254 東京村U
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イルマは、ジリヤの画像を待ち受けにしている人の隣で電話をしている。
2016/09/30(Fri) 21時頃
イルマは、ジリヤファンかもしれない隣のひとのことも知らない。
2016/09/30(Fri) 21時頃
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ああ、木露流衣。 読みを変えて並べ替えると、キルロイ。 海外でキルロイ参上っていう……いや、どうでもいいか。
[流石にこういった事態では、悪癖も抑制される。 話を元の筋道へ戻す]
合流の方はできそう?もしくは、他の今晩頼れそうな知り合いはいる?
(284) 2016/09/30(Fri) 21時頃
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[本当に律儀にいろんな人にあたってみてくれたのなら、きっと大変だったことだろう。それに、折り返し連絡をくれたことが、それだけでも有り難かった。 木、露、る、井、と想像してみたが、「る」は電話越しではわからなかった。まあ、今はどうでもいい話のようだ。]
参上? え? はい。
知り合い、ていうか、親戚なんですけど。ホントは。 合流、無理そうかも。全然会えなくて…… 高校の男の子がこっち来てくれるっぽくて、待ってるとこ。 頼れる……かどうかは、わかんないです。 頼っていいのかも、こんな事だから、わかんないし……。
[そう、やや暗く零した。]
(285) 2016/09/30(Fri) 21時半頃
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うーん、そうか……。
[暫く考え込んでから、口を開いた]
本当にどうしようもなくなったら、代々木に来ると良い。 お金を貸すなり、部屋を貸して俺は外に過ごすなり、ぐらいはできるから。
[最後の手段として、そう伝えた。 その後、思い出したように付け加える]
ああそうだ。李沢一二三君、ってクラスメイトかな? 前に電話を受けた時、たまたま隣にいたんだけど。 彼も君のこと心配してたよ。
(286) 2016/09/30(Fri) 21時半頃
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(名前、るいくんと一緒なんだなぁ)
[電話先の相手が考え込むように静かになってしまっている間、従兄の名前である、琉衣という文字を想像する。 それから、続く言葉にはたとする。]
代々木、ですか? ……あ、ありがとうございます! どうしようもなくなったら……泊めてくれるってこと、ですよね?
[会う時は絶対お巡りさんのいるところにしようと決心していることは口にださないし、申し出はありがたい。 見ず知らずの相手だ。入間も最後の手段として覚えておくことにする。 ここからなら、タクシーか、いざとなったら歩いていこうとしていけない距離ではない可能性だってある。]
(287) 2016/09/30(Fri) 22時頃
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[次いで、クラスメイトの名前が出てきて、ぎょっとする。]
えっ!?あ、え……?一緒に居たんですか!? もしかして、名前知ってたのも、ひふみ?
[では、今まさに新宿まで心配して向かってくれているのは、電話をしているキルロイ先生の声を聞いていたためだろうか。入間は、う〜と小さく唸った。鼻の奥が痛む。]
さっきいってた、男の子、そいつです。 さっき、電話いきなり切ってごめんなさい、キルロイ先生。
(288) 2016/09/30(Fri) 22時頃
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そうそう、彼がキミの名前を。 びっくりさせちゃったみたいだけど。 ああ、気にしなくていいよ気にしてないから。
[思いっきり気にしていたとは、言えなかった]
来るときは、彼と一緒に来るのが良いかもしれないね。 一人だと色々と不安だろうし。 それじゃあ、何かあったらまた電話して。
(289) 2016/09/30(Fri) 22時頃
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― 赤坂·高級賃貸マンション 中央ロビー ―
『顧客点呼ソッコー!!』 『手足らねぇ!回してくれ!!』
[ロビーに怒声が響き、末端の男たちと待機していた女子たちが一斉に携帯で通話をはじめる。
ジリヤは、すぐにピンときた。殺害されたのは常連の赤羽と"立川"。シルバーケースとつながりが深い他の常連客にも被害がでている可能性がある。
"対処"が遅れ、先に警察に動かれるとマズイというわけだ]
(290) 2016/09/30(Fri) 22時頃
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あ、あの……てつだいます。 なにかしてないと、おかしくなりそうで……。
[末端を指示していた本郷に声をかける。他に誰かが犠牲になっているのか。ならば、それもあの、"もう一人の自分"の仕業なのか。確かめずにはいられなかった。この怪異を否定できるなにかがほしかった]
『そうか……悪いな、なら頼んだわ。 うちの受け付け用だ、つかってくれ』
[本郷から、顧客対応用の携帯電話を受け取った。プラチナ会員カードに連絡先が記載されているものだ。アドレス帳をひらき、リストの上から順に通話を始める]
(291) 2016/09/30(Fri) 22時頃
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そうなんです、びっくりしちゃって。 家で、知らない人に名前知られてたから――
[自分の手元のスマホが鳴る。「キャッ」と悲鳴をあげた。 さっきかかってきた、登録されていない番号だ。]
い、い、いま、でん、でんわきてます。 家に、いたひと、から。 こ、こういうの、でた、ほうが、いいの、かな?
