25 花祭 ― 夢と現の狭間で ―
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落胤 明之進は、メモを貼った。
2010/08/05(Thu) 17時半頃
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― B棟/回廊 ― [怪我と、下肢に残る違和 歩みの遅さは朝の比で無い ふと窓の外、日は傾く]
……セシルは もう、流石に――起きた頃か
[ぽつり、零す。 目覚めの音で眠り、冬の傍にあった桜の姿は庭に見えず]
高嶺さまのお部屋は ここで間違いないですか?
[漸くたどり着いた扉前。 確認のように法泉を見上げた**]
(245) 2010/08/05(Thu) 18時頃
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―廊下・窓際― …――、?
[瞬き、ひとつ。悪戯な馴染みの顔。 彼が見る先に視線を流すと白い蝶が止まり。 紫苑色の眼を丸くする。]
――…。
[ふと、変わる声色に 蝶に伸ばした指先を止める。 肩の白から、笑み浮かべる華月へ視線を戻し 少し、間があく。]
…捕まえる。
[蝶に指先を触れる。 生きている。生きていない――生きて。]
花は、…咲かないと
(246) 2010/08/05(Thu) 18時頃
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呉服問屋 藤之助は、記者 イアンらが庭にいた事などは、つゆ知らず。
2010/08/05(Thu) 18時頃
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―庭・椿の間前― [陽光に影は濃く、涼を求めて木陰が下に。 虚ろな黒は友に向かえば、けれど笑みを浮かべてみせる。]
久しぶりなのに、ごめん。 もっと良い話が出来ればよかったのに、
[詫びながら俯けば、髪の零れる]
――その 私は、 また主様に手放されて……
[“また”と零れた言葉、ゆるりこめかみに指を当てれば、 重なる記憶がぐらりとゆれて、ふたつに割れた。 ――そう、手放されるのは2度目なのだと、 記憶と共にゆらいだ体は、幹にそっと手をついた]
(@16) 2010/08/05(Thu) 18時半頃
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[かけた言葉の意味合いを、相手は知ってか知らずか。 蝶に触れた手に、器用に盆を片手で支え、もう一方を伸ばす。]
そやな。 折角、結んだ蕾なら、咲かなもったいないやろ。
[触れるか触れないか。 蝶は蓮を思わせる花に変わる。]
(247) 2010/08/05(Thu) 18時半頃
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手妻師 華月斎は、呉服問屋 藤之助に、「蝶のままのが佳かったかいな?」と手妻の披露後、微笑んだ。
2010/08/05(Thu) 18時半頃
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―廊下・窓側―
…――、…
[蝶は、ふわりと花に変わり、咲く。 紫苑色の双眸は、一度驚きに見開かれた後、 緩やかに細められた。
視線は華月に移り、指先と指先は 触れるか触れないか。 躊躇い、華に唇寄せた。]
…ん。そう、…だな。
[それから、尋ねる声にはこう答え。]
花も、蝶も、好きだ。
(248) 2010/08/05(Thu) 18時半頃
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―庭・椿の間前― [小さな混乱、最初に誰が己に言ったのだろう。
『明之進殿は、遠く外つ国の主の元に――』
そう、そのように言われたのに、と。 黄泉花は、その透けるような掌でそっと顔を覆う]
――そう、あの方は前の主とは違う、新しい遠く外つ国の主で。前のあの方とは違うから、舞うことも禁じられずに―― 触れも、せず。
[ひとりごちるようなそれは友にも気が触れたと、見えるだろうか、 乱れる前髪にくしゃり、とその指先の通れば、撫でられた手を思う。 ――まづかきやりし人、唇を小さく掠める呟き。]
けれど、手放されたのは、おなじ こと……
[友が知る学院に戻された事実と、刷衛の知らぬその事実。 噛みあわぬ事実が揃えば新たに浮かぶ何かもあろうけれど。それはいまだ繋がらず**]
(@17) 2010/08/05(Thu) 19時頃
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[鵠が花に唇を寄せる様を、先の紫苑色を引き継ぐように、苔色が一度驚いたように開き、細まり]
……ほな、わては高嶺様ん部屋行くわ。
[そして、尋ねの答えが出る時、まるで何かに耐えられないと云う風に紫苑色から逸れた。 触れるか触れないかの距離に在った指先も、弾かれたように盆に戻り、本来の目的が、まるでその場を去る口実のように唇から零れ落ちる。
咲けと、暗に謂った。 何にも染まらぬ白は、哀しいから。
けれど、何かに染まろうとする白もまた
――哀しい。]
(249) 2010/08/05(Thu) 19時頃
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落胤 明之進は、メモを貼った。
2010/08/05(Thu) 19時頃
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―庭先・窓側―
…、…――華月?
