88 吸血鬼の城 殲滅篇
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エリアスは、レオナルドならこの部屋に篭っていても違和感はなさそうだと感じた。
2012/04/30(Mon) 13時半頃
エリアスは、レオナルドに話の続きを促した。
2012/04/30(Mon) 13時半頃
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―大広間― 私はあなたに敵対するつもりはない……と言っても聞く気はないでしょうね。
[苦笑いを浮かべ、ベルトにぶら下げた小袋を探る。 ちらりと背後の扉に視線を走らせた後、改めて竜牙兵とヒューに向き直った。
耐火袋に入った爆弾の数はみっつ。 吸血鬼の対応如何で、自ら戦わねばならない事態――討伐隊を敵にせねばならないような場合――に陥った時のために秘匿していたものだ。 もともと火薬や機関は専門外であるため、これだけの数を準備するのが精一杯だった。]
(82) 2012/04/30(Mon) 14時半頃
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―二階・作業室(20)―
[そっと扉を開け、顔を出して中を窺う。 誰もいないようだとわかれば、中に入って扉を閉めた。]
ここも誰もいない、か。 皆どこに飛ばされたんだろうなぁ……。
[仲間の身を案じながら、キョロキョロと周囲を見渡す。 幾何かの心細さも否定は出来ない。 軽く肩を落としていると、ふと、声が聞こえた気がして。 顔を上げ、宴会場へと続く扉を見つめた。]
(83) 2012/04/30(Mon) 14時半頃
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―作業室→宴会場(12)―
――――――っ!!
[そっと扉を開けて宴会場の様子を窺い、息を飲む。 客室に向かい立つ巨漢>>66>>67と、そちらから出ようとする姿>>81と。 ドナルドの言葉を聞くに、ムパムピスも一緒に居るらしい。 咄嗟に作業室を見渡し、テーブルの上にあったペーパーナイフを掴んでヘクターへと投げた。 そんな物が通じるとは思わないが、とりあえずこちらに気を逸らしたかった。]
大丈夫か!!!
[そう声をかけ、ナイフを投げた後はスラリと銀のレイピアを抜いて宴会場へと踏み出した。]
(84) 2012/04/30(Mon) 14時半頃
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[カシャカシャと骨のなる音とともに、サーベルと円盾を構えた竜牙兵がこちらに迫ってくる。 これらを使うことも、相手が人間でないのなら躊躇はない。
掴み出した陶製の球から延びた導火線に、火打石の指輪で点火する。 それを、アンダースローで骨の兵士たちの真ん中に放り投げ、斜め後方へ飛び退った。]
(85) 2012/04/30(Mon) 14時半頃
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掃除夫 ラルフは、メモを貼った。
2012/04/30(Mon) 14時半頃
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[ころころと竜牙兵の足元へ転がったいびつな球体は、わずかの時間を置いて爆裂した。 爆発とともに、内部に仕込まれた金属片が四方へ飛び散る。**]
(86) 2012/04/30(Mon) 14時半頃
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レオナルドは、ドナルドたちのいる2階まで、くぐもった爆発音が届いたかも知れない。
2012/04/30(Mon) 14時半頃
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― 客室(14) ―
[人間ふたりを吹き飛ばした衝撃波の後を追って 悠然と―――そのくせ歩いていると思えないほど素早く 客室へと踏み込む。
そのとき、背後の扉が開いた音(>>84)に、ちらりと視線を向けた。]
(87) 2012/04/30(Mon) 16時半頃
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おう。 熱いラブコール、ぞくぞくするが 貴様の順番はまだだぜ。
良い子で待ってな。
[飛び来るナイフを腕で受け止める。 と同時に自分を中心に闇を呼び出した。
膨れあがるように広がった闇は 客室全体と、宴会場の一部を真の闇に落としこむ。 灯りが消えたわけではない。 あまりにも深い闇に光が飲み込まれているのだ。]
(88) 2012/04/30(Mon) 16時半頃
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[正面の男が杭のボウガンを構えているのは見えていた。 だが、大したことはないと高をくくっていた。
部屋に闇が満ちると同時、 客室の扉が激しい音を立てて閉ざされる。 鍵の掛かる音が、いくつも連鎖して響いた。
その音に紛れるように、杭が肉を貫く鈍い音がする。]
―――………っ。
[予想外の衝撃に、足が止まる。]
(89) 2012/04/30(Mon) 16時半頃
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聖属性付与か。 ―――舐めたまねを。
[ペーパーナイフの傷は、どこにあったかわからないほどだが、 胸を貫いた杭の傷は、治り始める気配もない。 濃い血の臭いと、投げ捨てられた杭の音が暗闇に混ざった。]
(90) 2012/04/30(Mon) 17時頃
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[「私はあなたに敵対するつもりはない」との言葉には、レオナルドの予想どおりに無関心を貫いた。 琥珀の双眸に宿るのは静かな復讐の光。
その冷徹と竜牙兵を前にしても動じず、ベルトの小袋に手をやったレオナルドの反応は、さすがに場慣れして見えた。 小袋の中身は魔法用の触媒だろうと判断し、眠りの粉など吸い込まないよう息を止めると、詠唱の後に生じる隙を狙って待機する。
