191 忘却の箱
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[それはまさに今向かおうとしてた人物の元へ注がれている。]
…セシル、あのひとのこと、知ってる? シーシャがクマみたいに大きい、あたらしいひとが来たって言ってたけど。やっぱりあの人だよね?
[声はわくわくとした響きを纏う。]
あのね、あの人とね。あたし、いっしょに飴たべるの!
[――相手と特に約束したわけでもない。しかし、そうと決めた事に対して、少女の中に疑いはない。 聞かれてもいないのに、嬉しそうにそう語った**]
(27) 2014/09/05(Fri) 06時半頃
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―廊下を通って―
[向かった先は、コミュニティスペース。 定期的にレクリエーションが行われたり、そうでない時は何となく誰かが集まって、何ということも無い話をしたり、卓上ゲームをしたり、あるいは何もしなかったりする場所。 ここなら誰かがいるだろう、と思ってやってきたのだが…]
…あ。
[いつも同じ席で、何事か談笑している4人組を見つけて、歩み寄る。 しかし、二歩歩いたところで気づいてしまった。 4人組じゃない。 3人しかいない。 …1人、足りない。]
…。
[しかし一瞬気づかなかったのは。 いつもと同じような調子で、同じように言葉が交わされていたから。 彼女は思わず黙り込んでしまう。]
(28) 2014/09/05(Fri) 18時頃
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[消えた1人はどこへ行ったのかだとか。 何故3人がいつも通りなのかとか。
一瞬にして脳内にはじき出される仮説に、息が詰まる。
それは、もしかしたら初めて見る光景ではないのかもしれない。 けれど、記憶にないから。 彼女の胸に動揺が広がる。
踏み出しかけた足を、くるりと反転させて。 彼女はコミュニティスペースを後にする。 クリスちゃん、と後ろから呼びかけてくる声を振り切るように。 まるで何かから、逃げるように。]
(29) 2014/09/05(Fri) 18時頃
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[たったった、と足早に刻まれる足音が、だんだんとゆっくりになる。 そして…
彼女の通った後に、色とりどりの花びらの道が続いた。
その頃には泣きそうになっていた顔から歪みが消え。 どこか呆けた様な気配さえ感じさせる、けれどいつも通りん表情だけが残っていた。]
…私、どこに向かっていたんだっけ?
[ふと、足を止めた場所は、どこだったろうか。]
(30) 2014/09/05(Fri) 18時頃
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奏者 セシルは、メモを貼った。
2014/09/05(Fri) 19時頃
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[廊下を歩いていると見知った姿に遭遇して>>25]
…ご機嫌よう
[いつものように声をかける 手にした花が目に止まり、頭を見てから]
…それは、贈り物なの?
[彼が先ほどまで蹲っていたことも 胸からそれを引き抜いたことも それが新たに増えた花とも知らない故に問う]
(31) 2014/09/05(Fri) 20時頃
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[自分の持つ紫色のスイトピーを問われたなら]
…ええ、さっき先生から
[書庫でセシルが自分の左手から手折り>>20 差し出されて受け取ったことを簡単に告げる
白衣を纏い、自分よりも長く生きていて さらに、自分よりも多くの知識を持つのなら 医師でなくとも、先生だった
目の前のサミュエルからすれば もしかしたら、違うのかも知れないが]
(32) 2014/09/05(Fri) 20時頃
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…大丈夫?
[気怠げな様子と白い服に滲む赤 それに気づいて尋ねてから、彼を促した]
…怪我? 診察室へいきましょう?**
(33) 2014/09/05(Fri) 20時頃
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お針子 ジリヤは、メモを貼った。
2014/09/05(Fri) 20時半頃
奏者 セシルは、メモを貼った。
2014/09/05(Fri) 21時半頃
お針子 ジリヤは、メモを貼った。
2014/09/05(Fri) 22時半頃
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―食堂―
[“ZURIEL” …白いシャツには、堂々とした主張。 されどその大きな体躯に似合わぬ、まごまごとした様子。 それはつい先日、この左手を見た時の反応を思い出させて。
この顔は、声は、記憶に新しい。 それに…そう、彼の行動は実に興味深かった。 だから、覚えている。]
(34) 2014/09/05(Fri) 23時頃
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―回想・青い鳥を探して―
やぁ、はじめまして。 ……マイペースなクマさん?
