名を呟けば、 傍らに居た者が眉を寄せて己を見ている]
(111) CANNABIS 2015/01/03(Sat) 12時頃
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『ごめん、そっちの言葉の方がよっぽど慣れぬだわー』 『何、古語なの、それ?』 『なりきり? イタイと思うよ、はっきりいって』
………………。
[捲し立てる娘の言葉は半分も理解できなかった。 だが、その口振りには己を苛立たせるものがある]
煩い女だ。 では俺に付き纏うこともなかろう。
[何処の生まれとも知らぬ娘は、昨夜街角で逢い、そのまま一夜を過ごした。 己の下で反る喉の脈動に知らず唇舐めたが、 安い作り物の香料が鼻につき、衝動を押し留めることができた] 『こっちも家出とかじゃないんだから、 いわれなくてもそのうち帰るよ』 『それより! 今度はちゃんとゴム付けてよ』
(112) CANNABIS 2015/01/03(Sat) 12時頃
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[生返事をして海を見る。 桟橋から出る時は浮いた油が目に付いたものだが、 眼前の海原は己の知るものと変わりない]
……つまり、変わったのは俺だ。
[雲間から陽が覗く。 身体に変化はないが、見の奥に灼ける感触。 さて此れは、いつ頃より生じたものだろう。
遥か昔に差し出された手。 その手を握り返した時。己の魂はその時に死んだ。 しかし、その時には無かった感覚に。 己の手のひらを凝視する。 この皮の下はあの時とは別のものと成り果てている]
本当に、あやつのことは謂えぬ。
[唇の端を上げれば不審な目を向けられる。 見返す眸に紅光の輝き放つのを知る]
(113) CANNABIS 2015/01/03(Sat) 12時頃
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俺は寂しがりではないがな。
[シュロとは違う。 どうせ死した身ならば、もう少し漂ってみるのも面白い。 そして、孤独な吸血鬼が得られなかったものを手に入れよう]
港へ着いたら、手始めに、市場へ行こう。 いや、違う呼び方だったか? 何でもよい。 ――まずは魚を焼かねばならない。
[新たな吸血の徒の眸は、先の陸へ向けられる**]
(114) CANNABIS 2015/01/03(Sat) 12時頃
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[男は優秀な犬ではない。 命令以外の『待て』など聞くはずもないのは、わかりそうなものだろうに。 それも達したばかりで敏感だとわかっているから尚更 更なる悦びを与えるため、更に自分を刻み付けるため。 快楽と愛しさで繋がる場所を深めていく。]
っく、 はぁ、ひ ゅう…!
[甘く、どこか情けなく上がる嬌声に応えるよう囁く。 何度も耳元に落とすのは彼の名前。 打ち付けに声が揺れても、何度も囁いて。]
そ、…じゃの? ────おまじ、ない。
[擦れる皮膚が胸を、腹を、かるい赤に染めていく。 痛々しい傷だと、何度見ても思う。 耳朶からうなじ、肩、そして背中にキスを降らせる。 傷のある場所にそっと触れて、呟くおまじない。]
(*64) anbito 2015/01/03(Sat) 14時頃
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[傷のことなど気にせず、深く繋がる未来を求めて。 包帯など巻かなくてもよくなる、未来を願って。
後ろから抱き締めた体を、下から何度も突き上げる。 貫くに等しい行為は、ベッドに組み敷くよりも奥まで熱を捩じ込むだろう。 軋む音も水音も、一度目よりも激しく。
やがて二度目の飛沫を上げたなら、きゅうとその体を抱き締めて 奥へと数度に分けられた精を放った。]
(*65) anbito 2015/01/03(Sat) 14時頃
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[その後、何度行為を繰り返したか。 月も高く、夜もとっぷりと更けた頃。 背の傷口は消毒を済ませて、綺麗に包帯を巻いた。 シーツも換えようかと思ったが、そもそも換えがなく諦めた。
赤髪がベッドに横たわり、少しの間を作る。 細い目を少し開けて驚いてから、ふっと唇を、頬を緩めた。]
……おう。
[促されるままに手を繋ぐ。 そして隣へと横たわり、疲れているであろう体をそっと抱いた。
薬はお互い、飲んでいない。 また『怖い夢』を見るかもしれない。 そうならないように、見てもすぐ隣に自分がいられるように。 一緒にいると、子供をあやすような手つきがとんとんと撫でていく。]
(115) anbito 2015/01/03(Sat) 14時頃
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風邪、ひくなよ?