が、レオナルドが呪文を唱える気配はなく、その手元で火花が散ったかと思うと、放物線を描いて球状のものが放られた。]
(91) 2012/04/30(Mon) 17時頃
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[つい、それを目で追ってしまったが、視界の端に、レオナルドが斜め後方へ飛び退ったのが見え、本能が警報を慣らした。 とっさに、彼同様に球の落下点から距離をとらなければ危険だと感じる。
が、後方には自分で築いたバリケードがあって動けない。 止むなくテーブルに沿って真横へと走る。]
(92) 2012/04/30(Mon) 17時頃
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― 宴会場(12) ―
[閉ざされた客室の外、闇の中から声が放たれる。]
そこの。
良い子で待ってろ、っつってもどうせ聞かないんだろ。 こいつとでも遊んでな。
[闇の中から這い出してきたのは、漆黒の体毛持つ犬。 身体は先の黒犬よりも大きく、目は熾火のように赤く、 口からは硫黄の臭いする煙が立ちのぼっている。
地獄から抜け出してきた猟犬は、 低い唸りを上げると、レイピアを抜いた男へ向けて 猛然と飛び掛かった。]
(93) 2012/04/30(Mon) 17時頃
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[炸裂の瞬間は見なかった。 鼓膜に突き刺さる爆音と熱せられた風が、炎の技であったことをかろうじて伝える。
群れの真ん中へ爆弾を落とされた竜牙兵はことごとくその骨を四散させた。 後には、床を焦がした黒い円が残るのみ。
骨の間を擦り抜けた金属片と、砕けた骨のいくつかがヒューの肌を掠める。 室内使用向けにか制限された爆薬量であったのが幸いして酷い怪我はしていない。 ただ、熱い痛みが現実だった。]
(94) 2012/04/30(Mon) 17時頃
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ラルフ…っ
[聞き覚えのある声が、宴会場の向こう側から届く。>>8 近くに居たのかと軽く目を見開くが、 そちらに然程気を配っている余裕もない。 だが彼がナイフを投げてくれた時間は、 武器を構えるほんの一瞬の隙を作り出してくれた]
(95) 2012/04/30(Mon) 17時頃
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[何が起きたのか。 だが、少なくとも相手が使うのは魔法ではなくなんらかの物質であると判断できた。
逡巡することを自らに許さず、ヒューは純白綾織りのテーブルクロスの端を掴んで一息に抜き取る。 そうして得た大きな布を持ってレオナルドに接近した。
降伏の白旗などではない。
投擲されるものを叩き落とす盾として用い、そしてまた、網のようにレオナルドに被せてその両手を塞ぐ作戦だった。]
(96) 2012/04/30(Mon) 17時頃
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[聖別された杭は吸血鬼の肉を貫き、 須臾、男の動きが止まる。>>90]
……お強い領主サマにも聖属性は有効、ってわけだ。 いっこ勉強になったぜ、オッサン。
[冷たい汗が流れるのを感じつつ、 そう挑発するように笑ってみせる。 だが次の杭を装填している暇はない。 愛用の武器を跳ね上げると 壊れた洋灯を引っ掴んで投げつけた。 指が硝子で切れ、鮮血が手首まで流れ落ちる]
(97) 2012/04/30(Mon) 17時頃
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――っ 急げッ!
[狭い客室に3人の男。 身動きの取れない場所で 魔力を揮われるのは明らかに不利。
ムパムピスにそう声を掛けながら、 懐から刀子を引き出そうとした]
(98) 2012/04/30(Mon) 17時頃
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―大広間― [爆発が収まった刹那をついて、床を蹴って走り出す。 目指すは部屋を過ぎるバリケード、爆破地点を突っ切って一直線に進む。 錬金術師には、最初からヒューに関わるつもりはなかった。]
(99) 2012/04/30(Mon) 17時頃
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[不意に階下から爆発音>>86が聞こえ、そちらに視線を移した。
――――瞬間、だった。]
…………なっ…!?
[ぶわり、と広がる闇に飲み込まれるように。 周囲が暗がりに閉ざされる。 目を擦り、漆黒に目を凝らせば。
中から浮かび上がるのは、一匹の猟犬。]
(100) 2012/04/30(Mon) 17時半頃
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やれやれ……どうやら、吸血鬼殿は犬がお好きと見える。
[じわり、額に汗を浮かべながら。 レイピアを繰り出し、黒犬の軌道を逸らす。 すぐ傍を鋭い牙が過ぎれば、立ち上る硫黄の臭いに顔を顰めた。]
厄介な……酸など持ち合わせてなければ良いのですが。
[そう呟くと。 銀のレイピアを持ち直し、体勢を落として黒犬めがけて間合いを詰め。 その腹部めがけて鋭い突きを繰り出した。]
(101) 2012/04/30(Mon) 17時半頃
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掃除夫 ラルフは、メモを貼った。
2012/04/30(Mon) 17時半頃
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[激しい物音が聞こえ物色していた手を止める。 音は遠く、どこから聞こえているのか判断出来ない。 注意深く辺りを見回していると、今度は足元に振動を感じた。]
…何が起きているの?