[くすくす、くすくす。 笑いながら、病室の扉、その影から姿を現して。 突然の訪問者に声をかけられ、彼はさぞ驚くだろうと思いつつ、 その反応は気にせず話し続ける。]
もう、治療は終わったかな。 ずっと待ってたんだ。 ここに”探しに”来る機会を――
[――この病室を訪ねる機会を。君と話す機会を。]
(35) 2014/09/05(Fri) 23時頃
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[毎日、毎日。何かを忘れては、新しく得ることの繰り返し。 忘れてしまうから、既に知った事実さえも、時には新鮮に感じられて。 何度でも発見がある。同じことを何度も尋ね、何度も好奇心が満たされる。
しかしそれはやはり、同じネガを焼き直すのに似た感覚があって。 知らないのに、知っている。知っているのに、知らなかった。
……そのデジャヴは。 せっかくの発見を少し、つまらなくする。]
(36) 2014/09/05(Fri) 23時頃
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[けれど、本当に新しいものには、それがないから。 全くの未知、一切の予備知識がない。 この閉鎖された空間では非常に珍しいもの。
だからいつも、“新入り”には積極的に会いに行った。
新しい何かに触れること。それは心躍ること。 ――見つける喜び、その充足感が好きだった。 …たぶんそれは、昔から変わらない。]
(37) 2014/09/05(Fri) 23時頃
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青い鳥をね。探しているんだ。 知っているかい?幸せを謳う鳥がいるんだよ。 君の病室に。……来てないかな、と思ってさ。
[ぐるり、周囲を見渡して。 たくさんの付箋。付箋。付箋。>>0:64 そして瓶詰めの花弁。花弁。花弁―――
―――嗚呼、見つけた。]
……これ。 これは全部、君の?
(38) 2014/09/05(Fri) 23時頃
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[窓際に並ぶガラス製品、その中身を指し示す。 色別にきっちりと分けられたそれらには、きちんと重さも示されていて。]
――すごい。すごいな、これは! ねぇ、全部? 全部、最初から?
…あぁ、これは思い付かなかったなぁ…… 悔しいね。僕のは今からではもう遅い、 捨てた分は戻って来ないからな…
失った記憶の内容は、量は、体積に換算されるのか? 実に興味深いテーマだ… 花弁の大きさ、重さ、いや他にも要因が……
(39) 2014/09/05(Fri) 23時頃
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[眼前の男など居ないかのように延々と呟き続け。 その興奮が醒めてようやく、 息を詰め左手の紫を見つめる男に気付く有様。]
あぁ、ごめん。ごめんよ。 驚かせてしまったかな? 僕はセシル。セシル・ヒポクリティスだ。
…”思いがけない出会い”に感謝。 これからもよろしく。
[彼の目の前で、紫の束から一輪摘んで。 手渡したのはセンテッドゼラニウム。 ――それが、ズリエルとの出会いだった。]*
(40) 2014/09/05(Fri) 23時頃
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―食堂―
[ズリエルとの出会いを思い返していれば、声をかける少女の声。>>26 振り向けば、そこにあるのは疑い知らぬ純真な瞳。]
やぁ、ペラジー。 何を見ているのかって?それはもちろん――
[自分の視線をペラジーが追うのと同時、]
――"ズリエル"さ。
[問いかけ>>27には、全部纏めて"名前"で答えた。]
(41) 2014/09/05(Fri) 23時頃
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[右手の内で揺れる紅鳶色。 親指の付け根に根を下ろす鴇色>>86 と重なれば、ツン、と目の奥を刺激する。
何を忘れたのだろうか。 その忘れたことすら忘れている男は、自分の手のひらに咲く花々に視線を落とすしか出来ず。
ふわりとこちらに漂う香りが、近くなるまで気づかなかっただろう。]
………御機嫌よう?
