197 獣ノ國
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[休校だったことを確かめられたことにホッとして、>>30礼を言う相手に少しだけくすぐったいような笑顔を見せて。 この歳になると、友達間でもちゃんとした礼や挨拶なんて無くなってしまうものだから]
別にいいよ 私もちょっと不安だったし、確認できたから助かったもの 休校ではあるけど大学自体は多分開いてるし、散歩には良いかもしれないけどね あんたは暑そうだから、熱中症は少し心配かな
[笑って言いながらポケットから取り出したハンカチを差し出す。じわりと汗が滲んでいては気持ち悪いだろうと思ってだが、受け取ってもえるだろうか。 名前を名乗られたら、一度確認するように口の中で呟いて、笑みを深めて]
ティソ。うん、覚えた 私はスザンナ・フント。 大丈夫?顔色悪いし、ちょっと強張ってる 体調悪いなら無理しないでいいよ?
(33) 2014/10/01(Wed) 03時半頃
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[カラン、と扉につけたベルが音を立てた。バイトの青年が入ってくる。ベネットは、密かに溜息をついた。 本当は今日は、新刊整理で開店前に来てもらう筈だったのだ。けれども来ないので、結局自分一人でやらなければならなかった。この子は遅刻もミスも多い。 そもそも、元来気の長い方ではないのだ、ベネットは。 本は好きだが、だからといって大人しいわけでもひきこもりがちなわけでもない。外で泥だらけになって、帰りに鞄から取り出した本を読みながら歩くような、そういう子供であった。 そろそろ我慢がならなくて、つい素のままの口調で悪態を吐きそうになる。だが、辞められても困るのだ。小さな本屋といっても、一人で回せるわけではない。街の本屋だから、歩くことの難しい老人に本を持って行ってあげることすらある。
本気でバイトを募集して首を切ってしまいたいと考えながら、その彼に声をかけた。]
僕は外に本を届けてくるから、店番よろしくね。 それと、もうちょっと早く来てくれるとありがたいんだけど
[青年は小さくすいませんと呟いて、らんぼうにレジに座る。 ベネットは心の中で舌打ちをしてから、街へ繰り出した。]
(34) 2014/10/01(Wed) 03時半頃
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愛人 スージーは、メモを貼った。
2014/10/01(Wed) 03時半頃
座敷守 亀吉は、メモを貼った。
2014/10/01(Wed) 03時半頃
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[――朝を報せる鐘が鳴る。 遠く、遠くから鳴り響くその音に、心地良い微睡みに揺らぎ身を任せていた男の意識は、糸を引くように手繰り寄せられて行く。 毎朝、毎朝。一度も欠かす事なく、決まった時間に鳴り響くこの鐘の音が好きだった。 何があろうと揺らぎはしない、その凛とした音色はこの上なく美しいもの。 東の窓から差し込める朝日をその瞼に浴びれば、再び闇の底へと沈もうとする意識をその朝陽の前へと晒してゆく。]
(35) 2014/10/01(Wed) 03時半頃
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[アイロンの当てられた、皺一つ無いシャツを身につけ、首には赤のタイを。 眉を整え、髭を剃り。髪はポマードで軽く撫で付けてスーツのジャケットを羽織れば、鏡に映るは一人のれっきとした"紳士"。 時計を見れば――嗚呼、素晴らしい。寸時も狂わぬ、"いつも通り"の時間。 その事に密かな満足感を覚えながら、これも毎朝の日課である、出窓のサボテンへの水遣りを始める。 傍の机の上には今朝の朝刊。しかし、今はそれに視線をやる事は無い。 何かを"しながら"水をやったのでは、きっとこのサボテンもあまり気分が良く無いだろうから。]
…あぁ、そろそろ時間か。
[腕に巻いた時計に視線を降ろし呟くと、手にした水差しを定められた位置へと戻し。棚の中に幾つかある珈琲豆の瓶の中から一つ選べば、その下の段にあるコーヒーミルを取り出しその中へと一匙注ぐ。 そこでラジオのスイッチを入れ、ガリリ、ガリリと手で豆を挽きながら朝のニュースを聞くのも、"何時もの事"だ。]