[二箇所から感じる争いの気配。 ヘクターと名乗った男とアヴァロン伯の騎士であるヒューの顔が交互に思い浮かぶ。 出来ればどちらとも遭遇はしたくない、だが。]
逃げてばかりいてもそのうち殺される。 …腹を括るべきなんでしょうね。
[気丈に言ってはみても、声は震えている。 このままここに隠れていたい気持ちを抑え、火傷のせいで痛む足を引き摺りながら図書室へ向かう扉を開けた。]
(102) 2012/04/30(Mon) 17時半頃
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[こちらが走り出すと同時にバリケードへと最短距離を駆けるレオナルド。 その学者然とした外観からは想像もつかない脚力に──それが薬の効果とは知らず──驚嘆した。]
(103) 2012/04/30(Mon) 17時半頃
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[だが、相手は思ったよりも優秀な戦士のようだ。 爆破の衝撃から立ち直ると、間髪入れずこちらに近付いてくる。 手に持った大布で爆破に対処するつもりとは気付かないが、その目を見れば降伏や交渉の意志のないことなど一目瞭然だ。]
……あなたに関わっている余裕はないのですよ、私には!!
[何とかかわして、バリケードに取り付こうとするが]
(104) 2012/04/30(Mon) 17時半頃
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[闇の中でも視界に不自由は無い。 そも、闇は自分の属性だ。
修道士の動向を視界の端に捉えつつ、 投げ飛ばされた燭台を払うついでに、 左手で何かを掴む形に拳を作った。]
ハッ。 ちっとはか弱いところがないと 可愛げもないからな。
[挑発を笑い飛ばし、左手を大きく振るう。 いつの間にか左手に握られていた、 身長ほどの長さを持つ黒光りする金属の棍が 唸りを上げて、隻眼の男を襲った。]
(105) 2012/04/30(Mon) 17時半頃
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― 宴会場(12) ―
[獲物に噛みつきそこなった犬は 器用に空中で体勢を変え、尾を打ち振って再び跳躍する。
その、無防備になった腹を銀のレイピアで貫かれ、 痛みと怒りの声を上げて横ざまに床へと倒れながら、 苦し紛れのように口から炎を噴き出した。
灼熱の炎が、男を呑みこまんと広がる。]
(106) 2012/04/30(Mon) 17時半頃
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―― 宴会場(12) ――
[小走りで図書室を抜け、宴会場へと続く扉を開け。 丁度客室の入口付近に広がる闇に眉を寄せる。 外に広がる昏い霧といい、吸血鬼は闇の眷属なのだと実感した。
闇の中の状況がどうなっているのかは分からない。 獣の唸り声。 複数人の気配。 声。
無闇に魔法を使うわけにはいかない。 どれが味方か判別がつかないからだ。 闇の中に飛び込むか、階下の物音を調べに階段を下りるか。
どちらを選択すべきか。 じわりと冷たい汗が背中を伝った。]
(107) 2012/04/30(Mon) 17時半頃
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[犬の腹部を貫く感触が腕に伝われば、微かに表情を綻ばせる。 ――――が。 すぐさま呪詛の声が上がり、その口から炎が吹き出せば>>106 慌てて右手にしたレイピアを引きながら、左手で顔を覆いながら後方へと飛ぶのだった。]
――――――っつうぅぅっ!?
[炎が表皮を焼き、衣服に燃え広がる。 床を転がるようにしてその炎を押さえ込みながら、火傷の痛みに顔を顰めた。]
(108) 2012/04/30(Mon) 18時頃
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[「あなたに関わっている余裕はない」──そう告げてバリケードに取り付くレオナルドを見れば、歩調を変えてゆるやかに、大股に近づく。
レオナルドがバリケードを踏み越えて城の出口へ向かおうとしているのなら──ヒューにはそうとしか考えつかなかった──唯一の出口が塞がれていることに絶望させてから斬ってもいいと思った。
むろん、レオナルドがバリケードに手こずってもたもたしているようならそこで斬るまでである。 背後から斬りつけることに、今のヒューは躊躇いを抱かない。]
(109) 2012/04/30(Mon) 18時頃
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[炎が収まれば、左手部分の衣服はほぼ焼け焦げ、崩れていた。 赤く腫れた肌の傷みに顔を顰めながらも、再び周囲に目を凝らす。
先ほどの犬はどうなったのか。 あの大男はどうなったのか。 ドナルド達は無事なのか。 また、新たに聞こえた物音>>107は何なのか。]
……新手、か? それとも……。
[恐る恐る、声をあげるのだった。]
(110) 2012/04/30(Mon) 18時頃
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>>105 か弱いだァ…? どの面ぶら下げて…、
――ッ!
[男の棍の一撃が左手から繰り出される。
咄嗟に身を捻ったが、全ては避けきれなかった。 硬い金属の柱が腕を掠め、 引っ掛けるようにして背後に叩きつけられる]
…う、…――ぁ、…、……っ
(111) 2012/04/30(Mon) 18時頃
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