[声が震える。]
さっき、家、いってきて……るいくん…じゃない、イトコと……。 まだ、いたん、です。
ど、どうしたら……。
(292) 2016/09/30(Fri) 22時頃
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[電話が止まってくれない。
自分の愛用しているスマホが、今はとても怖い代物に思えるが、これを手放すのは人とのつながりを捨てるようで恐ろしい。 例えば友達。例えば一二三。例えば従兄。これらは、今恐怖を堪えるために必要なものだ。
電話が止まってくれない。
何なのだ、一体。 自分が何をしたというんだろう。 何を―――]
(293) 2016/09/30(Fri) 22時頃
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……そんなつもりじゃ、なかったのに!
[入間は半ば叫ぶようにして言った。涙があふれてくる。 震える声は、何かを後悔するように続けた。]
そんなつもりで『書いた』んじゃない、アタシ―― こんなの望んでない……っ
(294) 2016/09/30(Fri) 22時頃
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……出ないほうが良いと思う。 周囲の音から場所を特定されるかもしれない。
[家にいたひとからの電話と、少女は言った。 家族を名乗る、知らない人間。 通話をしてみれば、何か情報を得られるかもしれない。 だが、それは相手も同じはず]
(295) 2016/09/30(Fri) 22時半頃
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書いた?一体何の話……。
[少女の叫ぶような声。 話の前後が繋がらない言葉。 それは、こちらに対して話している様子ではなかった]
(296) 2016/09/30(Fri) 22時半頃
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[電話の声が質問を投げかけている。 入間は、嗚咽交じりに答える。]
……朝……、
朝、アンケート、書いたの。 どんな未来がいい?って書いてあって。
うち、親仲わるいから 喧嘩しない親がいいって書いたの。
こんなことになるなら、 あんなこと、書くんじゃなかったっ……
(297) 2016/09/30(Fri) 22時半頃
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[電話が鳴りやむ。 そして、はたとする。]
でんわ。 さっき、一回、とっちゃった……。
移動、したほうがいいかも。
(298) 2016/09/30(Fri) 22時半頃
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『おかけになった電話は電波の届かない場所にあるか――』
『どうだ?』
……ダメです。 何度かけても繋がらなくて。
[深夜の着信に不快感を露わにした声も、『急にあなたの声が聴きたくなって』の一言で、猫なで声に変わる。顧客の安全確認はスムーズに進み、あらかた終わろうとしていた。ただ一人を除いて]
『入間 祐輔か……』
[本郷は顎を撫でながら、プリントアウトした住所録を眺めている。 普段ならば、地下にはいったか、電源が切れているだけの話だが、今は状況が違う]
(299) 2016/09/30(Fri) 22時半頃
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アンケート……? そのアンケートを書いたから、両親が入れ替わった……。
[そんなことがありうるだろうか。 アンケートに、未来を……。 何か頭の片隅に引っかかるモノがある。 そんな、噂話を聞いたことがあるような]
ああ……。 特定されたとは言い切れないけれど、そこからは離れておいたほうが良いかもしれない。
(300) 2016/09/30(Fri) 23時頃
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[キルロイ先生は電話先でまた考え事をしているようだ。]
じゃあ、一回、きります。 キルロイ先生、もし、最後の手段にもしなっちゃったら、 また電話します。
[と、電話を切った。]
(301) 2016/09/30(Fri) 23時頃
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……盗み聞き、しちゃった。
[どうやら入間祥子さんの行方がわからないらしい。 あちらの声までは聞き取れなかったが、僅かに漏れ聞こえる声色と、木露の話し方、クラスメイトという言葉から察するに、通話相手は女生徒。娘さんだろうか? 『場所を特定されるかも』という言葉は、事件性を連想させるには十分だ。]
入間さんに、何があったの?