(36) 2014/10/01(Wed) 03時半頃
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[そうしてノイズと共に耳へと流れ込んでくるニュースを、頭の中へと送り込んでいく。 挽き終えた豆をミルに付いている小さな引き出しから取り出してドリッパーの中へと移せば、次にサボテンに水をやる前に沸かしておいた湯を注ぐ。 男の好む温度は83度。苦味が少なく、程よくまろやかになるこの温度だ。 "いつも通り"に準備が進んでいるのなら、沸かした湯は今頃丁度良い温度に冷めているはずだ。]
(……、さて。 今日は久々の休みな訳だが…何をするかな。)
[湯を注ぎながら、挽きたての豆の香りを堪能しながら、そんな事をぼんやりと考え。 そうして豆を蒸らして、一杯の珈琲を作り上げる。 甘くほろ苦いその液体を手に、ソファへと腰を下ろし。何時もならばここできっかり30分、テレビの音を聞きながら新聞を読み、思い通りに作られた珈琲の味を楽しむ所なのだけれど。 しかし、珍しい事に今日から数日間は仕事の予定は無く。仕事の事は愛しているが、たまには休息も欲しいものだから、調整をかけたのだ。 そしてそんな日だけは、男もまた"決められていない"一日を、存分に楽しむのだった。]**
(37) 2014/10/01(Wed) 03時半頃
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――あめあめふれふれ母さんが
蛇の目でお迎えうれしいな
ぴちゃぴちゃチャプチャプらんらん…らん。
(38) 2014/10/01(Wed) 04時頃
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― 公園 ―
[或る学生は公園の噴水の側で遊んで居ました。朝早くから制服を真似た服を身に纏い、蛇口を捻りローファーの爪先に水を垂らしては蹴り上げ遊んで居ました。 まるで不可解だと、この場に子供やその親が居たならば、通報や陰口さえ叩かれていたかもしれない。そんな所作を繰り返しては愉快そうに柔らかく微笑みます。]
『あの子、頭おかしいわね。あの子、何して居るのかしら。あの子、近付かない方が良いんじゃ無い?』 …なーんちゃって。
[学生は軽やかな音を立て蛇口を締めました。言葉は先程想像した場面を比喩し揶揄ったもの。嘲る様な声色は誰に届いたのでしょうか。…いえ、きっと誰に届くこともなかったでしょう。 水は一滴二滴、滴り、ついにはその銀の中へと姿を消しました。 学生はアッシュ被りのその黒髪を風に踊らせ、その踊る髪を片手で抑える。遠くの塔>>#7は今日も相変わらずの色をしているなあ、そんな感想を洩らしては視線を下げ、落として居た鞄の手を掴み。]
(39) 2014/10/01(Wed) 04時頃
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…何か変なコト、起きないかな。
[平和ボケした言葉だと、誰かは嗤うのでしょうか。それともバカにしていると、糾弾するのでしょうか。学生は何方を思い浮かべる事無く、無責任に言葉を吐いたので、ぼうっとした頭は自分が蔑まれることまで考え及んで居ません。ただ本心、心の音底から出た音は、自分以外を傷付けることも在ると云うことを知らずに、無表情に云ったのですから。]
(40) 2014/10/01(Wed) 04時頃
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――例えば不思議の国のアリスみたいに、この木の穴を覗き込んだなら?
[学生は突然と公園に立つ木に手を添え、ちいさなちいさな、御伽噺には到底届かない穴を覗き込みました。リズムを秘めた言葉尻はたのしくたのしく上がっては疑問符を飾ります。パチリパチリパチパチ。覗いた穴は真っ暗でした。片目を閉じ覗いた穴は真っ暗でした。そうして学生は気付くのです。覗いていた目を瞑っていたと。沈黙を介し、学生は独り可笑しく声を潜めて笑いました。紅は頬を染めています。くすくすくすくす、口元を隠し心底独りで笑いました。]
(41) 2014/10/01(Wed) 04時頃
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例えば赤ずきんみたいに、この木々をくぐり抜けたなら?
