296 ゴールイン・フライデー
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[考える最中に、向こうのテーブルに皿が増える。 一足先に運ばれたドルチェは、俺がいつも頼むジェラートではなく 意味深な名を持つそれを目で追えば こちらを伺うように、だけど真っ直ぐ見詰める瞳とぶつかった。
これは偶然? それとも 浮かんだ期待はきっと隠せていないだろう。 探るような視線、外したのはあの人の方。
揺れるグラス、揺らぐ視線 僅かに表情を歪ませて席を立ち、通り過ぎるその姿を目が追いかける。 ほんの僅か朱に染まる耳元に、カタリと椅子を鳴らして立ち上がりかけ
だけど 呼び止める一言は口に出せないまま 主をなくし残された、感情のパズルピースを眺めていた。]
(27) 2019/05/22(Wed) 00時半頃
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[ベッドに転がったまま何度目かの溜め息をつく。 気付かれてしまったのかもしれない、年甲斐もない邪な俺の気持ちに。 明確な拒絶ではないから、それでもまだ期待は捨てきれず
なによりも 重ねられた偶然、秘められた意味と重なった視線の向こうに見えた色。 気のせいにするにはあまりにも鮮明で、だからこそ手を伸ばすのを躊躇った。
もしかしたら、もう会えなくなるかもしれない そう考えたら背筋が冷えた。 呼び止めていれば、手を伸ばしていれば どんな結果であれ知ることができたはずで……知るのが怖くて動けなかった。]
……なさけねーなぁ
[こんな時に呟く為の、あの人の名前さえ俺はまだ知らない。]
(28) 2019/05/22(Wed) 00時半頃
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[もし、拒絶ではないのなら もし、同じような気持ちでいるのなら 都合のいい妄想は同じだけの不安を連れてくる。
もう、あの店には来ないかもしれない だけど、もしももう一度会えるのならその時は……。**]
(29) 2019/05/22(Wed) 00時半頃
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[自分の世界の中で、タヴェルナだけが昼の世界と繋がっていた。
真昼の住人がいて、眼が眩むような太陽がある場所。 夜のしじまから迷った振りで潜り込み、昼の明るさを胃袋に詰めて帰る。憧憬はほんの少しで満腹にしてくれる。
同じ空間に居るだけ十分だと云えば殊勝だが、その実臆病なだけ。 自身がこっそりと昼の世界を観測し、憧れ、恋をしているのは良い。だが、直射が夜に侵攻してきたら堪らない。徒花は水も堆肥も求めず、ただ土塊に還る時を待っていたい。
生産性に富んでいたのは己の指だけで、胸の内はからっきし。]
(30) 2019/05/22(Wed) 01時半頃
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[ストーカー染みた行為も止めなくては。 そう思いはしているのに先週もタヴェルナに脚を運んだ。
脚の具合だとか、疲労の度合いだとか。意味のない言い訳は色々用意したが、誰かに聞かせることもない。いつもの席にひとりで落ち着き、いつものように少量頼む。]
ラタトゥイユはもうあるかな? それとモヒートを。
[女主人は夏野菜のごった煮と言うけれど、タイムが強めに効いた味は胃を拡げてくれる。冷たいのに野菜の味が濃いから味も良く膨らむ。]
(31) 2019/05/22(Wed) 01時半頃
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[そして視線は店内ではなくやはり床に落ちた。 顎を引いて木目をなぞり、紳士淑女の足元を縫っていく。 杖が見つからないのにまず安堵して、次に見つけたのはこの店の看板猫。 世界一有名な騎士と同じ名を持つハンサムな猫は人の足元ばかり見ている自身とはよく目が合う。――― 最近は、その良く合う瞳の底から憂いを感じ取り、妙な親近感を抱いていたのだが。
が。]
(32) 2019/05/22(Wed) 01時半頃
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…………、
[卓上にそっと紙幣を並べる。 注文額より遥かに多いのは過分なチップが含まれる所為。
まだカトラリーさえ届いていないのに、急くように席を立って女主人に急用が出来たと下手な嘘を吐いた。声も震えていたし、眼も揺れていたから、不審に過ぎただろうけれど、異様な焦燥が彼女の同情心を刺激してくれる。]
(33) 2019/05/22(Wed) 01時半頃
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[タヴェルナを出た途端、十何年ぶりに走った。 今までも何度も逃げ出したけれど、走って逃げたのは子供の頃以来かもしれない。
猫のすり寄った先。 昼の世界へ送り出した己の誇りがあった。
桁の違う革靴だ、タヴェルナとは購買層が違う。 己よりもずっと生活水準の高い紳士が購うものだ。 だから、買われていった息子らを己は知らない。
