112 燐火硝子に人狼の影.
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そうか。 困ったものだね。
[ミドルの応えに漏らす嘆息。 問いかける聲にはいくらか考え]
――…止める止めない以前に 私の意志はもう伝えてあるからね。
[所有権を主張する軽口。 それを知った上で脅かすならば関係は一変する]
(*6) helmut 2013/02/08(Fri) 23時半頃
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わかりました。
[応えは簡潔。 場合によっては同胞と対立する事も推測できたが。
サリスの出方によっては、それもまた止むをえないだろう。]
(*7) 緋灯 2013/02/08(Fri) 23時半頃
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――…嗚呼。
[ミドルに短い応えを向ける。 彼女を同胞であると認識している。 共同戦線といったように仲間であるとも。 けれど、これからの時間を共に過ごす事は 彼女も範疇にないだろうしリヒトも考えてはいない。 何れ去りゆく存在を留める術などもたない。 力をもって制するほかは知らなかった]
(*8) helmut 2013/02/09(Sat) 00時頃
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[残念、と告げる少女>>14の続ける言葉を待たず、男は腕を伸ばしたが――苛む苦痛によって、彼女の息の根を止め損ねた。 爪痕だけが、細い首に刻まれる>>15。 まるで、獣が引っ掻いた傷のように。]
は。 言わねェでも、解ン、だろ。
[彼女の返した答え>>16は、正解。 響くあかいこえに、ぼんやりと意識囚われながら。 男は痛む肩を堪え、少し開いた距離で、遂に牙を露わにした娘を睨みつける。]
(20) sakanoka 2013/02/09(Sat) 00時頃
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[その願いの裏に、メアリー>>17が秘めた予感にまでは気づかずに。 ただその言葉の通りの未来だけを、心に抱く。 あぁ、彼女が抱く、その心>>18にさえも気づかずに――。
傍まで近づいてくる足音>>19に、振り向かず、短く声を返す。]
……下がってろ、メアリー。
(21) sakanoka 2013/02/09(Sat) 00時頃
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[確かに聞こえていた。一人の男のその名前>>*2。 それが意味するのは、此処にはもう人間の少女と男と、人狼の少女と男しか残されて居ないということ。 ――男がたったひとりで刃向おうとする、その人狼たちのこえが聞こえる。
今まさに少女の人狼に害を為さんとするサリスは、ミドルが告げたその言葉>>*3に、自身への宣告が含まれていることを覚っていた。 それだけなら、ただ、何も言わずに聞いただけだった。]
なにを。 いまさら、
[リヒトの「お気に入り」。 そうも告げたミドルに返す、そのうつくしい獣のこえ。 サリスのこえは、震えることなく。けれど、零れていた。]
あァ。あんたは。 慣れたんだろ。ひとり、に。
[全てを、メアリーをも喰らい尽くすと告げてきた男の。 その「意志」ということば>>*6聞きながら、また、短く零す。]
(*9) sakanoka 2013/02/09(Sat) 00時頃
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[ホレーショ―と酌み交わした名残。 彼の使っていたグラスの縁を指の腹でかるく撫でる]
――…は。
[己が生きる事を最優先に考えながら それでも彼の手を掴めなかった事を悔いている。 ただのきまぐれ。 知りたいという欲が満たされずにいたからか。 自問して、出した答えは――]
……嗚呼、わかった。
[ホレーショ―という名の遊び相手を 自警団に奪われたと感じたから。 それより他にないのだと獣は思い込む]
(22) helmut 2013/02/09(Sat) 00時頃
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ええ、そうですね。
[少女を庇うように立ち、こちらを睨みつける男>>20。 正面からぶつける目は、獣のものへと変化していた。
牙は太く、爪は長く鋭く。 髪と同じ色の体毛が表皮を薄く覆い、 獣の耳が髪の隙間から現れる。]
――――る、
[邪魔だとばかりに眼鏡を床へと払い落とし。 完全なる獣へと変わる手前の姿で、 威嚇の意を込めて、獣は低く喉を鳴らした。]
(23) 緋灯 2013/02/09(Sat) 00時頃
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[名を呼ばれれば>>21言われるがままに足を止め。 けれども彼から見えない筈の表情は曇ったままに。]
…でも、シーシャさん、苦しそう。 ……お願い、
[無理はしないでと。もどかしさを抑えた様な声音で告げる。 そして、視線をそのまま上げれば。 彼を挟む様な形で相対する事になった、 もはや、獣である事>>23を隠そうとしない彼女を、見据えた。]
(24) mizutama 2013/02/09(Sat) 00時頃