[目を閉じる彼にそんな一言を。 窓が開いてるんだからな、と付け加えて。]
……───おやすみ。
[閉じた瞼にそっと口付ける。 これも、『怖い夢』を見ないように。
夢でもあえますように。
そんな、おまじない*]
(*66) anbito 2015/01/03(Sat) 14時頃
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そんな顔しないで 怒ったりしてないよ
俺の我が儘なんだから
[酔いが少しは覚めたのか、 ふわふわと浮ついたとこの無くなった彼の頬に口付け]
頭洗ってあげようか?
[にこりと笑って シャワーでぬるい湯を彼に注ぎながらそう問う]
(*67) suikei 2015/01/03(Sat) 19時半頃
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あ、また頬に接吻した!
[別に今は人前でないからいいのだが。 繰り返されるうちに彼の頬への接吻が好きになってきた。]
怒ってないならいいけど…… 頭洗う?しないのかい?
[未だ酔いの心地よさが残っていて、彼の笑顔をぼんやりと見つめる。
あーあ、彼のしゃつがびしょびしょになってしまっている。脱げばいいのに。 なんとなく彼の濡れたしゃつをきゅうと掴んでみた。]
(*68) mikeru 2015/01/03(Sat) 19時半頃
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甘やかしたいだけ それとも、したいの?
[先ほどまでの性急さは棚に上げて にこりと笑いながら、そんな事を言う。
濡れたシャツを握りしめた彼の指を一瞥 再び頬に口付けし、口元へ
ちゅ、ちゅと湯に濡れたそれを啄ばみ]
じゃあ、脱がせて
(*69) suikei 2015/01/03(Sat) 20時半頃
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[傷が塞がったとしても、傷跡は消えない。 それを良きことと捉えるか、悪いことと捉えるか、それは考え方の問題だろう。
このクランで過ごした時間、自分はこの傷と共にあった。 もしこの傷が癒えたとしても、傷跡としてこの時間は身体に残り続ける。
そう思えば、残る傷跡もきっと、厭わしいものではなくなる筈。 なにより、最も傍にいてくれるという彼が、この無残な背を見ても嫌悪を抱かないというのならば。]
……あッ、……あっ、はァ、 ……ん、ッ ッ……、 ……血、不味いだろ、……
[それは“吸血鬼”にかける言葉ではなかったのかもしれない。 薄い皮膚に触れた唇に、大きく身体は跳ねる。 深く、深くを抉り、貫く熱に、次第に呼吸すら覚束なくなる。 突かれる度に達しているのでは、などと錯覚するほどに。
内に放たれた精の感触にも、そのまま体重をその身体に預けていたか。 繋がりから抜ける感触にすら、軽く達しそうになっている事が悟られなければいい。]
(*70) kirisame1224 2015/01/03(Sat) 20時半頃
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[先程迄の乱れが嘘のように、包帯はきちりと巻かれ、シャツの釦は留められる。 全ての処置を終えた掌は、今、自らの手の中に。 そうして自らの身体をその腕の中に収めてしまえば、背を穏やかなリズムで叩く。
疲れきった身体には、心地良い感触。]
まだ、寝るの、怖いんだ。
……けど、……明日、ちゃんと話そうな。 怒られても、……反対されても、……
[そんな事を口にしながら、重くなった瞼は閉じられる。 窓からは風が吹き込んで。
けれど、決して寒くはない。]
(116) kirisame1224 2015/01/03(Sat) 20時半頃
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[閉じた瞳、触れた唇。
応える声はなかったけれど、口元は穏やかに笑んで。*]
(*71) kirisame1224 2015/01/03(Sat) 20時半頃
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−翌朝 自室−
[目がさめて、目を開いて、違和感を覚えた。 それは寝台にもう一人いるのだという、そういうわかりやすい事ではなくて。 夢の内容を覚えている、そういった内の事でも無くて。]
……クアトロ、おい、
[隣の者は起きていただろうか、身体を起こせばその肩を揺する。 彼は、この違和に気付いただろうか。 手早く寝間着を着替えれば、寝台から降りて部屋を出た。
朝食のベルの時間は遠い。 けれど、それ以上に、この違和は何だろう。 決して壁の薄い建物ではない。 けれど、確かに伝わる人の“気配”というものがあった。
あった、筈なのだ。
自然、早足となった足取りは、真っ直ぐに主の部屋へと向かう。]
(117) kirisame1224 2015/01/03(Sat) 20時半頃
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→ 主の部屋 −
……主、……さま、
[扉を開き、第一声。 その姿があろうとも無かろうとも、そんな言葉と共に部屋へと入っただろう。
目的である主の姿があれば、ある程度の距離は、保ったまま。]
……クランの様子が、何か、おかしい、……です、よね。 俺が気付いてて、主が気付いてないなんて、……無い、ですよね。
……何か、あったんですか、
[さて、その吸血鬼は何処までを口にしたか。]
(118) kirisame1224 2015/01/03(Sat) 20時半頃
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したいよ……
[上目遣いに見つめる彼の笑顔は眩しくて心の臓がどきりと脈打つ。 目を細めて彼の接吻に甘んじていると信じられない言葉が耳に届く。]
ぬ、脱が……っ!?
