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[白を内包した白き白は、 白銀に濡れた優美な指先を静かに前へ向ける。 はじめに 青嵐の少年たちと三首の屍竜《ドラゴン》へ緩やかに差し伸べ]
“暁に死を”
[囁く声に白き魔の甘い毒が乗る。 黄昏にとっては勁《つよ》き力《エネルゲイア》となるもの。 吹き飛ばされ、砕けたはずの黒い軍勢が首をもたげる。 低い、忌まわしき呻き声。
三首の屍竜《ドラゴン》もまた 力をさらに増すであろう。]
(20) 2012/03/19(Mon) 15時半頃
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[空間を撫ぜるように手のひらを翻し 優美な動きのままに“聖剣”の柄を握る。]
“門には鍵を”
[――― ガキン と。 重力が増したとさえ思えるほどの重々しき音が “神王”たる白の白が背後の“神門”から響く。]
(21) 2012/03/19(Mon) 16時頃
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[門《テリオプトシ》を縁取る神世の文字《テオスメルラ》が白き光を帯びていく。 その白は、神王が白。拒絶の白。 穢れなき白《アルケー》は―――告げる。]
(22) 2012/03/19(Mon) 16時頃
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“この世界に黄昏を”
(23) 2012/03/19(Mon) 16時頃
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[―――キィイイイン―――!]
[共鳴。]
[王と、王門が響き合う。] [“鍵”となるのは 王自身と黄昏に染めし“聖剣”]
[だが。]
(24) 2012/03/19(Mon) 16時頃
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[僅かに、 足らない。] [扉を開かせまいと強い、強い意志が―――妨げている。]
[“それ”がなんであるのか。] [暁の鳥《オーバード》らは“知っている”]
[白に抗う色彩の、名を]
(25) 2012/03/19(Mon) 16時頃
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[傷つけられ、ついに現してしまったその真の姿。 生きた血の通わぬ、悪魔の姿。 精神的にも肉体的にも醜態としか言えぬ身を]
――……“仰せのままに”……
“煩わしき暁を 黄昏の静寂で 飲み干しましょう”
[美しいと形容されるのならば。 屍竜《ドラゴン》は歓びに震え、全ての力を神王へと捧げることを誓う]
(*7) 2012/03/19(Mon) 16時半頃
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GURUUU…………
[白き白に応えるように、三首の屍竜《ドラゴン》は 低い唸り声をあげて。>>20 丸太を束ねたような足が地響きを響かせ、まるで門番のように、神門《テリオプトシ》の前に立ち塞がる]
WOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOO!!!!!!
[三の首からそれぞれ放たれるは、黒き炎に、毒を含んだ死したる風、全てを破壊しつくさんとする音の衝撃波。テッド、リンデンブルグ、ナンシーをそれぞれ集中的に狙っているが、渦巻く力の奔流は時に混ざり合いながら、全てを飲まんとするだろう。
其れは正に、吹き荒れる黄昏の死の嵐。*]
(26) 2012/03/19(Mon) 16時半頃
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[そして、もう一つ。 “聖剣《白》”と対になりし“魔剣《黒》”の、 鳴動。あるいは慟哭。
友の死を乗り越える青嵐の少年へ 翼を持つ聖なる乙女へ 刀奮う勇ましき華の淑女へ 盟友と対峙する真に黒なる騎士へ
忘却《レテ》の果てより無限の軍勢が迫る。 腐死の魔奏者《デッドリー・ヴァイオリニスト》を打ち砕き 絶対の白《アルケー》と“聖剣”エグランジュ・ルーメンを鍵とする *神門を、鎖すには*]
(27) 2012/03/19(Mon) 16時半頃
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[広がるは謳うような白の響き。>>20 それに返るのは白の声とは反するかのような亡者の呻き。
再度の力を、仮初の命を、其の身に宿し、白の声の命ずるままに、ただ滅びを望み黄昏(くろ)く染める。 早く何とかしないと――、そう思い門《テリオプトシ》を見上げたが、三首の屍竜《ドラゴン》が門《テリオプトシ》の前へと立ちはだかり。>>26
咆哮が再度、響き渡った!黒炎、黒嵐はもう間もなく迫り来るのだろう。]
――… チィイ…ッ!
[翻された掌、其の動作はまるで完成された芸術品のように。今此処に、神話を体現する。>>21
”聖剣”――― ”鍵”
ガキンッ、重々しい硬質な音が鳴った。其れは黒の軍勢の呻き声の中でも残酷なほどに澄んで響き、世界へと届いた。 ”魔剣”の柄を握り締める。
門《テリオプトシ》が光を帯びる。浮かぶ文字は、聖教会に所属しているものなら読めるのだろう。>>22 其れは穢れなき白。一点の曇りもない、一点の曇りすら拒絶する、白《アルケー》。]
(28) 2012/03/19(Mon) 18時頃
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させ ッ るかぁあ―― ッ!!
