25 花祭 ― 夢と現の狭間で ―
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この手を離れて行くならば たれかの元へたどり着く前に
そう、いっそその翼を手折り――縊り殺してしまえばいい
[少年の自覚は無きままに 浮かぶほの暗い朱]
(*18) 2010/08/03(Tue) 13時頃
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冬ながら 空より浄土を 囀るは 雲のあなたの 春にならんと
[拒む手に、微かに寂しそうな顔をして鳥は身を離す。 ただ、一節だけ。彼のためだけに、その唇は歌を紡いだ]
また、来るよ。 僕は鳥だけど、物好きな鳥らしいから。
秋冬へと迷う事もあるよ。 幸福な王子へと侍り続けた燕のように、ね。
(239) 2010/08/03(Tue) 13時頃
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[しゃらりと、羽音の代わりに金環の音を鳴らして。 鳥は部屋を飛び立つだろう。
戸口で待つ、雲間の月と同じ顔の佳人を見やって]
…………。
[少しだけ悲しげに、紅石榴を揺らした]
(240) 2010/08/03(Tue) 13時頃
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[頷きを待って席を立つ。握った手を緩く絡めて残る顔えへと頭を下げる]
積もる話もありますから、これにて失礼いたしましょう。
[大広間を後に、誘うのは自身の部屋。 供の坊主は帰らせたので今は一人。
さてどのように啼かせてみよう。そう思い、霞の髪へと指を*滑らせた*]
(241) 2010/08/03(Tue) 13時頃
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説法師 法泉は、メモを貼った。
2010/08/03(Tue) 13時頃
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[二つの花の話をちゃんと聞いていたわけでもない。 腕を組んでその話が区切られるまでを待っていると、 話し終えたのか紅石榴を揺らす雛鳥の姿。]
―――…、
[高嶺もまた、自ら人に触れようとはあまりしない。 しかし部屋を出て行く雛鳥の頭には手を伸ばし、 慣れぬ手つきで一度だけ撫でて離した。]
(242) 2010/08/03(Tue) 13時頃
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さすらい人 ヤニクは、小僧 カルヴィンに話の続きを促した。
2010/08/03(Tue) 13時頃
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――雲厚くして 届かぬ春を待つ 囀りと紛うは 木枯らしの音
[眉を寄せて、首を振る。 少年は紡がれた歌に硬質な音を向けた]
渡る時期を逃したツバメがどうなったのか 知らないわけじゃないだろう もう、来ちゃ駄目だよ。 そんな燕になりたいなら別だけどね。
(243) 2010/08/03(Tue) 13時頃
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……翔けて追った友まで突き放すか、
[そう言葉にしたのは雛鳥が去ってからだ。 口調は常と同じもので黒檀はロビンを見る。 見える紅にはきつく眉を寄せた。]
………そうやって、何処まで逃げる。
[問いかけるのは花にではない。 目の前の、子供に向けるもの。]
――…何が、そこまで頑なにする…?
[花主は、謝りに来たわけでも迎えに来たわけでもない。]
(244) 2010/08/03(Tue) 13時頃
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それでも。 あの燕は、世界で一番幸福な燕だったんだよ。
[部屋を出る前に投げられた言葉に、秋と冬を纏う友人へとそう笑んだ。
佳人の指先が、金の髪を撫ぜれば。 驚いた様に一寸見上げ。
ぺこりと、言葉なく礼を一つ捧げて、 何処かへと翔けていく]
(245) 2010/08/03(Tue) 13時頃
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[書庫を去る鳥にそれ以上かける言葉は無い 突き放す一言は少年なりの忠告。 自身に構って良い事など、彼には無いだろう 最後の一言を添えたのは、無意識下のことで カタリと鳴った音の先を、すっかり忘れていた。 漸くひとりになれたとばかり、肩の力を抜く]
――!
