197 獣ノ國
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……あっ!
[情けない声を洩らし、ジャニスは抵抗する事も出来ずに体を強張らせた。 近付けられた顔を、見開いた目で見詰める。 そうして冗談めいたその笑みを見たのなら、悔し気に顔を歪ませただろう。どうにか口元に笑みを浮かべるくらいの意地は、見せただろうが]
ヨハン……、クリストフよ。 よろしく、シメオン"様"?
[言い含められるまま、苦々し気に名乗りあげる。芝居口調は、なりを潜めていた。名前に続けられた揶揄も、全く効果は無いと分かっている。 ……少し、揶揄い過ぎただろうか。 まるで攻守を逆転された様な感覚に、頬すら染めながら、小さく鼻を鳴らす。
そうして離されなかった手を、仕方なしに此方も握り締める。振り払わなかったのは、揶揄いではなく、意地だった。 けれどすぐに、繋がれた手を見て和らぐ視線にジャニスは気付く。であれば、ため息の一つでも吐きだして、心の中で白旗を振った]
(148) 2014/10/01(Wed) 21時頃
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[――今日は、本屋へ取り置きのを取りに行かねば。 中世文学集と北欧叙事詩の計二冊。
手土産と共にルーカスの所に立ち寄るつもりだが、 在不在を確かめぬとも、この時分はきっと居るのだろう。
高校大学と縁を共にし、今もまた趣向を近しくする友人の 如何にもな優男らしき風体は、書殿へ篭もって 本の虫になるより、若い女を口説いている方が様に為る
こちとらパンツのタダ見で満足しうる有り体の為、 口説き文句など一切知らん。]
(149) 2014/10/01(Wed) 21時頃
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アンタ、大きくなったらたらしになりそうね。 ああいう事は、程々にしなさいよ?
[唇を尖らせ、忠告を落とす。 ジャニスにとって、高校生なんぞにしてやられたのは、酷く屈辱的な事柄だった。 だから知らず、拗ねた様な口調になってしまったのだが、当の本人は気付かない。
その間も、歩む足は緩めないままに。大通りを暫く歩いていれば、地図看板が見えてきただろう]
ほら、アレよ。 一人が不安なら、お家までついてって上げましょうか?
[今度の提案は、正しく優しさではない。 けれど悔し気なままに告げたその嫌味は、むしろ己の惨めさを強調するだけだとは、気付いていなかった。 地図の前で立ち止まれば、期待も出来ない反応を待つ。既に繋ぐ意味の無くなった手を、離さないまま]
(150) 2014/10/01(Wed) 21時頃
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[顔を伏せたまま、相手の動作を視線で追いかけて。
ちらりと見えた頷く仕草>>141には、ああやっぱり。と、内心で溜息を洩らし。]
次に走る時には……スニーカーか。 一層の事、靴を脱ぐことにします。 捻った傷よりも、切り傷の方が後々マシですから。
[罰の悪さを誤魔化すように、冗談目かした言葉。 けれども『歩けそうか』という問いかけには]
ゆっくり歩けば、大丈夫だと思います。
[こくりと小さく頷いて、口元に笑みを形作り]
(151) 2014/10/01(Wed) 21時頃
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はい。とても……苦手な。 怖い音です。
[挙げられた例>>142には、自分もそうだ。と、小さく笑って。
頭を撫でる手の主に、笑わないでくださいね。と、付け加えることも忘れない。
実際、自分でも何故その音が苦手なのやら。 幾つか思い当たる節はあるのだけれど、どれもピンと来るものはないのだ。]
ぱちん、ぱちん。とか シャキン、チャキン。とか そんな、鋏の様な音が苦手なんです。
[想像するだけでも嫌。とばかりにふるりと身震い一つ。 柘榴の瞳に怯えが浮かんだ。]
(152) 2014/10/01(Wed) 21時頃
