276 ─五月、薔薇の木の下で。
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記者 イアンは、メモを貼った。
2018/05/20(Sun) 23時頃
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[ 先生から褒められる時、特に嬉しくも無い引き合いに出さていたのは彼の名前。 遠くから少女にも見える姿を眺めていた。 少女から、大人の身体になっていくのも、 冬を迎えて少女の姿を脱ぎ捨てたのも。
全て知っている。 自分の望む姿を諦めた彼を。]
(304) 2018/05/20(Sun) 23時頃
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[ 自分に足りない"あと少し"を持っているのに。 先程の遣り取り>>196でささくれ立ったまま、 図るように言葉が吐かれる。]
あぁそういえば少し前、「中庭」で──
[ 言葉を切って、探るような眼が相手を見つめる。]*
(305) 2018/05/20(Sun) 23時頃
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…………ロビンてさ、見た目可愛いのにすげえ男前だよな。 ちょっとドキッとしたわ。
[包容力すげえやと言いつつ顎に手をかけて 唇をふにふにと指先で触ってみる ヒューにはこんな確認までしてないから 他人の唇の感触は新鮮で]
てか、これはこれでなんか目覚めそ。
[幾分かは落ち着きを取り戻した筈なのに キスしたいという欲は無くならないから 言葉に甘えてそっと唇を押し当てた]
(306) 2018/05/20(Sun) 23時頃
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[薔薇の香に紛れて漂うのは、ハーブティーと、苺とバターとチーズの色。クッキーや土の残り香までは判らぬくらい微かだったろうけれど>>97。 そんな談話室の扉を開けるなり、マークの鼻が真っ先に捉えたのは、煙草と汗の混ざった色>>301。]
っ、 あ、 オスカーせん……ぱい?
[そんな匂いが全く想像できない相手が、すぐ目の前に居る。それも不穏な問い掛けと共に。 けれど彼が浮かべる笑みの形は、まるで「想像する通りの」オスカーの通り。 混乱に視線移ろわすこと、数秒。漸くおずおずと、見下ろす形でオスカーに向き直って]
ラルフ先輩のタルト、貰いに来ました。
[こんな時でも、実に素直な言葉を吐いてしまった。]
(307) 2018/05/20(Sun) 23時半頃
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[単に「完璧」な人間を前にした時以上の緊張に――否、戦慄に見舞われたのは、「中庭」>>305の語を聞かされた時。
まだ陽が昇っていた時、中庭で悠人と話していたところをオスカーに見下ろされていた。 それにも関わらず、今、マークは全く別の記憶を呼び起していた。そう、少し前の――]
僕が、……フェルゼ、先輩と、 いた、ことですか。
[思わず、自分の唇を両手で覆った。呼吸が荒くなる。瞳が揺れる。 探るように覗き見るオスカーの瞳に圧されたかのように、一歩、後ずさる*]
(308) 2018/05/20(Sun) 23時半頃
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可愛い? そんなこと言われたのは初めてだ。
[どちらかと言えば、男前と言われた方が嬉しい。>>306
が、しかし。]
……っ、おい……?
[顔が近づいて、止めかけたのに止まらない。>>306
そこは、ちゃんと好きになったら用、ではなかったのか。>>284
だからそこにはしないだろうと高を括り、好きにしろと許可したのに、伝達に問題があったらしい。ふにふに触られた唇に、唇を押し当てられ。]
(309) 2018/05/20(Sun) 23時半頃
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…………。
[しかし、今更「そこは駄目なつもりだった」と言っても後の祭り。
表情の堅い顔が熱くなるのを感じつつ、二の句が告げられずにいた。*]
(310) 2018/05/20(Sun) 23時半頃
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ロビンは、ピスティオをまじまじと見ている。
2018/05/20(Sun) 23時半頃
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[もともと外にいた頃から微睡みに引きずられそうだったのが、ここに来て満たされきって疲れもあって、瞼が落ちるのは止められそうになかった。 あまり良くない>>300とは同じく認識していても、少しだけならと赦されれば、それに甘えて目を伏せた。 憂いのひとつない、穏やかな笑みを浮かべながら**]
(311) 2018/05/20(Sun) 23時半頃
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―廊下―