(302) 2016/09/30(Fri) 23時頃
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うん、それじゃあ気をつけて。
[また電話をすると言う言葉と共に電話が切れる。 こめかみに指を当てる。 正直、今の会話だけでも頭の回転はいっぱいいっぱいだ]
(303) 2016/09/30(Fri) 23時頃
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キルロイは、イルマに話の続きを促した。
2016/09/30(Fri) 23時頃
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[スマートフォンのホームボタンを押して、照子へと向き直る]
すみません、終わりました。 今話してたのが入間さんの娘さんなんですけど……。 昼間に娘さんから入間さんの携帯を使って電話がありました。 そして彼女はこう言ったんです。 家に知らない人間がいて、母と父を名乗っていると。
(304) 2016/09/30(Fri) 23時頃
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ジリヤは、イルマユウゾウに何度も電話をかけつづける
2016/09/30(Fri) 23時頃
ジリヤは、イルマユウスケの名前を間違えて覚えていた
2016/09/30(Fri) 23時頃
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……………家に、
知らない人間が。
[背筋にまとわりつく、薄ら寒い感覚。 それがどれほど恐ろしいことかを、出目照子は知っている。 なぜなら、まさに先ほど、その体験をしてきたばかりなのだから。]
(305) 2016/09/30(Fri) 23時頃
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[三ノ輪としばらく話し込んでいた本郷が、 ジリヤの傍に戻ってくる]
どうなりました?
『今からS面子(詐欺師)動かしてヤサをあたらせることになった。 まずは生き死にさえはっきりすりゃ十分だからな』
……ああっ、はい。
[歯切れ悪く頷き、視線を落とす]
(もしそこに、あの"もうひとりのあたし"がいたら? みんなは、どうするだろう……?)
(306) 2016/09/30(Fri) 23時頃
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それで、今日入間さんを見た人間が居ないか探していたんですよ。 結局、見つからなかったけど。 その報告をしていたらその知らない相手から電話が掛かってきたと。
[だいぶ掻い摘んでの説明になった。 グラスの緑茶に口を付ける。 だいぶぬるくなってしまっていた]
(307) 2016/09/30(Fri) 23時頃
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─ 東京、四ツ谷マンション『友硯社』支部 ─
[ガー、と印字されたアンケート用紙が先に印刷されていた紙の上に吐き出される。
単身用の1LDKのリビングには不釣り合いな 業務用のコピー機が可動音を部屋に満たしていた。]
(308) 2016/09/30(Fri) 23時頃
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[一種奇妙なのはそのコピー機の圧迫くらいで、他はテーブルに本棚しか室内に家具らしい家具はない。壁際の本棚の上においてある正十二面体の置物が飾り気ない室内で唯一の装飾品だった。
その低い丸テーブルの上には、ノート型のパソコンが一台と、回答済のアンケート用紙が積んであった。
E4159832──ケンカしないマトモでやさしい親のいる未来 →連絡済 希望者あり 依頼中 E4298749──田舎に帰らずに済む未来 →経過観察中 何かあれば対応 E4412164──広がり続ける 音楽を →連絡中 E4377142──この質問にちゃんと答えられる未来を →追跡中
黒のボールペンがノート上に文字を連ねていく。開いた大学ノートには、熱心すぎる執拗さでぴっちりと文字が書かれていた。]
(309) 2016/09/30(Fri) 23時頃
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[その事務所と家を足して2で割ったような部屋の主──鈴里みよ子は、ぺたぺたと奥の狭いキッチンから紅茶のポットをもってくると、ノートPCの前に座った。
エンターキーを押すと休止状態だったPCが立ち上がり、「解放治療カルテ」のファンがやっているらしいブログが表示された。
「ずっとおいかけてきたけど、昔から追ってたから 最近人気ですぎてサミシイ><;;」
等々書かれた内容をスクロールしていく。]
(310) 2016/09/30(Fri) 23時半頃
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[とりあえず場所を変えなくては。 さっき電話に出たのは駅の中央東口改札の近くだった。 電車を使わず改札を出るか、それとも何かに乗り換えるか―― 一二三宛に急いでメッセージを書いた。]
『新宿、いられなくなっちゃった』 『別の駅で会えない?』
(311) 2016/09/30(Fri) 23時半頃
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[コメント欄には投稿者に同調するように「今のままでいてほしい〜」という意見がちらちらと散見される。 変わってほしくないというのは、鈴里にもなんとなく感覚はわかる。ただ、人気が出すぎていやだ。という意見はよくわからなかった。 ──好きなものなら、広まってほしいと思う。]
でも、一気に有名になっちゃうと それも考え物なのかしらねぇ……
[カーソルを動かして、ブラウザのタブを切り替える。表示した「知らない街ニキ」についてのまとめたブログのコメント欄を眺める。だんだんと日につくレスの数は、あからさまなくらいに減っている。]
(312) 2016/09/30(Fri) 23時半頃
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[今の世の中はあまりに情報過多だ。何かが起きたとしても、 あっという間に消費されて忘れられていく。
けれど、 それでは]
もったいない、わよねえ
[あまりに、夢も希望もない。]
(*7) 2016/09/30(Fri) 23時半頃
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