[直後降り注いだ声 その主を知っている]
子供が居ていい場所まで、ですよ。
[此処に在っていいものは。 大広間で向けられた言葉を覚えている。 幾つもの感情がない混ぜになって、目前が一色に染まった そのあとどうやってあの場を切り抜けたのか、記憶が定かで無い]
態々追いかけて、未だ何か言い足りぬ事でもありましたか。
(246) 2010/08/03(Tue) 13時半頃
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ええ、みなさまもごゆるりと。 [琵琶は部屋へと片付けさせても、弾き手の向かうは違う部屋。 寄り添いてゆく傍らのお方は、己を良い音で奏でてくれようか?]
(247) 2010/08/03(Tue) 13時半頃
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―大広間― [>>229笑う桜色に緩く瞬く。]
――そう思うのなら な。
[触れる概念の話。 手を伸ばしてものばしきれず何かを恐れるように退くことも多々。 打ち込むは芸事、それは決して裏切らない。 極めるには後ろ盾が必要だ。]
…、――
[短く息を吐く。髪には紫の蝶、 鈴の音に震えて羽根を揺らす。]
…手妻は、うつくしいものだな。 お前と合わせるのは、佳い。
[いい置いて、酒宴へ。歩き始めれば、りんと鈴の音伴った。]
(248) 2010/08/03(Tue) 13時半頃
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[子供、と自ら口にする姿には黒檀を細める。 一度紅を見てから、それを気にするように 視線は其処にばかり向かってしまい、 ロビンの表情はわからない。]
―――…そうだな、色々言い足りぬ。
[途端に纏うは硬い甲羅、 言いに来たのは最後の忠告なのかもしれず]
……何がそんなに、気に入らぬ。
[まずは思ったことを、そのまま訊ねた。]
(249) 2010/08/03(Tue) 13時半頃
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― 庭園 ―
[足が赴くままに、辿り着いたのは…… 先程までなよたけの君と共に在った月下の庭。
朱塗りの欄干の上で羽根を休めて、 真円になり切れぬ月を見上げる]
秋の夜の 月の光はきよけれど 人の心の 隈は照らさず
[囀る歌は誰へと向けたものか。 鳥自身にも判らぬまま、紡ぐ歌]
(250) 2010/08/03(Tue) 13時半頃
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[だけど―――]
――――……っ。
[僧衣の花主と、なよたけの君が寄り添うように歩むのを、 その紅石榴が捉えれば。 ぽろぽろと、その双眸から落ちる雨]
(251) 2010/08/03(Tue) 13時半頃
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呉服問屋 藤之助は、懐刀 朧によく似た霞月夜が僧と連れ立ち去るのを見、足を止め。
2010/08/03(Tue) 13時半頃
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[怪我の所為か、大広間での醜態の所為か 普段の半分も、舌が上手くまわらない。 跳ね付ける言葉を捜しながら]
――じゃあ全て吐ききれば良いでしょう その代わり、二度とボクに近づかないでくれるならね。
[結局痛みが引き起こす熱が、思考を拒絶する]
気にいらないのは 人間
[ぽつり。 話せば二度と近づくまい。 醜態を一度さらすも二度さらすも、もう関係無い]
(252) 2010/08/03(Tue) 13時半頃
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小僧 カルヴィンは、説法師 法泉の隣に寄り添うなよたけの君をじっと見て。
2010/08/03(Tue) 13時半頃
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ボクじゃないボクを見て、誉めそやす 巷のひとも……
主なくして生きていけぬ花も 戯れに花を摘む花主も
なにもかも、気にいらない
[そして何より気に入らないのは 噂に押し潰され、虚勢を繕い続ける自身]
(253) 2010/08/03(Tue) 13時半頃
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―大広間―
[――花から花主へ。名高き霞月夜。 その後ろ姿だけでも何処か艶めいている]
…此度の花は…媚も艶も足らぬものが多いと 使用人が噂をしていたそうだ。
[ふと立ち止まって 肩越し――華月の方を振り返りきらない侭 顔は見えなかったかもしれない。]
…… …足りぬかな。
[俯きがち呟くように謂ってから、 酒を手にして酌するところを、探すよう]
(254) 2010/08/03(Tue) 13時半頃
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……はあ。少し落ち着いた…… ……人の多さ故、だったのか?