[ひとつ、瞬く。 そらされた苔色に少し戸惑ったように。 手には彼の手妻の――蓮の花。]
…、――
[行くといい、とも謂えずに そらされた顔を見たまま 手を、伸ばしかけて―― 躊躇って、]
(250) 2010/08/05(Thu) 19時頃
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― 稽古場 ― >>158>>165 [こちらに気がつくと、花はこけた。 その様子は噴かざるえず……。]
ノロノロしたのは好きじゃないのか。 ジャズダンス?ほお……。
[袖を捲り上げ笑みを見せる様に、よしよしと子どもをあやす様に促す。 でも実際にはじまると、それは吃驚した顔をするが、くるくるした動きにはおーっと手を叩きはじめた。]
なんだ、面白いぞ?ああ、面白い。 芸にはならないのか?
いや、たいしたものだろう。
[芸としては荒削りなのかもしれないが、その躍動感は十分楽しませるものであり、また手を叩いた。]
(251) 2010/08/05(Thu) 19時半頃
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>>169 [終わったあとにふらふらと隣に座り込むと、うとうとし始めるので、そのまま寝かせておく。 桜色の髪は、実は染めたものだとわかると、ふむ、と考える。 根元の茶が本来の色なのだろう。] >>177 [そして、寝ぼけた声は自らの名を解き始めた。]
ふむ、幸せを得るのか。 なるほど、じゃ、お前はあれだ、招き猫のようなものだな?
[名前を呼んでいいよといわれ、そうか、じゃそう呼ぶかと返した時はすっかり熟睡っていたか。] >>180 [ただ、その本当に寝入る寸前にその口から漏れた言葉には、眼をぱちりとさせた。 以前、殴られ、放置されたことがあるのか。 そう考えると、桜色の髪が、明るいはずなのに、なぜかせつなさを生み出す。]
よう寝とけ。
[とりあえず、起きるまではそのまま、時々首をこきこき鳴らす。*]
(252) 2010/08/05(Thu) 19時半頃
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……なんやろか?
[去ろうとした足は、止まる。 名を呼ばれて振り向かないは情知らずだと、思ったからか。 否……。]
[沈黙が場を支配する。 視線を受け続けた苔色が、堪らず紫苑色を見詰め返す
―――そして、囚われる。]
…………っ
[カタリと手に持った茶器が鳴った。 伸ばせない手は、華月も同じと示す音。]
(253) 2010/08/05(Thu) 19時半頃
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[降りた沈黙。 視線交わして、動けずに。
囚われて、]
…―――
[言葉を見つけられずに、 常よりは、もっと近く――触れるか触れずかまで、伸ばして]
(254) 2010/08/05(Thu) 20時頃
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[『このまま見つからず居られたら、ずっと一緒に居られるのに』
最後に霞を連れて手を引いたのは髪も伸びた年頃だった。 連れて行かれると知った月の日、 満月の夜一晩、彼を隠し通せばまた次も会えると。 判っているのに愚かな夢を見て奥座敷に霞を隠した。
『隠れて…、隠れて――…かすみ』
見つかるのが早かったのは啜り泣く声が漏れてしまったから。 己が彼に成れず、彼が己にも成らず その手は離される。 遠く、遠く――月の向こうへ。朧の知らぬ場所へ。]
(255) 2010/08/05(Thu) 20時頃
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[伸びてくる手。 引力に導かれるように、微か傾ぐ身体。 触れるか触れないかまで縮んでいた距離は、それでもう……。
――嗚呼、触れてしまえば]
[言葉を紡げない唇が、掠めるように。 けれど、確かに白に何かを刻むよう、鵠の唇の端に触れようと。]
(256) 2010/08/05(Thu) 20時頃
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― B棟・自室前 ― [霞が言うように巡り合せというものがあるのだろうか。 どのような道筋を通ってきたのか、 剪定した二つの花に会うことなく高嶺は自室に戻る。 部屋に入る前に足を留めたのは、来訪者が居たから。 待っていた者達とは―――…違う、]
…如何した。
[黒檀が驚きに大きくなったのは僅かな間のこと。 見慣れぬ組み合わせだと、そう思った。 見に行くことをやめた、本郷の部屋の借主。]
(257) 2010/08/05(Thu) 20時頃
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懐刀 朧は、執事見習い ロビンの名を呼ぶのは、常と同じ高嶺の貌で。*
2010/08/05(Thu) 20時頃
懐刀 朧は、メモを貼った。
2010/08/05(Thu) 20時頃
