254 東京村U
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エ頁 目 1.
あ な た は、
ど ん な みらいを のぞみ ますか ?
(26) 2016/10/05(Wed) 17時頃
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─ 新宿区四ツ谷マンション 友硯社支部 ─
[テーブルの前に座ったまま、こつこつと指でスマホの画面をタップする。画面にあるのは、ごく解像度の低い、赤い空らしき画像だった>>4:268。 発信元は空白で、返信もどうやらできない状態だった。]
……
[悪戯にしても手のこんだ、おかしな現象。]
(27) 2016/10/05(Wed) 17時頃
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……笹本くん?
(28) 2016/10/05(Wed) 17時頃
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[思い当たる名前を口にする。そのメールに気づいたのは、銀縁眼鏡の男を送り出し新宿不動産を退社したあとのことだった。 また、山岸から電話が来ていたのを確認したのもそのときだ。折り返しで連絡はとっていないが、どうやら携帯の方は生きている。]
……
[赤い空、のようにも見える添付画像に、 もう一度視線を落としてから、次のメールを表示する。]
(29) 2016/10/05(Wed) 17時頃
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――――――――――――――― Fromm:MAILER-DAEMON title:みょんこです
笹本くんへ
あのあと大丈夫だった? 何かあったの?
―――――――――――――――
(30) 2016/10/05(Wed) 17時頃
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[名刺を見て送ったメールは狭間の郵便屋に返送されてきてしまった。いくどか見なおして四通試したがどれも結果は同じだった。]
…… つれてっちゃったのかしら
[彼女は、彼がお気に入りだったから。それなら、或いは案外今ごろ一緒にいるのかもしれない。だってあのとき電話口で聞こえたのは>>4:68>>4:69、 たしかに、 鈴里みよ子の声だった。]
(31) 2016/10/05(Wed) 17時頃
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それなら、
もう、あっちでもさみしくないかしら
[この世には、もういない、もうひとりの "みょんこちゃん"の声だった。]
(32) 2016/10/05(Wed) 17時頃
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[彼女の声を、自分の口以外から聞いたのは何年ぶりだったか。女は、懐かしさに微笑みながらファイルを手に取る。希望調査アンケート。bd4159832東蓮寺が書いたものの上に>>1:203、広がり続ける音楽を、そう書かれた別のもう一枚を重ねた>>1:164。きっと、これもじきに叶えられるのだろう。]
あの事故から、
十年ぶりくらいかしらねぇ
["みょんこちゃん"なら、きっとそのぐらいはできる。 できないといけない。できないようでは、彼女とはいえない。]
(33) 2016/10/05(Wed) 17時頃
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[あの事故さえ、あるいは彼女が身を犠牲にしてまでもたらしてくれた天恵だったのだ。だから、私は希望した未来を ──鈴里みよ子を引き継がなければいけない。完璧に。
だって、私は書いたのだ。 希望調査アンケートに。目標を。 憧れていた目指すべき場所を。
あの子になりたい、と。]
(34) 2016/10/05(Wed) 17時頃
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[新しく一枚分の紙の厚さを増したファイルをぱらぱらとめくっていく。時間経過を遡るごとに、神の色がうっすらと黄ばみを増していく。
──広がり続ける 音楽を 田舎に帰らずに済む── ──ケンカしないマトモでやさしい親 ──この質問にちゃんと答えられる あのこをみつめていたい── ── ひとりぼっちはいや
ふられた数字が遡っていき、やがて最後の一枚の前で 0000000になった。]
(35) 2016/10/05(Wed) 17時頃
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[その最後の、最初の一枚だけは、 他と様相が違っていた。