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[また、書き物も溜め込んでいた。 大学での仕事に休息を抱いている間、寝て過ごす訳でも無い
つい先月公演された、中世を背景に置く一本の舞台、 昨今発刊を期した随筆作品にて、文學賞を取った己に、 芝居雑誌の評論を書けと。
仕事が舞い込む前に何とか演目を観にゆけたが、 千秋楽は大分混み合っていて、空気が渦を撒いていた。 空調の効きも忘れる程のカーテンコールを思い過ぎらす。
場内を沸かせ、人を惹きつける名舞台人が、 この街に住んでいるのを知っている。 一枚違う世界にいる時とはまた、別人に見えはするが。]
(153) 2014/10/01(Wed) 21時頃
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抜荷 錠は、メモを貼った。
2014/10/01(Wed) 21時頃
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靴脱いだら脱いだで、破片を踏んだりしたら危ないぞ。 それこそ、駆け回れなく為るからな
下駄はいいぞぅ、小石にさえ気ぃつけりゃーな。
[>>151とはいえ、その清楚なワンピースで下駄をあわせれば 見合うも見合わぬもあったものでは無い。 スパッツを履けなどと色気を削ぐアドバイスもする事は無く
結局は、急ぐ時は合う靴にした方がいいなと憶うばかり。]
そうか。 安っちい靴なら出かけのついでに買ってやってもいいがな。 先生はこれから本屋へ行くところだよ。
[挫いた訳では無いらしいし、過度の心配はせず。]
(154) 2014/10/01(Wed) 21時半頃
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[チクタクチクタク。 男の口元をサボテンが覆っている間の沈黙>>145>>146。 聞こえるのはバイクのエンジンと、何故か忙しない…の心臓の音のみ。
「謝らなくてもいいの。 だって私がやったんだもの。 謝るのは此方の方だわ。 ごめんあそばせ。」
考えてみれば実に大人げないではないか。非があるのは此方の方なのに謝りもしないなんて……過去にも言われた事がある。 素直じゃないのはお前の悪い所だ、って。 さぁ、言うのよ。簡単だわ。たったの五文字だもの。 さぁ、口を開いて––––––––閉じた。
男の口調は明らかに、此方の失言に気がついている。 ああ申し訳なさそうに下げられた眉さえ、涼しげな瞳さえ態とらしく見える。 自分の失言に。仕事中遊んでしまった幼稚さに。目の前の男の遠回しな物言いに。 頬と云う水面に紅い雫がみるみる広がる。引き結んだ唇が僅かに震えた。]
(155) 2014/10/01(Wed) 21時半頃
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[ツカツカと相手の爪先まで近寄る。割引券付きのチラシを大量に手に持ちながら。 それを、綺麗な白いシャツの胸元に押し付けて。]
折り紙は…っ!サービスですっ! 旦那様の家のサボテンが、ひとりぼっちで寂しそうだったので!ねっ!
[眉を顰めて、自分よりも高い身長の男を見上げる。ああもう耳まで熱い。
男がチラシを受け取ったならば、逃げるようにバイクに跨っただろう。 最後に「そのチラシで特売競争でもしてください」なんて訳の分からない捨て台詞を残して。
大量のチラシの狭間に、…が図書館で借りた本>>17>>18の置いてけぼりに気がつくのは、もう少し後のこと。*]
(156) 2014/10/01(Wed) 21時半頃
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――… 尋常もなく恐い音ねぇ すり鉢で鼠を擦る山姥にでも出くわしたか。
[そんな危険人物が居るなら見てみたいと憶う。 怯える娘の頭を撫ぜ乍、軽口を叩くのをやめ、 彼女の打ち明ける言に耳を傾けていたが>>152]
ぱちんぱちん? しゃきんしゃきん…
[肉を潰す音に比べれば、存外かわいいものだが。 まさかと下駄を履いた己の足元を見下ろし、]
そりゃあ、まさかウチの前でも通ったンかね。 爪を縁側で切らせていたんだが。