[本気で言っているのだろうかこのあんぽんたんは。 探るようにじいと瞳を覗き込んでみるが、彼の笑みは変わらない。]
え、ええい、脱がせりゃいいんだろ脱がせりゃ!
[やけくそ気味に彼のしゃつの釦を解いていく。 上から下へと一つずつ。 その間俯いて手元に集中し、じぇれみのことは見上げないようにする。 彼のにやにやとした笑みを目にしようものなら恥ずかしくって続けられなくなってしまうから。
ずぼんを寛げる段になってぴたりと手が止まる。 あの晩もこうしたなと思い出すと同時に羞恥の思いが噴き出してきたからだ。]
(*72) mikeru 2015/01/03(Sat) 21時頃
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ね、ねえ、こんなところだとびしょ濡れになってしまうよ。 移動しよう?
[続ける代わりに甘えたような声を出してベッドへの移動を提案。]
(*73) mikeru 2015/01/03(Sat) 21時頃
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ー自室ー
[朝。吸血鬼はライジを見送った後泥のように眠り、今ちょうど部屋に備え付けのシャワーで昨晩の血と土の汚れとを落としたところだった。 つまりバスタオル一枚でヒューの前に姿を現した。]
おや、ヒュー。 ライジから何も聞かなかったのか?
[部屋はハワードが掃除したのでもう血の汚れはないが、いつも床に敷いていたカーペットが消えていた。]
何と言うかな、家出だ。
[ぎゅうと長い髪が吸った水分をタオルで拭きながら説明する。]
みんな、私の元から去っていってしまった。 君たちもか?
[吸血鬼の表情に変化はないが、辛い報告があるなら早くしてくれとばかりにヒューの話を促す。]
(119) mikenek 2015/01/03(Sat) 21時半頃
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上手だね
[くすくす笑う。 恥ずかしげにシャツのボタンを外す彼の邪魔をしようと、口付けを深くしていく。ついばむ様だったそれは舌で唇を割り、彼の口内を嬲るものに。
湯の飛沫ですでにスラックスもシャツも濡れていて、彼の作業は捗らない。
そのもどかしさが楽しくて、すでに下着だけになった彼の首筋に口付け、胸元を指先で弄る。]
すでにびしょ濡れだけどね
(*74) suikei 2015/01/03(Sat) 22時頃
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[彼の、今は「現代風」の下着に指先をひっかけ、少しだけずり下ろす。腰骨を指先で撫で。]
ここでいいよ
[そう言いながら彼の下着を引き下ろし、足を持ち上げそれを引き抜く。シャワーの湯を壁に当てて温めたあと。]
壁に手をついてよ だめ?
[そう笑いながら彼にいう]
(*75) suikei 2015/01/03(Sat) 22時頃
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んっ…
[しゃつの釦を外すのに上手も下手もあるかという抗議の言葉は咥内を貪られ、音にならない。 口付けだけであっという間に身体が熱くなり反応してしまう。]
まっ、邪魔しないでおくれよ。
[胸元を弄る彼の手をやんわりとだが押し止めようとしていたのでは、彼を脱がす作業は進むはずもない。]
あっ、ちょ、此処で? そんなの駄目……
[と彼に言おうと思って彼を見上げたが。]
じゃない……。
[彼の笑顔を目に入れるなり、口が気づいたら勝手に言葉を紡いでいた。身体が勝手に壁に手をついていた。 そして「早く」と誘うように振り返る。]
(*76) mikeru 2015/01/03(Sat) 22時半頃
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─翌朝・ヒューの部屋─
ん、……ぁ?