[三度響いた白き声>>23に、力強い黒の声が返った。
――― ふぉおんッ ――
王と王門が共鳴し、鍵が反応を示す。 けれど足りない欠けらの一つが、この手の中に在る。
王《白》と王門《白》と鍵《白》へ。 割り込むは、鍵《黒》。 共鳴すべき、もう一つの鍵は、白へと共鳴はしない《黒のままである》!>>27
神門を鎖すにもまた、鍵が必要なのだ!]
(29) 2012/03/19(Mon) 18時頃
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【 白 夜 騎 士《ナイツオブナイト》 】
[黒でありながら白の名を持ち、白へと対峙するその矛盾は、だからこそ世界の理を――予言を覆す力を持つ。
だが、トルニトスが其の力を持っているのではない。
黒の騎士《トルニトス》を認めた人々の心にこそ、その力が宿るのだ。
椎奈が気付き>>1:96、リンデンブルグが其れを認めた>>1:101。 恐らく黒の予言を待っていたサイモンティウス6世も>>1:32、最期には認めていたのだろう。]
(30) 2012/03/19(Mon) 18時頃
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[そう、此処が【白の予言】と【黒の予言】の分岐点ではあった。
神門が開き”滅び《終焉の黄昏》”を迎える事こそが【白の予言】の本当の姿であり、 神門を鎖し”滅び《終焉の黄昏》”を回避する事こそが【黒の予言】の本当の姿である。
神門が開かれる事までは、どちらの予言にも沿っている。
だが、――其の時までに、彼《白》の弱点《瞳》を暴きダメージを与える事に成功したのは、間違う事なくシメオン《賢者の瞳/-ハクダクニシズミシシロヲトラエルケンジャノシセン-》の成果だった。
変化の兆しは現れている。 予言の通りの結末を迎えるのか、それとも、違う新たな道を作り出すのか――、未来はまだ、決まってはいない――。]
(31) 2012/03/19(Mon) 18時頃
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[一人の心の制御で、神門を鎖すほどの力は持てない。 ただ、時間を稼ぐ事は出来る。
けれど其の間にも黄昏《くろ》の軍勢は自分に仲間に無慈悲に襲い掛かる!
魔剣を制御しながも迎え撃つ。
心にあるのはただ一つ。
この世界を、 滅ぼさせたりなどしない!!
光《しろ》に溢れた、希望《おもい》だけ。]
(32) 2012/03/19(Mon) 18時頃
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仰げ黒雷ッツ!
雷環黒爾破<フルグロディルス・プロウォカートル>!!
[ゴオゥッ――、魔剣を一閃させると剣先より生み出された黒雷が自らの周囲を取り囲み、円を描きながら向かい来る軍勢へと放たれた。まともにくらい消し炭になる者、翼や身体を麻痺させ地に倒れ伏すもの。多々見えたが、軍勢は無限である。
このままでは埒が明かないだろう。
それに――、 魔剣を押さえながらの攻撃は内部を蝕む。 恐らく先にへばるのはこちらの身体の方だ。
其れでも魔剣の柄を握り締める手は緩めない。 心の決意も揺らがない。
神門が開き嵐が吹き荒れた事で、対たる白との距離が開いたかもしれず―― ただ仮面の奥から、盟友《ハーライト》へと、視線を*送った*]
(33) 2012/03/19(Mon) 19時頃
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牧人 リンダは、メモを貼った。
2012/03/19(Mon) 22時頃
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無茶…しやがって……。
[キィン―――。
澄んだ音。>>1:215 《賢者の瞳/-ハクダクニシズミシシロヲトラエルケンジャノシセン-》が神王を貫いた証。
同時に、一人の勇者が散った音。]
…―――忘れねえよ、お前の輝き。
[またひとつ、刀に決意が篭る。]
(34) 2012/03/19(Mon) 22時半頃
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[神王の兜が、墜ち。>>0 血が、大地へと滴る。
しかしそれは紅ではなく、白銀。]
これ…は…、神王、…―――はッ!!
[弾かれるように見た神王の姿。 そこに差し掛かる、黒い影。>>10]
(35) 2012/03/19(Mon) 22時半頃
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駄目だ、トルニトス!!退け―――!!!!
(36) 2012/03/19(Mon) 22時半頃
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[考えるよりも早く、ナンシーは叫んでいた。 だが、その声は遅く。
拒絶の白光が―――咲く。>>13]
…っく、うぅ……!
[拒絶の光はあまりにも暴力的で、ナンシーは瞳を瞑って両腕で光を遮った。
漸く光が収まれば、視線は一点へと向けられる。 良かった、白夜騎士の命は尽きていないようだ。>>17]
(37) 2012/03/19(Mon) 22時半頃
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ズ ズズズ ズズズズズ ズ ズ...
[更なる異変>>7が起きたのは、大地が震え始めるのと同時>>14 周囲を囲んでいた下級魔族が一箇所へと…セラスシエルの元へと集まっていく―――]
今度は何……―――ッ!?
