3 ビー玉坂〜卒業式の前に視るその場所は…
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[紫水晶は 濃紺を止めるには、至らない か 否、――ひとつを、とめたとしても、他が]
[――刃 が、
玩具みたいに、 刺さって]
バ ……、……
[――悲鳴に、掻き消される。 暴れた拍子、 血が、 頬に飛び散って、落ちる。]
(355) 2010/03/06(Sat) 00時半頃
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[鮮やかな色が、声が闇に流れ込む。
――紅い、赤い。]
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[大きな身体から噴出す血の量は、勢いをなくしても流れつづける……。
そのビー玉と同じ色、 同じ色の池がどんどん広がって……
獣の身体を濡らしていく……。]
(356) 2010/03/06(Sat) 00時半頃
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[何も持たぬ両手を顔の前に掲げ
人差し指を小さく押し込める。
カシャリ
と音が響いたのは、鳶色の少女の頭の中だけで]
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― 畑 ―
[じゅぷりと背に埋め込んだ鉱石の手。 無いはずの感覚に覚えるのは、温もり。
―――……嗚呼、まるで
引き抜き、噴き出る 紅(あか) を視るドナルドは
嗤って いた。
けれど、濃紺の瞳は、まるで泣きそうに。
―――……行為の最中セシルに晒した眼。
あか は、後悔の色。 セシルとのことを止めなかった人。 まるで、背を押してくれたかのような。
なのに、何故……こうなったのだろう……――――。]
(357) 2010/03/06(Sat) 01時頃
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や、……あ、だめ、しっかりして……
[倒れ付し今にも動きを止めようとする獣に、すがりつく
溢れだす あか で濡れる あか が抱き締めようと触れ手を染める ]
バーナバスさん…! バーナバスさん、いや、どうし て。
いや で す… おねがいですから、戻っ て……
[濡れる 濡れる あか 視界も濡れてみえない。 なみだを拭う、ほおを そめる あか]
(358) 2010/03/06(Sat) 01時頃
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――南棟屋上 給水塔――
[ドナルドが戻ってきたかと思い、振り返れば、そこには闇を纏う青碧の姿があって]
――……リッター君……どうしたの?
[瞳に宿る深い闇に、言葉に、彼が少女に終わりを運んできたことを知り、静かに微笑む]
――……そっかぁ、リッター君がそうだったんだ。 結局、私達、二人ともだめだったんだね……。
(359) 2010/03/06(Sat) 01時頃
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[異常な熱は帯びていても、拳自体は変化してはいない。 それだけに、受けた衝撃は大きく。 肩まで駆け上がる痛みに、顔を顰めた]
……っつ……。
[噴き上がるいろ。 転がったビー玉のいろ。
なんで。
浮かんだ言葉は打ち消した。 絶対の答えなんて、多分、どこにもないから。 そんな事を考えながら、後ろへ向けて、よろめくように数歩下がった]
(360) 2010/03/06(Sat) 01時頃
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問題児 ドナルドは、用務員 バーナバスの返り血を無言で浴び続ける。袖の白のラインが あか に染まった。
2010/03/06(Sat) 01時頃
遠くの世界の 悲しみや 痛みが 叫びが
心を揺らす事もなく
ただ闇の中で座ったまま
[こてん 傍の肩に頭を預ける]
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[獣は即死はできずに、 血が身体からなくなるショックに
びくびく痙攣した。]
(361) 2010/03/06(Sat) 01時頃
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問題児 ドナルドは、血を吸った左手が、手首まで鉱石化していることに気がつく[20]
2010/03/06(Sat) 01時頃
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[満足かと、問われれば]
……私には今更、どうでもいいことかなぁ。 もう、終わるんだしね。
リッター君はどうなの? 私を狩れて満足?
(362) 2010/03/06(Sat) 01時頃
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[後ろに、下がって。 左手は、無意識、ポケットのビー玉へ。
緑の先。 護りたいものを確かめるように。
護る。
その気持ちは。
同じって。
前に、聞いた?]
(363) 2010/03/06(Sat) 01時頃
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オスカー君!!