わら半紙に書かれた拙い手書き文字は、 大きさがそろっておらず、 まるで子どもが書いたように見えた。
鉛筆書きのそれはところどころ文字がかすれて、 読みづらくなってしまっている。]
(36) 2016/10/05(Wed) 17時頃
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(回答欄)
わたし は
みよちゃんに なりたい です
(37) 2016/10/05(Wed) 17時頃
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* * *
(38) 2016/10/05(Wed) 17時頃
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お針子 ジリヤは、メモを貼った。
2016/10/05(Wed) 21時頃
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[木露の質問、アンケートの結果に対して(>>17)(>>23)、 すこし考えてから、静かに首を横に振った]
……まだ、ですね。 未来に、何も……期待してないから。
[その後、蕎麦屋を立ち去り、木露たちの後について宿泊先のホテルに向かった。図書館を利用するには時間が遅く、 本郷の傍にいる自分の影法師(>>3:323)(>>3:324)(>>3:328)を見てしまったがために、赤坂のマンションや麻布のシェアハウスに戻る気になれない。
これ以上、木露たちの気を遣わせるわけにもいかず、別室をとって、そこで休むことにした。]
(39) 2016/10/05(Wed) 21時頃
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[電話の向こうからの問いかけ(>>21)に、いつもより若干大きめの声で返答する]
ああ、もちろん。 もとよりそのつもりであったし。 お金に関しては……まあ、後で話そうか。
[知り合いの娘さんを放り出して、呑気に眠れる神経の持ち主ではなかった。 こんな、奇妙な状況ならばなおさらだ。 照子にも同室で、と言われた。 片やストーカーに追い掛け回され、片や身内が三人も失踪しているのだ。不安になるのも仕方ない。 だが、女性だけで同室というのもどうだろうか。 もし斧男が現れたりしたらと考えると――考えたくもないが――心許ない。 今日はドアにもたれ掛かりながら寝る覚悟を決めた。 部屋の前の廊下で寝るのだけは勘弁して欲しい、とも思った]
(40) 2016/10/05(Wed) 22時頃
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ああ、今日の残った予定はちょっとネットで調べ物をするぐらいだし、話を聞かせてもらうよ。 それじゃあ、今日のホテルは品川だから。 駅で合流でいいかな?
[そこまで話して、通話を終了した]
(41) 2016/10/05(Wed) 22時頃
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[その直後、入間祥子のスマートフォンにショートメッセージが入る]
――――――――――――――― 出目さんがストーカーに追われてる。 今日のホテルは上野。 駅か、ホテルで合流しよう。 ―――――――――――――――
[続いて、URLが送られた。 上野にある森鴎外ゆかりのホテルへの地図だ]
(42) 2016/10/05(Wed) 22時頃
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[煩いところにいる、というわけでもなさそうなのに、キルロイ先生の声はやや大きく聞こえた。]
?
品川ですね。わかりました。 それじゃまたあとで。 駅に着いたら連絡します。
[と、電話を切った。]
(43) 2016/10/05(Wed) 22時頃
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[山手線を品川で降りる。 そのままホテルに向かう素振りをした後、タイミングを見計らって上野東京ラインに滑り込んだ]
これで、撒ければ良いんですけどね。
[ここまでやれば、普通の人間だったら撒けたはずだ。 相手が、普通の人間だったならば]
(44) 2016/10/05(Wed) 22時頃
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[直後、母のスマホにメールが届く。]
げ……
[内容に、思わずそう声をあげていた。 なんなのだ、本当に。 ただキルロイ先生の編集と、母の知り合いとだけ思っていたが、出目にも何か起こっているらしい。]
(なんでこう……なんでもかんでも同時に起こるかなあ!?)