[いや、集まっているのではない。 伸びる魔の触手に拘束され、引き摺られているのだ!
みるみるうちに”仲間”を喰らい、やがて異形《セラスシエルであったもの》が、首を擡げる。]
(38) 2012/03/19(Mon) 22時半頃
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『GURUOOOOOOOOOOOOOO……!!!!』
[咆哮。 鼓膜だけでなく、嫌な音《波動》が全身を波立てる。]
これが…三首の屍竜だと……? バカな!こんな大きさ… いくらあのカマ野郎でも、これ程の姿には成り得ないはず―――
[口に出し、ナンシーはハッとする。
此処は、復讐の女神が祀られし神殿。>>1:15 執り行われた穢れた儀式に、蔓延する負《死》の臭い。
そして、大地に滴った白銀の血《モーニングコール》。]
まさか…、お前が力を貸したというのか!!
[彼女にとって、この混沌は何よりも楽しい遊戯《ゲーム》。 復讐の女神は、白《崩壊》にチップを賭け、勝利を祈ったのだ。]
(39) 2012/03/19(Mon) 22時半頃
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[悪夢はそれだけでは終わらない。 出現せし、”滅びの神門《テリオプトシ》”。>>16
ナンシーは初めて、余裕の無い笑みを造った。]
ふ、これは…ちぃっとばかし……、キツいな。
[更に白き魔によって三首の屍竜《ドラゴン》は力を増す。>>26
暁の鳥《オーバード》に課せられた試練。 乗り越えられなければ、待つのは”滅び《ゲームオーバー》”。
”失敗《コンテニュー》”は、許されない。]
(40) 2012/03/19(Mon) 23時頃
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[興奮の絶頂にある観客《オーディエンス》の声。 そのオーラが、妖魔のもつヴァイオリン弦をぷつりと切った。>>3
甲高い絶叫と共に、眩い生命力の光の奔流に、セラスシエルの身体が飲み込まれる。]
――…… やったか?
[しかし、嵐が静まった後。 ボロボロになりながらも、妖魔はまだ立っていた。 そしてその姿を三首の屍竜《ドラゴン》へと変えていく。>>7]
(41) 2012/03/19(Mon) 23時頃
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……ハッ……そいつが、お前の正体か。 上等だ!期待《アンコール》には、応えねーとな!!!
決着をつけようぜ、セラスシエル!!!
[屍竜《ドラゴン》の咆哮。その強烈な魔力のオーラが、ビリビリと空気を震わせた。
テッドがもう一度スティックを構えると同時。 世界が、白き黄昏に震え―― >>14]
(42) 2012/03/19(Mon) 23時頃
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[――嫌な、予感がした。]
(43) 2012/03/19(Mon) 23時頃
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[ 見てはいけない。 見てはいけない。 見てはいけない。
本能が警告する。
だが、テッドは――見てしまった。
天高くそびえ立つ、壮麗なる巨大な門と。 その前に在る、全てを拒絶する、無貌の白《イデア》。>>16
――ゾクリ。
さっきまでの熱狂が、冷水を浴びせられたように急激に鎮められる。]
(44) 2012/03/19(Mon) 23時頃
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[周囲から一切の音が消える。 気が狂いそうな沈黙――
膝が震え、呼吸が浅くなり、額には嫌な汗が滲む。 今まで体感したことのないような重圧《プレッシャー》に、膝を折り頭を垂れたくなる衝動を、必死で抑えていた。
恐怖、なんて言葉が陳腐に思える程の――心に湧き上がる畏怖の念に、手にしたドラムスティック《心》がピシリ、と嫌な音を立てる。]
(45) 2012/03/19(Mon) 23時頃
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[それに気を取られたのは一瞬だったかもしれないが、戦場では、それは十分な隙だった。
本性を現した三首の屍竜《ドラゴン》の咆哮が、強烈な音波となって少年を襲う。]
しまっ―――っ!!!
[音の防壁を張る時間はなかった。テッドの身体はそれをまともにくらい、吹っ飛んだ。 地面に叩きつけられ、全身に激痛がはしる。 喉の奥から血の味がして、彼は呻いた。]
(46) 2012/03/19(Mon) 23時頃
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若者 テッドは、メモを貼った。
2012/03/19(Mon) 23時頃
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[シメオンが、神王の力・その本質を捉え、倒れる――]
ふぁ さ り
[崩れ落ちる青年の身体を、優しく受け止め、包み込んだものは――]
(47) 2012/03/19(Mon) 23時半頃
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[彼が天使と間違えた――白く大きな翼だった]
ばか、め…。ばかめ……! わらわは、約束を守らぬ、男など…… 大ッ嫌いじゃ……!!
[杖に縋り、嗚咽を漏らす。それでも、光は収まらない]
[いつしか、彼女の翼は、4対8枚の白翼を広げるに至る]
(48) 2012/03/19(Mon) 23時半頃
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