25 花祭 ― 夢と現の狭間で ―
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― 食堂 ― [気持ちはわからないと言われれば”……確かに、な。”と ただ、続く法泉の言葉には、ロビンの手にあった 果実を思い出させるかのように赤い目が丸くなる]
……お寺さんだっけ…か、法泉殿は 不思議な力っつーのもあるからなぁ、世の中にゃ その加護がロビンにも…ということか? 獣が喰らおうとすると法泉殿の力が獣を祓う…?
[力の存在をまったく疑わずすんなり信じる青年を 傍から見ればどう思われるかが驚きに抜けるも 次いだ言葉に肩をすくめて]
……相手の手まで血まみれに、するわけにはいかないしな だから、寂しくて、いいよ ……ロビンは、そうか、寂しいがなくなったか…よかった
(588) 2010/08/06(Fri) 12時半頃
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[向けられた表情にはそう零す 誰の手も取れない、あの人にも逢えない そういう道をゆくのだと思いながら]
……借りた太刀以外にも3本太刀を持ち 俺よりも上背があり俺を背負う力もある ……あれが獣だと厄介だな
……月瀬の様子を確認に行くか?
[ロビンの言葉にそう口にしながら 食べ終わった食器を盆に置いた]
(589) 2010/08/06(Fri) 12時半頃
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つがいの片方食らってしまえば、 もう片方が獣だと…
(*42) 2010/08/06(Fri) 12時半頃
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[大広間から消えたいくつかの花。まだ残るものに会釈をしてその場を辞する。庭を見れば霞と迦陵の姿。 夜光も見えて足を止める。
話までは聞こえぬ距離。 夜光が去った先を視線で追う。
話は聞こえずとも、和やかな場には思えず、どうしたものかと少しの間考えて、夜光のほうへと歩いていく。
戻る霞と迦陵には頭を下げて]
(590) 2010/08/06(Fri) 12時半頃
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……ちから? 主さまに、不思議な力があるって謂うの? 私はてっきり、相打ってでもと そう謂う覚悟なのか、若しくはあの方自身が”そう”なのかと。
[思わず、妙なものを見る視線を向けた]
寂しいのは、消えた。 私はもう小さな子供ではなく、主さまの花。
[冬の子供は消え、花開いた けれど言葉どおり受け止めれば、ただ身辺の変化を伝えるもの]
でも ……セシルは、やっぱり心配だ。
[水の残った器を残して立ち上がる]
(591) 2010/08/06(Fri) 12時半頃
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いま、つがいと謂うなら 私と、貴方と、……高嶺の
片方と謂うても 如何する
(*43) 2010/08/06(Fri) 12時半頃
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どうか、いたしましたか。夜光?
[庭に降り、その背へと声をかける。纏う羽織はどこぞで見たものだと思い]
顔色が、優れないように見えますが。 先ほどのことが原因なのか分かりませんが…、具合が悪いのでしたら余り外にいぬほうがよいでしょうに。
[口調は常と変わらず。淡々とした中にも気遣う響きが残る]
(592) 2010/08/06(Fri) 13時頃
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[黒檀もまた、華月の姿を一度見る。 話し込むような話題の時には、 口を閉ざすことも多いようだったから 今もそうなのかもしれず]
……感情、
[実感伴わぬよう、不思議そうに呟いて。 気遣わしげな視線に気付けば浮かべるのは 薄い笑み、それは高嶺の名のもので]
…恐れの感情を抱かずに済むのなら… それは悪いことでは…ないな。
[それから聴く、白き鳥の舞の話。 耳に残るは落とされた時の鳥の声。 黒檀は伏せられ、それから白鳥の名を見る。]
……伝承の話だ。 それは物語の鳥の話で…鵠の花の話ではない。
(593) 2010/08/06(Fri) 13時頃
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―大広間→高嶺の部屋―
[本郷から虎鉄の身体を譲り受け抱え、命じられたまま主の部屋へ運ぼうと。 去り際気にかかることは多々あれど、今は抱き上げた弟弟子のことが一番で、他には反応をしめせぬまま。
その間、何度、紫苑色と視線を合わせたか。 抱きかかえた者のあまりの冷たさに、その身は死体のように重くも感じられ、逆に魂のように軽くも感じられた。]
[しかし、まるでこの詮無い現状に花を一つ添えるよう。 華月の唇が微かに綻んだ瞬間があった。
その表情は、主様といいなれぬ鵠へか。 それとも、朧と名を呼ぶことを許した花主へか。 どちらもだったか。]
(594) 2010/08/06(Fri) 13時頃
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[満月。空を見上げ、そして月明かりの庭を見た。 獣が力を増すのは今日だと言う。
ならばなお更に一人、ここにいるのはまずいだうと夜光を見る]
ここは、冷たい。 月明かりは優しくとも、加護にはならぬ。 一人がよいというなら、私は戻りましょう。 ですが、一人では厭だというのなら、もう少し、暖かな場所に。
心許せる方はいませんか。 その羽織の主のように。
[夜光のものというにはやや大きく。 僧は少しはなれた場所で又月を*見上げた*]
(595) 2010/08/06(Fri) 13時頃