[それか床屋の前でも通ったか。 いや、自動ドアの外にまで鋏の音が響き渡るとは思えず。 笑うなと言われた手前ではあるが、くすりと吹いた。]
(157) 2014/10/01(Wed) 21時半頃
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[手を重ねた時の視線>>137の意図に男は気付かない。何処かおどおどしたような言葉と態度を男は少しの時間内ではあったが数度目にしていた。 公園にて一人口遊んでいた彼女の声色は何とも楽しげでその落差に男は小さく相槌を打つ。]
そうかな。君とは気が合いそうだ。また茶会でもしてみる?ちょうど僕は帽子をかぶっているからね。真似事さ。
どんな人、か。彼もこの街に住んでいるよ。毎日きっかり決まられた時間に同じことを繰り返すつまらない男さ。
[誰かを語る口振りは抑揚を付けて大仰に。「その内会えるよ」なんて不確かな言葉を捧げる。
その後は、
「ああ、さっきの飲み物は炭酸か。あまり飲まないものだから気付かなかったよ!」
「僕ならそこにミルクも足すね。色がコロコロ変わるのが楽しいんじゃないか。」
なんて。“意外”には、目元を和らげるだけ。 口々に嫌いだと主張する唇。緊張が和らいだようにも見える頬に人知れず意地の悪い笑みを浮かべて隠すようにフードをかぶり直した。]
(158) 2014/10/01(Wed) 21時半頃
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それは残念。でも、お酒なんて御伽に似つかわしくないかな。
[だからいいね、と。 あっさり切り捨てる。]
うん。そうだね。まあその内きっと見えるだろうから出直すさ。無一文は…そうだね。何とかなるから気にすることはない。
[少女の言葉には頷くもの、傍らに存在するその瞳を覗き込もうとすれば、逃げられてしまう>>130
それに男は「つれないね」と口にしながらも歩を動かす。]
あるんじゃあないかな。 僕の友人ならきっと、花籠を賑やかに優しい色に変えてくれるよ。
[つま先を差し出し踵を落とし。 何度か繰り返せばゆっくりと姿を現す外観。
途端に緊張を糸を緩めた彼女>>140を見咎めた男は、一度重ねられた手のひらに少し力を込めて。 やがて悪戯めいた顔で指からゆっくりと擦り抜け一足先に花屋へと向かっただろう。]*
(159) 2014/10/01(Wed) 21時半頃
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―花屋『Ramo』―
[店の近くか少し離れた場所か。 一服をする一人の青年の姿に男は空になった右腕を上げる。]
やあ、トレイルじゃあないか。 どうやら今日はもう上がりかい?お疲れ様。
[店に踏み込んだ際に何度か目にした光景に、男はある程度の予測を立てて尋ねる。
もしそうならば、彼の至福のひと時に水を差したことにもなり得たかもしれぬが、気にした素振りは見せず。]
花籠はまだ売ってるかな?君の作品を是非ともプレゼントしたくてね。
(160) 2014/10/01(Wed) 21時半頃
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[その時マユミがいたのなら、そっと指を差してみせただろう。 いなかったのなら、掻い摘んで公園で出会った少女について話しただろう。]
お代は、まあ。代わりの物置いておくから口添えしてくれると助かるんだけれどね。
[なんて茶目っけたっぷりのお願いをとりあえず口にしながら、仕事終わりの彼に残業をさせようという企み。]
(161) 2014/10/01(Wed) 21時半頃
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[差し出されたイルカのタオル。洗って返すという言葉。>>68少年の言葉はとても暖かく、そうして必ず再会できることが確定したかのよう。 そのことに自分が嬉しくなっているのを自覚することなく、花のように笑顔を浮かべて]
じゃあ、私も使ったら、ちゃんと洗って返すわ。 大学でなら会えるでしょうし、……そうね、いつかお昼を一緒に食べましょ?