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慣れたよ。 同じになる事を望んだサリスが 同じになる事は無かったと知ったあの時に。
[サリスの聲に、クツと笑いながら言葉を返す。 メアリーを喰らう事を告げたあの時、 サリスがメアリーを選ぶなら 彼が生きる為に殺されてやっても良いかもしれないと思った。 別の選択を心の何処かで望む気持ちはあったのだけれど 矜持の高い獣は、言葉になどしない]
(*10) helmut 2013/02/09(Sat) 00時頃
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―――――…は、
[ずきりと、じくりと痛む肩。微かな息苦しさ。 人狼のすがたかたちに変わりつつある娘>>23の前、男の分が悪いことはもう自覚していた。 それでも下がることは無く、それでも――左肩を抑えていた。手はどちらも、ミドルへとは伸びない。]
は、ざまァねェ、わ……。 宣戦布告、した、トコで、こんなン、じゃ……死にに行く、ような。
[かたり、軽い金属が床に落ちる音。 その喉が鳴るのが聞こえる。 ――それは未だ、威嚇の意を籠めた声。]
(25) sakanoka 2013/02/09(Sat) 00時頃
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………メアリー、
あァ。解ってるさ、メアリー。
[聞こえてくる少女の声>>24に、また短く告げて。 ここで漸く、背後を振り返る。影帯びて見せる顔の、その瞳に、目配せするように視線を。]
逃げろ。 一旦、一緒に、逃げる、ぞ。
[右腕を、ぐっ、とメアリーの腕を掴むべく伸ばし。 そのまま廊下の向こうへと駆け出した。 ――駆けた先の居室、もうひとりの獣が居ることなど知らず。]
(26) sakanoka 2013/02/09(Sat) 00時半頃
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[ホレーショ―の読んでいた本を手に取る。 じ、と表紙を見詰めその本を持ち去る。 己の借りる個室に立ち寄りコートと帽子を腕に掛けた]
――…ん。
[敏い耳が駆ける足音を感じた。 居室から廊下に出ようとすればシーシャと鉢合わせとなる。 まるで何処かへ出掛けるかのような格好の男は 黒檀の杖を軽く鳴らし、頸を傾げた]
人の子には自警団の包囲を解けぬだろう。 それに――…人狼ふたりを相手に敵うと思うか?
(27) helmut 2013/02/09(Sat) 00時半頃
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[男がこちらへと向かってくるようならば、 その喉元へと牙を、爪を向け返り撃つつもりだった。 腰を引き、膝に力をためる。
しかし、男は足を、手を獣へ向けることはなく>>25、 背を向け少女と共に走り出した。>>26。]
逃げられや、しないのに。
[未だここは檻としての体を成している。 走り去る二人の背を眺め。 ゆっくりと歩き出した。]
(28) 緋灯 2013/02/09(Sat) 00時半頃
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[逃げろ、の一言には一瞬、怒った表情を。 違うでしょう、と告げる前に 再度彼が告げなおした言葉を聞けば黙って頷き。 手を取り、駆けた先。 こつり、杖の鳴る音がして。]
――……ルーカス、さん。
[対面するように立つ彼>>27の姿は 初めて会った時と変わらぬ姿。 咄嗟に、シーシャを庇う様にその前へと立つ。] ………殺さないで。
[叶えられる事はないだろう、望みを告げながら。]
(29) mizutama 2013/02/09(Sat) 00時半頃
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ルーカスは、/* オスカーの言いかけた言葉にそわっとしている。
helmut 2013/02/09(Sat) 00時半頃
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[シーシャを庇うよう前に立つメアリーの言葉に 男はクツクツとたのしそうに喉を鳴らした]
殺さないで、か。 ――…誰を殺さないで欲しい。 一つ、選ぶなら、考えぬ事もない。
[サリスでありシーシャである男に 向けたのと似た問いかけを人間の娘に向ける]
(30) helmut 2013/02/09(Sat) 00時半頃
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―――シーシャを。殺さないで。
[告げる言葉に迷いは無い。 人狼と呼ばれる男の瞳を、見据える瞳はもう、揺らがずに。]
(31) mizutama 2013/02/09(Sat) 01時頃
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オスカーは、ルーカスをつんつんつついた。
s_kisaragi 2013/02/09(Sat) 01時頃
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――…同じ事を言うのだな。
[メアリーの生を望んだシーシャ。 シーシャの生を望むメアリー。 少しばかり眩しげに翡翠を眇める]
シーシャの代わりに、 キミが喰らわれて呉れるのかい?