例えば、ヘンゼルとグレーテルみたいに、少し迷子になってみたのなら?
[学生は続けます。木々と木々をくぐり抜け、黒髪を靡かせつつ後ろを振り向き、その腰を折り曲げました。赤ずきんのように頭巾はかぶって居ないけれど、真似るように鞄を頭に乗せてみたのなら。高鳴る胸と先を予想する冷えた頭を共存させ、遠くに目を凝らします。 しかし、学生は振り向いた先、その先に、オオカミオトコが居ないことに肩を下ろしては「当たり前か」と笑みを浮かべ。
続いて公園の外へ躍り出ると、周囲を大袈裟に見渡して見ました。 道路の向こう、爪先を立て歩道橋の上へ視線を向け、住宅街に建つ家々をぐるりと見回し。迷子とは到底言い難いそれを続けては、《何も落ちていない》道を振り返り満足そうに笑いました]
(42) 2014/10/01(Wed) 04時頃
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―――やっぱり何にも、起こらない!
(43) 2014/10/01(Wed) 04時頃
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[其れは大層詰まらなそうに、其れで居て楽しそうに、学生は朝のひと時を過ごしたのです。いつもと同じ朝をいつもと異なる歌で迎え、またいつもと同じ昼を過ごすことになるのでしょう。学生は、鞄を両手に持ち、先の面影など見せぬ程に淑やかに歩き始め――その途中、公園に誰か>>25居たことを漸く知りました。然しその目が此方に向けられて居ないことを知ると肩の荷を下ろしホッと一息。距離はあれど僅かに届く調子外れの音色を耳に入れながら、ソロリソロリ、気付かれないうちにと学生はスカートを翻します。**]
(44) 2014/10/01(Wed) 04時頃
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[気儘な散歩道は店の並ぶ大通りに道筋を変える。
あぁ、ご主人はこれが好きだな。 買っていくか。
そんなことを考え乍ら栄養の偏りがないように入れていく。 しかし、食材はどれも二人分とは言えない。 どうしてかといえば、彼の主はもう、亡くなっている。それでも家を守り続ける。座敷守なのだから。
未だ解雇はされて居ない。だから守る、だなんて……我ながら馬鹿らしい程に真面目なものだ。
自分自身に呆れつつ、買い物を済ます。
もう少しだけ、歩いていくか。
そう思えばまた歩き出して。 今度は大通りをふらりふらりと。ざらりと草履の擦れる音を響かせながら、歩いて行った。**]
(45) 2014/10/01(Wed) 04時頃
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[結局、机の上に放置しかけた本の続きが気になって、図書館で二の足を踏むことになった。 気が付いたら貸し出しカードの印を切っていたのは殆ど無意識。
ああジーザス、私はどうしてこんな本を借りてしまったのでしょう。 恋人達が集う宿り木の下で、しめやかな淑女がこの本を読んでいたらそれはそれは様になるでしょう。 でも、今の私はお手紙を届けるヤギなのよ。お仕事中なの。
微かな悲壮感を抱えつつ排気ガスの残骸を道標に残す。 バイクを走らせている最中に香ったコーヒーの香り>>36>>37に、微かな憂鬱は霧散したのだけれど。]
(あら、もうそんな時間?)