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説法師 法泉は、メモを貼った。
2010/08/06(Fri) 13時頃
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あ、相打ち〜〜!?法泉殿が…? ……や、獣が細い花ならまだしも…… 何か武具でも扱い、 振り回す体力があるようには見えんぞ? 俺の佩いてるのだってかなり重いのよ? …法泉殿が獣の可能性、は、
[そう言って不思議そうに見る相手に 黒塗りの太刀の柄に触れ 獣の可能性に触れられれば……ふうむ、と考えて]
[あのうたかたで触れた髪の童花が消えたとは その言葉から気づけるわけもなく、 そんな言葉を零すロビンに紅を細めて笑む]
……ああ、心配なら見に行くといい
[自分も食事を終えたが、立ち上がることはせず]
(596) 2010/08/06(Fri) 13時頃
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[運ぶ途中、問いが掛かる。]
[恐れはあると高嶺の一つの花は言を持って答えた。 片割れの花は、言葉なく微笑む――逆に恐れはないと示す態。 伏せられる紫苑色を見、真っ直ぐに憂う黒檀を見つめる。
やがて部屋に辿り着けば、冷たく重く、矛盾して軽い、虎鉄の身を褥へ寝かしつけた。]
[まるで鏡写しの逆しまに、鵠が言の葉を紡ぐ時は沈黙を保つことの多い華月は、始まる話にこの時も口を鎖していた。一瞬、ぴくりと動いたのは、白鳥の伝承を聞いた時。
もし、その話が真実になるのならば、己が裡に眠るものと少しばかり似ているのだと思う。鏡写しであればこそ、似ている部分がなければ、逆しまにもならぬか。 ただ、鳥と蝶が違うのは……――。
ふと、それこそ鏡写しのような、己が主人と霞月の君を思い出す。]
(597) 2010/08/06(Fri) 13時頃
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いや、研師と桜の猫も。
あのドラ猫が、彼奴には懐いて寝ておった。
(*44) 2010/08/06(Fri) 13時頃
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……茶、いれましょか? 話とったら、喉かわかへんですか。
[黒檀と紫苑色と2つの視線を受けて、思い立ったように提案をした。高嶺の部屋には丁度、宴となるはずだった場所に向かう前、華月が運んだ茶器一式が澄みに置かれて在った。]
(598) 2010/08/06(Fri) 13時頃
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―高嶺の部屋― [――華月は、己が話すときはいつも黙る。 そうして、笑んでいる。今は?]
…――?
[不思議そうに呟く高嶺に ほんの少し、首を傾ぐ。]
そう、ですね。悪いことでは、…ない
[幽霊の正体見たり枯れ尾花――ともいう。 尤も此度、相手は“人狼病”だから 枯れ尾花とはいかないが。 伝承を語り終え気づく。 知らず手を握り締めていたらしい。]
…、…はい、そう ですね。 申し訳ありません、…つまらない 話を。
(599) 2010/08/06(Fri) 13時頃
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主さまのお体は、その 見目と違って …………
[反論しかけ、口を噤む。 同時、知られず息を止め、真っ赤になった所で俯いた。 行為を思い出し恥じる顔が出来上がる]
いや、うん。 獣と謂うような力も、よくわからないけど
[小さな身体で、困惑を表す。 笑み浮かべたイアンを見上げ、神妙な顔で]
食事でなく、こういう時こそ、一緒に来て欲しかったよ。 イアン 寂しくていいと謂うけど 若しキミにも手をのばしてくれる人あるなら 寂しいのはキミだけじゃすまないよ。
[気遣い呟く。相手諸共に喰らうてやろうかと内心秘め乍]
(600) 2010/08/06(Fri) 13時頃
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―B棟居室― [たぷん、と響くのは水性の音。 趣ある作りの浴室に、気だるい溜め息が零れる]
…因果なものだな、まったく。
[囁くように声は響き、噎せ返る程の蓮香の中で 男は薄紅色に開く蓮の花を眺める。 瞑想するかのように目を伏せ、浴槽の淵に頭を預ければ 僅かに喉が反った]
(601) 2010/08/06(Fri) 13時頃
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ああ、そうだった が 研師の彼は、明之進と主がなにやらと
……桜の子、 まだ違うだろう 私になんの報告も無しに。
(*45) 2010/08/06(Fri) 13時頃
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本屋 ベネットは、メモを貼った。
2010/08/06(Fri) 13時半頃
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―高嶺の部屋― …、――
[華月の言葉に机を見た。 自分の喉元に触れる。 少し掠れていた自分の声。
できれば欲しい、と 小さく頷いた]
(602) 2010/08/06(Fri) 13時半頃
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[語らぬもう一つの花の笑みが見える。 真っ直ぐにこちらを見られると、黒檀が細まった。]
――…ことが起これば、変わるかもしれん。 ……変わらぬ方がいいな。
[感情の話。 何事も起こらなければいいと言うことか、そう口にし。 同じように笑む花の姿は常と変わらない。]
……ああ、喉が渇いた。 …淹れろ。
[そう言って、華月に頷く。 小さな反応が見えたのは生贄の話を聴いた時。 もう一人、生贄の話をした鵠を見て]
