289 【ペア】風邪引いたあの子ん家に行く村
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あ、ああ! ベッドってそういう。
[なるほど、なるほど、と頷く。どうしてこんなに慌てたのかは、よくわからないけど。
なんとなく隣で寝るのはよろしくない。 むさいし。男同士だし。気持ち悪いだろうし。それに病人だし、狭いし、なんか悪いし。]
[そしていざベッドを使えと言われたのだと思うと、ゆっくりと眉間にシワが寄る。]
いやあ、嫌だね。
[眉間にシワを寄せたまま、乾いた笑いが出る。 さすがにここで寝ろと言われるのはかなり嫌だ。 シーツに裸の美少女がいる時点でもうお察しというところがあるのではないだろうか?すごくいやだ。]
俺は床で寝るから。踏まないように気をつけてね。
(*30) 2018/12/02(Sun) 04時頃
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さすがに病人から布団剥ぐとかはしないから安心してよ。
[クローゼットから取り出した毛布は、軽い。 岩動宅の毛布も似たようなものだが、未だにこの軽い毛布というのには慣れない。何をとってもあのずっしり重い毛布よりずっと使い心地はいいのだが。 さっき敷いた布団の足元に毛布を半ば落とすように置いた。こんなことをしてもずしりとも言わない。]
……よし。
[これで布団の準備は完璧だ。あとは宇原が眠りにつくまで、様子を見守ることにした。]
(164) 2018/12/02(Sun) 06時半頃
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>>*31
君の美少女たちが気に入らないとかじゃなくて ……なんかいやだ。
[オナニーなんて自分だって当然していることだし気にはしないのだがどうしてもこのベッドはシーツにこすりつけたのだろうかとか枕にしゃぶりついたのだろうかとかそんな下世話な想像が脳内を巡る。
生理的に受け付けないと言う理由と、もう一つ深刻なのが万が一あのベッドで寝ていてエロい気分になってしまったら目も当てられない。ということだ。 なので今回は丁重にお断りしたというわけだ。]
あ、いや。踏んでもいいけど。 転ばないようにね。
[ただでさえ足元は覚束ないだろうし。こんなに物が多い部屋で転んだら大惨事だろう。]
(*34) 2018/12/02(Sun) 06時半頃
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[布団の準備が済めば、再びパソコン前に戻り椅子に腰掛ける。ぽつり、ぽつりとゲーム内のなんでもない話を聞かせているうちに宇原は眠りについたようだ。
寝息が聞こえてくると、クライアントを終了させてパソコンの電源を落とした。]
(165) 2018/12/02(Sun) 06時半頃
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[ベッドの脇にしゃがみ、眠る宇原の様子を覗き込む。 落ちるって忠告してやったのにもかかわらず、彼はベッドの端にうつ伏せで、寝苦しそうに眠っていた。
寝息はやはり、普通と比べて少し荒いような気がしたし、寝顔も険しい。]
(苦しそうだなあ。かわいそうに。)
[短い髪が汗に濡れて乾いた跡が見てとれる。今日は疲れただろうから、このまま無事にゆっくり眠れるといいが。
また、宇原の頭をゆっくりと撫でる。額のシートは、また頼りなげに端から剥がれかけている。なんだかそのどれもが痛々しく感じられた。]
(*35) 2018/12/02(Sun) 06時半頃
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[ちっとも規則正しくない寝息を立てている体に、再び布団を掛け直して。どれだけ弱っていても本当に顔が良い。憂いの要素がプラスになるのはわかるとして、体調不良と疲労は自分の場合ただただ老いるだけだ。まったく生態が違うのだと再認識する。
それがなんだか不思議な気分になり、鼻が詰まって口で寝息を立てる宇原の頬を指で押してみた。本当に同じ生き物なのだろうか。彼の生態を探る指はそのまま下唇を押し上げる。
自分と宇原が今、ここに居ることがなんだか作り話のような、宇宙空間にたった二人放り出されたような。
静かで意味のない時間は、少しの間続いた。]
(*36) 2018/12/02(Sun) 06時半頃
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[宇原が眠っているのを確認すると、汚れた体のままで他所の布団を使うのも悪い気がして風呂の準備をすることにした。なるべく物音を立てないように、最寄りのコンビニまで下着だなんだを買いに行き、宇原の部屋を漁って雑に寝間着を借りる。なんでも良いと言っていたから、なんでも良いだろう。
髪が粗方乾いたら、布団に入る。 岩動が眠りにつくまで、それほど時間はかからなかった。]**
(166) 2018/12/02(Sun) 06時半頃
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―ド深夜―
[このフラグ回収力は、さすがというべきだろう。]
う……っわ…… ………びっくりしたあ……
[宇原が岩動の布団に落ちてきた。 当然起きたものだと思って声を上げたものの、驚いたことに宇原はいくらかのリアクションをした程度で、また眠りについてしまった。]
(*37) 2018/12/02(Sun) 06時半頃
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うっそ…よく寝れる…
[本当に驚いている。そして困っている。 岩動は空いている方の手のひらを、額に叩きつけた。]
動けねえ………
[宇原が落ちてくる瞬間、なぜか彼の落ちてくる予兆で目がさめた。
「落ちる!」そう思った瞬間咄嗟に伸ばした腕は彼の下敷きになっていた。]
(*38) 2018/12/02(Sun) 06時半頃
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…うっそでしょ。
[腕枕状態だ。呼吸が近い。触れた部分が温かい。 ちらりと目線を送ると、整った顔が直ぐ側にあった。
迷惑だ、そう思うより先にどぎまぎと心臓がざわつくのを止められなかった。]
(*39) 2018/12/02(Sun) 06時半頃
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