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―廊下・窓側―
[指先が、触れた。]
―――、ッ…
[近づく。 保っていた距離より尚近く。 其処から逃げることはなく、 唇の端に触れる唇。
息を詰めた。]
(258) 2010/08/05(Thu) 20時半頃
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門下生 一平太は、メモを貼った。
2010/08/05(Thu) 20時半頃
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―本邸・椿の間前―
[離された手はそのままに。>>@12 構わないと言ったけれど、再び繋がれることはなく。 彼我の間に横たわる見えぬ川を示すかのよう。 けれど彼も我も気がつくのは容易ならず。 拗ねたような物言いは過去と今を曖昧にした]
「……身体が冷えているようなら 日の下に出て温まるも悪くはない」
[りん、と響く鈴の音。黙をもっても存在を示す。>>108 敵わないと今でも思う。けれど今はそれでもとも思う。 嘗ての夜光も月へ同じ思いを抱いてたか。 常とは何処か異なる花祭の中、増えてゆく変化の兆。 友が鵠と話す間は口開かず佇んだ]
(259) 2010/08/05(Thu) 20時半頃
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[人の業、とは何であろう。 己が思い出すのは川辺の宿の堕ちた花。
基と模倣は教え、自ら生むは教えなかった人。 戯れに句を詠み、体系立てては詠わなかった人。 気高き月は慕う者も多かったのだと笑い。 けれど月も白いばかりとは限らぬと哂った。
学院に来て、花より高みに昇り詰めた人の名を聞く。 霞の月の夜の君。千切れた花が昔語りに告げた名を。 光失った蛍が真実を知っていたか否かは知らぬ。 夜光となるを目指した芽は、深くその名を刻んだ。
花になろうと。 蛍が在るを見せ付けようと。そう思って。
けれど世界の水は甘いばかりでなく。 苦水の中、未だ夜に光放つには至らず。 焦りと悩みは影を射す]
(260) 2010/08/05(Thu) 20時半頃
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―稽古場―
…ぅ……ん。
[大人しく眠っていた躯を捩る 夜に近付く程に夢は薄れていく 夜の記憶に起こされる いつもなら魘され起きる頃か]
……っ …、 や だ
[大男の服 弱い皺が寄るほどに 掴んだ指先]
(261) 2010/08/05(Thu) 20時半頃
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門下生 一平太は、ランタン職人 ヴェスパタインに話の続きを促した。
2010/08/05(Thu) 20時半頃
門下生 一平太は、懐刀 朧に話の続きを促した。
2010/08/05(Thu) 20時半頃
奏者 セシルは、メモを貼った。
2010/08/05(Thu) 20時半頃
さすらい人 ヤニクは、小僧 カルヴィンに話の続きを促した。
2010/08/05(Thu) 20時半頃
さすらい人 ヤニクは、記者 イアンに話の続きを促した。
2010/08/05(Thu) 20時半頃
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[端に、けれど確かに触れ合う唇と唇。 そのまま深く貪りつくしたい衝動を抑えたのは、互いの身体の間で鳴る茶器の音。]
……あかんっ
[蹈鞴を踏むように後退する身体。 どこか怯えたように、紫苑色を苔色が見詰める。]
鵠さんは、自分で選ばな、いけんのや。 わてに、流されたら、あかん。
[まるで己は選べなかったのだと、告白するに等しい言葉が戦慄く唇から落ちた。]
(262) 2010/08/05(Thu) 20時半頃
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― B棟/廊下 ―
高嶺さま
[此処で良いのかと問うた直後 かかる声 振り返るは、帰り人を迎える微笑み 強張る事も無く、睨み上げる事も無く]
……遅くなりましたが 昨夜のお礼に。
[慎み混ざる硬質の声 着慣れぬ薄灰の着物の 左袖を持ち上げ、右頬に当てる 小首を傾ぎ、ちらと流し見るのは冬色の瞳]
手当と、この眼鏡を頂いたでしょう?
(263) 2010/08/05(Thu) 20時半頃
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手妻師 華月斎は、メモを貼った。
2010/08/05(Thu) 20時半頃
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―庭・椿の間前―
[誘われるまま室を抜けて庭に降りる。 虚ろな黒に笑みを浮かべる友へと首を振る。 心の内には今しがた、露と消えた白椿。 潰れた姿を目にしたと思った次にはそこに無く]
舞うことも禁じられず?