(603) 2010/08/06(Fri) 13時半頃
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[法師へと去り際に会釈して… 問う幼子へ声を潜める。]
あぁ…夜光。 同じ名を持つ昔の花に、わたしはかつてひどい事をした。
彼がその花の養い子なら、恨んでいるかもしれぬな。
…綺麗事だけでは、ここまで生きては来れなかった。 [ぽつりと、そう弱々しく零し、南端の角部屋へ。]
(604) 2010/08/06(Fri) 13時半頃
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お前には、そんな思いをさせぬよう… わたしが後ろ盾として、確りせねばならぬな。
(605) 2010/08/06(Fri) 13時半頃
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…………惚気られてしもうた
[赤くなる様子に、鳥といいロビンといい 最近の花は初心だなと、くくくっと笑って …ただ、来て欲しかったの言葉にはきょとんとした]
なんだ、俺のような血濡れの手にきて欲しかったのか? 仲良い同士、心通う話もあれどと遠慮したんだが…
[が、続いた言葉には肩をすくめる]
……俺は散る花と、宣言している…… 伸ばす前から、わかるはずだ
[冬色の思考には当然気づくわけもなく]
(606) 2010/08/06(Fri) 13時半頃
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……つまらない話ではなかった。
[謝る花には首を横に振って。 黒檀の見る先がゆっくりと、下がる。 先程から少し、気に掛かっていた、 幾度と強く握られ白くなっている手。]
…… …
[そっと、躊躇いがちに手を伸ばす。 触れることを怯えるかのように慎重な指先の行く先は、 白くなった鵠の手ではなく、みどりの黒髪へ。]
(607) 2010/08/06(Fri) 13時半頃
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[主に倣い、法泉へと礼を贈る。 潜められた声に、緩く首を傾げ]
酷い事なら、きっと、誰しもが。 それに清濁併せもつからこそ、僕は月に焦がれるのです。
[綺麗事だけではと仰る弱々しい姿に、 鳥はそう告げて]
有難うございます、なよたけの君。 でも、僕は……。
[あなたの傍に在れるのなら、どうなろうと構わない――…]
(608) 2010/08/06(Fri) 13時半頃
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[鵠が手を避けぬのなら、何時か迦陵へとしたように。 一度だけ撫でて、手はそっと鵠から離れた。]
(609) 2010/08/06(Fri) 13時半頃
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―高嶺の部屋―
[2人の言葉を受けて、ゆるりと座から立ち上がる。 立ち上がる途中の視界に、常より狭まったように思う相手の、名のように白くなった握られた手を見る。 口を開きかけて、閉じ、立ち上がる手助けに借りる形とりながら、背にポンと触れた。]
ほな、淹れますわ。
[茶碗は一応と2碗用意してあった。 手妻以外は凡才と云えど、ほぼ全てにおいて他のことも均等にしてのける腕は、茶にも振るわれる。その器用貧乏的な部分が、ある意味手妻の才に生かされているのだろう。
程なくして、薫り高い茶が2人の手元に運ばれる。]
(610) 2010/08/06(Fri) 13時半頃
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惚気るつもりで謂った訳じゃない。
[笑う姿を冷たい冬色で睨み上げる。 姿かたちが同じなら、視線もまた違和無く] その手の血は、病持つひとの血でしょう なら何故今放っておくのかって言ってるんだ。 もしあの方そうだったら厄介だって 言ったのはイアンじゃないか
[きょとんとした相手に小芝居を一つ]
…………もういい
[肩を竦めた相手に小さな背を向けて、 怪我した足で食堂を出てゆく]
(611) 2010/08/06(Fri) 13時半頃
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執事見習い ロビンは、記者 イアンなんか嫌いだ、と子供のような捨て台詞を付け加えた。
2010/08/06(Fri) 13時半頃
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―高嶺の部屋―
[贄の話をしたときに、ほんの少し、華月は反応した。 何を思うてだろうか。聞こうとして、結局聞けない。]
…、―― そうならば よいのですが。
[>>607やはり少し申し訳なさそうに答え。 背に触れる華月の手には彼の方を流し見た。
ふと、高嶺から躊躇いがちに伸ばされた手を 紫苑色の双眸が追う。ひとつ、瞬いた。 拒むことはなく]
朧様… …?
[少し、眼を丸くした。 ふわりと、茶の良い香りが漂う中。]
(612) 2010/08/06(Fri) 13時半頃
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―大広間―
[さて、人狼病の話を桜は如何に聞いていたか 蒼褪める白い肌で けれども刃突き立てられる丸に驚く様子はなく 混在する矛盾の中 ぽつりと零した一片 誰が耳に拾い上げたか知らねども]
デブ… 紅い……
“紅い”んだ。
[ヘーゼルが生ある者を見回せど 嗚呼、生きとし生ける者の色は 多種多様な色彩で隠れ 同じ赤は判別つかぬ 見えぬものを描ける指先が 初めて見る色に 小刻みに震えた]
(613) 2010/08/06(Fri) 13時半頃
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