[もしかしたらお腹の時計よりも正確な時を教えてくれるコーヒーが鼻の奥まで届く。 出窓から見えたサボテンの可愛らしさにバイクを停めてしばらくそこから眺めていた。ついでに、チラシを一枚ポストの隙間から忍び込ませて……サボテンの形に折り曲げてみたのは、ちょっとした遊び心。 この家に届ける手紙はチラシ以外にないかと…はバイクから降りて手紙の住所を確認する。]
(46) 2014/10/01(Wed) 04時頃
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[気持ちは先に商店街に行っていた。 あそこに行けば、焼きたてのコロッケの香りや、芳しい生きた花の香りや、ちょっとおとなしい本の香りがするのでしょう。 香りだけでそれらの全てを味わった気分に浸るの。ついでに、すれ違う人と世間話でもしーましょ。**]
(47) 2014/10/01(Wed) 04時頃
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― 公園の隅、木陰 ―
―― …、 …う……、
[白い線と点が、差し灯る。 杖のように真っ直ぐ、落葉の敷かれた地面に突かれていた細い腕が、揺れ移る重心に鈍い悲鳴をあげて。じわりとした痺れをもたらした。
一拍。息が、飲みこまれる。 震える痺れを吐き出すように、少年は温い息をこぼした。]
…あ、つい。
[薄く開かれた鳶色の瞳に、睫毛の影を落としながら。いつの間にか、陽にはみ出てしまっていた半身を木陰側へと引く。 陽光に晒し続けられた黒は、陰を通る涼風を受け、篭めた熱を手放し始めて。
――揺蕩うような心地よさに、はたりと瞼を落とす事、数拍。
腕ごと崩れ落ちようとする上半身の重みに。 少年はまた、今度は喉を潰すように息を飲むのだった。]
(48) 2014/10/01(Wed) 04時半頃
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[靴裏を合わせては、その爪先を抱えるように両手を突いて。安定を得た姿勢で、白点の滲む視界が戻るのをぼんやりと待つ。
その僅かな合間に。 ふわりと舞い上がる風が、眠る間に乗せた僅かな土埃ごと、黒い前髪を軽々と攫った。]
(……気持ち、わる、)
[乱れた前髪を上目に、思わず薄い唇をへの字に曲げては、先の隙間から溜息混じりのブーイングを吹く。
やがて、それらは首元に巻かれた厚いマフラーの元に埋められ。 微かな温もりだけを残して、静かに消えて行った。]
(――本日も荒れ模様です)
[…なんて埋めた口を動かしてみれば、息の詰まり易い肺がほわり、ほわりと空き始める。 (悪い意味で)時間を持て余す間に付いてしまった、悪癖。
一人の時に溢れる分には、嫌いではない。一応。]
(49) 2014/10/01(Wed) 04時半頃
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[気怠げに腰を折りつつ、緩慢な仕草で前髪を、ついでに横髪とマフラーを撫で払い、整える事、数分。]
…、 …あーー……
[本来の用事を思い出した少年は、低く平坦な声を漏らす。]
(――お腹、)
[そう認識すれば、すぐさま攣るような冷たい感触が腹部を締めつける。 腰が伸びれば、それに合わせて腹部の冷たさも引き伸ばされ。両足でしかと立てば、ぽっかりと空洞がそこにあるような感覚。
……思い出してしまえば何て辛い、空腹のひと時。]
(50) 2014/10/01(Wed) 04時半頃
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[それにしても。どうして、こんな所で眠ろうと思ったのか。
ふと、空を仰げば。影を纏った緑と透ける青のコントラストが、寝起きの身には眩しくて。すぐさま、両目をコートの袖で覆い庇う。
冬物の生地とは違い、僅かに光が通っているように見えるのは、秋物だからか、はたまたすっかり着古してしまっているからか。
…じりじりと腕に伝わる熱に、意識を奪われる中。 足休めの一間に、耳に跡残したはずの微かな旋律>>26を思い出すには、至らない。
――やがて、思い出す事を諦めた少年は。 カツン、と固い固い音を立てながら、足元の小石を蹴り転がし。 一歩、また一歩、痛みの薄れた足を踏み出す。
