191 忘却の箱
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[帰ろう、と手を引く彼に、大人しく着いて行きながら。 一瞬見せた寂しげな表情は、何が理由だろう、とぼんやり考えた。
地平線の向こうから吹いてくる風が、彼女の髪を通り抜け、色とりどりの花びらを散らす。 けれど… 思い出は散っても、そこにあった気持ちだけは、胸の内から消えることは、きっと無い。
出た記録の無い二人が、正面の扉に現れて一番驚いたのは守衛のおじさんだったかもしれなかった。 二人が消えたことで、あまり大きな騒ぎが起こったわけではなかったけれど、気付いていた人もきっといて。 心配をかけたことを、二人で謝るけれど、後悔は全くなかった。]
(76) 2014/09/12(Fri) 23時半頃
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[その日の深夜…ひどく、穏やかな気分で彼女は、一人廊下を歩く。 なんだかまるで、重たい荷物を全部おろしてしまったような。 それは酷く優しくて、心地よい、倦怠感に似た何かだった。
何かに誘われるようにして、中庭へと歩み出て。 ちりり、と左手に痛みを覚え、軽く持ち上げ目をやる。]
あら?
[その薬指に巻きつくように、緑の茎が姿を現していた。 その伸びた先に開く、紫の花。 その名を、シオン。]
あら、あら、あら。
[彼女は笑みを浮かべた。]
(85) 2014/09/13(Sat) 00時頃
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[それは、彼女がずっとずっと、望み続けた物だった。 望んで望んで、手に入らなかった物だった。
左手をかざすようにして、くるくると舞うように、四角い空を見上げる。 月明かりが、優しく彼女を包み込む。]
すてき。すてき。
[ざぁ、と吹きこんだ風が、彼女の髪を撫でる。
かつてその髪を撫でた手を かつて笑いかけてくれた顔を かつてその唇が紡いだ誓いを 過ごした時間を 交わした想いを 全て、全て、忘れてしまったけれど。]
(86) 2014/09/13(Sat) 00時頃
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私、今、幸せよ!
[彼女は笑った。 得られなかった誓いの指輪を愛でながら。
記憶が、思い出が、頭から消えてしまっても。 そこに感じた思いは、幸福は、心がきっと覚えている。
月明かりの下、くるり、回った拍子にスカートが風を孕んで膨らんだ。
ざぁっと風が彼女を包む。 ぶわりと舞い上がった花びらに、その姿が包まれて。
錦の風が通り過ぎた後、中庭の片隅に遺されていたのは、 枝に蔦を絡みつかせた、林檎の若木。 傍らに、控えめな紫の花をわずかに添えて…**]
(87) 2014/09/13(Sat) 00時頃
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