173 【突発RP村】夢の通い路
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―病院―
[窓から流れ込む風が、さや、と前髪を揺らした。]
―――――……。
[眼を開く。白い天井。規則的な電子音。
微かに口を開いて、言葉は出ないまま、
深く息を吸って、吐いた。]
―自室―
[目を覚ますと、そこは自分の部屋のベッド。
手には女郎花が握られていて。]
これ、植えておいたほうがいいのかしら?
[小さなグラスに水を入れて、とりあえずそこに入れておく。
グラスに「ジェニファー」なんて名札を付けて。]
仕事前に、話をしないとね。
[朝早く、牧場へ出る両親を呼び止めて。
少し昔話を始めた。]
[さすがに夢の中で、なんて言えなくて。
思い出したあの子のこと、切りだすと両親は驚いた顔。
元々彼女は病気だったそうで、そのことを私は知らなかった。
いつも待ち合わせていた小高い丘の花畑は、
あの子にとっては来るのも辛かったらしい。
そんなことも知らないで、毎日あの丘であの子を待っていた。
あの丘で演奏をして、彼女がそれに合わせて歌う。
ただそれだけで楽しくて。]
[最後の日。
いつも遅刻していたあの子が先に丘の上にいて、
私が駆け寄ると何かを隠していた。]
どうしたの?
[声を掛けた瞬間、彼女は力なくその場で倒れ。
彼女の傍の花は紅く染まっていた。]
『ふふ、ベニバナツメクサって言う種類もあるんだよ?』
[驚いた表情で見つめる私に、彼女は笑ってそう言った。
その口の端には血の痕が残っていて。
泣き叫ぶ私の涙を拭いながら、笑ってあの子は言う。]
『ずっと笑っていてね、約束。』
[最期にそれだけ言って血を吐いた彼女は、
それから目を開かなかった。]
[両親が私を見つけた時、
私は彼女の血で濡れながら自失状態だったらしい。
気を失った私は、その時からあの子の記憶だけ失っていた。
そう両親は話してくれる。]
ありがとう、すっきりしたわ。
[笑みを浮かべると、両親はまた驚いて。]
今日、お仕事休んでもいいかしら?
[驚いた両親の返事も待たず、出かける支度をし出した。**]
――――あぁ。
[戻ってきちゃった。
重くない瞼を、すっと細める。
体はとても重いのだけど。
眼は冴えてる気がする。]
…………って―――。
[身じろぎしただけで、息が詰まるほど体が痛むから。
結局、横たわっているしかできないのだ。]
―墓地―
[両親に彼女の家を聞いて、彼女の両親にお墓の場所を聞いた。
そこはあの丘から近い墓地。
手にはヴァイオリンケースと、一輪の白詰草。]
遅くなってごめん。
喪に服すなんて、貴女は喜ばないわよね。
[お墓に花を供え、忘れていた分長い時間祈った。]
さすがにここで弾くわけにはいかないから。
聞いていてね。
[ゆっくりと、丘の上へ歩き出す。]
―丘の上―
[あれからここに来ることはほとんどなかった。
両親に止められていたから。]
あの頃と、変わらない。
[花はまだ咲いていて、その先を見て目を丸くする。
あの頃の私達と同じくらいの女の子、二人がそこにいて。]
お邪魔するわね。
あなた達、歌は好き?
[突然現れて質問する私に、その子達は不思議な顔を向けた。
それを尻目にヴァイオリンを取り出すと、
あの時の歌を口ずさみながら弾き始める。]
[どれくらいそうしていただろう。
ふと懐かしい歌声が聞こえてきて、振り返る。
二人いた片方の女の子が、真似して歌っていた。
あの子と同じ、少し調子の外れた歌声で。
微笑みを向けると、隣の子も歌い出して。
しばらくそうして過ごしていた。**]
[牧場は、少し街から離れた田舎な所。
大きな不自由は感じたことがないけれど、
買い物は若干不便なもので。
バスに揺られて街へ行く。
花の本と、小さなガーデニング道具。
それから軽くお酒なんかも求めて。
ちょっと荷物になるけれど、ヴァイオリンケースは手放さずに。
景色は段々都会に変わる、あの夢のように。]
[幾度目か、眼を開いても、
景色は変わらぬ、白い天井。]
んー…。
[眼を閉じてみても、そこにはただ闇があるだけで。]
[暫く目を閉じていた。
規則正しい電子音。
ドアを隔てた廊下の足音。
窓の向こうの梢の音。
風に乗ってかすかに、煙草の香が届いた気がした。]
―――――、
[眼を開けて、見まわしてみても、
香りの元はわからないけれど、
かすかに。ほんのわずかにだけど、
何かが記憶にふつと浮かんだ。]
[頬に触れた手の優しさは、
いつも握っていた手の優しさに似ていたかもしれない。
優しく背を押す声は、
優しく包み込んでくれていた声に似ていたかもしれない。
布団の下で、手を握りしめてみた。
力を込めると、腕や肩が鈍く痛むけれど、
なんとなく、
多分、僕は――――最期まで手を放さなかったと思う。]
―街―
[色々なビルが建っていて、自分の住んでいる場所とは別世界のような。以前までとは少し、景色が違って見えた。
公園も何度か足を踏み入れたけれど、
後でここで演奏してみようかなんて思ったのは初めてで。]
とりあえず、用事を済ませましょうか。
[本屋や、花屋、酒屋なんて普段行ったこともなく。
少々迷ったりもしただろうけれど、それでも楽しげに街を歩いた。]
なんだっけ…――――。
[何か、言われたような気がするのだけど。
夢なんてものはいつもそう。
目が覚めれば急速に薄れていくような。
とても印象に残っていたはずなのに、
思い出そうとすると、薄れて消えていく。
突きつけられる現実と、重たい体に、
どこか頭がぼんやりしているせいもあるのかもしれない。]
あの人は、なんて――――。
[少し動くだけで体が痛むというのは、
意外と疲れるものなのだと知った。
ふとした身じろぎもしんどければ、
動かぬよう体を緊張させていてもつらいのだ。
自然と疲労が溜まり、
気が付けばまた、うとうとと。**]
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