靴の先をすり減らしつつ、整えたマフラーに鼻先を埋め直しつつ。 本来の目的地へとまた一つ、爪先が固く鳴った。**]
(51) 2014/10/01(Wed) 04時半頃
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[ラジオの音に混じり、紙を捲る小さな音。耳障りであり、それでいて何処か耳触りの良いラジオに混じるノイズの音を聞きながら、紙面に敷き詰められた文字を目で追っていく。 そうして、テーブルに置いた珈琲を手にした時だろうか。窓の外から、低く唸るバイクの音が聞こえて来たのは>>46。 そうして、カタン。郵便受けの鳴る小さな音が、部屋の中へと響いたのなら。男は文字を追っていた視線を上げて、窓の方を見やっただろう。]
(……成る程。今日は休みだからか。)
["何時も"ならば、その小さな音に顔を上げる事は無いだろう。 男はこの時間は必ず、ソファの上に居て、新聞を読む時間としているのだから。 だから例え、郵便受けの音が鳴った後もずっと外でバイクの音が止まって居ようとも、気にかける事は無かっただろうに。 "決まっている"予定のない、真っ白な一日だからこそ。男は珈琲と新聞をテーブルへと置き、この時間にしては"珍しく"玄関へと向かった。]
(52) 2014/10/01(Wed) 05時頃
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あぁ、ご苦労様。毎朝ありがとう。
[バイクから降り、手紙の住所を確認する彼女へと短い労いの言葉を贈り。 郵便受けを覗けば、そこにはぺらりと薄い紙が一枚。 ――それだけだったのなら、男はそのまま部屋へと戻り、またソファの上で日課をこなすだけだっただろうけれど。しかし、何とも器用に"サボテンの形"に折られたそれは、新聞以上に男の興味を引いたようだ。]
"コレ"は、君が? …なかなかお茶目な事をするものだね。
[閉めたドアに背を預け、腕を組みながら手にした"サボテンの形"のチラシを軽く掲げて見せる。 これが、彼女の仕業で無い事だって十分あり得はするのだろうけれど。 "まぁ、その時は謝ればいいか"、なんて呑気に考えつつも、男は悪戯っぽい笑みを浮かべ、郵便配達の少女を軽く睨んでみた事だろう。]
(53) 2014/10/01(Wed) 05時頃
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― 商店街、大通り ―
[馴染みに馴染んだ最短距離を真っ直ぐ進む事、暫く。次第に喧騒が大きくなるにつれて、道幅は少しずつ広くなって行く。
……そういえば、時計を見なかった。 足を速めながら袖を引き。露わとなる左手首を囲う、飾り気のない腕時計に視線を落とし――閉口する。]
…売り切れてないと、いいけど。
[脳裏に思い描くは、(コスパ一位の)焼き立ての食パン一斤。 例え、焼き立てのまま食べるのは、たった一回の薄い一切れ分だけだったとしても。]
(54) 2014/10/01(Wed) 06時半頃
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[早歩きはいつの間にか、小走りへとなっていた。カツッ、カツンと一定の音を刻みながら、跳ねるように走る、走る。 爪先の痛みは緩やかに引き、靴先が地を蹴る振動ばかりが増し、…靴先が削れるのが、分かった。]
…… …… 駄目、っぽい、
[目的の、パン屋の看板が見えてきたところで、溜息と共に肩を丸め落とす。 はたして、靴先を削ったかいはあったのだろうか。 ……どちらかといえば、無い。
目の前の店から漂う、澄ませた鼻を擽るはずの芳ばしい香りは、ひどく薄かった。 そもそも、焼き上がりの定時からはすっかり遅れてしまったのだから、当然とも言えるのだが。
マフラーの後ろで口をもご付かせながらパン屋へと入り、室温に馴染んでしまった食パンの袋を、渋々ながら手にする。 あっただけマシだ、と自分には言い聞かせつつ。
――分かり易い顔でもしていたのか。 苦笑を浮かべるおばさんに、唇を尖らせつつも丁度の代金を渡すと、早速袋から一切れを取り出しつつ、店を後にする。 口にくわえれば、それだけで空腹が満たされる気がした。]