[入間は誰ともなく、ほとんど神様に八つ当たりするような気持ちで、キルロイ先生に、「わかりました!大変なところ、ゴメンなさい!」と返事をした。]
(45) 2016/10/05(Wed) 22時半頃
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デメテル @demeter_17yearsold 1日 いつのまにか、自宅に妖精が住み着いている(笑)
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あ @WithA_UnderTheB 1日 @demeter_17yearsold pic.twitter.com/3DmtosGunr
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あ @WithA_UnderTheB 1日 @demeter_17yearsold pic.twitter.com/aNbKgst6Ts
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…
(46) 2016/10/05(Wed) 22時半頃
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― 夜:山手線電車内 ―
[入間は山手線で新宿から上野へ向かう。 今朝はろくに眠っていないため、座って電車の到着を待っているだけだと、体が眠りを求めすぎていて、気づいたら眠ってしまいそうだった。 田橋を通り過ぎたころ、一度メールを入れておいた。
『そういうことならホテルまでいきます。 場所、メールしておいてくれますか?』
と送って、電車に揺られながら、返事を待った。]
(47) 2016/10/05(Wed) 22時半頃
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[PC画面には、Twitterが表示されている。 @demeter_17yearsold宛に連続していた。 一日前から順繰りに、投稿時間が短くなっている。]
あ @WithA_UnderTheB 4時間 @demeter_17yearsold pic.twitter.com/deG82eaVyt
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あ @WithA_UnderTheB 1分 @demeter_17yearsold pic.twitter.com/m4jDac7xw
[六つだった画像が七つに増えている。]
(48) 2016/10/05(Wed) 22時半頃
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PPP イルマは、メモを貼った。
2016/10/05(Wed) 22時半頃
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――――――――――――――― 鴎外荘って所だから。 道わからなくなったら、 言ってくれれば迎えに行くから。 https://www.google.co.jp...…… ―――――――――――――――
[澪音にそんな返信をして、上野駅で降りる。 照子とジリヤを連れて、宿へと向かって移動した]
(49) 2016/10/05(Wed) 23時頃
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― 夜:上野 ―
[メールを受け取る。鴎外荘、というところが今夜の宿らしい。 それから電車に揺られてさらに数分。 眠りそうになりながら上野についた。 地図のURLを開き、指定されていた位置を確認する。]
えーと……
[わかりそうな建物のいくつかを確認し、ホテルに向かって歩き出した。 道中また知らない番号から着信があり、そのたびびくびくしながら、入間はキルロイ先生たちより暫し遅れてホテルに到着することになった。]
(50) 2016/10/05(Wed) 23時頃
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PPP イルマは、メモを貼った。
2016/10/05(Wed) 23時頃
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― 夜:上野・ホテル客室前 ―
……ごめんね、キルロイちゃん。 やっぱり、私が巻き込んじゃったんだ。
[木露の家の斧男の事を言っているのだろう。]
雪野瀬さんも、ごめん……危ない目に。 一緒の宿に泊まるなら、部屋も一緒の方が……一応、ちょっとだけ安全だと思うけど。 ……本当に別々がいい?
[この少女からもちょっと危険な香りがする、というのはさておき。 この場に居ない入間澪音にも、心の奥で詫びる。この歳になってから、初対面の相手、しかも年下の女の子に、ここまで迷惑をかける事になろうとは思わなかった。]
っ!!!
[鞄の中の振動に、身体が飛び跳ねる。 響き続ける心臓を押さえつけ、手帳型のケースの隙間から、おそるおそる、通知を見た。]
(51) 2016/10/05(Wed) 23時頃
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[ホーム画面の通知からは、文字列しか伺うことはできないが…… 最悪だ、画像のアドレスだ。(>>48)
やはりホテルの写真だろうか。 出目には、一人でこの画像を開く勇気がなかった。 頭を抱えながら、木露とジリヤにその画面を見せながら、一緒に通知を開く。
……その画像は、予想とは異なるものだった。
それは、俯瞰の視点。人間には撮りえない角度から、移動する電車を撮った写真だ。 写真の背景がぶれている。電車はくっきりと写っていた。 まるで、空を飛ぶ鳥が、電車と並走しながら撮っているかのような――]
う、
うえっ……。
[口に手を当て、こみあげる吐き気を堪える。 ひどく、気分が悪かった。]
(52) 2016/10/05(Wed) 23時頃
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― 夜:上野・ホテル ―
気にしないでください、出目さん。 勝手にやってることだし。
[そう言って、澪音からの到着連絡を受けロビーへと向かう。 同室にするか別室にするか確認してから澪音を連れてきたところで、照子の異変に気づいて近寄る]
どうしました?出目さん。
[また、画像が届いていたようだ。 一緒に確認した写真は、人の手ではありえないもので――]
出目さん!? とりあえず、部屋へ!
[支えるようにして、客室の中へと入った]
(53) 2016/10/05(Wed) 23時頃
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― 夜:上野 鴎外荘 ―
[恐縮している出目に対して、ジリヤも頭を下げた。]
いえ、そんな…… こっちこそ、大変な時にご迷惑じゃないかと。
……あの、ごめんなさい、 本当は、あたし……一緒がいいです。
正直、1人は、ちょっと……無理かも。
[まず間違いなくトイレにはいけない]
(54) 2016/10/05(Wed) 23時頃
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……っ
[共に確認した画像(>>52)に目を見張り、 声も出せず、出目に縋り付いた。 思わず頭上を見上げたが、見えるのは館内の天井ばかり。]
(55) 2016/10/05(Wed) 23時半頃
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