[振り返れば、淡い花の香りと共に現れた色素の薄い髪と、白い頬。 雪のような女性>>31には、瞬きをしつつオウムのように返す。 彼女の“いつものように”が男には物珍しく映ってしまったから。
「贈り物」そう問われれば、今の男は首を傾げる。]
(42) 2014/09/05(Fri) 23時半頃
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……違う、と思う。嬉しくないから。
[先程自分の胸元から芽吹いた花を毟ったことなど既に記憶にない。 ただ、眼下の花を見ていると自然と手のひらに力が加わり。 きっと、花があまり好きではないのだな。なんて自己完結しようと決めた男は、ふと彼女の左手の紫のスイトピーを見やり、]
……そういうあんたは、誰からか貰ったの?
[意趣返しのように問いかける。
さすれば彼女から、“先生”の左手から手折り差し出されて受け取った>>32のだと、伝えられたか。
もし、彼女の口から“先生”とのやりとりを聞くことが出来たのなら、その顔を思い浮かべてみようと視線を宙へ。
きっとその記憶の中に浮かぶ人の顔は、このサナトリウムへ訪れる際に、少し言葉を交えた一人の男性。 確か名はスティーブンといったようであったけれど、彼はこのように腕に花を咲かせていただろうか。
セシルが彼女の先生であることを知らない男は、暫し逡巡させたけれども、それはやがて意識の外へと掠れていき…だんまり。幾らかきっと交わした筈の言葉は、何も思い出せなかったから。]
(43) 2014/09/05(Fri) 23時半頃
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[気遣いの言葉>>33と、滲む赤の存在に気付けば怪我だと気付けば小さく唸って。]
……痛くないのに。
[変だな。呟きながらも促されるままに診察室へ向かおうと足を動かして。 ふと、思い出したように彼女に視線を向けつつ、会釈をする。 けれどすぐに首を傾げて]
………診察室は、何処だっけ?
[尋ねてみたが、彼女の反応はどうだっただろう。]
(44) 2014/09/05(Fri) 23時半頃
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ふぅん?彼と飴を? いいね。きっと、喜んでくれるよ。 行っておいで。 ……たぶん。楽しいことになる。
──お兄ちゃんが、保証するよ。
[やわやわとその髪を撫でては微笑み。
……ペラジーには、小さな嘘を吐いている。 小さな…いや、小さい、のだろうか?
自分は"歳の離れた兄"などと。 ──嗚呼、なかなかに酷い嘘ではないか。]*
(45) 2014/09/05(Fri) 23時半頃
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診察室は…ここに
[近くの壁に建物内の案内図 迷路と呼ぶには些かシンプルなものだったが 迷った時には頼りになる地図である]
もしかして、それも…忘れたの?
[顔をわずか曇らせ、彼の言葉を聞いてから それは、明らかな不安を滲ませる]
まだ、先生に診てもらっていないし ついでだわ、一緒にどう?
[脳裏に茨の冠を被った雪の女王が蘇る*]
(46) 2014/09/06(Sat) 00時半頃
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お針子 ジリヤは、メモを貼った。
2014/09/06(Sat) 00時半頃
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––回想・紫色––
[やぁ、はじめまして。
白衣を纏った忍び笑いに、無言で跳ね上がった寝台の上の巨躯。 大袈裟に震えた振動に、壁の付箋が何枚か舞い落ちた。 『ホワイトハウス』『ビニル傘』『断崖の水たまり』『チワワの遠吠え』 『雨の中でぐちゃぐちゃになって、ひらひらした雨の中』]
…せんせ……あれ、顔、ちが… 鳥、は、えと、鳥は…とり…… あ、鳥…は、分かる…です…けど。あのう?