[ それからヴェルツとある程度の話をしただろうか。 時折廊下で顔を合わす編入生のヒューは何処にいただろう。 怪我をしたらしいと噂を聞いていたから 心配は心配なのだ。 しかし彼にはロビンやピスティオがついているから大丈夫だと高を括った。 その二人が何をしているかは知らずに>>306>>309 ]
風に当たりすぎたかな……ちょっと肌寒い気がする。 熱、とかないよね……。
[ ため息をつきながら一度自室に戻ろうか。 考えたところで止まり。 ]
(312) 2018/05/20(Sun) 23時半頃
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ラルフのタルト……もう一個食べよ。
[ 甘い物に逃げたくなった。 薔薇園での過ちも、 東屋での密会も、 友人との衝突も、何もかも。 ]
[ 足が向かったのは談話室。 その先で誰がどんな話をしているかも、 知らず。>>305>>308 ]*
(313) 2018/05/20(Sun) 23時半頃
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[気のせいだろうが甘くて美味い菓子のようで そのまま食べてしまいたいような気もしたが 黙り込んでいるロビンが気になってじっと覗き込む]
ちゅー、しちゃったな。 ありがとう、結構気持ちいいのわかった。
[その顔が赤く染まってきたのに気づけば じっと見たままふと頬を緩める]
(314) 2018/05/20(Sun) 23時半頃
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[マークが動揺したのは、「逢瀬」の現場をオスカーに見られたかもしれないこと以上に、その「逢瀬」の中で自分が、フェルゼが何をしたか、を思い出してしまったから。 あれから、未だ向き合う覚悟ができていない人。 マークはその人>>313の足音に、まだ、気付かない*]
(315) 2018/05/20(Sun) 23時半頃
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[階段を降りきてそのまま座り込んだ。 眩暈と耳鳴りの向こう、いつか聞いたヴァイオリンの音色を思い出す。 窓を開いて、その音を遠くに聞いて。 止んだ後に東屋からフェルゼが出てきたのを見たことがあったっけ。ああ、あそこで弾いているんだ。そうわかっても、訪ねていく勇気は出なかった。
皆、既に長い時を共に過ごしてきている]
俺には、まだ……
[伸ばした左手が手すりを見つけてくれた。 何もない、とは言えない。言えないけれど……]
(316) 2018/05/20(Sun) 23時半頃
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……しちゃったな、じゃない、ばか。
[何でもないように笑いやがって、と口を引き結ぶ。>>314 気を紛らわすよう、ずれてもいない眼鏡の位置を直した。]
……気持ちいいかの、実験? 全く……まったく。
[何だか、何を言っても今は格好がつかない気がした。*]
(317) 2018/05/21(Mon) 00時頃
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[ かみさまは僕らを見ていない。>>1:272 ――否や、ちがう。
かみさまなんて、何処にもいないのだ。
らしくもなく突っかかる。 その間は何も考えずに済んだ。 しかしこの指は唇は瞳は全てを記憶している。 ]
(318) 2018/05/21(Mon) 00時頃
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[ 甘い匂い>>68 赤い目尻>>1:112 遠回しで不器用な言葉>>1:98 いじらしい悪態を見せる瞳に胸が締め付けられた。 一生懸命で自分の欲しいものに対して 涙を流す程にしがみつく懸命さに 尊いものをみるような感覚を覚えた。
それだけでなくなったのは、擦れた鼻先>>1:166 それまで花を愛でるようだった感覚が、 軋んでうまく噛み合わなくなった。 ]
(319) 2018/05/21(Mon) 00時頃
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[ 花が初めて自ら綻んだような、錯覚。
欲しいと思った。 そんな生温いものじゃあ、なかった。
あの時、あの瞬間、 一瞬だけ確かに、毟りたい程の情欲が、 溢れたから、――……鍵を掛けた。
ささやき声>>1:269に耳を塞ぐように。 ]**
(320) 2018/05/21(Mon) 00時頃
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フェルゼは、ああ、いつか奏でたヴァイオリンの音は遠く。
2018/05/21(Mon) 00時頃
フェルゼは、同輩から耳にして、
2018/05/21(Mon) 00時頃
フェルゼは、こっそり後輩宛にもレパートリーを増やして楽しんでいた、
2018/05/21(Mon) 00時頃
フェルゼは、穏やかな気持ちはもう曇り。
2018/05/21(Mon) 00時頃
フェルゼは、足音は止まった。**
2018/05/21(Mon) 00時頃
モリスは、イアンの首元に、無意識のうち噛み傷のような赤い花咲かせたのは、知らぬまま*
2018/05/21(Mon) 00時頃
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