偶に里帰りをしてもくるが、その頃にはすっかり履き慣れて見知らぬ男の顔になっている。そうなれば父は自分ではない。彼らは里親の息子になる。
―――― だが、あの靴は違った。]
(34) 2019/05/22(Wed) 01時半頃
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[まだ底が潰れておらず、履き心地はきっとぎこちない。 やがては形のよい踝の持ち主が、立派な男にしてしまうのだろうが、あれはまだ、己の誇りそのものであり、昼の世界と繋がる夜の欠片だった。
胸に疼いた承認欲求を何度も殴り、暴力的に黙らせた。 昼の世界に関わってはいけない、触れてはいけない。 寂しいのも孤独なのも我慢できる。
けれど、心が飢えたら何で満たせばいいのか分からない。
夜は閉じた世界で、自己完結していなくてはならない。 独り善がりの想いを食べ、生きていたいだけなのに。]
(35) 2019/05/22(Wed) 01時半頃
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[異端者を追放する昼の世界が恐い。 否定する人の眼が恐い。
自らの誇りが包む、あの脚がとても恐かった。]
(36) 2019/05/22(Wed) 01時半頃
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─ Die Zeit heilt alle Wunden. ─
[朝から念入りに剃刀をあて、皺ひとつないシャツに袖を通す。フォーマルな革靴は少々ミスマッチな服装だったが、構わず履いた。
妻との結婚式の為に用意したそれは、当時の稼ぎに不釣り合いなものであったが、この先──最低でも娘の結婚式まで、ありとあらゆるハレの日に履くからいいんだ、なんて奮発したもの。
結局、小学校の卒業式を迎える前に出番を無くしてしまったが、なんとなく捨てられずにいた。 あの時の誓いに嘘はないし、靴に罪は無い。]
(37) 2019/05/22(Wed) 02時頃
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[数年ぶりの逢瀬を果たした土曜日。 始めはぎこちない空気も、財布兼荷物代わりとして付き添ううち、少しずつ会話も増える。 下調べしてきたと、彼女の選んだトラットリアに入る頃には足と咽喉、それから財布が悲鳴を上げていた。]
こんなとこまで変わっちまったんかねえ……
[誕生日を祝い終え、娘をホテルに送り届けて帰宅すると、どっと疲れが襲ってくる。 買った時にはぴったりだったのに、重労働を重ねるうちに足指が変形したのだろう。踵が擦れ、小指と共に真っ赤に腫れている。 合わなくなってしまった靴と足は、家族そのもののよう。
コース料理はどれも美味かった。タヴェルナの方が舌に合うと感じたのが本音だが、娘を連れて行くことはできない。 世話になっているマリアンヌやキャサリンに紹介したくとも、知られたくない相手もいる。]
(38) 2019/05/22(Wed) 02時頃
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[──莫迦らしい。 同居はしていなくとも成人する歳の娘がいると知れたら、なんて心配する必要なんてあるのか?萎びたオッサンだという時点で、同性だと言う時点で対象外だろうに。 それに、隠したからといって、娘と妻の存在は消えやしないし、消したいわけでもない。
ごろりとベッドの上に転がり、胸ポケットに潜めていたハンカチを取り出す。 鼻先を寄せればまだ、仄かに感じる香水は昨日、あの人が背後を通り過ぎた瞬間に香ったものと同じ。]
(39) 2019/05/22(Wed) 02時頃
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[タヴェルナでの食事中、あの人の気配が近づく度に、背中が茹でたオマール海老のように丸くなるのが常で、全神経を集中させているから、気づけたのだろう。
微かに漂う、いつもと違う香り。 これまでは感じたとて、酒やニンニクといった大衆的なものだけだったのに。猫を飼う以外にも何か変化があったのか。気になろうと訊ねることなぞできる筈もなく、気にするあまり、食事の味も遠くなったが──もっと衝撃的な出来事は、帰り際に起こった。
落としたのでは?と、封を切られたばかりの煙草と共に、キャサリンがハンカチを差し出した時、元より不調を引き摺り、反応の鈍い頭は自然と受け取って、覚えのある香りに、指が強張る。
もしかしたら、あの人が落としたものじゃないか。 もしかしたら、大事なハンカチじゃないか。 もしかしたら、────。
巡る想像の答えは持越に、いざとなれば来週、勘違いだったと返せばいいと。 つい、つい。煙草ごと持ち帰ってしまった。 魔が差したとしか言いようがない。]
(40) 2019/05/22(Wed) 02時半頃
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──…は、は…莫迦みてえ
[むしろ変態だと裡で詰ると同時に、気づいてしまった。 こんな愚行を犯すほど、惹かれていること。 ただの常連客として、酒飲み友達となるだけでは屹度もう、満足できないこと。