[広間にもどって舞台を見れば、まだ其処に絵はあったか]
……画く花が居るのか。見逃したのは残念だな。もう少し我慢していればよかったか……
(255) 2010/08/03(Tue) 13時半頃
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どうして……僕は。 悲しいと思うのだろう……?
[降るままにさせた雨は、頬を伝い、薄衣へと染みていく]
僕は鳥なのに。 どうして――――…?
[自分でも判らぬ初めての感情に、僅かに身体を震わせて。 眸を反らす事も出来ずに、 紅石榴を幾重にも、*濡らし続けた*]
(256) 2010/08/03(Tue) 13時半頃
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……これだけ嫌われてしまえば、 これ以上は下がりようがないから此方も楽でいい。
[気に入らぬものを聞くと黒檀を細めて。 口調は少し幼くも聞こえたか、本当にただの子供だ。 つく溜息は呆れたような響きにも聞こえただろうか、 実際は目の前の少年の紅の色に向けたもの。 その色は―――…苦手だ。
少年へと近づくと、有無を言わさず抱え上げる。 引っかかれようが、噛み付かれようが下ろしはしない。]
(257) 2010/08/03(Tue) 13時半頃
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呉服問屋 藤之助は、戻ってきたらしき 天満月へゆるりと頭を下げた。
2010/08/03(Tue) 14時頃
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気にいらないと、言ったでしょう……!
[近づく気配。 饒舌な毒を吐く少年ではあるが、声を荒げるのは珍しい。 人前で焦りを滲ませるなんて]
や……っ、厭だ!!
[伸びる手がその身を抱える、間は一瞬。 急に浮いたことへの驚きと、度を越えかけた恐怖。 身を強張らせ、両腕で突っ張るも腕は解けない。 足をばたつかせようにも、左足は痛みで痺れ思うように動かなかった]
…――――――っ
[抵抗が無駄と悟ると、ただ硬くなって震えるしかない。 先の見えぬ恐怖。 眦に滲むのは朱でなく]
(258) 2010/08/03(Tue) 14時頃
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執事見習い ロビンは、小僧 カルヴィンの名を呼びかけたが、先刻自分が突っぱねたばかりの相手に助けは求められなかった
2010/08/03(Tue) 14時頃
執事見習い ロビンは、呉服問屋 藤之助や他の花に知られぬことをせめて祈った。
2010/08/03(Tue) 14時頃
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―大広間―
[それを見上げたのは何ゆえか、 月は幾望、ほとんど満ちてありながらされど望月にひとつ足らず。 胸の鼓の、ざわめく高揚を招く]
――……月、
[大広間に足を踏み入れれば、 宴の席はすでに雑然としていたか] 遅くなりまして、申し訳ございません。 少々、月に、かどわかされておりました。
[黄泉花が告げるそれは、楽の音であったが。 微笑う風情は、喩えというには、いささか笑えぬものであった]
(@8) 2010/08/03(Tue) 14時頃
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落胤 明之進は、メモを貼った。
2010/08/03(Tue) 14時頃
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[上質の白橡の衣に紅が染みていく。 ゆっくりと眼を閉じてから、開いて歩き出す。 歩きながら紡ぐのは抱く子には恐怖で聴こえているかは わからないが子供に言い聞かす為の説教だ。]
…気に入らぬものを今更好きになれとは言わん。 だが…気に入らぬと、愚弄することだけはやめろ。 お前が――…ただ、愚かになるだけだ。
[高嶺の花主が大広間で憤ったのはそれが理由。 愚弄するなと憤り、怒声を上げたセシルの姿は、 花主と花祭を愚弄しているように高嶺には見えた。 辿ればその元凶に居たのは、この子供。]
どうあっても背を向け続ける者に、 届かぬ手を伸ばすものなど居ない。 お前が…前を向かねば、何時かは全て消える。
[言いたいことは、そこまで。一息ついて。]
(259) 2010/08/03(Tue) 14時頃
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小僧 カルヴィンは、執事見習い ロビンの声が聴こえた様な気がしたけれど、今は己が心に戸惑ったまま。