[狼が倒れ伏すのとほぼ同時に、 オスカーの元へ駆け寄って、背中から抱きしめようと。
彼の痛みが自分に流れてくればいい、そう思って。]
(364) 2010/03/06(Sat) 01時頃
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― 畑 ―
[むっとする臭気と目に痛い紅が流れ出し、 辺りに水溜りを、池を形作る。 やがて河は細く、しかし途切れずに続き 土を、獣を濡らしていた。 痙攣して、本当に動かなくなるまでの間
その様をずっと無表情に睨みつける。]
(365) 2010/03/06(Sat) 01時頃
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…いたい の ? うん、いたいよね… こんなに 血 出てるんだもの… いたい よ ね…
[声はおさない少女のように。 血塗れる獣の毛並みを拭う。
頬を汚す あか 涙に ながされて]
いたくなくしてあげる か ら …
[痛みは己への抑制
痛みを感じる彼に、 狂気などないと知っている]
(366) 2010/03/06(Sat) 01時頃
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なんだったかなぁ…屋上
自分が大事な事を忘れる前に・・・いわないと
[そういったのは
遠い昔みたいに思えた]
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― 畑 ―
[いたい。 いたい。 いたい。 聞こえる、 聞こえる、 聞こえる。 力失せたように 座り込む]
― …―なん で
[おにさん。 こちら。 嗤うこえが、きこえる。 グロリアが泣く声が聞こえる。
呆然と。呆然と――薄紫を、見開いたまま。
見上げた あか。 映る 泣きそうな 濃紺]
(367) 2010/03/06(Sat) 01時頃
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[そして、紅かった眼はすうっとまたグレイに戻って……]
(368) 2010/03/06(Sat) 01時頃
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[畑が映った。そこに、一匹の、狼がいた。
それは、数人の生徒によって、串刺しにされて
その身体から赤が噴出した]
……。身を。
[固めなさいと言った言葉。それが元は誰であったのか知らない。元々の彼を、覚えていない。
けれど、じぃと見て]
私の代わりに、護ってくださいとお願いしたのに。
……こちらに来るのは、まだ早いというのに。
先生が、泣いています。
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[最後に泣いてる人を視た。]
(369) 2010/03/06(Sat) 01時頃
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−南棟 屋上 給水塔− [>>359静かに微笑む その顔。 >>362どうでもいい、その言葉に、闇に繋がれた右腕を伸ばす。 首元を目掛けて。]
『終われる?』 『違うよ、寂しくない所へ、送ってあげるんだ。』 『皆、居る。』
[それは、今まで闇が塗りつぶしてきた、詭弁。 腕に力を篭める。呪 われた 闇 の力のせいか、常よりもずっと強い、力。]
『…… 俺 は満足だよ、キャロライナ。』
[彼女の言葉に 愉悦を うかべた。]
(370) 2010/03/06(Sat) 01時頃
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『もう お前ら 全員 殺してやる。』
(371) 2010/03/06(Sat) 01時頃
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[名を呼ぶ声>>364。 一つ瞬いたところに、背中にかかる重みと温もり]
……大丈夫。
[小さく呟く]
大丈夫、だから……オレ、は。
[いてくれるから、と。 零れるのは、小さなちいさな、呟き]
(372) 2010/03/06(Sat) 01時頃
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[呆然と 見開いた、薄紫から。
表情変わらないまま、 涙が落ちる]
(373) 2010/03/06(Sat) 01時頃
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[鳶色から涙は零れない。
どんな顔をすればいいのかわからない。
それでもその光景からしばらく目を離すことは出来ずに
再び闇を泳ぐ、ふわりふわりと
赤い絆を探して]
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……ごめんなさ い バーナバスさん……
[血泡のこぼれる狼の口に、唇を寄せる。
血塗れた口付け。 毒の味はきっと甘くやさしい。
燐光は あおく 瞬いて。
痛みが失われれば、 あとは命が流れるのを待つだけ
やさしい夜の帳が訪れるように]
(374) 2010/03/06(Sat) 01時頃
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理事長の孫 グロリアは、用務員 バーナバスの瞳の色をみつめた
2010/03/06(Sat) 01時頃
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――そっか、そうなんだ。満足なんだ……それなら良いよ。 貴方に私をあげるね。 [晴れやかな笑顔をフィリップへと向けた。 そして、最期まで、あいつとはすれ違いだったなぁ――と思い]
――ばいばい、ドナルド
[静かに目を閉じた]
(375) 2010/03/06(Sat) 01時頃
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[最後はゆるい表情になっただろうか。]
(376) 2010/03/06(Sat) 01時頃
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[濃紺の鉱石 が 泣くような こえ を 聞いた気がした。]
(377) 2010/03/06(Sat) 01時頃
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美術部 ミッシェルは、寄り添う二人も、座り込む人たちもただ眺めている。
2010/03/06(Sat) 01時頃
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