[楽しげに、何処か怪しげに煌めく瞳はぐるりと回る。 服装は、今現在、己に起きている事が分かっていない自分の世話をしてくれる人間…医師、のものと似ているが。 何か、何かが違う気がする。喋り方だろうか、振る舞いだろうか。 それを探ろうとして、踊る様にはためく白衣をじぃっと見詰めているうちに、袖の不自然な紫に、気付いて。]
(47) 2014/09/06(Sat) 00時半頃
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お針子 ジリヤは、メモを貼った。
2014/09/06(Sat) 00時半頃
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……!?
[窓際の花弁を詰めたガラス容器達を指し示そうと、すいと上がった腕。ひっぱられ、つっぱる白衣。そして顔を出す左袖の紫は…
花束では無く、紛れも無く「花に覆われた手」。
白衣の好奇心は、見つけた己の『身体から切り離された質量』に歓喜の声を上げ。声高らかに。呟きすらも詩編の様に。むしろ手を包む花々すらしゃんとし始めた様に見える。 しかし、彼の問いも、感嘆も、全く意識に入って来ない。『あれ』は…吸うどころか、更に、包み込んでしまう、ものなのか。揺れる紫、瞬きも『忘れた』かの様に瞳に焼き付けていると。その紫の一つが、すぐ鼻先に差し出され。ぱちくり。下瞼と上瞼が再会を遂げる]
せ…セシ、ル、ヒポ…? あ、俺、いや俺じゃ、いけな… 僕は、あのう…何でしたっけ…そうだ!
[謝罪と共に告げられる、ノック無き来訪者のフルネーム。急に、今更に慌てた様に。傍の付箋の群れをに目を滑らせ、 大きめの付箋に、赤く太いペンでしっかりと書かれた文字に触れ。]
ズリエル、です。ファミリーネームは、知らないけど、 …恐らくはっ…ズリエル、なんです!
[読み上げて、胸を広げた手で軽く叩いた]
(48) 2014/09/06(Sat) 00時半頃
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[その時は、過去の記憶の空白に現在の記憶を組み込んで定着させる、という手法を作れてなかったから。 セシル・ヒポクリティスの名は、顔は。 濃い紫の花となって散り、いまごろは左から二番目のボトルの中。 しかし受け取ったテンセッドゼラニウムは、押し花にされ、とある付箋のすぐ横に貼付けてある…『踊る紫の手』と書かれた白い付箋。
自分から吸い、奪い、散った花弁。 覚えてはいないが、ほぼ全てだろうと聞いている。 改めて問われたならそう答えている。熱心な研究者の手帳にも、彼なりの言葉で様々に書かれ、解釈されているのかもしれない。 記憶に無い過去の己か、他の誰かが必死にかき集めたのだろうか。その記憶も既に散っている。
…右から四番目のメスシリンダーの中。青く、ひしゃげた花として。*]
(49) 2014/09/06(Sat) 00時半頃
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―回想―
[それはいつの事だっただろうか。 彼との初対面は、それは酷いモノだった。
何かの用事で部屋を開けた後、部屋に戻ってみれば招いた記憶の無い客人。 何か用事か事情があったのかもしれない、何か弁明していたかもしれない、けれどその全てがどうでもよくなったのは、彼の手にしていたノートの存在だろう。 一体何がどうしてそうなったのか、尋ねるという発想も無く。 彼女は彼の頬に、平手打ちをかました。]
勝手に見ないで。 これは、私その物なんだから。
[この時のエピソードは、彼女の記憶には既に残ってはいない。 けれど、彼の写真の脇に貼られた、「セシル。(`ε´#)」という、何の説明にもなっていないメモが、全てを物語っているようだった。 なんとも理不尽な話である…*]
(50) 2014/09/06(Sat) 01時頃
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[壁にかけられた案内図。 示された場所が診察室なのだろうと疑いもせず頷き礼を。]
…忘れた? …診察室、行ったことあったっけ。 ……知らない。
[「忘れたの?」わずかに曇る女性>>46の顔。 滲む感情の名前を男は理解出来ない。いや、知らない。分からない。]
………い、く。
[ぐらぐらと揺れる視界。足元が宙に浮いたままのような感覚。 どれもを振り切るように誘いに頷いて。 きっと、“先生”ならどうにかしてくれる。そんな根拠のないことを信じ込んでは、診察室へと足を動かす。]
……虫が食ってる。
[目蓋を擦りながら、小さく小さく呟いた声。彼女に届いたかは定かではないけれど。 どちらにせよ気にした素振りを見せることはせずに、足跡もつかぬリノリウムの床を辿っただろう。]
(51) 2014/09/06(Sat) 01時頃
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-食堂で-
[ズリエルの突然の声>>1:153。]
―――おはよう、ズリエル。 昨日はよく眠れたかい?