だって、同じ煙草をあの人が持っていたと知るだけで、こんなにも苦しい。唇を食んだらどんな味がするのか、想像しただけで呼吸が浅くなる。 見るからに体温が高そうな肌に触れられたら────なんて独り善がりな妄想で穢していることを知られたら。
考えるだけで心臓が潰れそうに痛くて、息が詰まる。]
(41) 2019/05/22(Wed) 02時半頃
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[それは、15の夏の終わり。 あの子と会えなくなった時に感じたのと同じ痛み。]**
(42) 2019/05/22(Wed) 02時半頃
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週のど真ん中、バテてる貴方のハートを癒したい! モーニング行ってQPのお時間です。
[ 水曜の朝はそわそわする。 金曜日の足音が聞こえてくるから。 ]
本日最初のお便りは、
ラジオネーム雑貨屋さん。 「来月、金婚式を迎えます。 皺だらけになった妻の手を引いて 何処に連れ出そうか、悩ましい。 出来れば穏やかな時間を共に過ごしたく 名案があればお聞きしたい。」
キンコン…てぇと五十年? いいなァ、おめでとうございます。 賑やかな場所なら心当たりはあるけど、そうさなあ…
(43) 2019/05/22(Wed) 08時頃
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[ 幸せなことだ。 今も二人で出かけたくなるような生涯のパートナー。 歳を食っても大事な人の傍に居れるなんて。 夢を見るしか許されないあの客と――― プラカードに手を掛けるディレクターの姿が窺え 早く、と奮い立たせて記憶の引き出しを引っ張り出す タヴェルナで過ごす時間を振り返っていたものだから 談笑の中で時折耳を触る弾む音色を過ぎらせて ]
コンサートなんてどう? 俺の良く行く店ではグラスハープが良い音を立てるよ。 のんびり聴けるようなもんならピアノが良いかもな。 心に響く曲を見つけられたら、 奥さんと二人でレコードを探すのも良いねえ。 [ しっとり聴けるバラードを流した後は 数通のレターを読み終え収録が終わる。 んッと背伸びしながら、休憩室に向かう途中 先日のアドバイスはどうだったかと 女ディレクターから声を掛けられた。 ]
(44) 2019/05/22(Wed) 08時頃
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いや、どうだろうな…。 俺の匂いが変わろうが興味無いと思うよ。 いや、結構匂い強めのやつだけどな…。
[ 香水が変化を示すに足らなかったのでは… そう言われて、カバンの奥の小瓶を取り出す。 香りを嗅いだり原材料を確かめる様子を見ていたが 悪くないと感想を受け、だろうと大きく頷いた。 ]
それ、ローズウッドの精油が入ってるんだって。 俺の髪の色に似てる木だから昔勧められたんだよな。
[ 赤茶けた前髪を指でつまんで口にする。 バラの香りに似た美しい香りは香料として親しまれるが その名前で自身が連想するのは家具の木材だった。 ]
(45) 2019/05/22(Wed) 08時頃
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あぁ… そろそろダイニングチェアーがガタついてるんだ 新調しようかなあ。
[ 人を歳を取るが家具も歳を重ねる。 服や装飾品を選ぶのも良いが共有出来るものを 選べる生活なんて、憧れてしまう。 この恋情を自覚するまで自分にそんな夢があるなんて 想像だにしなかったというのに。
女ディレクターに言われるまで知らなかった事だが ローズウッドの香りは免疫を高めるらしい。 そんな作用があるなら体調が悪そうにも見えたあの客に プレゼントすれば良かったと、惜しみながらも そんなこと出来やしない癖に、と自分を恥じる。
香水のプレゼントは贈る側の分身を差し出すこと。 独占欲の暗喩なぞ、突きつけられたら 困惑どころか薄気味悪いと畏怖を持たれそうだ。 ]
(46) 2019/05/22(Wed) 08時頃
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[ そういえば、ハンカチと煙草をなくしたらしい。 酔っ払って何処かに落としたのだろうなと 普段の素行を思えば容易に想像はつく。
シンプルな青無地のハンカチは兎も角、 ―――― 吸えもしない煙草を惜しんでしまった
また、買おうかな…。 ]**
(47) 2019/05/22(Wed) 08時頃
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[運命なんて莫迦らしい言葉を信じるか? ――少なくとも今までは信じていなかった。
左手薬指に指輪の形跡のないことに安堵して 女性の影がないことに安心して初めて自覚した。
胸を焼き焦がす程の情念を持っていたなど 未だに信じられない事実ではあるし