[黒檀が瞬き首を傾げる。 一年と少し前、そうしたことは知らなかった]
新しい主を得たのだと。 外つ国まで望まれるほどだと聞いたのに。
[顔を覆う友の姿に感じたのは孤独か闇か。 気が触れたというよりは今にも消えてしまいそうで。 黒髪の、乱れについと指が伸びた]
(264) 2010/08/05(Thu) 20時半頃
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― 稽古場 ― >>261 [そんなセシルと稽古場にいたところを霞月夜に見られてることは知らず、 自分もうっかり眠りかけてると、魘される様子に目を開けた。]
おい、大丈夫か?
[服を掴み、苦しそうに呻くので、その肩を揺らした。]
おい?
(265) 2010/08/05(Thu) 20時半頃
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―B棟・自室― ……ん。
[大分体は楽になったと思うぐぐっとのびをして、ぴたり、数秒手をとめるも赤錆色の着物へ着替え]
……。いや。考えるよりも行ってみれば分かる、か。
[そっと立ち上がり、広間へと向かう]
(266) 2010/08/05(Thu) 20時半頃
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―庭・本邸椿の間前―
[宥めるように、柔らかく梳くように撫でる。 俯いた友の唇は見えず。彼の如何な記憶を掘り起こしたのか]
僕は、前の主という方も。 明之進を手放したくはなかったのだと聞いたんだよ。 でも花にはそういうこともありうるのだと。
明は、それほどの花だ、と。
[口外無用と教えた人はどんなつもりだったのだろう。話す気になった本人ならば良いだろうと、昔の呼び名と共に口を滑らせる。 胸の奥に感じた痛みを押し殺し、友が消えるを恐れて更に手を伸ばした。 叶うならその頭、引き寄せようと身を寄せる]
(267) 2010/08/05(Thu) 20時半頃
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― B棟・廊下 ― [名を呼ぶ声には疑問符が混じる。 乾の名の花主を一瞥してから傍らの花へ。 其処には先日までの子供の姿はなく、 あるのは硬質の中にも確かに薄い色付きを宿す花。]
―――……、
[薄く開いた唇は、直ぐに言葉は為さなかった。 寒空と同じ薄灰を纏い変わった花の色を見て]
……咲くことを選んだか。
[眼鏡、そう言われると瞳を細めて肯定を返し]
(268) 2010/08/05(Thu) 21時頃
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門下生 一平太は、メモを貼った。
2010/08/05(Thu) 21時頃
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こもち月の夜に
言葉を賢く選べと、仰ったのは貴方 前を向いて、今一度花になれと、仰ったのも貴方
荒れた雪野に花など咲きません どれ程望んでも ですから
[相手に頷き、詠うように言葉を紡ぐ]
心を入れ替えました 望みはひとつ 願いはひとつ
ひとつ叶えてくれたお礼がしたかった。 もし許されるなら。
(269) 2010/08/05(Thu) 21時頃
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[本郷の背を撫でる手はしなやかとは言い難かったが優しかった。 ……かけられた言葉も優しかった。] ――…… [けれど、その言葉に頷くことはできなかった。 ……その類の言葉にすぐに頷ける程 人に甘えられる性質ならば 散る花を選ばなかっただろう。 ……本郷は返事を強請る様子はなかったから その様子には甘えることにして無言を貫いて。 水につけた足は冷え切っていたが 蓮の香りと温度に昏々と眠り続けた。] [眼が覚めたときも本郷が居て眼を丸くし 先程のことを思えばばつが悪そうに、頬を少しかいた]
(270) 2010/08/05(Thu) 21時頃
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記者 イアンは、メモを貼った。
2010/08/05(Thu) 21時頃
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―廊下―
[――ちり、と 熱が 燈るようだった。]
…っ
[茶器が高く、音を鳴らす。 息が止まっていたことに漸く気づく。 離れて、怯えたような苔色が見えた。]
かげつ、――
[駄目だ、と拒否のような、抑えるような声。 紫苑色がごく珍しく、微かに揺れた。]
否、――己は、…
[何故ずっと迷って、戸惑っていたのかと、届きそうになっている、気が。手を、伸ばしかけた]
(271) 2010/08/05(Thu) 21時頃
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――望みはひとつ 願いはひとつ――
種植え付けて 腐らせる この世の理 幾年もいくねんも 血を継いで 肉を喰らい 種を植える
二つ心は要らぬ 惑うては いのちとり
(*5) 2010/08/05(Thu) 21時頃
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