[こうして知り合えたのも何かの縁だからと笑い、少年を見送って。イルカのタオルを見下ろせば、自然と顔が綻び、足取りは軽くなる。そうだ、友人の時間があいているならば、休みの暇を一緒に潰せればと思いついて。 でこってもいない、むしろかなり前のデザインの携帯を取り出して、ポチポチと操る。良ければ一緒にショッピングをしないかと]
(162) 2014/10/01(Wed) 21時半頃
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―――――――――――――― 差出人:スージー 宛先:マユミ ―――――――――――――― 今日あいてるかしら? 20xx年10月1日 ―――――――――――――― 今日は休講で暇だし、一緒にアクセサリーや服でも身に行かない? 良いこともあったから話したいし、ランチをご一緒にどうかしら 暫くは商店街にいるし、合流自体はすぐにできるよ おごりはできないけどねっ
S.F ――――――――――――――
(163) 2014/10/01(Wed) 21時半頃
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愛人 スージーは、メモを貼った。
2014/10/01(Wed) 22時頃
愛人 スージーは、メモを貼った。
2014/10/01(Wed) 22時頃
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離れる本屋の店員の姿>>143>>99を、僕はそっと見つめていました。遠くの景色に紛れる姿を輪郭を捉えられる限りで捉え、飽きたのか視線を逸らし。僕はまた喧騒へと足を踏み込みました。商店街は意外と広く、朝足早に通い詰めていたのが嘘のようです。僕は汗に滲むシャツを煽り、鞄を持ち直しました。
「…熱いなあ」
やっぱりさっきの本屋で休めばよかったかもしれない。 そんな後悔さえ抱え、空に輝く太陽の下歩き続けます。頭を焦がす日はまだ高く、夕暮れは遠く。休校の時程、友人に恵まれていない自分が暇潰しに困ることはありません。何気無しに携帯を取り出すと、新着のそれに意味も無く瞬きを繰り返しました。
(164) 2014/10/01(Wed) 22時頃
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駆けまわれなくなるのは、少し困りますね。
下駄は……あまり履いたことがないですが 洋装に下駄は違和感が。
[見つめる視線の先には下駄を履いた足。 カラコロというあの耳触りの良い音が耳に蘇り、くすりと笑みが浮かぶ。
とはいえ、洋装に下駄を合わせる気などさらさらなく。 次はヒールのないサンダルでも購入しようか。等と頭の片隅で考えれば]
買って頂くのは…その、少し。 単位に響いたりしませんか……?
あ、あの。それに私も本屋さんへ行く予定だったので 私も多少はお金持っていますし。
[チャリリと硬貨の音がする布財布を掲げて見せ。]
(165) 2014/10/01(Wed) 22時頃
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擂鉢の音なら大丈夫ですよ。 擂り胡麻でも作ってるのかな。って思うだけです。
[軽口>>157に至極真面目に応酬し。 彼の人が足元を見下ろすのを見れば、釣られるように視線はそこへ]
縁側で爪を……。 あぁ、パチン パチンという そんなような音でした。 [くすりと吹く気配にパッと顔を上げ。仄かに不満を滲ませるように唇を尖らせ。]
笑わないでください。と一歩近づいて]
舌切り雀とか、子供のころ。 怖かったんですから。
[苦手な理由は無論それだけではないのだけれど。 自分でも理解できる理由を一つ挙げた。]
(166) 2014/10/01(Wed) 22時頃
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―――――――――――――― 差出人:ティソ 宛先:まーちゃん>>122 ―――――――――――――― Re:Re:聞か猿ではなく聞いてくだ猿🙊? 20xx年10月1日 ―――――――――――――― どうしてそんなに威圧感溢れるBGMを送ってくるんですか? 決めました。寝ません。花屋に行きます。
僕はたまにまーちゃんの言うことが分からなくなります。 とりあえず妖精の粉を探してくれば良いですか? ――――――――――――――
彼女はたまによく分からないことを言う。其れが如何してなのかも、僕はまだ理解していない。ネバーランドに不思議の国?彼女はお伽話が好きなのだろうか。思考の末に出た結論は、誕生日には、お伽話をと、安直なものではあるけれど僕はそう決めました。
しかしそうであるなら、花屋では無く矢張り本屋に居た方が得策なのかもしれない。しかしそれはそれで、先程目前を過った店員と鉢合わせるのが一方的に気不味い。矢張り僕はそのまま足を進ませました。花屋なら、新しくできた友人と、そしてお伽話好きな彼女と。いつになるかは分からないけれど、きっとお祝いに似合うものを見付けられるだろうと。