自分が自分ではないような前後不覚に陥らせる―― 指の先まで彼に支配されているような心地を 不思議と不快とは思えないからこそ救えなかった]
(48) 2019/05/22(Wed) 17時半頃
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[あなたと過ごす勝手な晩餐がこんなにも心を苦しませる]
(49) 2019/05/22(Wed) 17時半頃
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[目は口程に物を言う。 その言葉を教えてくれたのは誰だったか。 昔好いてくれていた女性だったように思う。 ”とても落ち着いて水面みたいな色をしてるのね” 告げた彼女の眸はこぼれ落ちそうなくらい熱を宿していた。
彼女の気持ちが分かるような時が訪れるとは思っていなかった。 出来るならば知らないままであれば幸福だったのかもしれない]
(50) 2019/05/22(Wed) 17時半頃
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[金曜日。 最後のエンディングが決まらない小説。 ありったけの想いを綴った彼へのラブレター。 悩む時間だけはたっぷりあったものだから 整えた髪も決局くしゃりと崩してしまった。
例えば楽器でも引けたなら言葉にせずとも伝わる想いがあるだろうか。 ラジオの放送を見習って気障な台詞の一つでも言えたら違うだろうか。 行くか、行くまいか。木曜日の夜はいつも悩んでしまう。 それでも迎えた金曜日にもこうして揺れてしまっていた。
きっちりとした格好で食事を楽しむ彼は きちんとした職に就いているのだろうし 不定休かつ不定形な生活をしている自分とは釣り合わないし 彼の視界に紛れ込むことすらも烏滸がましいのではないかと 自己嫌悪がふつりふつりと浮かんでは沈んでしまう]
(51) 2019/05/22(Wed) 17時半頃
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[それでも誰が何を言おうと会いたい気持ちに嘘はつけない。 いや、もう吐きたくないと思った。
気づいてほしくなんてないのは、嘘だ。 だが、嫌われてしまいたくないのは、本当だ。 願望と感情が導き出す答えは何もかも抑え込んで今を続けること。 そんな現状が辛く苦しいだなんて馬鹿げている。
まったくもってして恋は何故こんなにも心苦しく面倒なものなのに
女神様じゃなくてあなたに微笑まれたいのだと 神様であっても先約を取り付けて朝を共に迎えたいのだと。
99の嘘より1の本当が欲しくて堪らないのだと]
(52) 2019/05/22(Wed) 17時半頃
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[叶わぬ願いだろうか。 振り向いて欲しいだなんて この想いをあなたに捧げることは あなたと夜を過ごしたいと望むよりやさしいものだろうに。
あなたと明日を迎えれば この心の渇きを癒せるだろうか。 今もあなたを想い、あなたのことを知りたいと願っている。 あなたに心を奪われてしまってからだ。 こんなにもあなたの心を奪いたいと望んでしまう。 覚えていいて欲しいと我儘になってしまう]
(53) 2019/05/22(Wed) 17時半頃
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[アフィニティをひとつ アメリカン・レモネードを添えて ウオッカ・ギブソンで雄弁に エルクソン・オウンはただの願望でしかないが どんな酒を贈ればその心は手に入るだろうか。
ブラック・ベルベットか ケーブルラム・ハイボール、 コペンハーゲンが一番正しいだろうけど]
グリーンアイズをひとつ。
[彼の眸と同じ色のカクテルを注文する。
意味とは正反対のものを選んだ理由は何故だろう]
(54) 2019/05/22(Wed) 17時半頃
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それからスコーピオンも。
[口端を上げては一人しかいない癖に 二人分の酒を頼んで口角を上げた。
遠回りすぎやしないかと思いながらも 臆病な自分にはそれで精一杯なのだから今日も夜を過ごす。 あなたを想いながら特別な金曜日を]**
(55) 2019/05/22(Wed) 17時半頃
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[タヴェルナで……ここの音を聞くときはいつも目をつむっていた、眠るように。 だから……声の抑揚とか、空気の震えとか、ああ、退いて第三者となった今ならはっきりと自覚できる。 彼らはみんな、しのぶ秘密を持っていて、だけどすべてを抑えきれなくて、……相手の思いなどわからない、不思議な緊張の中、ここに集っていた。 誰かの注文の後、不自然ではない間をおいて、同じ品が他の卓に届くだとか、そんなことはよくある話だけど、……でも、偶然じゃないと否定してくれる人もいない。]
(56) 2019/05/22(Wed) 19時半頃
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