[激しくも愛おしい時を過ごしてからの、朝。 思い返しても、愛しさに体が疼きそうになるのを抑え。 幾らかまだだるい体が揺り起こされる。 おはようのキスを──なんて甘い空気ではない。 何かの異変を察知しているらしい彼を見てから 漸く、この館の異変に気がつく。]
……ヒュー。
[彼はどんな表情だったか。 とにかく安心させようと名前を呼んで、頭を撫でた。
橙のシャツに腕を通すと、彼の直ぐ傍を歩く。 やかましい場所だった覚えはないが 人の足音が、気配が、薄い。 足早になる彼の歩調を追うように、男の足音が廊下へ響いていた。]
(120) anbito 2015/01/03(Sat) 23時頃
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[男が辿り着いたそこには、珍しい姿の主があり。 その姿は、この施設で長男に当たる男を思い出させるか。
異変に気付いているという、ヒュー。 その長男からなにも聞かなかったのかと謂う主。
──家出、の言葉。]
嫌われたもんじゃのぉ。 ま、みんな割かし思春期なん違うか?
[タオルに水分を吸わせている様子を眺め。 男はヒューの言葉を待つように、促すように 黙ってその手をそっと握った。
夜に、手を繋いだように。]
(121) anbito 2015/01/03(Sat) 23時頃
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かわいい
[彼のすべらかな背を撫で、肩に口付け。腕を前に回すと腹を滑らせ、下肢へと触れる。
これから何をされるか彼もわかっているのだろう、ゆるく立ち上がりかけたそれに手をそえ、ゆっくりと上下に 扱く。
もうっぽうの指は背後から、尻たぶを割り、窄みにぐにぐにと触れ。その刺激で彼の体がピクリと震えるのがわかる。]
やらしい、格好
[自分が希望しておいてそんなことを言う うっそりと笑って、備え付けのボディソープを手に垂らし、慣らすために指を割り込ませていく。
男のものを知っているそこは、あまり苦もなくつぷりと指を飲み込んでいく。ぬるぬるとした指先をゆっくりと前後に動かせば、彼の声も逼迫していく様に思えた。]
(*77) suikei 2015/01/03(Sat) 23時頃
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ん、……
[カチャカチャと、片手で、ベルトを外しスラックスの前をくつろげて。]
わかる?
[壁に手をついている彼に、すでにかたみを帯びたそれを彼に押し付け、耳元で囁く]
(*78) suikei 2015/01/03(Sat) 23時頃
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そうか、知らないのか。
[ヒューの傍らのクアトロの様子から二人は知らないのだなと吸血鬼は見当を付ける。
それはそれで困った。 昨日のニコラスの言葉を思い出す。 いっそのことライジから聞いてくれていれば、彼らに真実を話してしまうか否か悩まなくて済んだものを。
吸血鬼の髪は長く、髪が乾くまでにはまだ時間がかかる。]
(122) mikenek 2015/01/03(Sat) 23時頃
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─【4】─
[男がボリスと謂う名を捨てさせられ 四番目の道具となったのは、どれ程前の話だろう。 贋作だけを描き続け、偽りの愛を持って人を殺めたあの日。
放って置かれたなら死んでいたことだろう。 腹部の傷は思うより深かった。]
(嗚呼、俺は死ぬんだな。)
[これといって、未練などなかった。 生きているのか死んでいるのかわからないような生。 贋作の絵を描き、贋作の愛を描き。 そのまま死んだところで、悔いも何もなかった。
血を垂れ流しながら、ふらふらと外を目指した。 死ぬのなら、死ぬ前に、空を見たくて。]
(*79) anbito 2015/01/03(Sat) 23時半頃
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[眼前に広がるのは、星の散りばめられた夜。 たった今、起こったことなど何も知らず煌く星は、腕を伸ばしても掴めない。 世界でいかに己がちっぽけな存在であるか、そんなことを突きつけられたような気がして。]
……、死ぬなら。 死ぬ前に、『愛され』たかった、な。
青空が、見たかった…、のぉ。
『描き』た 、 か …ッ
[青空なんて何枚も描いたはずなのに。 自分が描いた偽物のことなんて、何も思い出せない。 格好がつかないからと無理やりに変えられた、元の口調に戻っていく。 贋作ではなく、本物(オリジナル)を描きたかった。 ───絵も、愛も。]
(*80) anbito 2015/01/03(Sat) 23時半頃
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[星に伸ばした手が、誰かに取られた頃には 男は意識を手放していた。
───それは【4】つめの道具が死ぬはずだった夜の話**]
(*81) anbito 2015/01/03(Sat) 23時半頃
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