(167) 2014/10/01(Wed) 22時半頃
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ふはっ、俺も似合わんと憶うよ。
和服自体が、カリュクス君に合わない気もするが どうだろうなぁ。 [>>165洋一色と譬えるが好ましき髪の色を見て。
どちらかと考えるまでも無く、 艶やかな振袖と夜会服を彼女の前へ並べれば、 スパンコールを散りばめたドレスの方が合いそう
光る石と同化しそうな白銀も、アップにしてしまえば 服も髪、何方も映えそうだとは憶う。]
靴の一足で単位を削るような、鬼畜生と思われてるなんて こりゃぁなんとも心外だな。
[告げつつ、笑みは浮かべたまま。 本屋へ行く途中だったと聞かば、それは奇遇だと頷き。 行先が仝じともあれば 緩慢な足取りで共に連れ立つとしよう。]
(168) 2014/10/01(Wed) 22時半頃
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― 花屋 Ramo ―
先ず目についたのは店頭で煙草を吹かす男でした>>120。煙は中に浮かび景色に馴染み消えて行く。僕はあまり煙草は好みではありませんが、その景色だけは好きなのです。綺麗な姿の男…と云うより、店員でしょうか?襟足の長い其れは性別不詳かと疑念を持ったけど、その顔立ちは男。しかし店員かどうかと聞かれれば首を傾げますが。
「あの、」
僕は彼に声をかけました。もしかしたら店を閉じてしまって居るのかもしれない。不安を胸に、ひとつ声掛け。 しかし、彼が此方を向いても向かずとも、その景色の向こうに見えた新たな影>>161に、重ねられた声に、びくりと肩を震わせ口を噤んでしまったことだろう。 無論、その影の向こうにまた、先程連絡を取り合った知人の姿が見えたなら、それはそれでまたひとつ声を洩らすことになるだろうか。
(169) 2014/10/01(Wed) 22時半頃
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測量士 ティソは、メモを貼った。
2014/10/01(Wed) 22時半頃
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― 住宅街→商店街へ向けて ―
[歩くのに難がありそうなら手くらい貸す心積り。 本を買う駄賃が足らなくなりそうなら、 手前でサンダルを買ってやるくらいは、惜しむ事も無く。 とはいえ、教え子から言い出さない限り無理に誘う事もせず]
擦り鉢は平気なのか。 胡麻と聞いたら無償に菠薐草の胡麻和えが食いたくなった
[真面目な面構えで見返していた様子が一転し、 拗ねた子供の其れへと変われば、益々笑いが止まらない。 下駄の動きに因る振動以外のものも相俟って 笑気に任せ、肩を揺らし]
ともすりゃ、犯人はウチの下男と俺の足だ。 怯えさせちまって悪かったね。
[喉奥で笑いを噛み殺しながらの道中。 彼女が付け加えた主張へと興味は逸れる。]
(170) 2014/10/01(Wed) 22時半頃
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ヤニクは、マユミに似合う花はあるだろうかと思案。
2014/10/01(Wed) 22時半頃
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[メールだけ入れておけば返事が帰って来るだろうと、歩き出して書店へと足を進める。月初めで、いろいろ店では新作が入荷しているだろう。本屋なら立ち読みで時間も潰せるだろうし、意外な掘り出し物もあるかもしれない。 人通りも多くなって混雑してきたメインストリートを避け、一本だけ道を外れれば少し遠くなる人ごみの熱とざわめき。勘と経験で道を進んでメインストリートに戻れば、書店はすぐそこで]
読むなら、ファンタジーが良いけど…… 他の街のことが書いてある本があれば買おうかな
[夢のために必要な本があればいいと本屋の扉を開き、中にいる店員>>144へと軽く声をかける]
こんにちわ、新刊は出てる? 何かおすすめの本があったら教えてほしいんだけど
(171) 2014/10/01(Wed) 23時頃
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はァ、舌切り雀か。 あれにはこんな逸話も或るが、知ってるかね。 山へ捨てられた少女を老夫婦が拾い、 爺さんはその子を実の娘のように可愛がった。
しかし婆さんは若さもあり、愛らしい少女を嫉妬の対象として 爺さんの目を盗んで、舌を切り落として家から追い出したんだと
[逸話であって其れが真実かなど解らないが。 小鳥のように透き通った囀りを殺す為に鳴らされた鋏。
じょきりじょきりと、ちょきりちょきりと 逸話でなく真実で或るならば、なんとも心凍る話か。]
君も嫉妬を招きそうなほど可愛い子だが、 舌を伐られないよう注意することだな。
(172) 2014/10/01(Wed) 23時頃