2010/08/03(Tue) 14時頃
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[>>175刷衛に手招かれ、姿勢を正して傍へと寄った。 足の震えは姿に対する緊張とでも取られてしまっただろうか。 浮かべた微笑は作ったものであれ無理にはなかったのだけれど]
はい。彼とは同じ師の下で学びました。 椿の間でございますか。
[今は刷衛が主なのだろうか。 外つ国の主とは見えず疑問を覚えるが、再び主変わったとしても花には不思議なことでない。ただ以前のようにはならなかったのなら良いと思った。 会えるのなら自分も嬉しい。広間正面、大扉の方を向く]
刷衛様…。
[問う声より先に相手の言葉。 今の主は貴方ですかと、その問いは機会を逸したまま宙へ消え]
(260) 2010/08/03(Tue) 14時頃
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ありがとうございます。 もし望まれるものがありましたなら、また何なりと。
[纏う白装束は白拍子と違えど何処か似て。 手にしたままの黒塗りは先に奏でた通りの腕。 それ以外を望まれれば、さて、余程で無い限り受けねばならぬと分かってはいるはずだが]
今はこれにて失礼致します。
[舞台に目を向け直した刷衛に深く一礼。 画布を置く幸得に何が始まるのか気にもなったが、そのまま背を向けた。 宴の最中に自ら広間を抜けるは花に相応しくないかもしれない。 けれど花主の命があれば大義名分も立つ。 今すぐ舞い奏でるも出来そうにはなかったから、ゆっくりと廊下に出て椿の間を目指すが、求める姿とは何故かすれ違い]
(261) 2010/08/03(Tue) 14時頃
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お前は、手折れぬ花だとそう名乗った。 ならば…、花であることからは逃げるな。
――…前を向いて、今一度花になれ。
[そう言ったところで、表座敷に着くだろうか。 屋敷の者を呼びつける。 寝床の用意と、傷の手当てができる者も。]
……眼鏡の支援は、してやろう。 早いうちに作らせ、お前の手に渡るようにしてやる。
[言葉を止めて、恐怖に固まる子供を下ろした。]
(262) 2010/08/03(Tue) 14時頃
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明之進、何処?
[我に返ると廊下を戻る。 友の姿を捜してきょろきょろと、それこそ花に相応しからずか。 そしていつもの様に間が悪く聞き取ってしまうのだ。 厭だと抗う声を]
(263) 2010/08/03(Tue) 14時頃
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[硬く目を瞑る。 揺れる不安定なその腕の中で、衣をきつく握ったのは 安定を求めて]
愚かと思うなら ボクを見放してくれればいい 高慢さがはなにかかるなら ボクに近づかなければ良い
そうすればボクだって 戦塵の谷を駆け上がれだの 頂見えぬ山を乗り越えろだの 無理な注文ばかり聞かずに済むんだ
――前に何が有ると謂うの。 手を伸ばして欲しいなんて、ボクは……
[思っていない。言えば恐らくそれで仕舞いだ。 喉が詰まって声にならなかった]
(264) 2010/08/03(Tue) 14時頃
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[使用人を呼び止めて自分の部屋から羽織を取ってくる様言ったところで、花が頭を下げるのに気がつきにこり微笑む]
……鈴。時々聞こえてた鈴の音は君か。 そういえば、廊下ですれ違いはしたが名は未だ聞いていなかったね。
(265) 2010/08/03(Tue) 14時頃
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懐刀 朧は、門下生 一平太の姿には気付くことはなく表座敷へと入り。
2010/08/03(Tue) 14時頃
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[足を踏み入れれば、目に止まるはひとつの画。 煌々たる月の描かれたそれに、双眸を吸い寄せられるのは]
――……朱月
[呟く唇、目蓋にうつる景色は常世]
嗚呼、笛の音も聴こえていた…… 天かける調べ、高らかな澄んだ音色、
似ている、
[似ていた、重なる 悲鳴に]
(@9) 2010/08/03(Tue) 14時頃
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