(32) helmut 2013/02/09(Sat) 01時頃
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…良いですよ。食べても、良いです。
[でも、その前にと。付け足すように小さく告げる。]
……あのね。私、貴方に会ったら、一つ。 聞きたい事が、あったんです。
[彼の瞳を見据えたままに、問い掛ける。]
貴方が人を殺すのは、生きる為ですか。 それとも、それ以外の理由が、あるの? …教えてください。ルーカスさん。
(33) mizutama 2013/02/09(Sat) 01時頃
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は。 そりゃ、良かった、わ。 あァ、同じに、なんか……
[痛みで鈍った感覚の中。 このこえ>>*10の主がより近くに居たことに、その時、気づかなかった。]
(*11) sakanoka 2013/02/09(Sat) 01時頃
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[口走った「逃げろ」の言葉、返されたのは怒った面持ち>>29。 悪ぃ、と呟く余裕も、ばつの悪い顔をする余裕も無いまま。 少女の手の温度を確かに感じながら、駆けて、駆けて――。]
ルーカス。
“……リヒト”
[どちらの名も、「こえ」の方で初めて聞かされたもの。 鉢合わせてしまったその男>>27の出で立ちは、まるでこれから何処にでも行けるよう。 対して、己は。]
(34) sakanoka 2013/02/09(Sat) 01時頃
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解け、ねェな、あの野郎どもの、は。あァ、
[その自警団の力を借りようとしなかったのがそもそもの間違い。 己だけで立ち向かおうとする限り「逃げられや、しない」。 それはミドル>>28も口にしたことだが、駆けていった男の背には、届いていなかった。]
………でも、敵うか、どうか、は。 やってみなけりゃ、解ん、ね……、
(35) sakanoka 2013/02/09(Sat) 01時頃
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[追いつけば、すでに彼らは対峙していた。>>27>>29 少し距離を置きながらも、 位置として、退路を断つように道を塞ぐ形となった。]
…………。
[震えてばかりいると思った少女は、 人ならざる存在を前にして凛とした声を張る。>>31
誰かのために命を捨てる。 その愚かさに胸がざわめき、目を細め。 少女の、同胞の、男の声を静かに聞くだろう。
――その感情が羨みと、未熟な獣は未だ理解していない。]
(36) 緋灯 2013/02/09(Sat) 01時頃
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っ、ばっ、メアリーっ、……!
[己の前に立つ少女>>29の背は、果敢無くみえて。 それでも何処か、果敢にさえも見えた。 引き戻そうと伸ばし掛けた腕は、痛みによって下がり。何の力も持たなくなる。
告げられる、少女の望み。誰を、と問う男の声。 それは何時かの、己への問いとおなじ。]
め、ぁ、
[その時己はメアリーの名を挙げ、己の名を告げなかった。 そして、そのメアリーもまた、おなじ>>31。]
(37) sakanoka 2013/02/09(Sat) 01時頃
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――…そう、か。
[メアリーの返事に何か思うように翡翠が伏せられる。 腕に持つ荷を手放し、床に落とす。 残るは左手の黒檀のみ。 聞きたい事、と前置きにメアリーへと視線を戻した]
人間が、食事をするのと同じ。 私は、人間の血肉が無ければ飢えてしまう。
[飢えに耐えられず死ぬ前に狂ってしまうだろう。 限界まで耐えようとした過去。 傍に在った妹を喰らおうとした悪夢のような夜。 あれ以来、己を人と認識するのは止めた]
(38) helmut 2013/02/09(Sat) 01時頃
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――…ならずとも、構わない。 私はあの日、人間であった「サリス」に出会い 心惹かれたのだから、な。
[クツ、とまた笑みが零れる]
(*12) helmut 2013/02/09(Sat) 01時頃
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試してみたいならそれも良かろう。
[矜持高き獣は余裕に満ちた様子で応える。 シーシャが敵うかどうかは知れない。 彼を獲物とみなしても、未だ敵とはみなせずに]
残るは、四人、か。 役者が揃ったようだな。
[ミドルが現れるをみながら、杖を手遊ぶ]
(39) helmut 2013/02/09(Sat) 01時頃
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…そっか。ただ、貴方が生きる為なんですね。 ……良かった。 もしそうだったら、お願いしたい事があったんです。
[そうして、目の前の男へと微笑みかける。]
私、食べたらお腹いっぱいになりますよね。 そしたら、ここを出る時にね、できる限りで良いんです。 …自警団の人も、殺さないであげて下さい。
[お願い、二つになっちゃいました。 でも、二人共生きる事を許してくれないのであれば。 これ位は、叶えて欲しいと。そう告げた。]
(40) mizutama 2013/02/09(Sat) 01時半頃
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[サリスが問われたその時と、メアリーのこの時とで違うのは、後から己の名を付け加えられたか否か。 此度はもう、ふたりとも生きることなど許されない。何処かで、そんな思いが過る。 そしてメアリーには確かに、シーシャの、サリスの代わりに喰らわれる意志が見えた>>33。]
………………
[「だったら、せめて、オレが」。 その意思は人間の声でさえも、人狼のこえでさえも紡がれず。 ――聞こえてきた「こえ」が、思考を妨げる。]
(41) sakanoka 2013/02/09(Sat) 01時半頃
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[良かった、と紡いだメアリーにはたと瞬く]
言ってみると良い。
[促して彼女の願いを聞き終われば柳眉を寄せて悩むよう]
――…嗚呼、飢えは暫く感じぬだろう。 出来る限り、か。 キミは他者のことばかり案じるのだな。
[優しいと称した娘に溜息まじりの声を返す。 ちら、と同胞に視線を向けて尋ねるような仕草が一度]
(42) helmut 2013/02/09(Sat) 01時半頃
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