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[どうやら先客が訪れていた模様>>169 色素の薄い髪を陽に透かす青年に男は瞬きをする。そして至極馴れ馴れしい様子で歩を進めては笑みを浮かべる。]
やあ、君も花を?僕もちょうど花を見繕いに来たんだ。
[先程、手のひらを重ねていた少女と青年が友人関係にあることを知らない男はにこやかに挨拶を。
そして今更になって学生風の彼らが学び舎にいないことに違和感を持ちつつも、結局は口端を緩めるに留め]
今日は暑いね。君も随分暑そうな格好をしている。
[手で扇ぐ仕草を送りながらフードを軽く上に動かし、覗いた瞳を視線を向けた。]
(173) 2014/10/01(Wed) 23時頃
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愛人 スージーは、メモを貼った。
2014/10/01(Wed) 23時頃
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― 本屋 ―
[脅かす声音では無く、冗句としての響きを籠めて。 さて、見えて来た本屋へと赴こうか。 客を送り出した店主>>144の顔を見やれば、薄く笑い。]
花を抱えて来るなんざ珍しいだろう? 頼んでたもんを用意してくれ。
[取り置きの本>>149と、カリュクスも用はある>>61らしいから 己は本の準備を頼めば其れで去るつもりでいた。
先客>>171が誰かと目を向ければ、これもまた教え子の一人]
やあ、スザンナ君か。 こりゃ随分と華やかな本屋になったモンだな
[爺さんが経営してた頃を色あせた書店と喩るのなら、 今はまさしく色彩に愛された満開状態だろうな。]
(174) 2014/10/01(Wed) 23時頃
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[伸びた手>>112の気配に、鳶色が一瞬の内に大きく見開かれる。 かざされようとする手。それを追うように、顎を浮かせて。ぞわり、粟立つ背中の感覚に、喉が締まる程に、息を固く固く飲んだ。
だが、近い背が幸いしたか。視界の端に、相手の表情を見止めれば、意地のような理性が、力のままに弾きそうになる四肢の衝動を押し留める。
――それでいい。 浅く喉を鳴らしては、上り詰めようとする苦味を腹へと落とす。例え、不自然が積み重なって行ったとしても、それでいい。冷える胸の感覚は、拒んだ教室の空気を彷彿させた。
無事に前頭部へ一つ、二つと落ちた優しい手付きに、静かに薄く目を閉ざす。閉ざしきる事は、ない。暗闇に尖ると聞く感覚は、今はただの恐怖対象でしかないからで。
しかと目を開いて。相手を見る勇気もまた、無いのだが。]
(175) 2014/10/01(Wed) 23時頃
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……、 ごめん。
[浅く息を吸ってから、謝罪だけをぽつりと呟く。優しげな声色は身に染みて、胸へ肺へと、薄ら温かい物を積み上げた。
――息が詰まるようだ。 そう付してしまう自分に更に息を詰まらせる悪循環は、歳不相当の皺を眉間に刻む。
相手の腕の話に移れど、細められた鳶色は相手の僅かな身動ぎに気づけず。少しばかり暗められた声に、柔らかく前髪を乱された事>>113に。少年はその度に、心臓を跳ねさせるのだった。]
…… …あの、
[相手の僅かな"間"を見つければ、やんわりとした仕草で、すかさず一歩後ろへ下がった。
相手が距離を詰め直さなければ、撫でる手は宙へ浮いただろう。 再度撫でられそうになれば、ふるりと首を一つ横に振って、"あまり得意じゃない"、と眉尻を下げて告げたか。]
(176) 2014/10/01(Wed) 23時頃
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[マフラーの端をぎゅっと摘まみながら控えめに微笑む。 が、ふと一度は聞き流してしまった言葉>>112を思い出せば、ハッとしたように僅かに唇を開く。]
…癖で笑うのも、笑いたいうちに入れてくれれば。
[浮かべた笑みを取り下ろす事はない。それ以外に浮かびそうな表情と言ったら、――予想がつくような、つかないような。ロクな物でない可能性の方が高いか。]
――オスカー。 オズとか、昔は呼ばれてた。何でもいいよ。…吉、サン。
[気さくな人だ、と印象を総括しつつも。サン付けが一番しっくりしたので、そう返す事にした。彼は何と呼ぶのやら、ぼんやりと想像を起こしながら、言葉を続ける。]
…腕、お大事に。重い荷は良くないよ、多分。
["運んであげようか"…なんて親切な言葉は、お節介になる恐怖の前に、あっさりと引っ込んで。分かり切っていそうな、平凡な言葉を述べるに留める。
話が止まりそうな空気になれば、"気をつけて"と声をかけて別れたか。暫く歩を進めては振り返り、思い出したかのように"さよなら"と呟き足しただろう。]
(177) 2014/10/01(Wed) 23時頃
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