[男はできる限り患者に直近のことを尋ねる。 それは、病気によって失われる記憶を少しでも引き留めるための、あまりにもかすかな努力。
どこか不安そうなその瞳。 こちらに来たときのカルテの人物とはまるで別人の、少年のような。
泣きそうな顔で自室を問うズリエルの様子を見て、ヤニクが少し笑った。]
ああ、大丈夫だよ。 一緒に部屋に帰ろうか―――ヤニクも一緒に?
[そう言って、まるで迷子の子供にそうするように、座っているズリエルに目線を合わせ、その手を取った。]
(52) 2014/09/06(Sat) 01時頃
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[ズリエルは、差し出した男の手を取っただろうか。
――男はカルテの内容を頭で反芻する。 彼は、内臓から花が咲いていたはずだ。 目の前のパンを見るに、おそらくそのせいで食欲もあまりわかないのだろう。
食堂を少し見渡せば、隣にヤニク、向こうにはセシル。
二人のように、体表から花が咲く例が多い中、ズリエルは体内から花が咲くタイプの病状だった。]
おや、それは……
[白い布に文字が書かれている。 恐らくやった相手は想像がついたのだけれど、それを咎める気持ちもなかった。
彼が望むなら、部屋までそのまま、院内の施設を教えながら案内するだろう。]**
(53) 2014/09/06(Sat) 01時半頃
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[味のしない飴玉を口の中で溶かしながら、ぺたぺたと足を鳴らす。 散歩にも少々飽きたが、この施設内で出来る暇潰しは実に少ない。 必要最低限しか部屋には戻らないシーシャは、一日を回遊魚のごとく彷徨いて過ごしていた。
それにも飽きると書庫に篭ったりもするが、注視すれば無作為にシャッターを切る視界では、読んだ本の内容は一度で全て覚えてしまう。 読んだこと自体を忘れる事もあるが、頁をめくれば見覚えがある。 そんな状態のため、ここのところあまり食指が働かないのが正直なところだった。]
(54) 2014/09/06(Sat) 01時半頃
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[サミュエルの返答に頷き返す]
じゃあ、いきましょう…
[案内図を頼りに医師のいる診察室へ
途中、ポツリ呟かれた>>51 「虫が食ってる」という言葉へは 訳が分からず、首を傾げたものの
ゆっくりと向かっていっただろう*]
(55) 2014/09/06(Sat) 01時半頃
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お針子 ジリヤは、メモを貼った。
2014/09/06(Sat) 01時半頃
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─廊下→診察室─
[ところどころ曖昧な記憶の中。 案内図に示された道のりは、鼻は匂いに慣れているというのに、目に映る光景はどこか色褪せて映る。
まるでモノクロ映画か、年季の入ったフィルムのような、そんな世界の中、やけにサイズの余るスリッパで廊下を歩く。]
…その赤い花、薔薇?
[歩きがてら傍にジリヤ>>55がいたのなら尋ねてみたか。
行きすがら誰か見かけたのならいくらか言葉を交わしただろうか。 忙しそうならちらりと一瞥に留めただろうが。
やがて診察室が見えてきたなのなら、軽くノックを。]
…あんたのいう、花の先生はどんな人?
[留守か、在室しているのか。 確かめる術を知らない男は、暇潰しがてら彼女のいう“先生”について尋ねてみた。]
(56) 2014/09/06(Sat) 02時頃
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