(55) 2014/10/01(Wed) 07時頃
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[冷めてもそれなりに美味しい食パンをゆっくり、ゆっくりと食しながら道を歩く。 普通の学生を送っていた頃は、もっと慌ただしかった。喧騒を横に、高く昇った太陽に視線を向けては、緩やかに目を細める。
褒められた暮らしは全くしてないが、気が楽なのは確かだった。 髪を撫でつけるフリをしながら、空いている右手で後頭部を撫でれば、すれ違う人達との間に生まれる薄い薄い空気の壁に、ほう、と柔らかな息がこぼれる。
今もそうである事に、少しだけ、安堵した。]
……学校、もう無理かな。
[そんな事を書き綴った、両親宛ての手紙が一枚、二枚、机の中に眠っている。 薄桃の花が描かれたその便箋を買ったのは、入学間もない春の事だっただろうか。
――折角、学校の傍に一人暮らしをさせてもらったのに。 ふと浮かんだ自責の言葉にチクリと胸が痛む事に、また少し安堵して。口元が弧を描きかけている事に気づけば、しかとマフラーへと埋め隠した。
ゆらり、ゆらり。 左手に下げた食パンを揺らしながら、大通りを当てもなく歩く。 擦るような聞き慣れぬ靴音>>45を耳にすれば、はたと目を瞬かせ、その音の主を気紛れに探してみたか。**]
(56) 2014/10/01(Wed) 07時頃
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[ 見知らぬ通りへ踏み出せば、新鮮味のある景色に自然視線が宙を踊った。人の流れとはわざと逆らうように靴音を鳴らす。 今日の登校を終えれば休暇を挟むんだったのに、とは思いつつ。半日ほどの拘束で済むそれを、どうして態々こうして破っているのかといえば。 ――やはり、特に意味もなかった。
失望や期待といった感情を欠片も、といえば語弊が出るかもしれない。 ただ、と辺りへと向けていた視線を落として草臥れた革靴の先を見やった。いくら赤子がむずがったって夜は来るし、どうしたって蚕は桑葉を食むしかないのだ。変わらないものに嘆いたってどうしようも、]
――、……
[ 多分自分に足を進ませた理由は、そこにはないのだと漠然と感じながら。手に余る問題から目を逸らす様に、騒がしくなる道の先へと無言のままに進んで行く。
帰る道を気にはしなかった。大きな通りには地図があることだろうし、いざとなれば誰かへ尋ねれば、と淡い考えを回した。]
(57) 2014/10/01(Wed) 07時頃
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[ 暫く進んで行くと、思いがけず馴染みの本屋>>11 がある通りへと出た。小さな構えを覗けば、月始まりだからだろう、山と積まれた本が並んでいるのを確認する。
気まぐれな考えが浮かんで、>>34 バイトの店番に並んだ本の一冊分の代金を手渡した。いつもの彼はと尋ねれば、本を届けに行った旨を聞く。やや危なっかしい手つきの店番が作業を終えるまでに、彼が戻ればよろしく、とだけ伝えた。
――3年ぶり、と帯に書かれたそれを受け取って、筆記具程度しか入っていない鞄へとしまい込む。
馴染み、とは言っても使う資料を買いに来る程度で、本らしい本は殆ど買って読んだ事はなかった。
ただ、と。あの帯から推測するに、ある程度期待を受ける筆者なのだろう。読んでみて面白ければ以前のも、とそこまで考えて、シリーズ物だったらと思い至る。 ナンバリングはされてなかったように思うが、はっきりとは確かめてはいない。
しかし既に本屋を出た後で、立ち戻る気も、鞄から改めてカバーの掛かった本を取り出す気も起きなかった。 ……そのときもまた来れば。都合のいい事に明日から休暇なのだ。そう己の無精に着地点を付けて、賑わう通りへとまた足を進める。]
(58) 2014/10/01(Wed) 07時頃
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愛人 スージーは、メモを貼った。
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