189 とある結社の手記:8
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──湖のほとり──
[風のない水面は銀板のごとく、 傍近くの木々の緑をさかしまに映し出す。]
────。
[霧が出ていた。]
(1) miseki 2014/08/20(Wed) 23時頃
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[ヒィィロロロロ──と、影のような、 森のどこかで、鳥が鳴いた。]
─────。
[足音も無く、衣擦れの音も無く 長いスカートを揺らして、 ──女が、水辺を歩いている。]
(2) miseki 2014/08/20(Wed) 23時頃
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[ゆうらり ゆうらり。
女は誰ぞを探すように、首をめぐらせる。
手元で、動きに合わせて、 やはり何の音も無く、 下げられたランタンが揺れた。]
(3) miseki 2014/08/20(Wed) 23時頃
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[湖に視線を投げて、女の唇が僅かに開く。
" ダン "
唇の動きばかりが、二文字の名前を呼んだ。]
(4) miseki 2014/08/20(Wed) 23時頃
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[呼びかけに、帰りつく答えは聞こえない。
ゆうらり
ゆらり。
迎え火のように、蒼い火の灯るランタンを、 女は湖に向けて掲げてみせた。]
(5) miseki 2014/08/20(Wed) 23時頃
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[そこは、湖のほとり。 森を移す銀板のふち。]
"どこに?"
[その湖に、ただ生前の形をなぞるばかりの 音なき女の姿は──*影ひとつすら、映りはしない*。]
(6) miseki 2014/08/20(Wed) 23時頃
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──湖のほとり──
[ゆうらり、ゆうらり、湖のふちを女が歩く。 そうして、ぽつねんと湖を見る影に足を止めた。]
──風邪を、
[ナタリアの声に、生前のものによく似た声がほつりと落ちる。]
(9) miseki 2014/08/21(Thu) 15時頃
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[どうしてここに、とも声はなく、ゆうらり、 この世のものとも思えぬ青い火を揺らして、 湖に影を移さない女の目は、 されど確かに、死んだ老女を捕らえている。]
── ひいちまうよ。ばあさん。
[逆さにかける声は、生前に向けていた言葉を、 ただそのままになぞるよう。]
(10) miseki 2014/08/21(Thu) 15時頃
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……探してた
[見ていたのかと。その問いに、 考えるような間があった。
今聞いた言葉を、随分前にきいたように。]
(11) miseki 2014/08/21(Thu) 15時頃
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[死んだら、息を止める必要はないと、 そんな話を、昔に聞いたことは、あっただろうか。]
… 湖の奥に、
[腰の曲がった老女の隣に背の高い女が並ぶ。 どちらも、視線を向ける湖面には映らず、 陰気な女の存在感は、どこか亡羊としている。]
(12) miseki 2014/08/21(Thu) 15時頃
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深く、潜っていったら──
いなくなったやつらに、 会えると思うかい?
[ざ、ざ、ざ。と水面を揺らしていく風は、 老女のカーディガンも、女の髪も、もはや揺らすことは*ない*。]
(13) miseki 2014/08/21(Thu) 15時頃
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──湖のほとり──
[ざあ、ざあ、ざあ。と梢が揺れている。 沈黙の間に、湖面に輪が広がっていった。 対岸の見通せないほど広い澄んだ湖。]
────。
[>>@3 老女が頷いて、女の答えを引き取る。 陰りを帯びる視線は老女を見ず、 ただ、遠く深い湖へと投げられている。]
(22) miseki 2014/08/21(Thu) 22時半頃
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[夜の帳が下りる中、星の光を受けて、 湖はほのかに光っているように見えた。
ランタンの蒼い火が揺れる。
現世には移りこまぬ蒼い焔の代わりに、 星の光が、月が、湖に移りこみ揺れている。]
────…
[幾人もの人を連れて行った湖のほとりで、 老女が語り聞かせる声音で言った>>@5。]
(23) miseki 2014/08/21(Thu) 22時半頃
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[主様がいてね。と、老女の声が語る。]
……──。飛び魚の羽根を
[水面を見やっていた女は、 ゆるやかに顎を上に向けた。
月が見える。]
(24) miseki 2014/08/21(Thu) 22時半頃
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[背後には、村がある。点々と灯りがついている家々にはどこかで、娘の帰りを信じて待っている両親もいるだろう。]
……もらった皆は、帰りたかったのかね
[地上に。──家に。 誰かのところに。]
(25) miseki 2014/08/21(Thu) 22時半頃
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──。
自分から望んで、 どこかに行ってしまったってわけじゃあ
ないんだろうか
(26) miseki 2014/08/21(Thu) 22時半頃
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……白鳥じゃあ、
[空を見上げる。夜はまだ明けない。]
(27) miseki 2014/08/21(Thu) 22時半頃
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夜にゃあ、──きっと、下りては、これないね。
[月を瞳に映したままに、 女は、ぽつりとそう*言った*。]
(28) miseki 2014/08/21(Thu) 22時半頃
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──湖のほとり──
[月ばかりが浩々と湖を照らす。
ほとりにいる二人の背中に、 影は伸びないまま]
───、
[ただ、村の明かりばかりは、 ──見えなくなってしまった人間たちにも 家はここだと示すように灯されている。]
(40) miseki 2014/08/21(Thu) 23時半頃
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[風の他に音はなく、湖畔に人の気配はない。 魚たちすら眠っているかのようだった。
ただ。ゆったりと、 ──すでに人には聞こえぬ会話を交わす途中で、 老女が、首を傾げた。]
── ああ。
[ランタンを下げた女が、 空に浮かぶ月を見たままに声を落とす。]
(41) miseki 2014/08/21(Thu) 23時半頃
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[今もどこかで、畳んだ羽根に首をうずめて水面で眠っているのかもしれない。広げれば人を包めるような羽根を持つ白い水鳥。
水面を滑る船のように、 水に浮かぶ鳥。
ああ。そうか。と、魚屋の女は言った。
姿が変わったくらで、わからないのでは、随分仕方がない嫁だ。]
(42) miseki 2014/08/21(Thu) 23時半頃
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[ざあ。とひときわに大きく風が吹いた。 ──魚屋の女の髪が揺れる。]
─── きてたよ。
[緩やかに女の瞼が落ちる。見上げたなら、 微かに自嘲染みて笑う吐息だけが、そこに*残った*。]
(43) miseki 2014/08/21(Thu) 23時半頃
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──湖のほとり──
[湖に映りこんだ月は脆く、 風のひとなぎで散らされる。]
……そうだね。
[>>@14 曖昧に暈された言葉に頷く。]
(72) miseki 2014/08/22(Fri) 16時頃
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[思い出話を語る声に、目を眇めた。 ゆっくりと、魚屋の女が隣を見る。]
好きだよ。この、湖も。
[ここで、出会った。 ここで、暮らしてきた。]
(73) miseki 2014/08/22(Fri) 16時頃
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出ていくなんて、 ……考えもしなかったくらいだ。
[記者の青年に言った言葉は真実だ。 この湖がダンを飲み込んだのだと疑っても、
──思い出だらけのこの湖を、 嫌いにはなれなかった。]
(74) miseki 2014/08/22(Fri) 16時頃
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[──でも、]
…… ナタリア。
[片手にはランタンを下げて、 もうひとつの手を老女に差し出す。]
(75) miseki 2014/08/22(Fri) 16時頃
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[魚屋の影は微妙に、眉尻を下げた。]
……どこか、行きたいとこはあるかい。
[最期に。とは言わず、 手だけが老女の前におかれて*ある*]
(76) miseki 2014/08/22(Fri) 16時半頃
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―─湖のほとり─―
[>>@15 老女の声が続く。生まれてこのかた、 毎日の仕事から離れたことがない女は、 黙ってそれを聞き、]
……
[この村が一番だった。と、 その言葉にゆるやかに目を閉じた。]
(82) miseki 2014/08/22(Fri) 22時半頃
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[さしだした手に、細い手が重なる。 遠い昔を少し、思い出す。]
… それじゃあ、
[どこへ。とも言わぬ声に、 魚屋の女は、村の明かりへと目を向けた。]
(83) miseki 2014/08/22(Fri) 22時半頃
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……この村を、一巡りしてからいこうか。
[この村を、自分が──きっとはじめて、 出ていくことになるその前に。と、 そんな風に、この村の女だったものは*言った*。]
(84) miseki 2014/08/22(Fri) 22時半頃
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ワンダは、オスカーを抱きしめた。
miseki 2014/08/24(Sun) 00時頃
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